JP3733936B2 - 液体噴射装置及び液体噴射ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスクプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド及びそれを用いた液体噴射装置全般に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置として広く使用されているものに、インクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタにおいては、複数のノズル開口から液体であるインク滴を噴射するための液体噴射ヘッドとして記録ヘッドを備えている。この記録ヘッドによりインク滴を媒体である記録紙等の表面に着弾させて、画像や文字等を印刷するようにしている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタでは、移動手段により、上記記録紙等に対して相対的に移動されるキャリッジを備えており、このキャリッジに記録ヘッドが搭載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図18は、このようなインクジェットプリンタに搭載される記録ヘッドとして機能するために想定される構造を示す概略断面図であり、図19は、図18の符号Cで示す領域を拡大して示した図である。
これらの図において、記録ヘッド1は、ヘッドケース2と、このヘッドケースの図において上面に固定される回路基板Bとを備えている。ヘッドケース2は、図19に示されているように、フランジ状に広がる基部7と、この基部7から一体に延びて、図において下方に突出する先端部6を備えている。ヘッドケース2には、この先端部6の内部を利用して縦方向に並列に配置される複数の収容部H1,H1,H1が形成されている。
【0005】
図18に示すように、ヘッドケース2の収容部H1,H1,H1には、それぞれノズルの駆動手段としての振動子ユニット4,4,4が固定されている。詳しくは、図19に示すように、振動子ユニット4は、ヘッドケース2の収容部H1の内面に固定される取付板もしくは固定板4aと、この固定板4aに対して、一端が固定され、自由端を下方に向けて配置された振動子4bと、振動子4bに駆動電圧を印加するために、その一端が振動子4bに対して電気的に接続されたフレキシブル基板等でなるテープキャリア4cとを備えている。テープキャリア4cの他端は、回路基板Bに接続されている。
【0006】
一方、ヘッドケース2の先端部6の端面には、プレート状の積層構造をもつ流路ユニット3が固定されており、この流路ユニット3には、図18に示すように、複数のノズル開口3a,3a,3aが形成されている。そして、流路ユニット3の外側から、枠状の金属材料でなるヘッドカバー5が配置されている。ヘッドカバー5は、その先端に、流路ユニット3のノズル開口3a,3a,3aを露出する開口部5aを備えており、保護壁部5bにより、ヘッドケース2の先端部6の側面を覆い、曲折させてフランジ状となった支持部5cを利用して、ヘッドケース2の基部7と固定されるようになっている。
これにより、ヘッドカバー5は、精密な構造の流路ユニット3や、ヘッドケース2の側面部を覆って保護するとともに、金属材料によるアース効果によって、これらの部品のシールドを行っている。
【0007】
記録ヘッド1にあっては、駆動手段としての振動子ユニット4に、回路基板Bから駆動電圧を印加することで、図示しない手段により流路ユニット3に導かれたインクを、各振動子4bの振動によりノズル開口3aから噴射する。これにより、記録紙等の媒体(図示せず)の印刷面等に、所定の印刷を行う。
このような印刷を行った後においては、流路ユニット3のノズル開口3aの周囲等に、微量のインクが付着する場合がある。このため、クリーニング動作を行う。クリーニング動作は、例えば、図18に示すように、インクジェットプリンタに装備された払拭手段8等が、記録ヘッド1に対して、矢印A1に示すように相対的に接近し、その払拭面をノズル開口3aに接触させた状態で、矢印A2方向に相対的に移動することにより、ノズル開口3aの周囲に残ったインクを拭うことにより行われる。
【0008】
しかしながら、記録ヘッド1においては、このクリーニング動作により払拭される微量のインクが、図19のS1の空間に残る場合がある。つまり、クリーニング動作の際に、インクが、ヘッドカバー5の開口部5aから、ヘッドカバー5の内側に入り込み、空間S1等の内部空間に貯留されてしまうことがある。
すなわち、流路ユニット3は、ヘッドケース7の先端部6の端面に接着剤を用いて固定されるので、その接着代をとるためにも、流路ユニット3の外形は、ヘッドケース7の先端部6の端面の外形よりも必ず小さくなる。このことから、ヘッドカバー5の内側に、図19に示すような空間S1が必ず形成されることになる。
このため、ヘッドカバー5の内側に侵入したインクは、空間S1に貯留されてしまう。
この空間S1に溜まったインクは、ヘッドカバー5の保護壁部5bと、ヘッドケース2の先端部6の側壁との間の微細な隙間G1に、毛細管現象によって入り込み、矢印A3の方向に移動する。この矢印A3の方向に移動したインクが、回路基板Bにいたると、電気的短絡を生じる場合がある。
【0009】
つまり、図18、図19のような構成であると、隙間G1は、ヘッドケース2の基部7にいたるまで続いており、さらに基部7とヘッドカバー5の支持部5cとの間の隙間をきわめて小さいので、毛細管現象で移動するインクは、ヘッドケース2の基部7まで移動してしまう。このような状態で、記録ヘッド1が姿勢を変える場合、例えば、ユーザが記録装置100を運搬する場合等において、装置の本体や記録ヘッド1を傾けたりすると、空間S1に溜まり、かつヘッドケース2の基部7まで続くインクは、瞬時に回路基板Bにまわってしまう場合がある。
【0010】
この発明は上記課題を解消し、特に、ヘッドカバーの内側の空間にインクが貯留されることを防止して、液体が回路基板に悪影響を与えることを有効に防止できる液体噴射ヘッド及びそれを用いた液体噴射装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、液体を噴射するためのノズルと、これに連通し駆動手段により圧力変化を生じる圧力発生室とを形成するための流路ユニットと、該流路ユニットをヘッドケースに当接させ、ヘッドカバーにより保護する液体噴射ヘッドであって、前記ヘッドカバーが、前記流路ユニットの前記ノズルのノズル面を露出させる開口部と、この開口部の周囲に設けられ、前記流路ユニットの周縁部を前記ヘッドケースに対して支持するように覆う枠部と、この枠部から一体に起立し、前記ヘッドケースの先端部の側面を覆うように形成された保護壁部と、この保護壁部と一体に形成され、前記保護壁部から折り曲げられて周囲方向に延びた、前記ヘッドケースに対して固定するための支持部とを有しており、前記ヘッドカバーには、前記枠部と前記保護壁部と前記流路ユニットと前記ヘッドケースとで囲まれた空間と外部とを連通する切欠き部が形成されている、液体噴射ヘッドにより、達成される。
【0012】
請求項1の構成によれば、ヘッドカバーは、その枠部でヘッドケースの先端部の端面に固定された流路ユニットの周縁を覆い保護する。また、ヘッドカバーは、その保護壁部で、ヘッドケースの側面を覆い保護し、このヘッドカバーはその支持部が、ヘッドケースの基部に固定されるので、流路ユニットやヘッドケースの側面の保護を確実に行うことができる。このような構造において、ヘッドカバーには、枠部と保護壁部と流路ユニットとヘッドケースとで囲まれた空間と外部とを連通する切欠きが形成されている。このため、ヘッドカバーの内側に侵入したインク等の液体が、ヘッドカバー内側の空間から、切欠き部を介して外部に出るので、ヘッドカバー内側の空間にインク等の液体が貯留することを有効に防止できる。そして、このインク等の液体がヘッドカバーの内側を通り、他の部品までまわりこんで、悪影響を及ぼすことを回避できる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、液体噴射ヘッドに対するクリーニング動作における払拭手段の払拭方向と干渉しない位置に、前記切欠き部が設けられていることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、前記切欠き部が、払拭手段の払拭方向と干渉する位置を避けて設けられているので、比較的柔軟な材料で形成されている払拭手段がクリーニング動作に起因して切欠き部と当たることで、損傷を生じることが防止される。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの構成において、前記枠部が、ヘッドケースの先端部の周縁を囲む形状とされており、前記保護壁部が、この枠部から複数に分割されて起立するようにして、複数の保護壁部とされていて、前記切欠き部が、それが設けられる対応した保護壁部との関係において、複数に分割されていることを特徴とする。
請求項3の構成によれば、切欠き部は、ひとつの大きな切欠き部とならないように、複数に分割されているから、その分保護壁部や枠部をはじめとしたヘッドカバーの各部の強度を損なうことがない。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3の構成において、前記複数の切欠き部のうち、非印刷時にノズル面を被覆する被覆部材が装着される際の被覆部材側の案内部材と対応する位置に少なくともひとつの切欠き部が設けられており、この切り欠き部が、案内部材と対応する形状とされていることを特徴とする。
請求項4の構成によれば、切欠き部が、ヘッドカバー内側にインク等の液体の貯留を防止できるだけでなく、精密な位置合わせを必要とする前記被覆部材の装着時の案内手段として機能することができる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項3または4のいずれかの構成において、前記保護壁部として複数の保護壁部を有しており、これらの保護壁部のうち、一部の保護壁部に、前記支持部を備えていない場合において、この支持部を備えていない保護壁部には、他の支持部を備えている保護壁部と比較して、より多くの切欠き部を備えていることを特徴とする。
請求項5の構成によれば、前記支持部を備えない保護壁部の位置に多くの切欠き部を設けることで、ヘッドカバーのヘッドケースに対する固定強度を損なうことなく、有効な面積もしくは大きさの切欠き部を設けることが可能となる。
【0017】
上記目的は、請求項6の発明によれば、液体を噴射するためのノズルと、これに連通し駆動手段により圧力変化を生じる圧力発生室とを形成するための流路ユニットと、該流路ユニットをヘッドケースに当接させ、ヘッドカバーにより保護する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを、液体の噴射対象に対して、相対的に移動させる手段とを有する液体噴射装置であって、前記ヘッドの前記ヘッドカバーが、前記流路ユニットの前記ノズルのノズル面を露出させる開口部と、この開口部の周囲に設けられ、前記流路ユニットの周縁部を前記ヘッドケースに対して支持するように覆う枠部と、この枠部から一体に起立し、前記ヘッドケースの先端部の側面を覆うように形成された保護壁部と、この保護壁部と一体に形成され、前記保護壁部から折り曲げられて周囲方向に延びた、前記ヘッドケースに対して固定するための支持部とを有しており、前記ヘッドカバーには、前記枠部と前記保護壁部と前記流路ユニットと前記ヘッドケースとで囲まれた空間と外部とを連通する切欠き部が形成されている、液体噴射装置により、達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、この発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0019】
図1は、この発明の液体噴射装置の好ましい実施形態としてのインクジェット式記録装置の全体構造の一例を示す概略構成図である。
図において、インクジェット式記録装置(以下、「記録装置」と言う)100は、紙等の媒体Pの表面にインクを噴射して、印刷を行う装置である。
このため、媒体Pの印刷面に対向するように、インクカートリッジ102を搭載したキャリッジ101が配置されている。キャリッジ101には、このインクカートリッジ102と、後述する記録ヘッドとが搭載されている。この記録ヘッドのノズル形成面の先端部は、媒体Pの印刷面に向けられている。キャリッジ101には、タイミングベルト等のキャリッジ移動手段104が接続されており、この移動手段としてのタイミングベルト104は、タイミングモータ等の駆動手段105により駆動され、ガイド手段103に案内されて、例えば、プラテン106の方向と一致した矢印A4の方向に移動されるようになっている。以下の図面において、符号XとYを用いて方向を示す場合において、この矢印A4の方向を主走査方向として符号Yで示し、この主走査方向と直交する方向を副走査方向として、矢印Xで示す。
【0020】
この記録装置100の非印刷領域であるホームポジション(非印刷領域)には、例えば、キャリッジ101に搭載された記録ヘッド(後述)のノズル面を払拭するための払拭手段107が配置されている。この払拭手段107は、キャリッジ101に対して、その移動方向に対して相対的に移動して、記録ヘッドのノズル形成面を払拭するようになっている。このため、払拭手段107は、ゴム等のある程度弾性を備える払拭に適した材料と形態が選択される。
【0021】
また、この払拭手段107に隣接して、上記ホームポジションもしくはその近傍に、被覆部材(キャップ)109が配置されている。被覆部材109は、後述する記録ヘッド先端部を収容し得る形態で形成されており、記録ヘッド先端部を覆って内部を密閉空間として、負圧によりインクを吸着してクリーニングするためのものである。この被覆部材109には、ポンプユニット108が接続され、上記密閉空間に負圧を形成できるようにされている。したがって、このポンプユニット108及び被覆部材109と、これらに代え、これらに加えて上記払拭手段107を採用することで、全体として記録ヘッドの清掃手段110を形成している。
【0022】
図2及び図3は、記録装置100の図1で説明したキャリッジ101の具体的構成例を示す斜視図であり、図2は、記録ヘッド30を取り付けないキャリッジ101の状態を示し、図3は、記録ヘッド30を取り付けたキャリッジ101の状態を示している。
図2において、キャリッジ101は、前部側壁52、後部側壁54、両側壁51,53を備え、かつ底板57を備えることで、四方の側面と底部とに囲まれた内部空間Sを有するとともに、上方が開放されたボックス状の収容体である。
【0023】
このキャリッジ101の後部側壁54には、縦方向に延びるスリット56,56・・・が互いに平行に形成されている。このスリット56,56・・・は、キャリッジ101に収容されるインクカートリッジ102(図1参照)の各色インクの数に対応して設けられており、このスリット56,56・・・から、内部空間Sには、図示しない電極が突出するように設けられて、インクカートリッジ102の記憶手段の端子(図示せず)と接続されるようになっている。
【0024】
キャリッジ101の底板57には、図2に示すように、例えば、矩形の貫通孔59が形成されており、キャリッジ101の内部空間S内に、図3に示すように記録ヘッド30が取り付けられた状態で、記録ヘッド30のノズルが形成された先端部が底板57から露出するようになっている。
このキャリッジ101は、図1の記録装置100のガイド手段103と接続される部分と、これとは別体に形成され、記録ヘッド30やインクカートリッジ102等が挿入される部分とを有しているが、これらを一体に形成するようにしてもよい。
【0025】
図4及び図5はキャリッジ101に収容される本発明の液体噴射ヘッドの実施形態としての記録ヘッド30の概略斜視図であり、図6は、記録ヘッド30の分解斜視図である。
これらの図に示されているように、記録ヘッド30は、後述する各種の部品を取り付けるためのカートリッジ基台(以下、「基台」という)31を有している。基台31は、全体として、例えば、合成樹脂製の支持基台であり、図6に示されているように、その一面(図において上面)には、複数の区画が設けられている。この区画は、インクカートリッジ102(図1参照)の各色インクの数に対応して設けられている。各区画には、図示されているように、それぞれフィルタ33・・・を介して、それぞれインク供給針32・・・が取付けられている。
【0026】
基台31の他面には、パッキンとなるシート部材34を介して、回路基板35が取付けられるようになっている。シート部材34には、インクの供給用の貫通孔34aが形成されている。回路基板35は、例えば、インクの噴射ノズルを駆動するためのドライブ回路等や、本体側との接続のためのコネクタ、シート部材34のインクの供給用の貫通孔34aと対応する貫通孔等を備えている。
【0027】
さらに、記録ヘッド30は、駆動手段としての複数の圧電振動子を備える振動子ユニット36と、この振動子ユニット36が取付けられるヘッドケース37を備えている。振動子ユニット36は、固定板に複数の圧電振動子を並列的に固定したもので、図示しないテープキャリアを介して、回路基板35から駆動電圧が供給されるようになっている。この振動子ユニット36が駆動されることで、流路ユニット38に形成されるノズルからインクが吐出されるようになっている。
このため、振動子ユニット36の図示しないテープキャリアは、回路基板35の貫通孔に挿通されて、折り曲げ後、回路基板35に半田接続され、上記コネクタ等と接続されている。また、振動子ユニット36は、図7に示すように、ヘッドケース37の収納部37aに挿入されている。
【0028】
ヘッドケース37は、図5に示されているように、基台31に固定されるもので、上述した振動子ユニット36を収容するためのケーシングである。ヘッドケース37は、例えば、フランジ状に広がる形態を備えた基部65と、この基部65から一体に図7において下方に突出したほぼ直方体でなるブロック状の先端部61を有している。ヘッドケース37の基部65は、例えば、フランジ状に広がっており、後述するように、ヘッドカバー39の後述する支持部を固定するために機能する。
このヘッドケース37の先端部61の端面62(載置面)には、流路ユニット38が当接されて、例えば、接着剤等により固定されている。
流路ユニット38は、図7の下方から上方に向かって、ノズルプレート41、流路形成基板42、弾性板43を順次積層し、接着剤等で固定して一体化させることにより形成されている。
ノズルプレート41は、例えば、ステンレス製の薄板でなり、プリンタのドット形成密度に対応したピッチで、微細なノズル開口41aを列状に形成したものである。
【0029】
図8は、図7の流路ユニット38を拡大した断面図である。図において、流路形成基板42は、インクカートリッジから導かれるインクをノズルプレート41の各ノズル開口41aに送る流路を形成するもので、例えば、シリコンウエハーをエッチング処理して形成されている。流路形成基板42には、ノズルプレート41の各ノズル開口41aにそれぞれ対応して連通する複数の区画領域でなる圧力室68や、インクを貯留するための共通インク室66、この共通インク室と上記した圧力室を連絡する溝状のインク供給口67等が形成されている。
【0030】
弾性板43は、流路形成基板42の上に位置して配置されるもので、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の弾性フィルム43aの上に、例えば、ステンレス鋼等の金属製の支持板43bを積層した板材で形成されている。
この弾性板43は、流路形成基板42に重ねられ、この流路形成基板42の上述した圧力室68や、共通インク室66、インク供給口67の図7における上側の開口部を塞ぐ状態で固定される。そして、圧力室68と対応した箇所において、弾性板43は、上記金属製の支持板43bを環状に除去されて、内側にアイランド部69を残すようにし、このアイランド部69に、振動子ユニット36の各振動子64の先端が固定される。これにより、振動子64の動きは、アイランド部69を介して、圧力室68に伝えられるようになっている。また、弾性板43のインク供給口67と対応した箇所には、上記金属製の支持板43bが残されることにより、インク供給口67を形成する溝の流路断面積を保持するようになっている。さらに、弾性板43の共通インク室66に対応した領域では、上記金属製の支持板43bは除去されて、弾性フィルム43aだけを残すようにし、共通インク室66内のインクの増減等による動きに追従し、コンプライアンスを得る働きをするようにされている。
【0031】
図6のヘットカバー39は、金属製の保護部材で、図5に示すように、ノズルプレート41の外側から、その周縁部を包囲した状態で、流路ユニット38をヘッドケース37の先端部61に当接させた状態で保持するためのものである。
【0032】
記録ヘッド30は以上のように構成されており、基台31に固定された、各インク供給針32・・・は、対応する各色インクをそれぞれのカートリッジから基台31側に導き、インクは、シート部材34のインク供給用貫通孔34a等を通りヘッドケース37に保持された流路ユニット38に導かれる。この流路ユニット38においては、流路形成基板42の共通インク室66に一時貯留されたインクが、図8のインク供給口67を通り、振動子ユニット36の振動子64の動きにしたがって、圧力室68を介して、ノズルプレート41のノズル開口41aから噴射される。これにより、図1の媒体Pの印刷面にインクが着弾し、かくして、キャリッジ101が矢印A4の方向に送られることにより、媒体Pの印刷面にライン状に印刷が行われる。
【0033】
図9ないし図11は、本実施形態で使用されるヘッドカバー39について、それぞれ異なる角度から見た斜視図であり、図12は、ヘッドカバー39をヘッドケース37に取付け、このヘッドケース37が基台31に固定されている様子を示す概略断面図、図13は、図12の一部を拡大して示す図である。
これらを参照しながら、ヘッドカバー39の好ましい実施形態について説明する。
なお、図9ないし図11において、符号XとYで示した方向は、ヘッドカバー39が、ヘッドケース37に固定されて記録ヘッド30が形成された場合、この記録ヘッド30が図1の記録装置100に組み込まれた状態で、図1の矢印A4の方向を、主走査方向として符号Yで示し、この主走査方向と直交する方向を副走査方向として、矢印Xで示している。
【0034】
図9ないし図11において、ヘッドカバー39は、導電性の金属、好ましくは、錆びにくく、板厚を薄くしても剛性があり、導電性が良好である性質を有し、具体的には、例えば、ステンレスにより一体に形成されている。
図5や図12に示されているように、ヘッドケース37は、ヘッドカバー39に固定された状態で、流路ユニット38のノズルプレート41の一面であるノズル面に形成されたノズル開口41aを塞がないような開口部として第1の開口部71を有している。そして、この第1の開口部を囲むように、上記した金属製の枠部72を有している。
この枠部72は、図示の場合、ヘッドケース37のブロック状の先端部61の形状に適合させていれば、図示の形態に限られず、円形や多角形、楕円や長円等の形状としてもよいが、この実施形態では、矩形状の枠を形成している。
【0035】
枠部72からは、ほぼ90度曲折されて一体に延びる保護壁部が設けられている。保護壁部は、ヘッドケース37の先端部61の側面を覆い保護するものであり、ヘッドケース37の先端部61の側面の形態に合わせて、複数に分割されている。この実施形態では、枠部72が、四角形であることから、その四辺から、それぞれ区分された形態で、複数の保護壁部73,74,75,76がそれぞれ形成されている。
【0036】
この実施形態では、各保護壁部73,74,75,76のうち、それぞれ隣合う保護壁部の隣接する辺87,87は、面取りされている。つまり、これらの各辺87は、枠部72から遠ざかる方向に沿って、各保護壁部の幅を狭めるように傾斜することで、面取りされている。
これにより、後述するクリーニング後に、ヘッドカバー39の内側に入り込む残留液体としてのインクがヘッドカバー39の四隅の箇所に集まらないようにされている。
【0037】
ヘッドカバー39の保護壁部の全部または一部、この場合、例えば、保護壁部73,74,75には、ほぼ90度曲折させて延長されたフランジ状の支持部77,78,79がそれぞれ一体に形成されている。
この各支持部77,78,79は、ヘッドケース37に対して、ヘッドカバー39を取り付ける際に利用される。これら支持部のヘッドケース37に対する取付け、固定には、例えば、ビス止めや、熱カシメ等の手法を採用することができるが、この実施形態では、ビス止めを用いており、各支持部77,78,79には、ビス孔77a,78a,79aが設けられている。
これら各支持部77,78,79は、好ましくは、上記した保護壁部の隣接する辺87,87の面取り形状と連続する形態で面取りされている。
【0038】
また、ヘッドカバー39の保護壁部の全部または一部、この場合、例えば、保護壁部73,74,75には、ヘッドカバー39の第2の開口部81,82,83が形成されている。この第2の開口部81,82,83は、保護壁部のヘッドケース37の先端部61に対する保護機能等や強度を損なわない位置と大きさを考慮して形成されている。
同様にして、ヘッドカバー39の支持部の全部または一部、この場合、例えば、支持部77,78には、ヘッドカバー39の第3の開口部84,85が形成されている。この第2の開口部84,85は、これらが形成された支持部77,78のヘッドケース37に対する固定のための機能等や強度を損なわない位置と大きさを考慮して形成されている。
【0039】
さらに、記録装置100のクリーニング動作後に、ヘッドカバー39の内側に、インクが貯留されやすい箇所を選んで、例えば、ヘッドカバー39の枠部72と保護壁部の境界付近には、切欠き部が形成されている。この切欠き部は、ヘッドカバー39を貫通する開口として形成されており、インクが通過できるようになっている。切欠き部は、ひとつまたは複数形成されている。
この切欠き部の数に制限はなく、ヘッドカバー39の内側に、インクが貯留されやすい箇所ならどこに形成してもよい。しかしながら、この実施形態では、特に、枠部72と保護壁部75との境界に3つの開口部86,86,86が、枠部72と保護壁部76との境界に3つの開口部11,11,11が設けられている。
【0040】
これらの開口部は、図19で説明したヘッドカバーの内側の空間S1と実質的に同じである図13の空間S2に、できるだけインクを貯留させないようにするために形成されている。そして、特にこの実施形態において、枠部72と保護壁部75との境界と、枠部72と保護壁部76との境界の各位置を選んで形成した点を説明する。
この実施形態の記録ヘッド30におけるクリーニング動作は、図18で説明したのと同様でり、この実施形態では、図1で示した払拭手段107は、図10の矢印Y方向に相対的に移動されることを考慮したものである。
【0041】
すなわち、例えば、図10において、切り欠き部を枠部72と保護壁部73との境界及び/または枠部72と保護壁部74との境界の各位置に形成すると、矢印Y方向に移動する払拭手段107が、切り欠き部と接触してしまう。この場合払拭手段107は比較的柔軟な材料で形成されているから、払拭手段107が、金属製のヘッドカバー39の切り欠き部と繰り返し接触すると、払拭手段107が損傷することで、その機能を損なうことにつながる。
したがって、クリーニング動作における払拭手段107の払拭方向Yと干渉しない位置として、この実施形態では、枠部72と保護壁部75との境界と、枠部72と保護壁部76との境界の各位置を選んで、切り欠き部を形成したものである。
【0042】
また、ヘッドカバー39の内側の空間にできるだけインクを貯留させないためには、切り欠き部を大きくして、開口面積を大きくとることが好ましい。この点において、例えば、図10において、枠部72と保護壁部76との境界に形成した切り欠き部11,11,11をひとつの大きな開口でなるひとつの切り欠き部とすることもできる。しかしながら、このように、切り欠き部をひとつの大きな開口とすると、ヘッドカバー39の強度を損なう場合がある。したがって、切り欠き部は、分割された複数の切り欠き部として、合計の開口面積を大きくする構成とすることが好ましく、その合計の開口面積は、切り欠き部を形成しない場合の境界全体の面積の50パーセント程度までとすることが好ましい。
【0043】
さらに、切り欠き部を形成する位置は、上述した払拭手段107の払拭方向と干渉しない位置とすることに加えて、できれば、保護壁部76のように、支持部を備えない保護壁部と枠部72との境界を選ぶとさらに好ましい。
支持部を備えない保護壁部と枠部との境界に切り欠き部を設けることで、ヘッドカバー39のヘッドケース37に対する固定強度を損なうことなく、有効な面積もしくは大きさの切欠き部を設けることが可能となるからである。
【0044】
図13を参照して、ヘッドカバー39のさらに詳しい構成を説明する。
図13においては、保護壁部が支持部側に向かってその幅を拡大するように、した構成の具体例が示されている。この図では、詳しく示す都合上、保護壁部74の形態だけが示されているが、図9ないし図11で示した各保護壁部73,75,76も同様の形態である。そして、互いに対向する保護壁部は、対称の形態となる。
図13では、保護壁部74は、これと対向する保護壁部73とで、テーパ状となるように、徐々に開いた形態とされている。この形態は、図13では、上方に向かって左に角度θに傾斜して開いた部分として示されている。これにより、ヘッドケース37の先端部61の側面と、ヘッドカバー39の保護壁部74との間の隙間S3が上方に向かって徐々に大きくなるようにされている。
【0045】
また、好ましくは、保護壁部74の上記テーパ部分は、枠部72から所定の距離、例えば、L1の距離から始まり、保護壁部74の枠部72から距離L1までの箇所は、保護壁部74は、ヘッドケース37の先端部61の側面に密着して、位置決め部95とされている。すなわち、このL1の距離の分だけ、ヘッドカバー39の保護壁部とヘッドケース37の先端部61の側面が密着することで、ヘッドカバー39を取付ける際の位置決めがしやすくなり、作業性が向上する。
また、保護壁部74の上述のテーパ構造に代えて、例えば、図13に鎖線で示すように、段部96を形成して、この段部96から図において上方が、所定の幅に拡大するようにしてもよい。
【0046】
さらに、図13に示された、ヘッドケース37側の特徴的な構造について説明する。
ヘッドケース37の基部65と支持部78の固定箇所に対応した箇所には、ヘッドカバー39の支持部78に向かって突出する凸部もしくは突起、あるいはボス92が形成されている。
具体的には、ヘッドカバー39の支持部78が、ビス78bを用いて固定される際に、ワッシャ78cとの間にこの凸部92に介在するスペーサとして機能するようにされている。これにより、ヘッドケース37の基部65とヘッドカバー39の支持部78とが密着することなく、その隙間S4が開くようにされている。 そして、基部65の外周には、僅かに外方に突出する突起97が設けられ、この突起97を挟んで、上下にそれぞれ上向き段部97bと下向き段部97aが形成されている。
【0047】
また、ヘッドケース37の先端部61と基部65との間の箇所には、この先端部61の外周を包囲するように、溝部91が形成されている。
さらに、図13において、ヘッドケース37の基部65の上面と、ヘッドケース37の上に取付けられる回路基板35との間には、支持部93を設けることで、隙間94が形成されている。
【0048】
本実施形態は以上のように構成されており、次に、ヘッドカバー39を中心として、その特徴的な作用を説明する。
この記録装置100では、記録ヘッド30の先端部であるヘッドケース37とヘッドカバー39の箇所では、上述したクリーニング動作により、図12の矢印Y方向に払拭手段107が相対的に移動される。
このクリーニング動作後において、払拭されたインクの一部は、ヘッドカバー39の第1の開口部71から内側に入り込んで、図13の空間S2内に貯留されようとする。しかしながら、この実施形態では、ヘッドカバー39に、切り欠き部11,11,11及び86,86,86が形成されていることで、ヘッドカバー39の内側に侵入したインクは、これら切り欠き部から再び外部に導かれるので、ヘッドカバー39の内側にとどまるインクの量は格段に低減されることになる。
【0049】
しかしながら、それでもヘッドカバー39の内側に侵入したインクは、ヘッドケース37の先端部61の側面と、ヘッドカバー39との間の空間が狭いと、毛細管現象により、この隙間S3内を図13の矢印A6の方向に沿って進もうとする。このようなインクの進行方向、つまり、支持部78の方向には、他の部品、例えば、回路基板35等が存在するので、好ましくない。
そこで、この実施形態では、先ず、図13で示したように、保護壁部74が、上方にいくに従って拡幅している。つまり、テーパ状に開くことで、隙間S3が大きくなる。このため、ある程度隙間S3が大きくなったところで、毛細管現象が働かなくなり、矢印A6の方向にインクが移動しにくくされている。
【0050】
ここで、このテーパ状の拡幅部の開き角度θが、7度ないし10度に設定されていることが好ましい。
ヘッドカバー39の保護壁部のテーパ状の拡幅部の開き角度θが、7度未満の場合には、ヘッドカバーとヘッドケースとの間に浸入するインク等の液体に毛細管力が働くという欠点がある。また、ヘッドカバーの前記テーパ状の拡幅部の開き角度が、10度を超える場合には、ヘッドの大型化をまねくという欠点がある。前記ヘッドカバーの前記テーパ状の拡幅部の開き角度が、7度ないし10度にある場合には、ヘッドの大型化をまねくことなく、ヘッドカバーとヘッドケースとの間に浸入するインク等の液体に毛細管力が働かないようにすることができるという利点がある。
さらに、保護壁部74には、第2の開口部82が設けられていることから、ヘッドケース37の先端部61の側面と、ヘッドカバー39との間の空間としての隙間S3を形成する面積を減少させ、その分、液体を保持する間隔が存在する箇所を少なくしているので、この点においても、矢印A6の方向にインクが移動しにくくされている。
【0051】
しかしながら、それでも、インクがヘッドケース37の基部65付近まで達した場合には、溝部91により貯留される。このため、その貯留限度を越えない限り、図13の水平方向に沿って、基部65と支持部78との間の隙間S4をインクが進むことが防止される。
また、この実施形態では、基部65の凸部92が、基部65と支持部78との間の隙間S4を大きくするスペーサの役割を果たすことから、隙間S4が大きくされる。このため、毛細管現象が働かなくなり、矢印A7の方向にインクが移動しにくくされている。
さらに、支持部78には、第3の開口部85が設けられていることから、基部65と支持部78との間の隙間S4を形成する面積を減少させ、その分、液体を保持する間隔が存在する箇所を少なくしているので、この点においても、矢印A7の方向にインクが移動しにくくされている。
【0052】
さらに、基部65の外周付近まで等圧したインクがあった場合には、突起97下側の下向き段部97aに貯留され、貯留限度を越えたインクが矢印A8方向に回り込んだ場合には、上向き段部97bに貯留される。上向き段部97bの貯留限度を越えたインクが矢印A9の方向に移動した場合には、隙間94により、支持部93と回路基板35との間で、毛細管力の発生を防止し、電気的接続部へのインクの浸入を防止するようになっている。
【0053】
このように、本実施形態では、先ず、ヘッドカバー39に切り欠き部11,11,11や86,86,86を設けることで、ヘッドカバー39の内側の空間S2にインクが貯留されることが有効に防止される。これに加えて、ヘッドカバー39の内側に侵入したインクがあった場合においても、ヘッドカバー39とヘッドケース37との間で、毛細管現象が働きやすい隙間を無くすことで、このような隙間へのインクの入り込みと、保持をなくし、多量のインクがこのような隙間に広い面積にわたって貯留されることを防止して、回路基板35等へのインクの侵入を防止することができる。
特に、ヘッドカバー39の枠部72から支持部78にいたる範囲において、多くのインクが貯留されることを防ぎ、ユーザによる記録装置100の輸送等の際に記録ヘッド30の姿勢をかえたとき等に、多量に貯留されたインクが、回路基板35等の他の部品に侵入して、電気的短絡を生じたり、機能を阻害する恐れを有効に回避することができる。
【0054】
図14ないし図17は、本実施形態のヘッドカバー39の変形例を示す図である。
図14は、図1で説明した被覆手段109の周辺の構造を具体的に示す斜視図である。
図において、被覆部材(キャップ)109は、図1のキャリッジ101の矢印Y方向への動きに追従して移動するスライダ15に固定されている。スライダ15は、支軸16に支持されて、キャリッジ101の矢印Y方向への動きに追従して矢印Rに示すようにほぼ円弧状の軌跡に沿って昇降する。すなわち、キャリッジ101がホームポジション(非印刷領域)に移動したときに、スライダ15は矢印Rの上方に移動して、図14にしめされたヘッドカバー39が固定されている記録ヘッド30のノズル面を被覆するようになっている。
【0055】
ここで、スライダ15には、例えば、被覆部材109の幅方向の両側で、垂直に起立するように設けられたステー状の案内部材17,17が設けられている。このため、案内部材17,17もスライダ15の動きにしたがって、被覆部材109と同様に昇降されるようになっている。この案内部材17,17は、被覆部材109が記録ヘッド30のノズル面に正しく位置合わせされて覆うように案内するものである。
【0056】
図14のヘッドカバー39には、図9ないし図11で説明した切り欠き部が形成されているが、この変形例では、複数の切り欠き部の一部が図9ないし図11とは異なる形態とされている。
図15は、ヘッドカバー39の保護壁部75と枠部72との境界に設けた3つの切り欠き部86,12,86を示している。これらの複数の切り欠き部のうち、この変形例では、例えば、中央のひとつの切り欠き部12は、被覆部材109が、記録ヘッド30を被覆したときに、図14の案内部材17,17の一方と同じ位置になるようにされている。そして、図示されているように、他の切り欠き部86,86よりも高い位置まで切り欠かれていることで、案内手段とされている。
同様に、ヘッドカバー39の保護壁部76と枠部72との境界に設けた3つの切り欠き部も同様の構成とされている。
【0057】
図16は、被覆部材109が記録ヘッド30のノズル面である流路ユニット38の下面を被覆した状態を示す概略断面図であり、図17は、図16の符号Dで示した箇所を拡大して示す説明図である。
図17に示されているように、案内部材17は、案内手段としての切り欠き部12に嵌入されると、流路ユニットが位置決めされ、接着されるヘッドケース37とヘッドカバー39を介すことなく接することが可能となり、スライダ15に設けられた被覆部材109は、流路ユニット38の下面のノズル面を精度良く被覆することができる。
この状態で、図16に示すように、被覆部材109は、矢印Bに示すように、真空排気を行うことで、ノズル面のインク詰まり等をクリーニングすることができる。
このように、この変形例の場合には、切欠き部が、ヘッドカバー39の内側にインク等の液体の貯留を防止できるだけでなく、精密な位置合わせを必要とする前記被覆部材の装着時の案内手段として機能することができる。
【0058】
ところでこの発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態は、好ましい種々の構成を組み合わせた、最も好適な実施形態であるが、本発明の範囲は、このような実施形態に限るものではなく、例えば、ヘッドカバー39の構成として、切り欠き部の構造だけを単独に採用してもよい。また、保護壁部は複数に分割されていなくてもよく、この場合一つの保護壁部と枠部との境界にひとつまたは複数の切り欠き部を設けるようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ヘッドカバーの内側の空間にインクが貯留されることを防止して、液体が回路基板に悪影響を与えることを有効に防止できる液体噴射ヘッド及びそれを用いた液体噴射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の液体噴射装置の好ましい実施形態としてのインクジェット式記録装置の全体構造の一例を示す概略構成図。
【図2】 図1の記録装置100のキャリッジ101の具体的構成例を示す斜視図。
【図3】 図1の記録装置100の記録ヘッド30を取り付けたキャリッジ101の状態を示す図。
【図4】 図1の記録装置100のキャリッジ101に収容される本発明の液体噴射ヘッドの実施形態としての記録ヘッド30の概略斜視図。
【図5】 図1の記録装置100のキャリッジ101に収容される本発明の液体噴射ヘッドの実施形態としての記録ヘッド30の概略斜視図。
【図6】 図1の記録装置100の記録ヘッド30の分解斜視図。
【図7】 図1の記録装置100の記録ヘッド30のヘッドケース37の概略断面図。
【図8】 図7で示した流路ユニット38の一部を拡大した断面図。
【図9】 図6のヘッドカバー39の概略斜視図。
【図10】 図6のヘッドカバー39の概略斜視図。
【図11】 図6のヘッドカバー39の概略斜視図。
【図12】 図9のヘッドカバー39をヘッドケース37に取付け、ヘッドケース37が、基台31に固定されている様子を示す概略断面図。
【図13】 図12の一部を拡大して示す図。
【図14】 図1の被覆手段109の周辺の構造を具体的に示す斜視図。
【図15】 図9のヘッドカバーの変形例の構成を示す部分拡大図。
【図16】 図1の被覆部材109が記録ヘッド30のノズル面である流路ユニット38の下面を被覆した状態を示す概略断面図。
【図17】 図16の符号Dの部分の拡大図。
【図18】 記録ヘッドの一部を示す概略断面図。
【図19】 図18のCで示す箇所の拡大図。
【符号の説明】
100・・・インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、101・・・キャリッジ、30・・・記録ヘッド、31・・・カートリッジ基台、35・・・回路基板、36・・・振動子ユニット、37・・・ヘッドケース、38・・・流路ユニット、39・・・ヘッドカバー、41・・・ノズルプレート。11,11,11,86,86,86・・・切り欠き部。

Claims (6)

  1. 液体を噴射するためのノズルと、これに連通し駆動手段により圧力変化を生じる圧力発生室とを形成するための流路ユニットと、該流路ユニットをヘッドケースに当接させ、ヘッドカバーにより保護する液体噴射ヘッドであって、前記ヘッドカバーが、前記流路ユニットの前記ノズルのノズル面を露出させる開口部と、この開口部の周囲に設けられ、前記流路ユニットの周縁部を前記ヘッドケースに対して支持するように覆う枠部と、この枠部から一体に起立し、前記ヘッドケースの先端部の側面を覆うように形成された保護壁部と、この保護壁部と一体に形成され、前記保護壁部から折り曲げられて周囲方向に延びた、前記ヘッドケースに対して固定するための支持部とを有しており、前記ヘッドカバーには、前記枠部と前記保護壁部と前記流路ユニットと前記ヘッドケースとで囲まれた空間と外部とを連通する切欠き部が形成されていることを特徴とする、液体噴射ヘッド。
  2. 液体噴射ヘッドに対するクリーニング動作における払拭手段の払拭方向と干渉しない位置に、前記切欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記枠部が、ヘッドケースの先端部の周縁を囲む形状とされており、前記保護壁部が、この枠部から複数に分割されて起立するようにして、複数の保護壁部とされていて、前記切欠き部が、それが設けられる対応した保護壁部との関係において、複数に分割されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記複数の切欠き部のうち、非印刷時にノズル面を被覆する被覆部材が装着される際の被覆部材側の案内部材と対応する位置に少なくともひとつの切欠き部が設けられており、この切り欠き部が、案内部材と対応する形状とされていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記保護壁部として複数の保護壁部を有しており、これらの保護壁部のうち、一部の保護壁部に、前記支持部を備えていない場合において、この支持部を備えていない保護壁部には、他の支持部を備えている保護壁部と比較して、より多くの切欠き部を備えていることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
  6. 液体を噴射するためのノズルと、これに連通し駆動手段により圧力変化を生じる圧力発生室とを形成するための流路ユニットと、該流路ユニットをヘッドケースに当接させ、ヘッドカバーにより保護する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを、液体の噴射対象に対して、相対的に移動させる手段とを有する液体噴射装置であって、前記ヘッドの前記ヘッドカバーが、前記流路ユニットの前記ノズルのノズル面を露出させる開口部と、この開口部の周囲に設けられ、前記流路ユニットの周縁部を前記ヘッドケースに対して支持するように覆う枠部と、この枠部から一体に起立し、前記ヘッドケースの先端部の側面を覆うように形成された保護壁部と、この保護壁部と一体に形成され、前記保護壁部から折り曲げられて周囲方向に延びた、前記ヘッドケースに対して固定するための支持部とを有しており、前記ヘッドカバーには、前記枠部と前記保護壁部と前記流路ユニットと前記ヘッドケースとで囲まれた空間と外部とを連通する切欠き部が形成されていることを特徴とする、液体噴射装置。
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