JP3732982B2 - カッティング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカッティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の装置は例えば、本出願人により特願平11−243357号にて出願されている。この出願によると、被切断物が載置される載置部と、カッタと、カッタを主走査方向へ移動させる第1送り手段と、被切断物を副走査方向へ移動させる第2送り手段とが設けられている。そして、カッタは、カッタ刃の刃先がホルダの底面から突出する様に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記装置では、被切断物は、ホルダの底部と載置部に挟まれ、副走査方向へ移動されながら、カッタ刃の刃先により、切断される。この様に、ホルダの底部は被切断物を常に押圧しているので、カッタが主走査方向に移動する時や、被切断物が副走査方向に移動する時に、大きな抵抗力となり、被切断物を所定の形状に切断できない第1の欠点が有る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、被切断物が載置される載置部と、カッタと、前記カッタを主走査方向へ移動させる第1送り手段と、前記被切断物を副走査方向へ移動させる第2送り手段とを備え、前記カッタは、カッタ刃の刃先がホルダの底部から突出する様に構成され、前記ホルダの底部に前記被切断物の前記カッタ側の面と当接するボールを設け、
前記被切断物は前記ボールと前記載置部に挟まれた状態で、前記カッタが主走査方向へ移動されたり前記被切断物が副走査方向へ移動されたりすることにより前記被切断物が前記カッタ刃の刃先により切断される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るカッティング装置1を、図1と図2に従い説明する。図1はカッティング装置1の斜視図、図2はカッティング装置1の要部断面図である。
【0010】
これらの図に於て、本体2は例えば、左側体3と、右側体(図示せず)と、載置部4と底部5とから構成されている。左側体3と右側体は、例えば、共に板状に形成されている。載置部4は、左側体3および右側体を固定する様に、構成されている。底部5は載置部4に固定されている。
【0011】
排紙皿(図示せず)は例えば上方が開放した略凹状に形成され、載置部4の前面側に、着脱自在に取付けられている。給紙皿6も同様に、例えば上方が開放した略凹状に形成され、載置部4の後面側に、着脱自在に取付けられている。
【0012】
給紙皿6の近傍に第1軸7が設けられ、第1軸7に給紙ローラ8が設けられている。第1軸7が回転すると、給紙ローラ8も回転し、給紙ローラ8に当接した被切断物9が前進する様に設けられている。
【0013】
キャリッジ10は例えばプラスチックから成り、キャリッジ10の中央部には軸受が形成されている。第2軸11は上記軸受に挿入され、第2軸11の両端は各々、左側体3および右側体に固定されている。
【0014】
駆動ベルト(図示せず)はループ状に形成され、第2軸11と略平行に位置する様に設けられ、歯車(図示せず)は駆動ベルトの内歯と噛合って設けられている。歯車に形成された孔に、第1キャリッジモータ(図示せず)の軸が挿入され固定されている。
【0015】
キャリッジ10の後面側の適所は駆動ベルトに固定され、第1キャリッジモータが回転する事により、キャリッジ10は主走査方向(A方向)に移動する。この様に、キャリッジ10と、第2軸11と、駆動ベルトと、歯車と、第1キャリッジモータ等により、第1送り手段12が構成されている。
【0016】
また、カッタ13と吸引手段14は、キャリッジ10の前面側に固定されている。この様に、第1送り手段12はカッタ13を主走査方向へ移動させる様に、構成されている。
【0017】
送紙ローラ15は長尺の円柱状に形成され、載置部4の適所に設けられた開口部16の下方に設けられている。送紙ローラ15に設けられた軸は第1歯車(共に図示せず)の孔に挿入され、固定されている。搬送モータの軸は第2歯車(共に図示せず)の孔に挿入され、固定されている。第1歯車と第2歯車は噛合う様に配置されている。
【0018】
対向ローラ(図示せず)は長尺の円柱状に形成され、開口部16の上方に設けられている。これらの送紙ローラ15と、第1歯車と、第2歯車と、搬送モータと、対向ローラ等により、第2送り手段17が構成されている。
【0019】
この様にして、搬送モータが通電されると、送紙ローラ15は回転する。その結果、送紙ローラ15と対向ローラに挟まれた被切断物9は、副走査方向(B方向)へ搬送され、前進する。即ち、第2送り手段17は、被切断物9を、副走査方向へ移動させる。また、載置部4は、被切断物9が載置される様に構成されている。
【0020】
プリントキャリッジ18は例えばプラスチックから成り、上方が開放した略凹状に形成されている。プリントキャリッジ18の後方側には、軸受けが形成され第3軸19は上記軸受けに挿入されている。第3軸19の両端は各々、左側体3および右側体に固定されている。
【0021】
駆動ベルト(図示せず)はループ状に形成され、第3軸19と略平行に位置する様に設けられ、歯車(図示せず)は駆動ベルトの内歯と噛合って設けられている。歯車に形成された孔に、第2キャリッジモータ(図示せず)の軸が挿入され固定されている。
【0022】
プリントキャリッジ18の後面側の適所は、駆動ベルトに固定され、第2キャリッジモータが回転する事により、プリントキャリッジ18は主走査方向(A方向)に移動する。この様に、プリントキャリッジ18と、第3軸19と、駆動ベルトと、歯車と、第2キャリッジモータ等により第3送り手段20が構成されている。
【0023】
容器21は、例えば箱状に形成され、プリントキャリッジ18に固定されている。4個のインクタンク(図示せず)は容器21内に配置されている。4個のインクタンクには各々、例えば、黒色インクと、イエローインクと、マジェンタインクと、シアンインクが充填されている。
【0024】
印刷ヘッド22は、例えば4個の直方体状のものであり(図1では、簡単のために1個を示している)主走査方向Aに、互いに離れて位置している。各印刷ヘッド14a〜14dは、例えば各々、副走査方向Bに沿って64個のオリフィス(図示せず)が形成されている。
【0025】
印刷ヘッド22は、容器21の下部に固定され、プリントキャリッジ18の底面には開口部が形成されている。印刷ヘッド22に設けられた各オリフィスからインクは適宜、上部開口部を通り、被切断物(例えば紙等)9上に吐出される様に構成されている。
【0026】
次に、図2に従い、カッタ13を説明する。図2に於て、カッタ13を構成する上ホルダ23は、例えばプラスチックから成る。上ホルダ23は、略円筒状に形成され、上部外周には、例えば縦方向に凹凸が設けられた(横方向に凹凸を設けたり、その他、表面に適切な凹凸を設けても良い)握部23aが形成されている。
【0027】
上ホルダ23の外周の適所には、ネジ部23bが形成され、上ホルダ23の下部外周には、溝部23cが形成されている。上ホルダ23の内周23dは、断面が円形状に形成されている。
【0028】
中ホルダ24は例えばプラスチックから成る。中ホルダ24は略円筒状に形成され、上部外周には、外側に突出した固定部24aが形成されている。中ホルダ24の下部外周には、ネジ部24bが形成されている。
【0029】
中ホルダ24の上部内周には、ネジ部24cが形成され、ネジ部24cは、上ホルダ23のネジ部23bに螺合する様に設けられている。中ホルダ24の内周に於て、比較的直径が大きい径大部24dがネジ部24cにつながって形成されている。また、比較的直径が小さい径小部24eは径大部24dにつながって形成され、孔部24fは径小部24eにつながって形成されている。
【0030】
Oリング25は例えばゴム等から成り、略ドーナツ状に形成されている。Oリング25は、上ホルダ23の溝部23cと、中ホルダ24の径大部24dとの間に挿入されている。上ホルダ23の外周に設けられたネジ部23bと、中ホルダ24の内周に設けられたネジ部24cは螺合している。即ち、中ホルダ24の内周は、上ホルダ23の外周に螺合している。
【0031】
スプリングピン26は、磁性を有し、略円筒状に形成され、その外周が上ホルダ23の内周に当接して固定されている。押圧ピン27は、磁性を有し、スプリングピン26の内周に挿入され、固定され、押圧ピン27の上部は上ホルダ23の上端から突出する様に、設けられている。これらのスプリングピン26と、押圧ピン27等により、固定手段28が構成されている。
【0032】
磁石29は第1軸受30と、スプリングピン26の底面および押圧ピン27の底面とに挟まれて配置されている。この様に、磁石29は磁力により、スプリングピン26および押圧ピン27に当接する。また、押圧ピン27は上ホルダ23からの突出量を調整される事により、押圧ピン27の底面は適正な位置に維持される。即ち、上ホルダ23の中に配置された磁石29は、固定手段28により、高さ位置が決定され、かつ固定されている。
【0033】
第1軸受30は例えば磁性を有し、上面が磁石29の底面に当接し側面が上ホルダ23の内周に当接し、磁石29の磁力により磁石29に固定されている。第2軸受31は例えばベアリング等からなり、第2軸受31の側面は中ホルダ24の孔部24fに当接し、挿着されている。
【0034】
下ホルダ32は例えばプラスチックから成り、有底円筒状に形成され、その下部に孔(貫通孔)32aが形成されている。下ホルダ32の内周には、ネジ部32bが形成されている。このネジ部32bと、中ホルダ24のネジ部24bが螺合する様に設けられている。また、この螺合はネジ部32b、24bを途中の位置まで螺合するのではなく、ネジ部32b、24bのネジを完全に締め付けるまで(これを無調整と表現する)、螺合する。即ち、中ホルダ24の下端近傍の外周に下ホルダ32は無調整で螺合されている。中ホルダ24の溝部24gと、下ホルダ32の内周との間に、Oリング25が配置されている。
【0035】
カッタ刃34は例えば磁性を有する超鋼等から成る。カッタ刃34の上端は鋭角に形成され、中間部は上端につながって略円柱状に形成されている。径小部は中間部につながって形成され、刃先35は径小部につながって、(カッタ刃34の下端に)形成されている。この様に構成する事により、刃先35は下ホルダ32の孔32aから、外側に突出して設けられている。
【0036】
カッタ刃34の上端29は第1軸受30内に挿入され、第1軸受30により案内される。また、磁石29の磁力により、上端は上方へ引張られる力を受け、第1軸受30内に常時、位置している。カッタ刃34の下端近傍は、第2軸受31に挿入され、案内されている。
【0037】
カッタ刃34の上端は、上ホルダ23の内周側に(第1軸受30を介して)保持され、カッタ刃34の下端近傍は中ホルダ24の内周側(孔部24f)に(第2軸受31を介して)案内されている。
【0038】
そして、第1軸受30と第2軸受31により、カッタ刃34は、その中心軸に沿って、回転自在に設けられている(即ち、カッタ刃34はD1D2方向に回転自在である)。なお、図2に示す様に、上ホルダ23の握部23aは、中ホルダ24の固定部24aより上方に位置する様に、設けられている。
【0039】
また、下ホルダ32の底面近傍には、孔32aの周囲に、例えば、円周状に溝部32Cが形成されている。案内手段36は例えばボールベアリングから成り、下ホルダ32の溝部32C内に挿入され、固定されている。そして、案内手段36の底面が被切断物9の表面に当接する様に、構成されている。
【0040】
これらの上ホルダ23と、中ホルダ24と、下ホルダ32により、ホルダ37が構成されている。また、下ホルダ32は、ホルダ37の底部である。上述の内容をまとめると、カッタ13は、カッタ刃34の刃先35が回転自在に、かつホルダ37の底部(下ホルダ)32から突出する様に構成されている。また、案内手段36の底面が被切断物9の表面に当接する様に、案内手段36はホルダ37の底部32に設けられている。
【0041】
上記構成により、被切断物9は、ホルダ37の底部32と、載置部4に挟まれ案内手段36のボールにより案内され、副走査方向Bへ移動されながら、カッタ刃34の刃先35により、主走査方向へ切断される。
【0042】
また、ホルダ37の底部(下ホルダ)32は、すべり性の良い部材(例えばフッ素樹脂等)から構成されている。又は、ホルダ37の底部32は他のプラスチックや金属から構成され、少なくとも底面を覆う様に、すべり性の良い部材(フッ素樹脂等)がコーティングされても良い。以上の部品により、カッタ13は構成されている。
【0043】
吸引手段14は、パイプ38と、ファンと、モータ(共に図示せず)等から構成されている。パイプ38は例えばプラスチックや金属から成り、略逆L字状に形成されている。パイプ38の先端は、カッタ刃34の刃先35の近傍に位置する様に、カッタ13に近接して、キャリッジ10の適所に固定されている。
【0044】
上記モータを通電する事により、ファンが回転し、パイプ38内が負圧となり切断時に発生した切断粉(紙の粉等)を吸引する。また上記ファンとモータは、このカッティング装置1に用いられる電源部等の冷却ファンを兼ねても良い。上記内容をまとめると、カッタ刃34の刃先35の近傍に、吸引手段14が設けられ、吸引手段14は、被切断物9を切断する時に発生した切断粉を吸引する様に構成されている。
【0045】
更に、移動手段が設けられている。移動手段は基台と、可動部と、ソレノイド等(いずれも図示せず)から構成されている。基台はキャリッジ10に固定されている。可動部は1端が基台に固定され、他端がカッタ13を保持している。ソレノイドは可動部に連結している。
【0046】
ソレノイドの通電が停止されると、可動部が上方向へ移動し、カッタ13が上方向(C1方向)へ移動し、刃先35が被切断物9から離れる。また、ソレノイドが通電されると、カッタ13が下方向(C2方向)へ移動し、刃先35が被切断物9内へ切り込む様に構成されている。
【0047】
次に、図1と図2に従い、カッティング装置1の動作を説明する。これらの図に於て、使用者は最初に、カッタ13の刃先35の突出量を調整する。この時、カッタ13の固定部24aは、キャリッジ10に固定されている。
【0048】
次に使用者は、給紙皿6上に複数の被切断物9を収容する。使用者はカッティング装置1に設けられた電源プラグを室内の電源コンセント(共に図示せず)に挿入する。使用者は操作部に設けられた電源スイッチ(共に図示せず)を押すと動作が開始する。
【0049】
制御部(マイクロコンピュータ等から成るが図示せず)は第2送り手段17の搬送モータを通電させ、被切断物9を副走査方向Bへ搬送させる。紙センサ(図示せず)が被切断物9の先端を検知し、被切断物9は更に前進する。この時に、カッタ13の刃先35は上方(C1方向)に位置している。被切断物9が所定の位置(ホームポジション)まで前進すると、制御部は搬送モータの通電を停止する。そして制御部は、パソコン(図示せず)より、印刷データを取り込む。
【0050】
次に制御部は、第2キャリッジモータを通電させ、プリントキャリッジ18を主走査方向Aの左端から右端へ移動させる。制御部は上記動作と共に、印刷ヘッド22に設けられた各圧電素子に対し電圧を印加し、インク液を適宜吐出させ、印刷を行う。
【0051】
制御部は、印刷動作を終了すると、第2送り手段17をして、被切断物9をホームポジションに戻らせる。制御部はパソコンより、カットデータを読込む。カットデータとは、カッタ13の刃先35をアップさせるか又はダウンさせるかを指示する信号と、座標とから成る。
【0052】
例えば、上記カットデータに於て、上記信号がダウンを指示する信号であるとする。この時、制御部は、ソレノイドに通電させる。
【0053】
その結果、カッタ13は下方(C2)に移動し、下ホルダ32の底面が被切断物9の表面に略当接し停止する。この時、カッタ13の刃先35は、被切断物9の全厚さに挿入されている。
【0054】
次に制御部は上記刃部27を全厚さに切り込ませた状態において、カットデータに従い、第1送り手段12および第2送り手段17を動作させる。この様にして、被切断物9は、載置部4の表面と下ホルダ32の底面とに挟まれながら、案内手段36のボールにて案内されながら第2送り手段17により、搬送される。そして、刃先35は被切断物9を所定の形状に切断する。この切断動作と同時に吸引手段14は、切断時に発生した切断粉を吸引する。
【0055】
そして制御部は、刃先35の現在位置が、カットデータに於けるアップ位置であると判定すると、切断動作および吸引動作を終了する。即ち、制御部は、ソレノイドの通電を停止させ、カッタ13を上方(C1)へ移動させ、カッタ13を元の状態へ戻す。以上で、一連の動作を終了する。
【0056】
【発明の効果】
上述の様に請求項1の本発明では、被切断物はボールと載置部に挟まれた状態で、カッタが主走査方向へ移動されたり被切断物が副走査方向へ移動されたりすることにより被切断物がカッタ刃の刃先により切断される。この構成により、カッタが主走査方向へ移動する時や被切断物が副走査方向へ移動する時に小さな抵抗力となる。その結果、被印刷物を所定の形状に、正確に切断する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカッティング装置1の斜視図である。
【図2】上記カッティング装置1の要部断面図である(カッタ13が下方に位置している状態を示す)。
【符号の説明】
4 載置部
12 第1送り手段
13 カッタ
17 第2送り手段

Claims (1)

  1. 被切断物が載置される載置部と、カッタと、前記カッタを主走査方向へ移動させる第1送り手段と、前記被切断物を副走査方向へ移動させる第2送り手段とを備え、前記カッタは、カッタ刃の刃先がホルダの底部から突出する様に構成され、前記ホルダの底部に前記被切断物の前記カッタ側の面と当接するボールを設け、
    前記被切断物は前記ボールと前記載置部に挟まれた状態で、前記カッタが主走査方向へ移動されたり前記被切断物が副走査方向へ移動されたりすることにより前記被切断物が前記カッタ刃の刃先により切断される事を特徴とするカッティング装置。
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