JP3732892B2 - 釣り上げゲーム装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、クレーン又は釣り竿を利用して景品を釣り上げるようにした釣り上げゲーム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クレーンを利用した釣り上げゲーム装置として図13に示すものがある。
このゲーム装置は、グラブ1を昇降自在に吊り下げたクレーン2を透明なケース3内の高所に設けたレール4上に載置して、左右および前後方向に移動できるようにしたもので、ゲームを行う際は、狙った景品5の真上にグラブ1がくるようにクレーン2を移動させたのちグラブ1を降下させ、左右のアーム6,6を締付動作させてアーム先端の爪7,7で景品5を掴み、その後、グラブ1を巻き上げてシュート8の上方に景品5を移動し、ここで爪7,7を開いて景品5をシュート8内に落下させ、景品取出口9から景品5を取り出すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のゲーム装置には、次に述べるような問題点があった。
(1)グラブのアーム6,6の駆動機構が複雑なため、装置の制作費が高価である。
(2)比較的大重量の景品を掴もうとすると、爪7がすべって景品5の釣り上げが困難になるため、景品はもっぱら小型・軽量のものに限定される。
【0004】
この発明は前記の問題点に鑑み、従来のものに比べて制作費が安価で、比較的大重量の景品を釣り上げ得る釣り上げゲーム装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、この発明では次の2つの手段を構成した。
第1の手段は景品の釣り上げにクレーンを使用するもので、クレーンから垂下する釣り糸の下端に棒状部材の中央部を揺動自在に取り付け、この棒状部材の両端部をカプセルの上半部の内側に引っ掛けてカプセルを釣り上げ、カプセルの中に収容した景品を取り出すようにしている。
【0006】
カプセルは上下二つ割れ構造で、上半部は上方に向って先細りしており、その頂部には穴が設けられていて、傾斜状態にある棒状部材がこの穴を通ってカプセルの中に進入できるようになっている。
【0007】
更に、クレーンについて詳述すると、このクレーンの走行装置、巻上機等は従来と同様であるが、カプセル内に受け入れた棒状部材をカプセルから離脱させる装置を設けた点が新規である。
この離脱装置は、下方に向って開口する載頭円錐状の笠状部材と、下端部を斜めにカットして斜面部を形成した管状のストッパ部材等によって構成されていて、このストッパ部材の中心部を釣り糸が貫通している。
【0008】
この離脱装置は次のように作動する。すなわち、棒状部材がストッパ部材の下端に当接するまで釣り糸を巻き上げ、更に釣り糸を巻き上げると、棒状部材がストッパ部材の下端を支点として鉛直面内で回動し、棒状部材の一端がカプセルの穴を通ってカプセルの外に脱出する。
この際、笠状部材は、その下端がカプセルの上半部を押圧してカプセルの動きを拘束しているので、棒状部材は容易にカプセルから離脱する。
【0009】
この発明の第2の手段は景品の釣り上げに釣り竿装置を使用するもので、釣り竿から垂下する釣り糸の下端に棒状部材の中央部を揺動自在に取り付け、この棒状部材の両端部をカプセルの上半部の内側に引っ掛けてカプセルを釣り上げ、カプセルの中に収容した景品を取り出すようにしている。
カプセルは上下二つ割れ構造で、上半部は上方に向って先細りしており、その頂部には穴が設けられていて傾斜状態にある棒状部材がこの穴を通ってカプセルの中に進入できるようになっている。
【0010】
更に、釣り竿装置について詳述すると、この装置は中空構造の釣り竿と、この釣り竿の把手部の根元を支点として釣り竿を水平方向に旋回自在に、かつ鉛直方向に俯仰自在に支持する軸受台と、この軸受台の下方に設けたリールから繰り出されて把手部の根元の部分から釣り竿の内部に入り、更に釣り竿の内部を貫通してその先端から垂下する釣り糸と、この釣り糸の下端に中央部を揺動自在に取り付けた棒状部材等によって構成されている。なお、本発明に係るゲーム装置は、前記リールを駆動する電動機と、ゲーム開始後、一定時間が経過すると、電動機に電力を供給する限時タイマーとをさらに備え、釣り糸は、ゲーム開始後、一定時間が経過すると巻上げられて、ゲームを終了させるようになっている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図9は、この発明の第1の手段を示すもので、この手段の主要部は、釣り糸11を巻上げおよび巻下し可能に垂下したクレーン12と、前記釣り糸11の下端に、中央部を揺動自在に取り付けた棒状部材13と、景品14を収容した中空のカプセル15等によって構成されており、前記クレーン12は透明なケース16内の高所に設けた横行レール17上に載置されており、この横行レール17の両端部は、走行レール(図示せず)上を紙面に直交する方向に移動するようになっている。
なお、図中の18は横行用の車輪、19は巻上機である。
【0012】
クレーン12の下面には、図2および図3に示すように、下方に向って末拡がりに開口した載頭円錐状の笠状部材20が取り付けられており、更に、この笠状部材20の天板22の中心部には、下端部を斜めにカットして斜面部23を形成した管状のストッパ部材24が鉛直方向に突設されていて、このストッパ部材24の中心部を釣り糸11が貫通している。
【0013】
中空のカプセル15は合成樹脂でつくられていて、図4に示すように先細りした頂部に円形の穴25を設けた上半部26と、下すぼまりの下半部27からなる二つ割れ構造としてつくられており、上半部26と下半部27を手で掴んで引っ張ると容易に分離してカプセルの内部に収納した景品(図示せず)を外部に取り出せるようになっている。
【0014】
穴25の直径は棒状部材13の全長より若干小さく設定されていて、棒状部材13を傾斜させると、棒状部材13が穴25を通ってカプセル15の中に進入することができ、また棒状部材13が水平状態になると、棒状部材の両端部がカプセルの上半部26の内側に引っ掛かってカプセル15を釣り下げるようになっている。
【0015】
次に、この釣り上げゲーム装置の取扱要領および作動について説明する。
カプセルを釣り上げるには、図5に示すように狙ったカプセル15の真上から若干、ずれた位置に釣り糸の下端がくるようにクレーン12を移動して釣り糸11を巻き下す。
この操作によって、棒状部材13は図6に示すように傾斜した状態でカプセル15の中に進入する。
【0016】
ここで、釣り糸11を僅かに巻き上げると、図7に示すように棒状部材13は水平状態になって棒状部材13の両端がカプセル15の上半部26内側に引っ掛かった状態になり、カプセルを釣り上げる準備が完了する。
【0017】
次にカプセルを釣り上げ、図1の矢印c、cに示すようにシュート28の上方に移動させる。移動中、カプセル15が傾斜すると、棒状部材13がカプセルから離脱するおそれがあるが、図8に示すように棒状部材13がストッパ部材24の下端に近接するまで、釣り糸を巻き上げておくと、笠状部材20の下端がカプセル15の上半部26に近接して、カプセル15の動きを拘束し、カプセルの落下を防止する。
【0018】
かくしてカプセル15がシュート28の上方に到達すると、ここで釣り糸11を更に巻上げる。
この操作によって、棒状部材13は図9に示すようにストッパ部材24の下端を支点として鉛直向内で回動し、ストッパ部材24の斜面部23に当接して傾斜状態になる。
【0019】
この際、カプセルの上半部26が笠状部材20の下面に当接して、カプセル15の動きを拘束しているので棒状部材13はカプセル15から離脱し、カプセル15は自然落下してシュート28に捕捉され、取出口29に導かれる。そこで遊技者は、カプセル15を上下方向に二分して景品14を外部に取り出す。
【0020】
以上に述べたように、この装置によると、図14に示したグラブを使用しないので、ゲーム装置の制作費が安価で済み、また比較的大重量の景品を釣り上げることができる。
また棒状部材13の長さを適宜変更して棒状部材とカプセルとの引掛かりの程度を変化させ、また棒状部材13の両端部の形状を適宜変更してカプセルと棒状部材との摩擦抵抗を変化させると、ゲームの難易度を容易に調整することができる。
【0021】
次に、この発明の第2の手段を図面を参照して説明する。図10ないし図12は第2の手段の実施の形態を示すもので、この手段の主要部は、鋼、黄銅、不銹鋼等の金属製材料でつくった中空構造の釣り竿31と、この釣り竿の把手部32の根元33を支点として釣り竿全体を水平方向に旋回自在に、かつ鉛直方向に俯仰自在に支持する軸受台34と、リール35から繰り出されて把手部の根元33から釣り竿31の内部に入り、更に釣り竿31の内部を貫通してその先端から垂下する釣り糸11と、この釣り糸11の下端に、中央部を揺動自在に取り付けた棒状部材13と、内部に景品14を収容した上下二つ割れ構造の中空のカプセル15等によって構成されており、前記リール35は軸受台34の下方に設けた中空の基台42の内部に配置されている。
【0022】
軸受台34はアルミ合金製で、図11に示すように、釣り竿31に固着した左右のピン36,36を水平な軸線aの周りに回転自在に支承する頭部37と、この頭部37の下部に一体に取り付けた中空の支持部38によって構成されている。
【0023】
支持部38の下面は平坦な水平面を形成していて、その中心部、すなわち前記左右のピン36,36の中間位置の真下に相当する部分にピン39が鉛直方向に突設されている。
更に、支持部38は、基台42の上面に埋め込んだ軸受用座金40の上部に載置されていて前記ピン39が軸受用座金40の中心部を貫通し、鉛直な軸線bの周りに回転自在に支承されている。
【0024】
把手部の根元33には、釣り竿内の釣り糸11をリール35に導く滑車43が水平な支持軸44に回転自在に支承されていて、この支持軸44は左右のピン36,36の内端部に固定されている。
【0025】
中空のカプセル15は合成樹脂でつくられていて、図4に示すように先細りした頂部に円形の穴25を設けた上半部26と、下すぼまりの下半部27とからなる二つ割れ構造としてつくられており、上半部26と下半部27を手で掴んで引っ張ると容易に分離してカプセルの内部に収納した景品(図示せず)を外部に取り出せるようになっている。
【0026】
穴25の直径は棒状部材13の全長より若干小さく設定されていて、棒状部材13を傾斜させると、図6に示すように棒状部材13が穴25を通ってカプセル15の中に進入することができ、また棒状部材13が水平状態になると、図7に示すように棒状部材の両端部がカプセルの上半部26の内側に引っ掛かってカプセル15を釣り下げるようになっている。
更に、カプセルの下半部27は図12に示すように、紐状物45を介して台46の上面に固定されている。
【0027】
次に、このゲーム装置の取扱要領および作動について説明する。
カプセル15を釣り上げるには、釣り竿31の把手部32を手で握って釣り竿を操作し、狙ったカプセル15の真上から若干、ずれた位置に釣り糸の下端がくるように釣り竿31を操作して釣り糸を下げる(図5参照)。
この操作によって、棒状部材13は図6に示すように傾斜した状態でカプセル15の中に進入する。
ここで、釣り糸11を僅かに持ち上げると、図7に示すように棒状部材13は水平状態になって棒状部材13の両端がカプセル15の上半部26の内側に引っ掛った状態になり、カプセルを釣り上げる準備が完了する。
【0028】
次に、図12に仮想線で示すように釣り竿31の先端を持ち上げながら鉛直な軸線bの周りに旋回させてカプセル15をシュート28a上方の高所に移動させる。
そして、紐状物45が延び切ると、カプセル15が上下方向に二分して景品14がカプセル15の外に飛び出し、シュート28a内に落下する。
【0029】
なお、ここには図示していないが、リール35は給電回路に限時タイマーを設けた電動機(図示せず)によって回転駆動されるようになっており、ゲーム開始後一定時間が経過すると限時タイマーが作動してリール35が釣り糸11を巻き取り、ゲームを終了させるようになっている。
【0030】
更に、ここには図示していないが、基台を支持する台の上面の部分に蟻溝加工を施し、基台を、この蟻溝に沿って前後方向に移動できるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上に示すように、この発明は次の優れた効果を発揮する。
(1)従来の装置のようにグラブを使用しないのでゲーム装置の制作費が安価で済む。
(2)前記と同様の理由により、比較的、大重量の景品を釣り上げることができる。
(3)棒状部材の長さおよび両端部の形状を適宜、変更することによって、ゲームの難易度を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の手段の発明の実施の形態を示す切断正面図である。
【図2】図1に示す笠状部材およびストッパ部材の切断正面図である。
【図3】図2におけるIII−III方向からの一部切断矢視図である。
【図4】図1に示すカプセルの切断立面図である。
【図5】カプセルの釣り上げ要領を説明する斜視図である。
【図6】同じくカプセルの釣り上げ要領を説明する斜視図である。
【図7】同じくカプセルの釣り上げ要領を説明する斜視図である。
【図8】移送中のカプセルの釣り上げ状態を説明する正面図である。
【図9】棒状部材をカプセルから離脱させる要領を説明する正面図である。
【図10】第2の手段の発明の実施の形態を示す切断側面図である。
【図11】図10に示す軸受台の切断正面図である。
【図12】ゲーム装置の取扱要領を説明する切断背面図である。
【図13】従来のゲーム装置の切断正面図である。
【図14】図13に示すグラブの斜視図である。
【符号の説明】
11 釣り糸
12 クレーン
13 棒状部材
14 景品
15 カプセル
16 ケース
20 笠状部材
23 斜面部
24 ストッパ部材
25 穴
26 上半部
31 釣り竿
32 把手部
33 根元
34 軸受台
35 リール

Claims (4)

  1. 透明なケース内部の高所を移動し、かつ巻上げおよび巻下し可能に垂下させた釣り糸の下端に棒状部材の中央部を揺動可能に取り付けたクレーンと、先細りした上半部の頂部に穴を形成し、かつ内部に景品を収容した上下二つ割れ構造の中空のカプセルとを備え、
    前記棒状部材の両端部が前記カプセルの上半部の内側に引っ掛かるようにクレーンを操作してカプセルを釣り上げることを特徴とする釣り上げゲーム装置。
  2. 下方に向って開口する載頭円錐状の笠状部材と、前記笠状部材の中心部に同芯に配置され、かつ下端部を斜めにカットして斜面部を形成した管状のストッパ部材とを備え、
    前記ストッパ部材の中心部を釣り糸が貫通するように笠状部材をクレーンの下端に取り付けてある請求項1に記載の釣り上げゲーム装置。
  3. 中空構造の釣り竿と、前記釣り竿の把手部の根元を支点として釣り竿全体を水平方向に旋回自在に、かつ鉛直方向に俯仰自在に支持する軸受台と、この軸受台の下方に設けたリールから繰り出されて把手部の根元の部分から釣り竿の内部に入り、更に釣り竿の内部を貫通してその先端から垂下する釣り糸と、この釣り糸の下端に中央部を揺動自在に取り付けた棒状部材と、先細りした上半部の頂部に穴を形成し、かつ内部に景品を収容した上下二つ割れ構造の中空のカプセルとを備え、
    前記棒状部材の両端部が前記カプセルの上半部の内側に引っ掛かるように釣り竿を操作してカプセルを釣り上げることを特徴とする釣り上げゲーム装置。
  4. 前記リールを駆動する電動機と、ゲーム開始後、一定時間が経過すると、前記電動機に電力を供給する限時タイマーとをさらに備え、前記釣り糸は、ゲーム開始後、一定時間が経過すると巻上げられることを特徴とする請求項3に記載の釣り上げゲーム装置。
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