JP3732455B2 - 扁平形非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン形非水電解質電池やコイン形非水電解質電池などの扁平形非水電解質電池に関し、さらに詳しくは、封口板が正極端子を兼ね、金属外装缶が負極端子を兼ねる構成を有し、高容量で、かつサイクル特性が優れていて、しかも信頼性の高い扁平形非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボタン形やコイン形などの扁平形の非水電解質電池は、一次電池、二次電池のいずれも、各種電子機器の主電源やメモリーバックアップ電源として広く用いられている。
【0003】
特に、電子機器の小型化に伴って、従来では直径が10〜20mm程度の電池が主流であったのが、最近では直径8mm以下の小型の電池が要求されるようになってきた。
【0004】
この扁平形非水電解質電池では、従来、図5に示すように、正極端子を兼ねる金属外装缶4の開口端部を内方に締め付けることにより、金属外装缶4と負極端子を兼ねる封口板5およびガスケット6とで、負極1、正極2、リチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液などの発電要素を内部に密閉する構造を採用しており、通常は、負極1と正極2はほぼ同面積とするか、あるいは負極1を封口板5側に配置する関係から、負極1の面積を正極2の面積より小さくするのが通例であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記扁平形非水電解質電池では、電池の容量が主として正極の容量に依存するように設計されており、一方、電池のサイクル特性は主として負極の容量に依存するため、正極の容量と負極の容量とのバランスにより、電池の容量とサイクル特性が決定される。従来のように直径が10〜20mm程度の電池では、前記のように負極と正極の面積がほぼ同程度となる条件で両電極の容量比が決定され、電池の容量とサイクル特性のどちらもある程度満足できる電池設計となっていた。
【0006】
しかしながら、従来の比較的直径の大きな電池においても、良好なサイクル特性を維持しながら、より一層の高容量化が要求されていた。さらに、小型の電池に至っては、上記従来構成によって扁平形非水電解質電池を小型化した場合には、電池全体の体積に比べてガスケットなどの発電要素以外のものが占める体積の割合が増加するため、電池内部の体積の減少割合に比べて電池内部の有効内容積の減少割合が大きくなり、目的とする容量の電池を設計できなくなるという問題があった。しかも、電池の小型化に伴い、電解液の含有量が規制されてしまうため、電池のサイクル特性は、正極と負極の容量比率に大きく依存するようになり、従来の直径が10〜20mm程度の電池において採用されていた容量比率ではサイクル特性が大幅に低下することも判明した。
【0007】
ところが、上記問題を解決するために、正極の割合を減少させて負極の容量比率を大きくすると、電池の容量が大幅に減少して実用性を欠く電池になってしまい、電解液量を増量すると、サイクル特性は改善されるものの電解液の漏液が容易に生じ、また、電池内部の有効内容積を確保するため、ガスケットの体積割合を減少させると、ガスケットによる封止能力が低下して密閉性が悪くなるなどの問題が生じることも判明した。
【0008】
本発明は、上記のような扁平形非水電解質電池の問題点を解決し、高容量で、かつサイクル特性が優れ、しかも耐漏液性が優れていて信頼性の高い扁平形非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、封口板および金属外装缶とそれらの間に介在させたガスケットとを備え、前記金属外装缶の開口端部を内方に締め付けることにより、負極、正極および非水電解質を内部に密閉してなる扁平形非水電解質二次電池において、前記封口板が正極端子を兼ね、前記金属外装缶が負極端子を兼ね、前記負極は、金属箔または金属板よりなる導電性基体と、前記導電性基体上に形成された活物質層とを含み、前記導電性基体の外周部には、活物質層が形成されていないか、またはその形成が抑制されており、金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に前記負極の導電性基体の外周部を配置する構成とすることにより、高容量で、かつサイクル特性が優れ、しかも耐漏液性が優れていて信頼性の高い扁平形非水電解質二次電池を提供し、上記課題を解決したものである。
【0010】
本発明の電池構成は、電池の直径が小さくなるほど効果が大きくなるので、直径が2〜16mmの電池において好ましく用いられ、特に直径が2〜8mmの小型の電池において顕著な効果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
本発明においては、従来の扁平形非水電解質電池とは異なり、電池の封口板側に正極を配置し、金属外装缶側に負極を配置するが、その封口板の材質としては、通常、従来の扁平形非水電解質電池において金属外装缶に用いられていたものを用いることができ、また、金属外装缶の材質としては、通常、従来の扁平形非水電解質電池において封口板に用いられていたものを用いることができる。
【0013】
これら封口板や金属外装缶の材質を具体的に例示すると、例えば、ステンレス鋼、銅、チタン、鉄、ニッケル、アルミニウム、それらの合金や、前記部材の表面にメッキを施したもの、あるいは前記部材のクラッド板などのように複数の材質が複合化されたものなどを挙げることができる。また、前記部材は、加工性向上や耐漏液性向上などの目的により、必要に応じてアニール処理などを施したものであってもよい。
【0014】
負極には、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金化が可能な元素の酸化物、炭素質材料、リチウム含有窒化物などを活物質として用いることができる。中でも、リチウム合金またはリチウムと合金化が可能な元素の酸化物が好ましく用いられ、特にリチウム合金を用いる場合に顕著な効果が得られる。
【0015】
リチウム合金としては、例えば、アルミニウム、インジウム、鉛、スズ、珪素、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ビスマス、ホウ素、アンチモンなどのリチウムと合金化が可能な元素とリチウムとの合金を用いることができ、前記元素は2種以上を共存させて3元系以上の合金とすることもできる。中でも、アルミニウム、スズ、珪素より選択される元素を1種以上含有する合金が好適に用いられる。また、充放電の繰り返しによる負極の崩壊を抑制してサイクル特性を向上させるなどの目的のために、前記リチウム合金中に、例えば、マンガン、クロム、鉄、タングステン、モリブデン、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、チタン、バナジウムなどの他の元素を含有させてもよい。
【0016】
リチウムと合金化が可能な元素の酸化物としては、具体的には、例えば、SnO、SnO2などのスズ酸化物、SiO、SiO2などの珪素酸化物を好適に用いることができる。もちろん、前記酸化物を構成する元素の一部が他の元素で置換された酸化物であってもよい。
【0017】
また、LixTiyOzで表されるリチウムチタン酸化物などのように、リチウム含有遷移金属酸化物の中に負極活物質として用いることができるものもある。上記リチウムチタン酸化物の場合には、x=4/3、y=5/3、z=4で表される酸化物が好適に用いられ、また、チタンの一部を他の元素で置換した酸化物も用いることができる。
【0018】
炭素質材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛系材料や、コークス類、炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、活性炭など、従来から非水電解質電池の負極活物質として汎用されている材料を用いることができる。
【0019】
リチウム含有窒化物としては、例えば、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、バナジウムなどの遷移金属元素とリチウムとを構成元素とする複合窒化物を用いることができる。具体的には、Li2.6Co0.4Nなどのように、コバルトまたはニッケルを含有する窒化物を好適に用いることができる。また、窒素の一部が酸素で置換された酸窒化物であってもよい。
【0020】
なお、負極の活物質となる上記材料のうち、リチウムと合金化が可能な元素の酸化物や、炭素質材料のようにリチウムを含有していない材料については、これと組み合わせて用いる正極活物質材料によっては、電気化学的または機械的な方法などによりあらかじめリチウムを含有させておいてから用いてもよい。また、リチウム合金、リチウム含有窒化物などのようにリチウムを含有している材料については、上記とは逆に、組み合わせる正極活物質材料によっては、あらかじめリチウムを放出させておいたり、リチウムを含有しない材料に電池組立工程で後からリチウムを含有させ、目的とする化合物を形成させるようにしてもよい。
【0021】
本発明においては、上記した負極活物質材料は、金属箔や金属板などの導電性基体と組み合わせて負極とされる。なお、上記した負極活物質材料は、そのまま用いて活物質層を構成してもよいが、複数の材料を混合して用いたり、あるいは複合化して用いることもできる。さらに、必要に応じて、バインダーや導電助剤などと合剤化して成形体として用いることもできる。ここで、バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース類、N−ビニルアセトアミドの重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどを好適に用いることができる。導電助剤としては、例えば、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラックなどを用いることができる。
【0022】
負極は、金属箔や金属板などの導電性基体上に、上記負極活物質材料を有する活物質層を形成することにより作製される。このとき、導電性基体の外周部には、活物質層を形成しないか、またはその形成が抑制されるように負極を作製する。以下では、活物質層がリチウム合金層である場合を例にとり詳細に説明する。金属板上にリチウム合金層を形成したものを負極とする場合は、例えば、アルミニウムなど、前記したリチウムと合金化が可能な元素を含有する金属板にリチウムを接触させるか、あるいは電気化学的にリチウムをドープするなどの方法により、金属板上にリチウム合金層を形成すればよい。このとき、金属板の正極に対向する側の全面に活物質層であるリチウム合金層を均一に形成したとすると、以下の問題を生じる。すなわち、金属板の外周部に形成される活物質層は正極とは直接対向しないため、中心部に比べて充放電時の利用率が低下する。また、リチウム合金層の形成は体積膨張を伴うため、金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に形成されたリチウム合金層が、封止部分を変形させて密閉性を低下させるという問題を生じる。そこで、金属板の外周部にリチウム合金層が形成されないようにするか、金属板の外周部でのリチウム合金層の形成を抑制して、その部分でのリチウム合金層の厚さが中心部での厚さよりも薄くなるように負極を構成することにより、充放電時におけるリチウム合金層の効率的な利用が可能となる。また、前記のような密閉性の低下が生じるのを防止することもできる。
【0023】
金属板の外周部でのリチウム合金層の形成を抑制する方法としては、例えば、金属板に接触させるリチウムの径を金属板の径よりも小さくするなどの方法を採用することができる。この場合、外周部の厚みより中央部の厚みを薄くした金属板を用いると、金属板の外周部へのリチウムの移動が抑制され、金属板の外周部でのリチウム合金層の形成を効果的に抑制することができる。前記金属板としては、例えば、中央部に凹部を有し、前記凹部の径が金属板の外径の70〜90%であるような金属板が好適に用いられる。この凹部にリチウムを接触させてリチウム合金層を形成すれば、凹部での段差のために、凹部の外側へのリチウムの移動が抑制され、金属板の外周部にリチウム合金層がほとんど形成されないようにすることもできる。
【0024】
また、金属板に凹部を設けることにより、凹部のへこみとリチウム合金層の形成による膨張分とが相殺され、当初の設計値に近い厚みを有する負極が形成されるので、電池の設計上からも好ましい結果が得られる。なお、上記金属板の凹部での厚みは、特に制限されるものではないが、形成されるリチウム合金層の組成やリチウム合金層形成時の膨張分を考慮すれば、外周部での厚みの25〜95%であることが好ましい。
【0025】
なお、上記した金属板は、金属外装缶と一体化されたものであってもよく、例えば、前記のリチウムと合金化が可能な元素の板が金属外装缶に圧着または溶接されたものや、金属外装缶を構成する部材とのクラッド材(例えば、ニッケル−ステンレス鋼−アルミニウムのクラッド板)なども用いることができる。
【0026】
また、金属板の外周部にシール剤を塗布するなど、電解液との濡れを防止するための加工を施すことや、後述する台座を配置することによってもリチウム合金層の形成を抑制することが可能である。
【0027】
一方、正極には、金属酸化物、金属カルコゲン化物、有機イオウ化合物、導電性ポリマー、炭素質材料などを正極活物質として用いることができる。
【0028】
上記金属酸化物としては、例えば、マンガン酸化物、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物などの遷移金属酸化物や、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムニオブ酸化物、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4、LiMn3O6、LiMnO2など)、リチウムチタン酸化物(Li4/3Ti5/3O4など)などのリチウム含有複合酸化物などを用いることができる。また、Li1+xNi1/2-y+zMn1/2-y-zCo2yO2などのように、上記複合酸化物の元素の一部を他の元素で置換したものも用いることができる。
【0029】
金属カルコゲン化物としては、主として二硫化チタン、二硫化モリブデン、リチウム硫化物、ニッケル硫化物などの金属硫化物を用いることができる。また、電解液への溶解性を有するリチウム硫化物では、電解液に溶解した形で用いることもできる。
【0030】
有機イオウ化合物としては、例えば、CStなどの一般式で表される炭素とイオウとを主体としたジスルフィド結合を特徴とする化合物を好適に用いることができる。
【0031】
導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールなどを用いることができる。
【0032】
正極の作製についても、負極と同様に、金属箔や金属板などの導電性基体上に活物質層を形成するか、上記正極活物質材料をそのまま用いるか、あるいは合剤の成形体とするなどの方法を採用することができる。また、負極活物質と同様に、リチウムの含有量を適宜調整してもよい。
【0033】
本発明において、負極と正極との容量比は、負極に用いる活物質と正極に用いる活物質との組み合わせによって好適な範囲が異なるが、正極に金属酸化物を用い、負極にリチウム合金またはリチウムと合金化が可能な元素の酸化物を用いた場合には、正極の容量に対する負極の容量の比率(負極容量/正極容量)は、およそ1.2以上が好ましく、1.39以上がより好ましく、また、2以下が好ましく、1.73以下がより好ましい。すなわち、負極の容量を正極の容量の1.2倍以上にすることによって、充放電に伴って負極が微粉化して導電性が低下することや、電解液が負極に過剰に取り込まれて放電が困難になるのを防止することができる。また、負極の容量を正極の容量の2倍以下にすることによって、過放電時に正極活物質の結晶構造が変化して充放電できなくなるのを防止することができる。そして、この正極の容量に対する負極の容量の比率(負極容量/正極容量)としては、サイクル特性の確保という点からは1.39以上が好ましく、また、電池の放電容量の確保という点からは1.73以下が好ましい。
【0034】
上記した負極および正極を用いて、以下のようにして扁平形非水電解質電池が組み立てられる。まず、金属外装缶の内側底面上に負極が配置され、セパレータを介して封口板側に正極が配置される。負極と金属外装缶との接続や正極と封口板との接続は、圧着または溶接などによる一体化や、カーボンぺーストなどの導電剤を介しての接触によって行われる。
【0035】
本発明においては、従来構成よりもガスケットの体積割合を減少させ、金属外装缶内の内側底面とガスケットとの間に負極の導電性基体の外周部が位置するようにして電池が構成されるが、このような構成を採用することにより、電池の容量を低下させることなく負極の容量を増加させ、サイクル特性を大幅に向上させることができる。また、ガスケットの体積割合を減少させる場合、一般にはガスケットの封止性能が低下して密閉性が悪くなり、電解液の漏出や電池外部への散逸などが生じやすくなるが、本発明では、金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に配置された負極の導電性基体によりガスケットが良好に固定され、ガスケットと金属外装缶および封口板との密着性が向上するので、上記のような問題は生じにくくなる。
【0036】
なお、本発明においては、金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に負極の導電性基体の外周部を配置するとしているが、負極の導電性基体が直接に金属外装缶の内側底面とガスケットに接触していることは必ずしも必要ではなく、例えば、導電性基体と金属外装缶またはガスケットとの間に、セパレータや以下に示すような台座などを配置してもよい。
【0037】
本発明においては、充放電に伴う負極または正極の形状変化を防止したり、負極にリチウム合金を用いる場合に、負極外周部でのリチウム合金層の形成を抑制し、サイクル特性や信頼性をより一層向上させるために、負極または正極の外周部に形状保持のための部材、いわゆる台座を配置してもよい。台座の材質や形状は特に限定されることはないが、通常、ニッケルやステンレス鋼などの金属製で、例えばワッシャ(座金)状のものや断面形状がL字形または逆L字形の環状物などが好適に用いられる。
【0038】
セパレータとしては、微孔性樹脂フィルムや不織布などが用いられるが、その材質としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンのほか、耐熱用途として、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。特に、上記材質の微孔性フィルムと不織布とを複数積層するか、あるいは微孔性フィルム同士や不織布同士を複数積層することにより構成される複層構造のセパレータが好適に用いられる。これは、以下の理由によるものである。すなわち、本発明においては、後述するように、従来構成よりも電解液量を低減することが可能になるが、それに伴って、セパレータの保液性能がより重要となり、また、容量の大きい活物質を用いる場合の安定性を確保する必要も生じるが、上記複層構造のセパレータは、それらの要求を容易に満足させることができるからである。
【0039】
セパレータは、負極と正極との接触を防止できれば特にその配置に関して限定されることはないが、ガスケットと負極との間にセパレータの外周縁部が挿入されるようにすれば、電池の組立時にセパレータの位置ずれが生じにくくなる。さらに、セパレータの外周縁部が封口板とガスケットとで固定されていれば、セパレータの位置ずれをより効果的に防止することができる。
【0040】
非水電解質としては、非水系の液状電解質、ポリマー電解質のいずれも用い得るが、一般に電解液と呼ばれる液状電解質が多用されるので、以下、この液状電解質に関して「電解液」という表現で詳しく説明する。すなわち、非水系の電解液としては、リチウム塩などの電解質塩を有機溶媒に溶解させることによって調製された有機溶媒系の電解液を好適に用いることができる。そして、その電解液の溶媒として使用される有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、フルオロベンゼン、ジフルオロアニソール、トリフルオロトルエンなどの含フッ素有機溶媒、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソランなどが挙げられ、これらの溶媒は単独でまたは2種以上混合した混合溶媒として用いることができる。そして、リチウム塩などの電解質塩としては、例えば、LiN(CF3SO2)2、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiCnF2n+1SO3(n≧2)、LiN(CF3CF2SO2)2などを用いることができる。また、ポリマーの支持体に電解質塩が支持された固体状のポリマー電解質や電解液をポリマーでゲル化したゲル状のポリマー電解質も、上記非水電解質として用いることができる。
【0041】
ガスケットとしては、例えば、ポリプロピレン、ナイロンのほか、耐熱用途として、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などからなるものを用いることができる。
【0042】
封口は、金属外装缶の開口端部を内方へ締め付けることによって行われる。このとき、封口板の周辺部が折り返された構造となっていれば、ガスケットと封口板との密着性が向上し、耐漏液性が向上するので好ましい。また、ガスケットの形状は、特に限定されることはないが、封口時に金属外装缶の開口端からガスケットがはみ出して封止性能が低下するのを防ぐために、金属外装缶の開口端部の内側面に接するガスケットの外周面の角部を曲面にするか、あるいは該角部にC面を付けること(角部が平坦面となるようにすること)が好ましい。さらに、ガスケットの負極に対向する側の角部を曲面にするか、前記角部にC面を付けることにより、金属外装缶とガスケットとの間にセパレータの外周縁部が挟まれて切断されるのを防止でき、また、ガスケットの封口板の周辺部の折り返し部分が当接する部分の上部に、該封口板の周辺部の折り返し部分の上端部が引っかかることのできる凸部を設けることにより、封口板とガスケットとの固定がより確実になる。
【0043】
また、従来構成の扁平形非水電解質電池では、負極の対向面の面積(正極と対向する側の面積)に対する電池設計上必要とされる電解液量は、およそ40〜50μl/cm2程度であったが、本発明の扁平形非水電解質電池では、負極の容量比が大きくなることにより、充放電サイクルでの負極の充電深度または放電深度が浅くなり、特にリチウム合金を用いた場合の負極の劣化が抑制されるので、10〜40μl/cm2程度の少ない電解液量でも充分に電池を機能させることができる。
【0044】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0045】
(実施例1)
正極を以下のようにして作製した。まず、LiMn3O6の粉末100重量部と、導電助剤としてのカーボンブラック5重量部と、同じく導電助剤としての鱗片状黒鉛5重量部と、バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレン0.7重量部とを混合し、乾燥後に直径4.8mm、厚さ0.46mmのペレット状に加圧成形し、これを電気乾燥炉にて250℃で12時間乾燥して脱水処理することにより、容量が4.0mAhの正極を作製した。
【0046】
負極にはリチウム−アルミニウム合金を用いた。この負極の作製は、集電効率を高めるために集電網を用いて、以下に示すように行った。まず、ステンレス鋼製の集電網を直径6.1mmの円板状に打ち抜き、それを外径6.5mmのステンレス鋼製外装缶(材質:SUS444)の内側底面に抵抗溶接し、この集電網に直径6.1mm、厚さ0.31mmの円板状に打ち抜いたアルミニウム板(平板の導電性基体)を圧着した。そして、そのアルミニウム板上に直径5.0mm、厚さ0.15mmの円板状のリチウム板を配置して、容量が6.2mAhの負極とした。
【0047】
非水電解質としては、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの体積比2:1の混合溶媒にLiPF6を0.6mol/l溶解した電解液を用い、電解液量は7μlとした。この電解液量を、負極の対向面の面積に対する値で表すと、24μl/cm2であった。また、セパレータとしてはポリプロピレン不織布−微孔性ポリプロピレンフィルム−ポリプロピレン不織布の三層構造のものを用い、ガスケットとしては図2にその要部の断面形状を示すポリプロピレン製のものを用いた。このガスケット6は、図2では、その一部しか示していないが、環状体であり、その負極に対向する側の外周側角部が曲面6aとなっており、また、金属外装缶の開口端部の内側面に接する外周面の角部にはC面6bが付けられ、さらに封口板の周辺部の折り返し部分が当接する部分の上部には、該折り返し部分の上端部が引っかかることのできる凸部6cが設けられている。
【0048】
上記の正極、負極、セパレータ、ガスケットおよび非水電解質とステンレス鋼製の封口板(材質:SUS444)とを用いて図1に示す外径6.5mm、高さ1.4mmの扁平形非水電解質電池を組み立てた。この電池の正極の容量(以下、「正極容量」という)に対する負極の容量(以下、「負極容量」という)の比率(負極容量/正極容量)は1.55であり、また、この実施例1の電池は、いわゆるボタン形電池と呼ばれるものであって、しかも、外径が6.5mm、高さが1.4mmという小型電池である。
【0049】
この実施例1の電池の構造を図1に基づいて説明すると、1は前記の負極であり、この負極1は金属外装缶4内に収容され、金属外装缶4は前記のようにステンレス鋼製であって、負極端子を兼ねている。なお、金属外装缶4の内側底面に集電網を溶接しているが、該集電網については図示していない。
【0050】
一方、正極2は封口板5内に収容され、この封口板5はステンレス鋼製であって、正極端子を兼ねている。なお、正極2と封口板5とは、接触抵抗の低減を図るため、その間にカーボンぺーストを塗布し、そのカーボンペーストを介して接続されているが、そのカーボンペーストは図示していない。
【0051】
そして、負極1と正極2との間にセパレータ3が配置され、そのセパレータ3の外周縁部および負極1の導電性基体の外周部1aは、ともに金属外装缶4の内側底面とガスケット6との間に配置され、該ガスケット6は、金属外装缶4の開口端部の内方への締付けにより、封口板5の周辺部の折り返し部分5aと金属外装缶4の開口端部の内側面とに圧接して、電池内部を密閉構造にしている。
【0052】
なお、この図1は電池の構造を概略的に示すものであって、前述のように必ずしも全構成部材を示しているわけではなく、もちろん非水電解質(電解液)も図示されていない。これは、全構成部材を図示すると、繁雑化して、かえって図の理解が困難になるからである。また、負極1の作製にあたっては、アルミニウム板とリチウム板とを積層したが、それらは電池組立後に電解液の存在下で電気化学的に合金化し、アルミニウム板上には、リチウム−アルミニウム合金層が形成されている。しかし、この図1では、それらを分けることなく一体のものとして図示している。また、ガスケット6は金属外装缶4の開口端部の内方への締め付けにより変形して金属外装缶4の開口端部と封口板5の周辺部の折り返し部分5aとの間の隙間を封止して電池内部を密閉構造にしている関係で、この図1ではガスケット6について図2に示したような詳細は図示していない。
【0053】
(実施例2)
負極の外周部にステンレス鋼製で断面が逆L字形で環状の台座を設置し、セパレータの外周縁部が封口板とガスケットとで挟まれて固定されるようにして電池組み立てを行った以外は、実施例1と同様にして、図3に示す外径6.5mm、高さ1.4mmの扁平形非水電解質電池を作製した。
【0054】
この実施例2の電池の構造を図3に基づいて説明すると、負極1の外周部1aとガスケット6との間に上記の台座7を設置し、セパレータ3の外周縁部3aはガスケット6と封口板5の周辺部の折り返し部分5aとの間に挟まれて固定されている。そして、その他の構成は前記図1に示した実施例1の電池とほぼ同様である。
【0055】
(実施例3)
直径4.8mm、厚さ0.48mmのペレット状で、容量が4.2mAhになるようにした以外は、実施例1と同様に正極を作製した。
【0056】
また、負極の作製は、以下に示すように行った。まず、ステンレス鋼製の集電網を直径6.25mmの円板状に打ち抜き、それを外径6.5mmのステンレス鋼製外装缶(材質:SUS444)の内側底面に抵抗溶接し、この集電網に図4に示す断面形状のアルミニウム板11(導電性基体)を圧着した。すなわち、このアルミニウム板11は、直径6.4mm、外周部11aの厚さ0.35mmの円板状であって、中央部に5.2mmの径の凹部11bが形成されている。このアルミニウム板11の前記凹部11bでの厚さは0.25mm、すなわち外周部での厚みの71%であり、凹部11bの径は、アルミニウム板11の外径の81%である。さらに、上記アルミニウム板11の凹部11bに、直径4.7mm、厚さ0.18mmの円板状のリチウム板を配置して、容量が6.5mAhの負極とした。
【0057】
上記の正極と負極を用い、電解液量を7.2μlとした以外は、実施例1とほぼ同様の構成で、外径6.5mm、高さ1.4mmの扁平形非水電解質電池を作製した。この電池の、負極の対向面の面積に対する電解液量は22μl/cm2であった。
【0058】
(比較例1)
ステンレス鋼製の集電網を直径4.0mmの円板状に打ち抜き、それを実施例1と同様の封口板の内面に抵抗溶接し、その集電網に直径4.0mm、厚さ0.24mmの円板状に打ち抜いたアルミニウム板を圧着し、その上に直径4.0mm、厚さ0.18mmの円板状のリチウム板を配置し、容量が4.7mAhの負極とした。
【0059】
ついで、実施例1と同様の金属外装缶の内側底面上にカーボンぺーストを塗布した後、実施例1と同様の正極を配置し、6μlの電解液を注入した以外は、実施例1とほぼ同様の構成で、図5に示す外径6.5mm、高さ1.4mmの扁平形非水電解質電池を作製した。この電池の、負極の対向面の面積に対する電解液量は48μl/cm2であった。
【0060】
この比較例1の電池では、上記のように負極1を封口板5に収容して作製されている関係上、封口板5が負極端子を兼ね、また、正極2は金属外装缶4に収容されているため、金属外装缶4が正極端子を兼ねている。そして、ガスケット6の下部は金属外装缶4の内側底面にまで達していて、実施例1〜3の電池に比べて、ガスケット6の電池内で占める体積が大きく、その分、電極の占める体積が少なくなっている。また、比較例1の電池に用いたガスケット6には、図2に示すような外周側角部の曲面6aや、封口板5の周辺部の折り返し部分5aの上端部が引っかかることのできる凸部6cなどは設けていない。
【0061】
この比較例1の電池は、実施例1と同じ正極を用いて高容量化を行っているため、正極の充填量の多い分だけ負極の充填量を減少させねばならず、そのため、正極容量に対する負極容量の比率(負極容量/正極容量)は1.18と小さな値になった。
【0062】
(比較例2)
直径4.8mm、厚さ0.39mmのペレット状に加圧成形し、容量を3.4mAhにした正極、および直径4.0mm、厚さ0.28mmの円板状に打ち抜いたアルミニウム板に直径4.0mm、厚さ0.2mmの円板状のリチウム板を配置した、容量が5.2mAhの負極を用いた以外は、比較例1と同様にして、外径6.5mm、高さ1.4mmの扁平形非水電解質電池を作製した。この比較例2の電池の正極容量に対する負極容量の比率(負極容量/正極容量)は1.53であった。
【0063】
この比較例2の電池は、正極容量に対する負極容量の比率(負極容量/正極容量)が実施例1〜3の電池と同程度になるように、正極および負極の充填量を調整したものである。
【0064】
上記実施例1〜3および比較例1〜2の電池に対し、270kΩの負荷抵抗を接続して、電池電圧が2.0Vに低下するまでの放電容量を測定した。また、以下の条件で充放電サイクル試験を行い、充放電可能なサイクル数を調べた。すなわち、充電は2.4kΩの電流制限抵抗を接続し、3.25Vの電源電圧を印加して15時間行い、放電は27kΩの負荷抵抗を接続して16時間行った。そして、放電開始から11時間後の電池電圧でサイクル寿命を判断し、この電圧が2Vより低くなったときをその電池の寿命とした。そして、そのときのサイクル数を充放電可能なサイクル数とした。それらの測定結果を表1に正極容量に対する負極容量の比率、負極の対向面の面積に対する電解液量と共に示す。ただし、表1には、正極容量に対する負極容量の比率を容量比(負極容量/正極容量)で示している。
【0065】
【表1】
【0066】
表1に示すように、実施例1〜3の電池は、放電容量が大きく、かつ充放電可能なサイクル数が多く、サイクル特性が優れていた。すなわち、本発明の実施例1〜3の電池では、封口板側に正極を配置し、金属外装缶側に負極を配置し、かつ金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に負極の導電性基体の外周部を配置したことにより、正極の容量を減少させることなく負極の容量を増加させることができ、充放電サイクルに伴う負極の劣化を抑制して、小型でも高容量で、かつサイクル特性が優れた扁平形非水電解質電池を得ることができた。また、実施例1〜3の電池は、比較例1〜2の電池よりも電池内でのガスケットの体積割合が少なくなっているが、充放電を繰り返しても漏液の発生は認められなかった。
【0067】
これに対して、従来構成で高容量化を行った比較例1の電池では、充放電サイクルでの負極の急激な劣化により、充放電可能なサイクル数が極端に少なくなった。また、正極および負極の充填量を調整して、容量比(負極容量/正極容量)を実施例1〜3の電池と同程度にした比較例2の電池では、放電容量が低下してしまい、また、それに伴って実施例1〜3の電池よりも充放電サイクルでの放電深度が深くなったため、充放電可能なサイクル数も少なくなった。
【0068】
次に、負極の外周部に台座を配置することや、外周部よりも中央部の方が厚みが薄い金属板を負極に用いることにより、電池の密閉性能がどのように変化するかを調べた。すなわち、実施例1〜3の扁平形非水電解質電池をそれぞれ100個ずつ用い、85℃で湿度が90%の環境下に20日間放置し、高温、高湿下での耐漏液性試験を行った。その結果を、漏液が認められた電池の個数としてまとめ、表2に示した。
【0069】
【表2】
【0070】
表2に示すように、負極の外周部に台座を配置した実施例2の電池や、中央部に凹部を有するアルミニウム板を用いた実施例3の電池では、試験に供した100個の電池のいずれにも漏液が認められなかったが、アルミニウムの平板上にリチウムを置いただけの実施例1の電池では、試験に供した100個の電池のうちの15個の電池に漏液が認められた。上記漏液が生じた原因について調べるため、実施例1〜3の電池を上記耐漏液性試験後に分解して電池の断面の観察を行ったところ、漏液が生じた電池では、アルミニウム板の外周部の一部に、外周部の他の部分よりリチウム合金層が分厚く形成されているところがあり、その部分でガスケットが変形して電解液が漏出していたことが判明した。このアルミニウム板の外周部でのリチウム合金層の不均一な形成は、アルミニウム板上にリチウム板を配置する工程で、アルミニウム板の中心とリチウム板の中心とが完全には一致せず、アルミニウム板の中心から若干ずれた位置にリチウム板が配置されてしまったために生じたものと考えられる。しかるに、実施例2の電池や実施例3の電池では、上記のようなリチウム合金層の不均一な形成は認められず、アルミニウム板の外周部でのリチウム合金層の形成が効果的に抑制されていたことから、金属板の外周部でのリチウム合金層の形成を抑制することによって、電池の組立工程でばらつきが生じたとしても、電池の耐漏液性能を良好に維持し、信頼性の高い扁平形非水電解質電池を提供することができる。
【0071】
(実施例4)
直径9.3mm、厚さ0.64mmのペレット状で、容量が18.3mAhになるようにした以外は、実施例1と同様に正極を作製した。
【0072】
また、外装缶の外径を12.0mmとし、直径10.5mmの集電網、直径11.7mmで厚さ0.35mmのアルミニウム板、および、直径9.5mmで厚さ0.19mmのリチウム板をそれぞれ用い、容量が27.8mAhになるようにした以外は、実施例1と同様に負極を作製した。
【0073】
上記正極と負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして、外径12.0mm、高さ2.0mmの扁平形非水電解質電池を組み立てた。この電池の負極容量/正極容量は1.52であった。
【0074】
(実施例5)
直径16.1mm、厚さ0.98mmのペレット状で、容量が78.6mAhになるようにした以外は、実施例1と同様に正極を作製した。
【0075】
また、外装缶の外径を20.0mmとし、直径18.8mmの集電網、直径19.0mmで厚さ0.7mmのアルミニウム板、および、直径16.0mmで厚さ0.29mmのリチウム板をそれぞれ用い、容量が120.3mAhになるようにした以外は、実施例1と同様に負極を作製した。
【0076】
上記正極と負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして、外径20.0mm、高さ3.2mmの扁平形非水電解質電池を組み立てた。この電池の負極容量/正極容量は1.53であった。
【0077】
(比較例3)
直径8.9mm、厚さ0.63mmのペレット状で、容量が16.1mAhになるようにした以外は、比較例2と同様に正極を作製した。
【0078】
また、直径8.6mmの集電網、直径9.0mmで厚さ0.35mmのアルミニウム板、および、直径8.7mmで厚さ0.2mmのリチウム板をそれぞれ用い、容量が24.5mAhになるようにした以外は、比較例2と同様に負極を作製した。
【0079】
上記正極と負極とを組み合わせ、外径が12.0mmの外装缶を用いて、比較例2と同様にして、外径12.0mm、高さ2.0mmの扁平形非水電解質電池を組み立てた。この電池の負極容量/正極容量は1.52であった。
【0080】
(比較例4)
直径15.2mm、厚さ0.95mmのペレット状で、容量が71.0mAhになるようにした以外は、比較例2と同様に正極を作製した。
【0081】
また、直径14.9mmの集電網、直径15.0mmで厚さ0.7mmのアルミニウム板、および、直径14.5mmで厚さ0.32mmのリチウム板をそれぞれ用い、容量が109.0mAhになるようにした以外は、比較例2と同様に負極を作製した。
【0082】
上記正極と負極とを組み合わせ、外径が20.0mmの外装缶を用いて、比較例2と同様にして、外径20.0mm、高さ3.2mmの扁平形非水電解質電池を組み立てた。この電池の負極容量/正極容量は1.54であった。
【0083】
上記実施例4および実施例5の電池は、実施例1と同様の電池構成で、直径をそれぞれ12.0mmおよび20.0mmとした扁平形非水電解質電池である。
【0084】
また、上記比較例3および比較例4の電池は、比較例2と同様の電池構成で、直径をそれぞれ12.0mmおよび20.0mmとした扁平形非水電解質電池である。
【0085】
上記実施例4および比較例3の電池について、70kΩの負荷抵抗を接続して、電池電圧が2.0Vに低下するまでの放電容量を測定した。また、上記実施例5および比較例4の電池について、20kΩの負荷抵抗を接続して、電池電圧が2.0Vに低下するまでの放電容量を測定した。それらの測定結果を、実施例1および比較例2の電池の放電容量と共に表3に示す。また、表3には、実施例1、実施例4および実施例5の電池の放電容量と、それに対応する比較例の電池(比較例2、比較例3および比較例4)の放電容量とを比較し、その増加の比率〔(実施例の放電容量−比較例の放電容量)×100/比較例の放電容量〕(%)を、放電容量の増加率として示している。
【0086】
【表3】
【0087】
表3に示すように、実施例1、実施例4、実施例5および比較例2〜4の電池は、負極容量/正極容量がほぼ同じ値となるよう設計されているが、実施例1、実施例4および実施例5の電池は、それと対応する比較例の電池に比べて放電容量を大きくすることができた。また、電池の直径が小さくなるほど放電容量の増加率が大きくなり、直径が16mm以下で本発明の効果が大きくなり、特に直径が8mm以下の小型電池で顕著な効果が得られた。
【0088】
なお、本発明においては、電池の直径の下限値は特に制限はされないが、製造の容易性を考慮すれば、直径2mmまでが実用的である。
【0089】
(比較例5)
直径6.1mm、厚さ0.35mmのペレット状で、容量が4.9mAhになるようにした以外は、実施例1と同様に正極を作製した。ついで、実施例1と同様の金属外装缶の内側底面上にカーボンペーストを塗布した後、ここに上記正極を配置した。
【0090】
この金属外装缶内に配置された正極と、封口板に取り付けられた比較例1と同様の負極とを組み合わせ、実施例1と同様にして、外径6.5mm、高さ1.4mmの扁平形非水電解質電池を組み立てた。すなわち、この比較例5の電池は、金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に正極の外周部を配置した電池であり、本発明の実施例1の電池とは、正極と負極の配置が逆転したものである。
【0091】
この電池の負極容量/正極容量は0.96であり、負極の容量が正極の容量よりも小さくなってしまった。このため、比較例5の電池は、前記実施例1の電池と同様の条件で放電容量を測定すると、実施例1の電池よりも大きな容量(4.0mAh)を示したが、負極の放電深度が深くなりすぎて負極が劣化してしまうため、充放電サイクル特性は比較例1の電池よりもさらに劣る結果となった。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、封口板が正極端子を兼ね、金属外装缶が負極端子を兼ね、金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に負極の導電性基体の外周部を配置する構成とすることにより、高容量で、かつサイクル特性が優れた扁平形非水電解質電池を提供することができた。特に、金属板上にリチウム合金層を形成したものを負極とする場合には、金属板の外周部でのリチウム合金層の形成を抑制することにより、耐漏液性が優れた信頼性の高い電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の扁平形非水電解質電池を模式的に示す部分断面図である。
【図2】 実施例1の電池に用いるガスケットの要部を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の実施例2の扁平形非水電解質電池を模式的に示す部分断面図である。
【図4】 本発明の実施例3の扁平形非水電解質電池の負極に用いたアルミニウム板を模式的に示す断面図である。
【図5】 従来電池に相当する比較例1の扁平形非水電解質電池を模式的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 負極
1a 外周部
2 正極
3 セパレータ
3a 外周縁部
4 金属外装缶
5 封口板
5a 折り返し部分
6 ガスケット
6a 曲面
6b C面
6c 凸部
7 台座
11 アルミニウム板
11a 外周部
11b 凹部
Claims (9)
- 封口板および金属外装缶とそれらの間に介在させたガスケットとを備え、前記金属外装缶の開口端部を内方に締め付けることにより、負極、正極および非水電解質を内部に密閉してなる扁平形非水電解質二次電池であって、前記封口板が正極端子を兼ね、前記金属外装缶が負極端子を兼ね、前記負極は、金属箔または金属板よりなる導電性基体と、前記導電性基体上に形成された活物質層とを含み、前記導電性基体の外周部には、活物質層が形成されていないか、またはその形成が抑制されており、金属外装缶の内側底面とガスケットとの間に前記負極の導電性基体の外周部を配置したことを特徴とする扁平形非水電解質二次電池。
- 前記金属外装缶の直径が2〜16mmである請求項1に記載の扁平形非水電解質二次電池。
- 前記金属外装缶の直径が2〜8mmである請求項1に記載の扁平形非水電解質二次電池。
- 前記負極の活物質にリチウム合金またはリチウムと合金化が可能な元素の酸化物を用いた請求項1に記載の扁平形非水電解質二次電池。
- 前記負極の導電性基体が、中央部に凹部を有する金属板であり、前記凹部の径が前記金属板の外径の70〜90%であって、前記金属板の凹部に活物質層を形成した請求項1に記載の扁平形非水電解質二次電池。
- 前記金属板の凹部にリチウムを接触させることによりリチウム合金層を形成した請求項5に記載の扁平形非水電解質二次電池。
- 前記金属板の凹部の厚みが、外周部の厚みの25〜95%である請求項5に記載の扁平形非水電解質二次電池。
- 前記正極の容量に対する負極の容量の比率を1.2以上、2以下とした請求項4に記載の扁平形非水電解質二次電池。
- 前記負極と前記正極との間に複層構造のセパレータを介在させた請求項1に記載の扁平形非水電解質二次電池。
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