JP3730748B2 - ふるい装置付きスケルトンバケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ふるい装置付きスケルトンバケットに関し、油圧ショベルのアームにアタッチメント式に取り付け、スケルトンバケット内に掬い取った残土のガラ、土砂等の各種のふるい分け作業を効率良く行うものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建造物の解体時に発生する石材、コンクリート材等のガラは、まず、クラッシャーで砕いた後、図6に示す如き、底板部にマス目状のフレーム1を設けたスケルトンバケット2に上記破砕物をすくいとり、該スケルトンバケット2を取り付けた油圧ショベルのアーム3を作動させることにより、スケルトンバケット2のフレーム1で仕切られた穴1aより所要の大きさの破砕物を落下させて、破砕物の大きさに応じたふるい分けが行われていた。なお、上記破砕物に限らず、玉石、砂利採取、土砂のふるい分け作業も、上記と同様に、スケルトンバケットを用いて行われていた。
【0003】
しなしながら、上記スケルトンバケット2では、油圧ショベルのアーム3を動かさなければならないため、作動速度が遅く、その結果、ふるい分けが能率よく行いない問題がある。スケルトンバケット2の作動を高速化させて作業効率を上げようとすると、油圧ショベルのオペレータに手数がかかると共に疲労が大きくなる問題がある。
【0004】
上記した問題に対して、油圧ショベルのアームに取り付けられるが、ふるい分け時にアームを作動させることなく、すくいとった破砕物、土砂等をふるい分けることができる図7(A)(B)に示す自動ふるい機が提供されている。
【0005】
上記自動ふるい機は、長方形状の箱形となったバケット2’の底面にふるい網4を取り付けたスライド枠5を側面ローラ6と下部ローラ7とで摺動自在に支持する一方、バケット2’に油圧モータ8を搭載し、該油圧モータ8の回転を駆動チェーン9を介してクランク10に伝達して前後往復作動させ、該クランク10を上記スライド枠5の後端に連結している。よって、油圧モータ8の回転によりスライド枠5が水平方向に前後往復移動し、ふるい網4を前後に移動させてバケット2’の土砂をふるい網4の大きさに応じてふるい分けている。
【0006】
上記図7に示す自動ふるい機では、油圧シュベルに取り付けたバケット2’によるふるい作業時に、油圧シュベルのアームを作動させずに、バケット2’内のふるい網4を取り付けたスライド枠を前後往復移動させるだけであるため、作業能率を高めることができると共に、ふるい網を交換することによりふるい分ける大きさを容易に調節できる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ふるい機では、ふるい網4を水平方向に前後往復移動させるだけであるため、さらに、上下往復移動を加える場合と比較して、ふるい分けの作業性が劣る問題がある。さらに、バケット2’が平板な長方形の箱状であるため、バケット2’内への土砂や破砕物の収容量が少ない。
【0008】
また、ロ字枠状のスライド枠5の開口部にふるい網4を張設しただけの構造であるため、強度的に弱い問題がある。かつ、スライド枠5自体も後端がクランク10に連結されているだけで、土砂等をすくいとる側に面する前端はフリーとなっているため、このフリー側に土砂等が詰まりやすく、この場合、油圧モータ8を駆動してもスライド枠5は容易に作動せずに、作動不良が発生しやすい。さらに、油圧モータ8の回転を駆動チェーン9を介してクランク10に伝達し、該クランク10のスライド枠5に連結した構成であるため、駆動伝達機能の部品点数が多く、その分、故障が発生しやすくメンテナンスに手数がかかる問題がある。さらに、スライド枠5を支持する側面ローラ6および下部ローラ7に摩耗が発生しやすく、耐久性の点で劣る等、種々の問題があった。
【0009】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたもので、ふるい網によるふるい分け作業を更に効率良く行えるようにし、かつ、バケットの形態を特種な形態ではなく、通常の収容量の大きな形態のままとし、かつ、強度的に優れていると共に、部品点数を少なくして故障の発生率し、メンテナンスに手数がかからないふるい装置付きバケットを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1で、少なくとも底面にマス目状フレームを備えたスケルトンバケットの内部にふるい装置を備えたスケルトンバケットにおいて、上記ふるい装置は、バケット本体の側面フレーム間にバケット本体奥端側でマス目状フレームの上方に装架され、油圧モータにより偏心駆動される駆動用主軸と;上記駆動用主軸よりバケット本体の開口端側へと延在する支持フレームであって、バケット本体開口端側に位置する支持フレーム先端の横軸がマス目状フレームに接触する一方、この支持フレーム先端の横軸以外の支持フレームの部分はマス目状フレームから間隔をあけて上方に設けられている支持フレームと;該支持フレーム上に着脱自在に取り付けられたふるい網とを備え;上記駆動用主軸を油圧モータにより上下および水平方向へ振動させることにより、該駆動用主軸に連動して、支持フレーム先端の横軸以外がマス目状フレームに接触することなく、上記支持フレーム及びふるい網を上下及び水平方向に振動させ、バケット本体に収容した土砂や破砕物を上記ふるい網を通してふるい分ける構成としていることを特徴とするふるい装置付きスケルトンバケットを提供している。
【0011】
上記構成のふるい装置付きスケルトンバケットでは、ふるい網を水平方向に往復移動させるだけでなく、上下方向へも往復移動させ、上下および水平方向の両方に振動させるため、ふるい網上の土砂等が非常に効率よくふるい分けることができる。
【0012】
さらに、ふるい網の駆動機構は油圧モータの偏心させた出力軸を駆動用主軸に内嵌するだけの簡単な構成であるため、前記した従来例で必要とされた駆動用チェーン、クランク等の伝動機構は不要となり、作動の信頼性を高めることができる。
【0013】
駆動用主軸は内輪と外輪とをベアリングを介して嵌合した形状とし、内輪に油圧モータの偏心させた出力軸を挿入して内輪を偏心回転させ、外輪を上下および水平方向へ往復移動させることができる(請求項2)。該構成とすることにより、油圧モータの偏心させた出力軸により、支持フレームと連動する駆動用主軸の外輪を上下および左右方向に移動させて、ふるい網を振動させることができる。
【0014】
上記支持フレームはその先端部(バケット本体開口端側)以外の底面がバケット本体のマス目状フレームの上方に隙間をあけて設置され、フレームとは非接触で振動する構成としている。このようにバケット本体との摺動部が支持フレーム先端部以外には無いので、摩耗が少なく耐久性を高めることができるとともに、作動時に騒音も発生しない。さらにまた、バケット本体に振動を負荷しないため、油圧ショベルのオペレータにかかる疲労も軽減できる。
【0015】
上記駆動用主軸の外輪に環状の支持フレーム取付部を突設して、上記支持フレームのバケット奥端側横軸をこの支持フレーム取付部に球面嵌合して取り付ける一方、該支持フレームの先端の横軸をバケット本体先端側に設けたガイド空間に摺動及び上下動自在に収容して支持する構成とすることが好ましい(請求項3)。
【0016】
上記のように支持フレームと駆動用主軸とを球面嵌合させると共に、支持フレームの先端をガイド用空間に挿入した構成とすると、駆動用主軸と支持フレームとの連動時に無理が発生しない。即ち、ふるい網上に大量の土砂等が搭載された場合、支持フレームが駆動用主軸に追従しにくい場合が発生するが、その場合、無理に連動させないことにより、駆動用主軸および油圧モータに負荷をかけないようにすることができる。
【0017】
しかしながら、駆動用主軸に支持フレームを直接連結しても良い。また、支持フレームの先端をリンクを介して上下および水平方向に移動可能にバケット本体に連結してもよい。
【0018】
上記バケット本体は略三角形の一対の側面フレームと、油圧ショベルのアーム先端に着脱自在に取り付けられるブラケットを突設した上面フレームと、底面先端フレームと、これらフレームにかこまれた底面および背面に上記マス目状フレームを設けて、略三角形状の土砂等の収容部とし、該バケット本体の上記マス目状フレームを上記ふるい網で覆うようにして、かつ、バケット本体の側面フレーム取り付けた上記油圧モータを、油圧ショベルに搭載した油圧源により駆動する構成とすることができる(請求項4)。
【0019】
上記のようにバケット本体の収容部を略三角形状とすると、土砂等をバケット本体に掬いあげやすいと共に、バケット本体の収容量を増すことができる。かつ、バケット本体の底面から背面にかけて設けるマス目状フレームの全面にわたってふるい網を配置すると、底面側からのみでなく背面側からもふるい分け作業ができ、作業能率を高めることができる。
【0020】
油圧モータをバケット本体の両側面のフレームに取り付けた一対の油圧モータとし、これら油圧モータの出力軸を上記駆動用主軸の両端に挿入して該駆動用主軸の両端を支持して同期回転させてもよい(請求項5)。このように、フレーム両側に油圧モータを設置して、一対の油圧モータにより駆動用主軸を回転させると、安定した回転がなされると共に、耐荷重性が増加する。
【0021】
あるいは、上記油圧モータはバケット本体の一側面のフレームに取り付けて、該油圧モータの出力軸を上記駆動用主軸に挿入して、該駆動用主軸の一端を支持する一方、駆動用主軸の他端を弾性緩衝材を介して他側面フレームに取り付けてもよい(請求項6)。
【0022】
上記のように駆動用主軸の一端を油圧モータで作動すると、他端側では上下および水平方向の移動量は減衰しているため、ゴムブッシュ等の弾性緩衝材により支持すればよくなる。なお、一側面のフレームに油圧モータを取り付け、他側面に伝導機構を介して回転する従動ローラを取り付け、該従動ローラにより駆動用主軸の他端側を回転させてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は第1実施形態を示し、図1に示す分解斜視図において、11は標準型のスケルトンバケット本体(以下、バケット本体と略す)、12は該バケット本体11の内面に沿って取り付けるふるい装置、13はバケット本体11の側面フレームに固定する振動発生用の油圧モータで、バケット本体11を取り付ける油圧ショベル(図示せず)の油圧ポンプを油圧源として、配管を介して圧油を供給している。
【0024】
上記バケット本体11は標準型のスケルトンバケットの構成と略同一で、略三角形状の左右両側フレーム14A、14B、上面フレーム15、底面先端フレーム16および、上面フレーム15から底面先端フレーム16にあけた開口部に設けるマス目状フレーム17とよりなり、これらフレームにより略三角形の収容部Cを構成している。上記底面先端フレーム16の先端にすくい用爪18を所定間隔をあけて突設している。また、上面フレーム15に油圧ショベルのアームへの取付ブラケット19を突設している。
【0025】
上記ふるい装置12は底面側のマス目状フレーム17の内面に沿って着脱自在に取り付けられるもので、左右両側フレーム14Aと14Bとの間に装架する駆動用主軸20に、複数本の縦軸21aと、これら縦軸21aにマス目状に交叉して連結した横軸21bとからなる支持フレーム21を後述するように取り付けている。上記駆動用主軸20への取付側の横軸21b−1は図3(A)に示すように、断面視、比較的大きな円形状とすると共に、反対側の開口端側に位置する横軸21b−2は小さい円形状としている。
【0026】
該支持フレーム21の上面に(バケット本体11内に取付時には内面)にふるい網22をビス23を用いて交換可に取り付けている。該ふるい網22としては金属製メッシュあるいはパンチングメタル等の強度を有する金属多孔体を用いている。
【0027】
上記駆動用主軸20は図2(A)および図3に示すように、外輪24の一端側にベアリング25を介して内輪26を内嵌している。該内輪26には、バケット本体11の側面フレーム14Aに固定した上記油圧モータ13の偏心させた出力軸27を挿嵌することにより、駆動用主軸20の一端を支持している。該駆動用主軸20の外輪24の他端を閉鎖面とし、その中心より軸24aを突設し、該軸24aに振動吸収用ゴムブッシュ28を外嵌し、該ゴムブッシュ28を保持プレート29を介してビス30で側面フレーム14Bに取り付け、よって、駆動用主軸20の他端を支持している(図1参照)。なお、図2(B)に示すように、バケット本体11の側面フレーム14B側にも、フレーム14A側と同様に油圧モータ13’を設置して、該油圧モータの出力軸を駆動用主軸20の他端に挿入して支持し、油圧モータ13と13’とを同期回転されて、駆動用主軸20を両側より回転駆動させることも好ましい。
【0028】
上記駆動用主軸20の設置位置はバケット本体11においてマス目状フレーム17の底面側奥端に当たる位置に装架し、かつ、該駆動用主軸20および連結した支持フレーム21がマス目状フレーム17と隙間をあけて接しないように配置している。
【0029】
上記油圧モータ13の出力軸27の偏心量は、本実施形態では10mmに設定しており、よって、図3(A)において、駆動用主軸20の外輪24が、Xで示す上下方向に20mm、Yで示す水平方向に20mm移動するように設定している。即ち、油圧モータ13により支持フレーム21の奥端側横軸21b−1が外輪24と共に上下および水平方向に20mmづつ往復移動して振動する。なお、上記偏心量はバケットの大きさによって適宜に設定される。
【0030】
上記駆動用主軸20の外輪24の一部外周に、図3(A)に示すように、環状の支持フレーム取付部25bを突設し、該フレーム取付部25bに支持フレーム21の横軸21b−1を球面嵌合して取り付け、駆動用主軸20の作動を支持フレーム21に伝達している。一方、支持フレーム21の開口端側に位置する横軸21b−2は、バケット本体11の底面先端フレーム16と、該底板先端フレーム16と間隔をあけて配置したガイドフレーム31との間の隙間(ガイド空間)32に水平方向および上下方向に20mm移動できる状態で挿入している。
【0031】
上記ガイドフレーム31は側面フレーム14Aと14Bとの間に形成しており、該ガイドフレーム31と底面先端フレーム16との間の隙間(ガイド空間)32の先端には、上記すくい爪18を固定したプレート33を取り付けられ、この隙間(ガイド空間)32先端を閉鎖している。
【0032】
上記構成からなるふるい装置付きスケルトンバケットでは、バケット本体11の底面にあるマス目状フレーム17の内面側全面にわたって、その上にふるい装置12の支持フレーム21が位置する。支持フレーム21はその先端がマス目状フレーム17と摺動自在に接触し、その他の部分はマス目状フレーム17とは隙間をあけた非接触の状態にある。そして、該支持フレーム21の内面全面にふるい網22が配置された構成となっている。
【0033】
よって、スケルトンバケットにすくい取られてふるい網22上の土砂あるいは破砕物は、ふるい網22が上下および水平方向へ振動されることにより、上下に跳びはねる共に左右に揺さぶられて、ふるい網22により効率良くふるい分けられる。具体的には、モータ13を油圧ショベルの油圧ポンプからの油圧で駆動して出力軸27を偏心回転させると、駆動用主軸20の内輪26が偏心回転し、ベアリング25を介して外輪24を上下左右に移動する。この外輪24の動きに連動して支持フレーム21及びふるい網22も上下左右に移動して振動が発生する。該上下左右の両方向の振動により、ふるい網22上の土砂あるいは破砕物はふるい網の網目の大きさに応じて、ふるい網22、マス目状の支持フレーム21およびバケット本体11のマス目状フレーム17を通して落下して、所要の大きさにふるい分けられる。
【0034】
このように、上記スケルトンバケットではふるい網22を水平方向だけではなく、水平方向と上下方向に振動させているため、ふるい網22上の土砂及び破砕物等を迅速にふるい分けることができ、作業性を大幅に高めることができる。しかも、バケット本体11は標準的な三角形状の収容部Cを有する形状であるため、油圧ショベルのアームを作動してバケット本体11内に土砂あるいは破砕物等を容易かつ大量にすくい取ることができ、その分、ふるい分け作業も一度に大量に行うことができる。
【0035】
そのうえ、油圧モータ13の出力軸を偏心させて、ふるい装置12の駆動用主軸20内に直接的に嵌挿して、該駆動用主軸20を作動させているため、従来必要とされた電動用チェーン、クランク等の伝達機構を不要とできる。よって、部品点数の大幅な削減を図ることができると共に、故障発生箇所が減少し、その分、メンテナンスも容易となる。
【0036】
さらに、バケット本体11とふるい装置12はその先端部分以外は非接触の状態としているため、振動が油圧ショベルのオペレータに伝わらないと共に、バケット本体11及びふるい機12側も摺動摩耗が発生せず、耐久性を向上させることができ、かつ、摺動による騒音も発生させない。
【0037】
なお、ふるい装置12に取り付けるふるい網22は支持フレーム21にビス23で取り付けているため、選別の種類に応じて、その網目の大きさを変えたものと容易に取り替えることが出来ることは言うまでもない。
【0038】
図4は第1実施形態の変形例を示し、バケット本体11の背面から底面先端にかけてマス目状フレーム17を設けた箇所の全面に、ふるい装置12の支持フレーム21を配置してふるい網22を取り付けている。即ち、支持フレーム21の縦軸21aを図示のように上下方向から水平方向へと屈曲させており、該支持フレーム21の上端を駆動用主軸20に連結し、該駆動用主軸の両端を一対の油圧モータで同期回転させている。他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
上記図4に示す変形例では、スケルトンバケットのマス目状フレーム17を設けた背面から底面の全面にかけてふるい装置12のふるい網22を配置するため、第1実施形態と比較して、バケット本体11内に土砂あるいは破砕物を背面側からもふるい網22を通してふるい分けることができる。
【0040】
図5は第2実施形態を示し、第1実施形態との相違点は、ふるい装置12の支持フレーム21の開口端側の横軸21b−2とバケット本体11との取付機構と、ふるい網22の支持フレーム21への取付機構であり、他の構成は同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
即ち、第2実施形態のふるい装置12では、駆動用主軸20の外輪24から縦軸21aを間隔をあけて突設し、これら縦軸21aの先端にのみ横軸21b−2を取り付けている。この横軸21b−2の長さ方向の両端をリンク40の一端に回転自在に取り付け、各リンク40の他端をバケット本体11より突設したブラケット41A、41Bに装架した軸42に回転自在に取り付けている。よって、上記リンク40により横軸21b−2は上下および水平方向への移動を可能とした状態で支持される。
【0042】
上記のようにふるい装置12の支持フレーム21の開口端側の横軸21b−2をリンク40を介してバケット本体11のフレームに連結しても、上下および左右方向の振動を吸収することができる。
【0043】
また、ふるい網22の長さ方向の両端には取付プレート42,42を取り付け、これら取付プレート42,42に取付孔42a、42aを設ける一方、支持フレーム21の縦軸フレーム21aにボルト43を突設し、該ボルト43を上記取付孔42aに挿入してナット(図示せず)で締め付けている。よって、ふるい網22は容易に交換することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に係わるふるい装置付きスケルトンバケットによれば、ふるい装置の駆動用主軸を上下および水平方向の2方向へ振動させるため、該駆動用主軸と連動する支持フレームに取り付けたふるい網は水平方向に往復移動するだけでなく上下方向へも往復移動して振動し、ふるい網上の土砂等が非常に効率よくふるい分けることができる。
【0045】
さらに、ふるい網の駆動機構は油圧モータの偏心させた出力軸を駆動用主軸に内嵌するだけの簡単な構成で、前記した従来例で必要とされた駆動用チェーン、クランク等の伝動機構は不要となり、部品点数の低減および取付手数の低減によりコストをさせることができる。かつ、伝動機構をなくしているため、作動の信頼性を高めることができると共に、メンテナンスも少なくできる。
【0046】
さらにまた、ふるい装置をバケット本体とその先端を除いて殆ど非接触としているため、接触摩耗を低減して耐久性を高めることができ、かつ、摺動騒音も発生させない。しかも、バケット本体を振動させないため、該バケットをアームを介して取り付けた油圧ショベルのオペレータの疲労を低減できる。
【0047】
さらに、ふるい装置の支持フレームと駆動用主軸とを球面嵌合させると共に、支持フレームの先端をガイド用空間に挿入した構成とすると、駆動用主軸と支持フレームとの連動時に無理が発生せず、この点からも耐久性を高めることができる。
【0048】
また、バケット本体は通常の形状の略三角形の収容部を有する標準型としているため、バケット内に土砂等を掬いあげやすいと共に、バケット本体の収容量を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の分解斜視図である。
【図2】 (A)は上記第1実施形態の底面部分を示す一部破断平面図、(B)は(A)の一部変形例を示す平面図である。
【図3】 (A)は第1実施形態の要部側断面図、(B)は要部正面図である。
【図4】 第1実施形態の変形例の要部側断面図である。
【図5】 第2実施形態の分解斜視図である。
【図6】 従来のスケルトンバケットの斜視図である。
【図7】 他の従来例を示し、(A)は油圧ショベルに取り付けた状態を示す概略正面図、(B)は要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
11 バケット本体
12 ふるい装置
13 油圧モータ
14A、14B 側面フレーム
18 爪
20 駆動用主軸
21 支持フレーム
21a 縦軸
21b 横軸
22 ふるい網
24 外輪
25b 支持フレーム取付部
25 ベアリング
26 内輪
28 ゴムブッシュ
32 ガイド空間
Claims (6)
- 少なくとも底面にマス目状フレームを備えたスケルトンバケットの内部にふるい装置を備えたスケルトンバケットにおいて、上記ふるい装置は、
バケット本体の側面フレーム間にバケット本体奥端側でマス目状フレームの上方に装架され、油圧モータにより偏心駆動される駆動用主軸と;
上記駆動用主軸よりバケット本体の開口端側へと延在する支持フレームであって、バケット本体開口端側に位置する支持フレーム先端の横軸がマス目状フレームに接触する一方、この支持フレーム先端の横軸以外の支持フレームの部分はマス目状フレームから間隔をあけて上方に設けられている支持フレームと;
該支持フレーム上に着脱自在に取り付けられたふるい網とを備え;
上記駆動用主軸を油圧モータにより上下および水平方向へ振動させることにより、該駆動用主軸に連動して、支持フレーム先端の横軸以外がマス目状フレームに接触することなく、上記支持フレーム及びふるい網を上下及び水平方向に振動させ、バケット本体に収容した土砂や破砕物を上記ふるい網を通してふるい分ける構成としていることを特徴とするふるい装置付きスケルトンバケット。 - 上記駆動用主軸は内輪と外輪とをベアリングを介して嵌合した形状とし、上記内輪には上記油圧モータの偏心させた出力軸が挿入され、内輪を偏心回転させることにより外輪を上下および水平方向へ往復移動させる構成としている請求項1に記載のふるい装置付きスケルトンバケット。
- 上記駆動用主軸はその外輪に突設された環状の支持フレーム取付部を備え、上記バケット本体はその先端側に上記支持フレーム先端の横軸を収容するガイド空間を備え、上記支持フレームの奥端側横軸は上記支持フレーム取付部に球面嵌合して取り付けられ上下及び水平方向に移動可能に支持される一方、該支持フレーム先端の横軸は上記ガイド空間内に摺動自在に収容され支持されている請求項1または請求項2に記載のふるい装置付きスケルトンバケット。
- 上記バケット本体は、略三角形の一対の側面フレームと、油圧ショベルのアーム先端に着脱自在に取り付けられるブラケットを突設した上面フレームと、底面先端フレームと、これらフレームにかこまれた底面および背面に上記マス目状フレームとからなる略三角形状の土砂等の収容部を備え;
上記マス目状フレームを上記ふるい網で覆うようにしており、かつ、バケット本体の側面フレームに取り付けた上記油圧モータを、油圧ショベルに搭載した油圧源により駆動する構成としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載したふるい装置付きスケルトンバケット。 - 上記油圧モータはバケット本体の両側面のフレームに取り付けた一対の油圧モータからなり、これら油圧モータの出力軸を上記駆動用主軸の両端に挿入して該駆動用主軸の両端を支持して同期回転させている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のふるい装置付きスケルトンバケット。
- 上記油圧モータはバケット本体の一側面のフレームに取り付けて、該油圧モータの出力軸を上記駆動用主軸に挿入して、該駆動用主軸の一端を支持する一方、駆動用主軸の他端を弾性緩衝材を介して他側面フレームに取り付けている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のふるい装置付きスケルトンバケット。
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- 1997-03-28 JP JP07703897A patent/JP3730748B2/ja not_active Expired - Fee Related
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