JP3730613B2 - 暖房システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の暖房機の暖房運転を連動して行う連動暖房運転が可能な連動モードと、該該連動暖房運転が不能な非連動モードとを切替える機能を有する暖房システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の暖房機を連動して作動させる暖房システムとして、例えば、熱源機から供給される温水を熱源とする温水式の暖房機を浴室と脱衣室に設置し、浴室内に設けられた風呂リモコンにより浴槽への湯張り運転や浴槽内の湯の追焚き運転の実行が指示されたときに、浴室と脱衣室の暖房機の暖房運転を連動して開始するようにしたシステムが提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかし、浴室暖房機の暖房運転と脱衣室暖房機の暖房運転を連動して行う場合の他に、使用者が脱衣室暖房機のみの暖房運転を行いたい場合もある。例えば、使用者が脱衣室の洗面台で洗髪をするときには脱衣室暖房機の暖房運転のみを行えばよく、浴室暖房機の暖房運転を行う必要ははい。
【0004】
そこで、浴室暖房機と脱衣室暖房機を連動して作動させる「連動モード」と、浴室暖房機と脱衣室暖房機を独立して単独で作動させる「非連動モード」とに切替えるための作動モード切替スイッチを設けることが考えられる。
【0005】
しかし、このように作動モード切替スイッチを設けた場合、脱衣室暖房機のみの暖房運転を開始するためには、使用者は、先ず該作動モード切替スイッチにより「非連動モード」に切替えてから脱衣室暖房機の暖房運転の開始を指示する暖房スイッチを操作しなければならないという煩わしさがある。
【0006】
また、このように、一旦「連動モード」から「非連動モード」に切替えた後、使用者が作動モード切替スイッチにより「連動モード」に切替えることを忘れると、次に湯張り運転又は追焚き運転の開始を指示したときに、浴室暖房機の暖房運転のみが開始され、脱衣室暖房機の暖房運転は開始されない。そのため、脱衣室の暖房がなされていると思って脱衣室に入った使用者に寒さによる不快感を与えてしまう。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−54574号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、複数の暖房機の暖房運転を連動して行う「連動モード」と、各暖房機の暖房運転を独立して単独で行う「非連動モード」とを切替えて使用する際の使用者の使い勝手を向上させた暖房システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、複数の暖房機を連動して作動させる暖房システムであって、各暖房機は暖房運転の開始/停止を指示する暖房指示手段を有し、いずれか又は特定の暖房機と他の暖房機の暖房運転を連動して行う連動暖房運転が可能な連動モードと、該連動暖房運転が不能な非連動モードとを切替える作動モード切替手段を備えた暖房システムの改良に関する。
【0010】
そして、前記連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を開始したときは、前記他の暖房機は連動して暖房運転を開始し、前記連動モード及び前記非連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で該他の暖房機の前記暖房指示手段により暖房運転の開始指示がなされたときは、該他の暖房機は暖房運転を開始し、また、前記他の暖房機が暖房運転を実行中である状態で該他の暖房機の前記暖房指示手段により暖房運転の停止が指示されたときは、該他の暖房機は暖房運転を停止することを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、使用者は、前記連動モードにおいても、前記暖房指示手段により前記他の暖房機の暖房運転の開始と停止を指示することができる。この場合、使用者は、前記連動モードにおいて、前記他の暖房機の暖房運転を単独で開始又は停止したいときに、わざわざ前記作動モード切替手段により前記連動モードから前記非連動モードに切替える操作を行う必要がない。そのため、前記連動モードであっても、使用者の意図に即して前記他の暖房機を単独で動作させることができ、使い勝手が良い。また、前記非連動モードでのみ前記他の暖房機の単独動作の指示が可能な仕様とした場合のように、一旦前記非連動モードに切替えて前記他の暖房機の単独動作を指示した使用者が前記連動モードに戻すことを忘れて、前記いずれか又は特定の暖房機の暖房運転の開始と連動して前記他の暖房機の暖房運転が開始されない状況となることを未然に防止することができる。
【0012】
そして、本発明の第1の態様は、前記他の暖房機の暖房運転を開始させる時刻である暖房予約時刻を設定する暖房予約時刻設定手段と、前記連動モード及び前記非連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で前記暖房予約時刻となった時に、該他の暖房機の暖房運転の開始を指示する予約暖房開始指示手段とを備え、前記連動モード及び前記非連動モードにおいて、前記他の暖房機は、前記予約暖房開始指示手段による暖房運転の開始指示に応じて暖房運転を開始したときは該暖房予約時刻から所定の予約暖房時間が経過した時に暖房運転を停止し、前記連動モードにおいて、前記いずれか又は特定の暖房機の暖房運転の開始に連動して前記他の暖房機が暖房運転を実行中である状態で前記暖房予約時刻になったときには、該他の暖房機は、該暖房予約時刻から所定の予約暖房時間が経過するまでは前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を停止しても暖房運転を継続して実行し、該予約暖房時間が経過した時に暖房運転を停止することを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、前記連動モードにおいても、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で前記暖房予約時刻となった時に、前記予約暖房開始指示手段による暖房運転の開始指示がなされて前記他の暖房機が暖房運転を開始する。そのため、使用者は、前記連動モードにおいて、前記暖房予約時刻に前記他の暖房機の暖房運転を単独で開始させたいときに、わざわざ前記作動モード切替手段により前記連動モードから前記非連動モードに切替える操作を行う必要がなく、使い勝手がよい。
【0015】
さらに、本発明によれば、前記連動モード及び前記非連動モードにおいて前記他の暖房機が前記暖房予約時刻に暖房運転を開始したときは、該暖房予約時刻から前記予約暖房時間が経過したときに暖房運転を停止する。そして、前記連動モードにおいて、前記いずれか又は他の暖房機と連動して前記他の暖房機が暖房運転を実行している状態で前記暖房予約時刻となったときにも、該暖房予約時刻から前記予約暖房時間が経過するまで、前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を停止しても、該他の暖房機は暖房運転を継続して実行する。そのため、前記予約暖房時間の途中で前記他の暖房機の暖房運転が停止して、使用者が該他の暖房機の故障が生じたと誤って認識することを防止することができる。
【0016】
また、本発明の第2の態様は、前記連動モードにおいて前記いずれか又は特定の暖房機の暖房運転の開始に連動して前記他の暖房機が暖房運転を開始したときは、該いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を停止したときに該他の暖房機は連動して暖房運転を停止し、また、前記連動モードにおいて、前記他の暖房機が該他の暖房機の前記暖房指示手段による暖房運転の開始指示に応じて暖房運転を実行中である状態で前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を開始したときには、前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を停止しても前記他の暖房機は暖房運転を継続することを特徴とする。
【0017】
かかる本発明によれば、前記連動モードにおいて、前記他の暖房機が該他の暖房機の前記暖房指示手段による暖房運転の開始指示に応じて暖房運転を実行中である状態では、前記いずれか又は特定の暖房機の暖房運転が開始されても、該いずれか又は特定の暖房機の暖房運転の停止に連動して該他の暖房機が暖房運転を停止しない。そのため、前記暖房指示手段により前記他の暖房機の暖房運転の開始を指示して該他の暖房機の暖房運転が開始されたにもかかわらず、前記いずれか又は特定の暖房機の暖房停止に連動して該他の暖房機の暖房運転が停止し、使用者に違和感や不安感を与えることを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の暖房システムの全体構成図、図2〜図4は図1に示した脱衣室暖房機の作動フローチャートである。
【0019】
図1を参照して、本発明の暖房システムは、給水管(図示しない)から供給される水を給湯用熱交換器(図示しない)により加熱して浴室や台所等まで連通した給湯管(図示しない)に出湯する給湯機能と、暖房用熱交換器(図示しない)で加熱した温水をポンプ(図示しない)により温水供給管(図示しない)を介して温水暖房機に供給する暖房機能とを有する熱源機1と、浴室内に設置されて熱源機1を遠隔操作する風呂リモコン2と、浴室に設置された浴室暖房機3(本発明の特定の暖房機に相当する)と、脱衣室に設置された脱衣室暖房機4(本発明の他の暖房機に相当する)とにより構成される。
【0020】
熱源機1は、熱源機1の全体的な作動を制御するコントローラ10と、温水暖房機を通信ケーブルを介して接続するための接続端子ユニット11とを備えている。接続端子ユニット11には、10個の接続端子C1〜C10が配置されており、図1では、3番目の接続端子C3に通信ケーブルT3を介して浴室暖房機3が接続され、10番目の接続端子C10に通信ケーブルT10を介して脱衣室暖房機4が接続されている。
【0021】
ここで、浴室暖房機3と脱衣室暖房機4は、熱源機1から温水供給管を介して供給される温水を熱源として室内を暖房する温水暖房機である。そして、熱源機1は、各温水暖房機から暖房運転の開始信号を通信ケーブルを介して受信したときに、該開始信号を送信した温水暖房機に対する温水の供給を開始する。
【0022】
また、熱源機1は、浴槽(図示しない)に自動湯張りをする機能、及び浴槽内の湯を追焚きする機能を有している。そして、熱源機1は、熱源機1を遠隔操作するために浴室内に設けられた風呂リモコン2とリモコンケーブル20を介して通信可能に接続されている。
【0023】
風呂リモコン2には、熱源機1の運転状況等を表示するディスプレイ25、浴槽への湯張り運転の実行を指示する自動湯張りスイッチ26、浴槽内の湯の追焚き運転の実行を指示する追焚きスイッチ27、給湯温度を設定する給湯温度スイッチ28、湯張りの運転により浴槽に供給する湯量を設定する湯量スイッチ29、自動湯張りの湯温を設定する風呂温度スイッチ30、熱源機1を運転状態と運転待機状態とに切替える運転スイッチ31、自動湯張りスイッチ26及び追焚きスイッチ27の操作に応じて、浴室暖房機3を連動して作動させる「浴室暖房連動モード」と連動して作動させない「浴室暖房非連動モード」とを切替える連動スイッチ32、及び浴室暖房機3の暖房運転の開始/停止を指示する暖房スイッチ33を備えている。
【0024】
「浴室暖房連動モード」においては、熱源機1のコントローラ10は、使用者により自動湯張りスイッチ26又は追焚きスイッチ27がON操作されたことを風呂リモコン2との通信により検知したときに、通信ケーブルT3を介して浴室暖房運転の開始を指示する信号を浴室暖房機3に送信し、該信号を受信した浴室暖房機3は浴室暖房運転を開始する。
【0025】
また、浴室暖房機3には使用者が浴室暖房機3の作動を指示するための浴室リモコン7が備えられ、脱衣室暖房機4には使用者が脱衣室暖房機4の作動を指示するための脱衣室リモコン8が備えられている。
【0026】
浴室暖房機3は、浴室に送風する循環ファン(図示しない)と浴室内の空気を屋外に送出する換気ファン(図示しない)とを備え、温水により加熱された空気を循環ファンにより浴室内に送出する浴室暖房運転の他に、温水により加熱された空気を循環ファンにより浴室内に送出すると共に換気ファンにより浴室内の空気を屋外に排気する浴室乾燥運転と、換気ファンにより浴室内の空気を屋外に排気する浴室換気運転と、温水が供給されていない状態で循環ファンにより浴室内に送風する浴室涼風運転とを実行する機能を有している。
【0027】
そのため、浴室リモコン7には、浴室暖房機3の作動状況等を表示するディスプレイ40と浴室暖房運転の開始/停止を指示する暖房スイッチ44(本発明の暖房指示手段に相当する)の他に、浴室乾燥運転の開始/停止を指示する乾燥スイッチ41、浴室換気運転の開始/停止を指示する換気スイッチ42、及び浴室涼風運転の開始/停止を指示する涼風スイッチ43が備えられている。
【0028】
さらに、浴室リモコン7には、時間設定スイッチ(図示しない)により設定された暖房予約時刻に浴室暖房運転を開始する浴室予約暖房運転の設定/解除を行うための予約スイッチ45が備えられている。そして、浴室リモコン7は、浴室予約暖房運転が設定された状態で暖房予約時刻になったときに、浴室暖房機3に対して浴室予約暖房運転の開始を指示する。
【0029】
また、脱衣室リモコン8には、脱衣室暖房機4の作動状況等を表示するディスプレイ50と、脱衣室暖房運転の開始/停止を指示する暖房スイッチ52(本発明の暖房指示手段に相当する)と、浴室暖房機3による浴室暖房運転と脱衣室暖房機4による脱衣室暖房運転を連動して行う連動暖房運転が可能な「連動モード」と、該連動暖房運転が不能な「非連動モード」とを切替える作動モード切替スイッチ51(本発明の作動モード切替手段に相当する)とが備えられている。
【0030】
さらに、脱衣室リモコン8には、時間設定スイッチ(図示しない、本発明の暖房予約時刻設定手段に相当する)により設定された暖房予約時刻になった時に脱衣室暖房運転を開始する脱衣室予約暖房運転の設定/解除を行うための予約スイッチ53が備えられている。そして、脱衣室リモコン8は、脱衣室予約暖房運転が設定され、且つ、脱衣室暖房機4が脱衣室暖房運転を停止した状態で、暖房予約時刻になった時に、脱衣室暖房機4に対して脱衣室暖房運転の開始を指示する。なお、脱衣室リモコン8が、暖房予約時刻になった時に脱衣室暖房機4に対して脱衣室暖房運転の開始を指示する構成が、本発明の予約暖房開始指示手段に相当する。
【0031】
以下、「連動モード」及び「非連動モード」における脱衣室暖房機4の作動について、図2〜図4に示したフローチャートに従って説明する。
【0032】
脱衣室暖房機4は、電源が投入されると暖房運転待機状態となり、先ず、図2のSTEP1〜STEP3のループを実行する。そして、「連動モード」及び「非連動モード」において、使用者により脱衣室リモコン8の暖房スイッチ52が操作されると、STEP1からSTEP10に分岐し、脱衣室暖房運転を停止中であったときはSTEP11に進んで脱衣室暖房機4が脱衣室暖房運転を開始する。一方、脱衣室暖房運転を実行中であったときには、STEP15に分岐して脱衣室暖房機4は脱衣室暖房運転を停止する。
【0033】
また、「連動モード」及び「非連動モード」において、予約スイッチ53により脱衣室予約暖房運転が設定されて脱衣室リモコン8から脱衣室暖房運転の開始指示があったときは、STEP2から図3のSTEP40に分岐して、脱衣室暖房機4は脱衣室暖房運転を開始する。
【0034】
そして、脱衣室暖房機4はSTEP41で所定の予約暖房時間がセットされたタイマをスタートし、次のSTEP42,STEP50のループで、暖房スイッチ52のOFF操作の有無を確認しながら該タイマがタイムアップするのを待つ。そして、該タイマがタイムアップしたときはSTEP43に進み、脱衣室暖房機4は脱衣室暖房運転を停止して図2のSTEP1に戻る。また、使用者により暖房スイッチ52がOFF操作されたときにも、STEP50からSTEP43に進み、脱衣室暖房機4は脱衣室暖房運転を停止して図2のSTEP1に戻る。
【0035】
以上説明したように、使用者は、「連動モード」においても、脱衣室リモコン8の暖房スイッチ52を操作することによって、脱衣室暖房機4の暖房運転の開始と停止を指示することができる。また、使用者は、「連動モード」においても、予約スイッチ53を操作することによって、脱衣室予約暖房運転の設定/解除を行うことができる。
【0036】
そのため、使用者は、脱衣室暖房機4の暖房運転の開始と停止の指示、及び脱衣室予約暖房運転の設定/解除を行うために、作動モード切替スイッチ51を操作して「連動モード」から「非連動モード」に切替える必要がない。そして、このように、「連動モード」であっても、使用者の意図した通りに脱衣室暖房機4の作動を指示することができるため、使い勝手が良い。
【0037】
また、脱衣室リモコン8からの脱衣室暖房運転の開始指示に応じて、図3のSTEP40で脱衣室暖房運転を開始したときは、浴室暖房機3が浴室暖房運転を停止しても、STEP50で暖房スイッチ52のOFF操作がされない限り、脱衣室暖房機4はSTEP43でタイマがタイムアップするまで脱衣室暖房運転を継続して実行する。そのため、脱衣室暖房運転の開始指示に応じて脱衣室暖房機4が暖房運転を開始した後、浴室暖房機3の浴室暖房運転が停止した時に脱衣室暖房機4が連動して脱衣室暖房運転を停止し、使用者に脱衣室暖房機4が故障停止したのではないかと誤認識させることがない。
【0038】
また、「連動モード」においてはSTEP3からSTEP30に分岐する。そして、浴室暖房機3が浴室暖房運転を開始した時に熱源機1から送信される暖房開始指示信号を受信したときに、STEP30から図4のSTEP60に進み、脱衣室暖房機4が停止中であったときは、STEP61で脱衣室暖房機4は脱衣室暖房運転を開始する。これにより、浴室暖房機3の浴室暖房運転の開始に連動して脱衣室暖房機4の脱衣室暖房運転が開始される。
【0039】
そして、脱衣室暖房機4は、STEP62〜STEP65のループを実行し、浴室暖房機3が浴室暖房運転を実行中である間に熱源機1から継続的に送信される暖房運転中信号を受信しなくなったときに、STEP62からSTEP70に分岐して、所定時間の経過を待って脱衣室暖房運転を停止する。
【0040】
この場合、該所定時間を入浴を終えた使用者が服を着用するのに要する時間を想定して設定することにより、入浴を終えて浴室リモコン7の暖房スイッチ44をOFF操作して浴室暖房機3の暖房運転を停止し、浴室から脱衣室に移動した使用者が服を着用する間も脱衣室暖房運転を継続させることができる。そのため、使用者は暖房スイッチ52を操作して脱衣室暖房機4の暖房運転の開始を指示する必要がない。
【0041】
一方、STEP60で既に脱衣室暖房機4が脱衣室暖房運転を実行中であったときは、使用者による暖房スイッチ52のON操作によって脱衣室暖房運転が開始された状態である。そのため、この場合は、STEP60から図2のSTEP1に分岐して、浴室暖房機3による浴室暖房運転が停止しても脱衣室暖房機4は脱衣室暖運転を継続するようにしている。これにより、使用者による脱衣室暖房の開始指示に応じて脱衣室暖房機4が脱衣室暖房運転を実行中であるときに、浴室暖房運転の停止に連動して脱衣室暖房運転が突然停止し、使用者が脱衣室暖房機4の故障が生じたと誤認識することを防止することができる。
【0042】
また、使用者が脱衣室リモコン8の暖房スイッチ52をOFF操作したときは、STEP63からSTEP80に分岐し、脱衣室暖房機4は、脱衣室暖房運転を停止して図2のSTEP1に戻る。
【0043】
この場合、「連動モード」のままで浴室暖房機3が浴室暖房運転を停止し、その後浴室暖房機3が浴室暖房運転を開始して、熱源機1から暖房開始信号を受信したときには、STEP3からSTEP30に分岐し、さらに図4のSTEP60に分岐して脱衣室暖房機4は脱衣室暖房運転を開始する。そのため、使用者は、浴室暖房機3の浴室暖房運転の開始に連動して脱衣室暖房機4の脱衣室暖房運転を開始させるために、作動モード切替スイッチ51により、一旦「非連動モード」に切替えてから再び「連動モード」に戻す等の操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。
【0044】
また、予約スイッチ53により脱衣室予約暖房運転が設定された状態で暖房予約時刻になったときは、STEP64から図3のSTEP41に進む。そして、脱衣室暖房機4は、STEP41で予約暖房時間がセットされたタイマをスタートし、次のSTEP42,STEP50のループで、暖房スイッチ52の操作の有無を確認しながら該タイマがタイムアップするのを待つ。そして、該タイマがタイムアップしたときはSTEP43に進み、脱衣室暖房機4は脱衣室暖房運転を停止して図2のSTEP1に戻る。
【0045】
これにより、浴室暖房機3の浴室暖房運転の開始に連動して脱衣室暖房機4が脱衣室暖房運転を実行中であるときに、暖房予約時刻になったときには、浴室暖房運転が停止された場合であっても、予約暖房時間が経過するまでは脱衣室暖房運転が継続して実行される。そのため、予約暖房時間の途中で脱衣室暖房運転が停止して、使用者に不快感を与えることを防止することができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、浴室暖房機3が浴室暖房運転を開始した時に熱源機1から脱衣室暖房機4に暖房開始指示信号を送信し、また、浴室暖房機3が浴室暖房運転中である間は熱源機1から脱衣室暖房機4に暖房運転中信号を送信したが、図1に示したように、浴室暖房機3と脱衣室暖房機4間で直接通信を行うための通信ユニット15,16を設けて通信ケーブル17で接続し、浴室暖房機3から脱衣室暖房機4に対して、暖房開始指示信号と暖房運転中信号を直接送信するようにしてもよい。この場合、通信ユニット15,16として、無線による通信を行うものを用いてもよい。
【0047】
また、本実施の形態では、「連動モード」において、浴室暖房機3が浴室暖房運転を実行中である間は熱源機1から脱衣室暖房機4に暖房運転中信号を継続的に送信し、脱衣室暖房機4は該暖房運転中信号を受信しなくなったときに脱衣室暖房運転を停止したが、浴室暖房機3が浴室暖房運転を停止した時に熱源機1から脱衣室暖房機4に暖房停止指示信号を送信し、脱衣室暖房機4は該暖房停止指示信号を受信したときに脱衣室暖房運転を停止するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施の形態では、本発明の特定の暖房機が浴室暖房機であり、本発明の他の暖房機が脱衣室暖房機である例を示したが、本発明の適用はこれに限られない。例えば本発明の特定の暖房機をリビングに設置された床暖房機とし、本発明の他の暖房機をリビングの壁面に設置された温風暖房機とした場合にも、本発明の適用により使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0049】
さらに、複数の暖房機(例えば、リビングに設置された床暖房機と温風暖房機)のいずれかが暖房運転を開始したときに、他の暖房機が連動して暖房運転を開始する場合にも、本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温水暖房システムの全体構成図。
【図2】図1に示した脱衣室暖房機の作動フローチャート。
【図3】図1に示した脱衣室暖房機の作動フローチャート。
【図4】図1に示した脱衣室暖房機の作動フローチャート。
【符号の説明】
1…熱源機、2…風呂リモコン、3…浴室暖房機、4…脱衣室暖房機、7…浴室リモコン、8…脱衣室リモコン、15,16…通信ユニット、44…暖房スイッチ、51…作動モード切替スイッチ、52…暖房スイッチ
Claims (2)
- 複数の暖房機を連動して作動させる暖房システムであって、
各暖房機は暖房運転の開始/停止を指示する暖房指示手段を有し、いずれか又は特定の暖房機と他の暖房機の暖房運転を連動して行う連動暖房運転が可能な連動モードと、該連動暖房運転が不能な非連動モードとを切替える作動モード切替手段を備えた暖房システムにおいて、
前記連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を開始したときは、前記他の暖房機は連動して暖房運転を開始し、
前記連動モード及び前記非連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で該他の暖房機の前記暖房指示手段により暖房運転の開始指示がなされたときは、該他の暖房機は暖房運転を開始し、また、前記他の暖房機が暖房運転を実行中である状態で該他の暖房機の前記暖房指示手段により暖房運転の停止が指示されたときは、該他の暖房機は暖房運転を停止し、
前記他の暖房機の暖房運転を開始させる時刻である暖房予約時刻を設定する暖房予約時刻設定手段と、
前記連動モード及び前記非連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で前記暖房予約時刻となった時に、該他の暖房機の暖房運転の開始を指示する予約暖房開始指示手段とを備え、
前記連動モード及び前記非連動モードにおいて、前記他の暖房機は、前記予約暖房開始指示手段による暖房運転の開始指示に応じて暖房運転を開始したときは該暖房予約時刻から所定の予約暖房時間が経過した時に暖房運転を停止し、
前記連動モードにおいて、前記いずれか又は特定の暖房機の暖房運転の開始に連動して前記他の暖房機が暖房運転を実行中である状態で前記暖房予約時刻になったときには、該他の暖房機は、該暖房予約時刻から所定の予約暖房時間が経過するまでは前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を停止しても暖房運転を継続して実行し、該予約暖房時間が経過した時に暖房運転を停止することを特徴とする暖房システム。 - 複数の暖房機を連動して作動させる暖房システムであって、
各暖房機は暖房運転の開始/停止を指示する暖房指示手段を有し、いずれか又は特定の暖房機と他の暖房機の暖房運転を連動して行う連動暖房運転が可能な連動モードと、該連動暖房運転が不能な非連動モードとを切替える作動モード切替手段を備えた暖房システムにおいて、
前記連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を開始したときは、前記他の暖房機は連動して暖房運転を開始し、
前記連動モード及び前記非連動モードにおいて、前記他の暖房機が暖房運転を停止した状態で該他の暖房機の前記暖房指示手段により暖房運転の開始指示がなされたときは、該他の暖房機は暖房運転を開始し、また、前記他の暖房機が暖房運転を実行中である状態で該他の暖房機の前記暖房指示手段により暖房運転の停止が指示されたときは、該他の暖房機は暖房運転を停止し、
前記連動モードにおいて前記いずれか又は特定の暖房機の暖房運転の開始に連動して前記他の暖房機が暖房運転を開始したときは、該いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を停止したときに該他の暖房機は連動して暖房運転を停止し、
また、前記連動モードにおいて、前記他の暖房機が該他の暖房機の前記暖房指示手段による暖房運転の開始指示に応じて暖房運転を実行中である状態で前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を開始したときには、前記いずれか又は特定の暖房機が暖房運転を停止しても前記他の暖房機は暖房運転を継続することを特徴とする暖房システム。
Priority Applications (1)
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