JP3730402B2 - 蒸着装置および前記蒸着装置を備えた試料分析装置 - Google Patents

蒸着装置および前記蒸着装置を備えた試料分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子線装置(電子顕微鏡装置、電子ビーム、イオンビーム等を用いた分析装置、等)を使用して観察、分析する試料の表面に蒸着膜を形成する蒸着装置、および前記蒸着装置を備え前記蒸着装置より蒸着膜を形成された試料表面を顕微分析する試料分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記蒸着装置としては、従来、下記(J01)に示す技術が知られている。
(J01)図5に示す技術
図5は超高真空走査型トンネル顕微鏡(UHV−STM)で使用される従来の蒸着装置の概略説明図である。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、左右方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、上方、下方、右方、左方、または、前側、後側、上側、下側、右側、左側、とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0003】
図5において、外壁01の右側面で下部には真空フランジ02が装着されており、前記外壁01内部に形成されて真空に保持される真空室03内には、前記外壁01に固定された超高真空走査型トンネル顕微鏡Uの基台04が配置されている。
前記基台04には、上下方向(Y軸方向)に貫通する蒸着物質通過孔04aが形成されており、前記基台04上で前記蒸着物質通過孔04aの左側(−Z側)には、X軸方向(前後方向)およびY軸方向(上下方向)に移動可能なXYステージ06が配置されている。前記XYステージ06には試料Sを保持する試料ホルダ07が装着されている。
前記試料Sの右側(Z側)で前記蒸着物質通過孔04aの右側には、探針08を支持する探針支持装置09が配置されている。
【0004】
前記基台04の下方(−Y方向)には、試料表面に蒸着膜を形成するための蒸着装置Jが配置されている。
前記蒸着装置Jは、前記真空フランジ02の内端側に固定される円筒カバー011と、前記真空フランジ02に固定される端子012a,012aとを有している。前記円筒カバー011の左端側で上方側の部分には蒸着口011a,011aが形成されている。前記端子012a,012aは真空フランジ02の内側である真空側と前記外側である大気側とを電気的に接続するための部材である。
また、前記蒸着装置Jの端子012a,012aの外端部(右側の端部)には加熱電源013が接続されており、内端部(左側の端部)には蒸着用フィラメント014が接続されている。前記蒸着用フィラメント014はるつぼ016に巻付けられている。
前記るつぼ016はその開口が上方の前記蒸着口011a,011a側に向けられており、前記るつぼ016の内部には粉末の蒸着源(図示せず)が保持されている。
【0005】
前記加熱用電源013から前記蒸着用フィラメント014に数A程度の電流を流して加熱し、前記るつぼ016内に入っている粉末の蒸着源を加熱する。加熱により前記蒸着源から蒸発した蒸着物質Aは前円筒カバー011の蒸着口011a,011aを経て、前記蒸着口011a,011a斜め上方に固定されている前記基台04の蒸着物質通過孔04aを通過し、前記基台04上に保持されている試料Sの表面に蒸着する。
蒸着源が粉末の場合には、るつぼが必要であるが、線材あるいは、塊の場合には、るつぼを使わないのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(前記(J01)の問題点)
前記従来技術(J01)では、蒸着源が線材あるいは塊の場合には、るつぼ016を使用せず、蒸着口011aを下向きに取り付け、試料に対して上方から蒸着することもできるが、粉末の蒸着源を使用する場合には、るつぼ016を下向きにすることができないので、試料Sに対して下方からしか蒸着できない。このため、試料Sおよびこれを支持する部材に対してるつぼ016およびこれを支持する部材を下方に配置する必要があり、逆の配置では蒸着を行うことができないとう問題があった。
たとえば、前記従来技術(J01)のような超高真空走査型トンネル顕微鏡Uの場合、試料Sを保持するXYステージ06を支持する基台04の下方に前記るつぼ016を支持する前記蒸着装置Jを配置しようとしても、前記基台04の下方にスペースが少なく、るつぼ016を支持する前記蒸着装置Jを下方に配置することができない場合がある。また、前記下方にスペースがある場合でもわざわざ基台04に蒸着物質Aを通過させるための蒸着物質通過孔04aを設けなければならない。
このため、前記従来のるつぼを使用する蒸着装置Jは試料保持位置の下方に蒸着装置配置用のスペースがある場合にしか使用できないという問題がある。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑み下記(O01)の記載内容を課題とする。
(O01)蒸着源を保持するるつぼを試料の上方に配置しても蒸着できるようにすること。
【0008】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号である。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0009】
(本発明)
前記課題を解決するために、本発明の蒸着装置は下記の要件を備えたことを特徴とする、
(A01)外壁(1)内部に形成された真空に保持される真空室(3)内に配置され且つ蒸着口(13a,13a)が形成された壁部材(13)により形成される蒸着源室(J1)、
(A02)前記蒸着源室(J1)の外部で且つ前記蒸着口(13a,13a)の下方の位置に保持された試料(S)、
(A03)前記蒸着源室(J1)内に配置されて、上方に開口するるつぼ(22)、
(A04)加熱されたときに蒸発して前記試料(S)表面に蒸着する蒸着物質(A)となる蒸着源を保持する前記るつぼ(22)、
(A05)前記るつぼ(22)内の蒸着源を加熱蒸発させて、蒸着物質(A)にする蒸着源加熱装置(14+18+21)、
(A06)前記蒸着源室(J 1 )内の前記るつぼ(22)の上方位置で且つ前記試料と前記蒸着口とを結ぶ直線上に配置されて、前記るつぼ(22)から蒸発した蒸着物質(A)を前記蒸着口(13a,13a)に向かわせる反射板(23)、
(A07)前記反射板(23)を加熱する反射板加熱装置(17+19+24;17+19+24〜28)。
また、本発明の試料分析装置は、下記の構成要件(A 08 )〜(A 010 )を備えたことを特徴とする。
(A 08 )請求項 1 記載の蒸着装置(J)
(A 09 )前記蒸着装置(J)の下方に配置され且つ前記蒸着装置(J)により蒸着される試料(S)を支持する試料ステージ(6)、
(A 010 )前記試料ステージ(6)に支持された試料(S)表面に探針(12)の先端が対向する状態で前記探針(12)を移動可能に支持する探針支持装置(T)。
【0010】
(本発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A07)を備えた本発明の蒸着装置では、上方に開口するるつぼ(22)および反射板(23)は、蒸着口(13a,13a)が形成された壁部材(13)によって形成された蒸着源室(J1)内に配置される。前記るつぼ(22)は、加熱されたときに蒸発して試料(S)表面に蒸着する蒸着物質(A)となる蒸着源を保持する。蒸着源加熱装置(14+18+21)は、前記るつぼ(22)内の蒸着源を加熱蒸発させて、蒸着物質(A)にする。前記上方に開口するるつぼ(22)から蒸発してるつぼ(22)上方の反射板(23)に向かった蒸着物質(A)は前記反射板(23)に接触する。前記反射板(23)は、反射板加熱装置(17+19+24;17+19+24〜28)により加熱されるので、前記反射板(23)に接触した蒸着物質(A)は、前記反射板(23)に蒸着せずに離れるかまたは蒸着してもすぐに再蒸発して離れる。前記反射板(23)は前記反射板(23)に接触してから離れた前記蒸着物質(A)を前記蒸着口(13a,13a)に向かわせる。前記蒸着口(13a,13a)を直線に沿って通過した蒸着物質(A)は、前記蒸着源室(J1)の外部で且つ前記蒸着口(13a,13a)の下方の位置に保持された真空室(3)内の試料(S)に蒸着する。
したがって、前記試料(S)に対して上方に配置したるつぼ(22)内から加熱蒸発させた蒸着物質(A)を前記試料(S)に蒸着させることが可能である。
また、前記加熱されるるつぼ(22)および反射板(23)は、壁部材(13)内側の蒸着源室(J1)内に配置されるので、るつぼ(22)から蒸発した蒸着物質(A)のうち、前記反射板(23)に向かわなかったものが、蒸着源室(J1)の外側に漏出するのを防止することができる。したがって、前記蒸着源室(J1)の外側の真空室(3)内に蒸着物質(A)が漏出し難いので、真空室(3)内の蒸着物質(A)による汚染を防止することができる。このため、本発明の蒸着装置は、超高真空走査型トンネル顕微鏡の高真空室内で使用可能である。
また、前記構成要件(A 08 )〜(A 010 )を備えた本発明の試料分析装置では、前記蒸着装置(J)の下方に配置された試料ステージ(6)は、前記蒸着装置(J)により蒸着される試料(S)を支持する。探針支持装置(T)は、前記試料ステージ(6)に支持された試料(S)表面に探針(12)の先端が対向する状態で前記探針(12)を移動可能に支持する。前記探針(12)の先端を試料(S)表面に沿って走査することにより試料(S)表面の顕微分析を行うことができる。
【0011】
また、前記試料(S)を超高真空走査型トンネル顕微鏡(U)などの試料ステージ(6)に保持した場合には、本発明の蒸着装置(J)は、前記試料(S)を保持する試料ステージ(6)上方に配置しても前記試料(S)を蒸着することができるので、前記試料ステージ(6)を支持する部材下方のスペースの少ない超高真空走査型トンネル顕微鏡(U)などにおいても蒸着を行うことができる。また、前記試料ステージ(6)を支持する部材下方のスペースがある場合でも、本発明の蒸着装置(J)は、前記試料(S)を保持する試料ステージ(6)上方に配置するので、前記試料(S)より下方に配置された前記試料ステージ(6)を支持する部材に蒸着物質(A)を通過させるための通過孔を設ける必要がない。
【0012】
【発明の実施の形態】
【実施例】
次に図面を参照しながら、本発明の蒸着装置の実施の態様の例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の蒸着装置を超高真空走査型トンネル顕微鏡で使用した場合の概略説明図である。
図1において、外壁1の右側(Z側)面で上部には真空フランジ2が装着されている。前記外壁1によって形成されて、真空に保持された真空室3内の下側(−Y側)には、前記外壁1に固定された超高真空走査型トンネル顕微鏡Uの基台4が配置されている。
前記基台4上で左側(−Z側)にはX軸方向(前後方向)およびY軸方向(上下方向)に移動可能なXYステージ6が配置されており、前記XYステージ6には試料Sを保持する試料ホルダ7が装着されている。
【0013】
前記試料Sの右方には探針支持装置Tが配置されている。
前記探針支持装置Tは、前記基台4上に配置されたZ方向駆動機構8を有しており、前記Z方向駆動機構8の左端側にはXYZ方向圧電走査素子9が支持されている。前記XYZ方向圧電走査素子9の左端側には探針ホルダ11が支持されている。前記探針ホルダ11は探針12を支持しており、前記探針12の先端は前記試料Sの表面に向いている。
前記超高真空走査型トンネル顕微鏡U上方には蒸着装置Jが配置されている。
【0014】
図1において、前記蒸着装置Jは、前記真空フランジ2の左端面(−Z方向の面)に固定されている円筒カバー(壁部材)13を有している。前記円筒カバー13の左端側で下方側の部分には蒸着口13a,13aが形成されており、前記円筒カバー13内には蒸着源室J1が設けられている。
前記円筒カバー13は蒸着物質が前記試料Sの方向以外に広がらないようするための部材である。
また、前記真空フランジ2の下側の部分には、前記蒸着装置Jのるつぼ加熱用端子14,14が固定されており、前記るつぼ加熱用端子14,14の固定されている上側の部分には反射板支持部材16および反射板加熱用端子17,17がそれぞれ固定されている。
前記るつぼ加熱用端子14,14および反射板加熱用端子17,17の外端部にはそれぞれるつぼ加熱用電源18および反射板加熱用電源19が接続されている。
前記るつぼ加熱用端子14,14の内端部には蒸着用フィラメント21が接続されており、前記蒸着用フィラメント21はるつぼ22に巻付けられている。前記るつぼ22の開口は上方に向けられており、内部には図示しない粉末の蒸着源が保持されている。
【0015】
前記るつぼ22の上方(Y方向)には、前記反射板支持部材16に支持された反射板23が配置されている。前記反射板23は厚さが薄く、高融点物質で構成されている。前記反射板23は効率良く蒸着物質Aを反射させるために凹面になっていることが望ましい。
前記反射板23の上面側には、反射板加熱用フィラメント24が配置されており、前記反射板加熱用端子17,17の内端部に接続されている。
前記反射板23は前記反射板加熱用フィラメント24の輻射線により加熱されるようになっている。
なお、前記るつぼ加熱用端子14,14、るつぼ加熱用電源18および蒸着用フィラメント21から実施例1の蒸着源加熱装置(14+18+21)が構成され、前記反射板加熱用端子17,17、反射板加熱用電源19および反射板加熱用フィラメント24から実施例1の反射板加熱装置(17+19+24)が構成される。
【0016】
(実施例1の作用)
図1において、前記るつぼ加熱用電源18から前記蒸着用フィラメント21に数A程度の電流を流して加熱し、前記るつぼ22内に入っている粉末の蒸着源を加熱する。加熱により前記蒸着源から蒸発した蒸着物質Aはるつぼ22上方の反射板23の下面に接触する。
前記蒸着源の加熱とともに、前記反射板加熱用電源19から前記反射板加熱用フィラメント24に数A程度の電流を流して加熱し、前記反射板加熱用フィラメント24の下方の反射板23を加熱する。前記反射板23が加熱されることにより前記反射板23下面に接触した前記蒸着物質Aは反射板23に蒸着せずに離れるかまたは蒸着してもすぐに再蒸発する。再蒸発した蒸着物質Aは、いわば反射板23がるつぼとなって前記反射板23の前方に飛び出し、その内の前記蒸着口13a,13aを通過したものが、前記蒸着口13a,13a斜め下方の前記超高真空走査型トンネル顕微鏡UのXYステージ6に保持されている試料Sの表面に蒸着する。
【0017】
したがって、前記試料Sに対して上方に配置した蒸着装置Jのるつぼ22内から加熱蒸発させた蒸着物質Aを前記蒸着装置Jのるつぼ22の下方の試料Sに蒸着させることが可能である。
また、本発明の実施例1の蒸着装置Jは、前記試料Sを保持するXYステージ6上方に配置しても前記試料Sを蒸着することができるので、前記XYステージ6を支持する基台4下方のスペースの少ない超高真空走査型トンネル顕微鏡Uにおいても蒸着を行うことができる。また、前記XYステージ6を支持する基台4下方のスペースがある場合でも、本発明の実施例1の蒸着装置Jは、前記試料Sを保持するXYステージ6上方に配置するので、前記XYステージ6を支持する基台4に蒸着物質Aを通過させるための通過孔を設ける必要がない。
さらに、前記反射板加熱用フィラメント24の輻射線により前記反射板23を加熱するので、この実施例1の蒸着装置Jは融点が数百℃程度の物質に適している。
【0018】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の蒸着装置の概略説明図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図2において、この実施例2では、前記実施例1の反射板支持部材16の代わりに高圧印加用端子26が真空フランジ2に固定されている。前記高圧印加用端子26の外端部には高圧印加用電源27が接続されている。
前記高圧印加用端子の内端部にはリード用棒28が固定されており、前記リード用棒28の先端には前記反射板23が固定されている。また、この実施例2では前記高圧印加用電源27から反射板23に数百V以上の高圧電圧を印加するとともに前記反射板加熱用電源19から前記反射板加熱用フィラメント24に電流を流して熱電子を発生させ、前記熱電子を前記反射板23に当て電子衝撃加熱により、反射板23を加熱するようになっている。
なお、前記符号17,19,24,26,27,28で示される要素から実施例2の反射板加熱装置(17+19+24〜28)が構成される。
【0019】
(実施例2の作用)
前記るつぼ加熱用電源18から前記蒸着用フィラメント21,21に数A程度の電流を流して加熱し、前記るつぼ22内の蒸着源を加熱蒸発させて蒸着物質を発生させる。同時に、前記高圧印加用電源27から反射板23に数百V以上の高圧電圧を印加するとともに前記反射板加熱用電源19から前記反射板加熱用フィラメント24に数A程度の電流を流して熱電子を発生させ、前記熱電子を前記反射板23に当て電子衝撃加熱により、反射板23を加熱する。
前記反射板23が加熱されることにより前記反射板23下面に接触していた蒸着物質Aが前記反射板23に蒸着せずに離れるかまたは蒸着してもすぐに再蒸発して反射板23から離れる。
前記反射板23に接触してから離れた蒸着物質Aは前円筒カバー13の蒸着口13a,13aを経て、前記蒸着口13a,13a斜め下方の試料Sのに蒸着する。
【0020】
したがって、前記試料Sに対して上方に配置した蒸着装置Jのるつぼ22内から加熱蒸発させた蒸着物質Aを前記蒸着装置Jのるつぼ22の下方の試料Sに蒸着させることが可能である。
また、本発明の実施例2の蒸着装置Jは、前記試料Sを保持するXYステージ6上方に配置しても前記試料Sを蒸着することができるので、前記XYステージ6を支持する基台4下方のスペースの少ない超高真空走査型トンネル顕微鏡Uにおいても蒸着が可能である。前記XYステージ6を支持する基台4下方のスペースがある場合でも、前記XYステージ6を支持する基台4に蒸着物質Aを通過させるための通過孔を設ける必要がない。
また、前記反射板23の加熱は、前記反射板23に前記熱電子を当て電子衝撃加熱により前記反射板23を加熱しようとするので、この実施例2の蒸着装置Jは融点が千℃以上の高融点物質に適している。
【0021】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の蒸着装置の概略説明図である。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図3において、この実施例3では反射板加熱用電源19に接続するヒータ(図示せず)が前記反射板23に接着するように配置され、前記反射板23を加熱するようになっている。また、前記実施例1の反射板加熱用フィラメント24の代わりにリード用棒29が反射板加熱用端子17,17の内端側に接続されている。
【0022】
(実施例3の作用)
前記るつぼ加熱用電源18から前記蒸着用フィラメント21,21に数A程度の電流を流して加熱し、前記るつぼ22内に入っている粉末の蒸着源を加熱する。加熱により前記蒸着源から蒸発した蒸着物質Aはるつぼ22上方の反射板23の下面に接触する。
前記蒸着源の加熱とともに、前記反射板加熱用電源19から図示しないヒータに電流を流して加熱し、反射板23を加熱する。前記反射板23が加熱されることにより前記反射板23下面に接触していた蒸着物質Aが前記反射板23に蒸着せずに離れるかまたは蒸着してもすぐに再蒸発して反射板23から離れる。
前記反射板23に接触してから離れた蒸着物質Aは前円筒カバー13の蒸着口13a,13aを経て、前記蒸着口13a,13a斜め下方の試料Sの表面に蒸着する。
したがって、この実施例3においても前記試料Sに対して上方に配置した蒸着装置Jのるつぼ22内から加熱蒸発させた蒸着物質Aを前記蒸着装置Jのるつぼ22の下方の試料Sに蒸着させることが可能となる。
【0023】
(実施例4)
図4は本発明の実施例4の蒸着装置の概略説明図である。
なお、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図4において、この実施例4の反射板23と前記反射板23上方のるつぼ22とは一体化されており、前記反射板23およびるつぼ22は前記るつぼ22に巻き付いている蒸着用フィラメント21によって加熱されるようになっている。このため、実施例1の反射板加熱用電源19、反射板加熱用フィラメント24は省略されている。
この実施例4においても前記実施例1と同様、蒸着装置Jのるつぼ22内から加熱蒸発させた蒸着物質Aを前記蒸着装置Jのるつぼ22の下方の試料Sに蒸着させることが可能である。
【0024】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)前記各実施例ではるつぼ22は蒸着用フィラメント21によって加熱した場合を例示したが、前記るつぼ22に熱電子を当てる電子衝撃加熱による方法が採用可能である。
(H02)本発明の蒸着装置は超高真空走査型トンネル顕微鏡U以外の荷電粒子線装置でも使用可能である。
【0025】
【発明の効果】
前述の本発明の蒸着装置は、下記の効果を奏することができる。
(E01)蒸着源を保持するるつぼを試料の上方に配置しても蒸着ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1の蒸着装置を超高真空走査型トンネル顕微鏡で使用した場合の概略説明図である。
【図2】 図2は本発明の実施例2の蒸着装置の概略説明図である。
【図3】 図3は本発明の実施例3の蒸着装置の概略説明図である。
【図4】 図4は本発明の実施例4の蒸着装置の概略説明図である。
【図5】 図5は超高真空走査型トンネル顕微鏡(UHV−STM)で使用される従来の蒸着装置の概略説明図である。
【符号の説明】
A…蒸着物質、J1…蒸着源室、S…試料、
1…外壁、3…真空室、13…壁部材、13a,13a…蒸着口、22…るつぼ、23…反射板、
(14+18+21)…蒸着源加熱装置、
(17+19+24;17+19+24〜28)…反射板加熱装置。

Claims (2)

  1. 下記の構成要件(A01)〜(A07)を備えたことを特徴とする蒸着装置、
    (A01)外壁内部に形成された真空に保持される真空室内に配置され且つ蒸着口が形成された壁部材により形成される蒸着源室、
    (A02)前記蒸着源室の外部で且つ前記蒸着口の下方の位置に保持された試料、
    (A03)前記蒸着源室内に配置されて、上方に開口するるつぼ、
    (A04)加熱されたときに蒸発して前記試料表面に蒸着する蒸着物質となる蒸着源を保持する前記るつぼ、
    (A05)前記るつぼ内の蒸着源を加熱蒸発させて、蒸着物質にする蒸着源加熱装置、
    (A06)前記蒸着源室内の前記るつぼの上方位置で且つ前記試料と前記蒸着口とを結ぶ直線上に配置されて、前記るつぼから蒸発した蒸着物質を前記蒸着口に向かわせる反射板、
    (A07)前記反射板を加熱する反射板加熱装置。
  2. 下記の構成要件(A08)〜(A010)を備えたことを特徴とする試料分析装置。
    (A08)請求項1記載の蒸着装置、
    (A09)前記蒸着装置の下方に配置され且つ前記蒸着装置により蒸着される試料を支持する試料ステージ、
    (A010)前記試料ステージに支持された試料表面に探針の先端が対向する状態で前記探針を移動可能に支持する探針支持装置。
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