JP2549398B2 - 二酸化硅素薄膜の成膜方法 - Google Patents

二酸化硅素薄膜の成膜方法

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JP2549398B2 JP62280346A JP28034687A JP2549398B2 JP 2549398 B2 JP2549398 B2 JP 2549398B2 JP 62280346 A JP62280346 A JP 62280346A JP 28034687 A JP28034687 A JP 28034687A JP 2549398 B2 JP2549398 B2 JP 2549398B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、保護膜、誘電体膜、絶縁膜、反射防止膜等
に使用可能な二酸化硅素薄膜の成膜方法に関する。
従来技術 一般に、二酸化硅素薄膜(SiO2)は高透明性、高硬度
を有する薄膜として種々の技術分野における利用価値が
高いものである。
このような二酸化硅素薄膜の西方も種々提案されてい
る。例えば、電子ビーム蒸着法、スパツタリング法、CV
D法等の被着法と、熱酸化法等がある。一般には、「MOS
デバイス」(徳山巍著、(株)工業調査会発行、第130
頁、第140頁等)に示される如きCVD法やスパツタリング
法が用いられることが多い。しかし、これらの方法は何
れも基板に熱を加えることにより良好なる薄膜を得る方
法である。この結果、耐熱性のないプラスチツクス等の
基板上に密着性のよい緻密な二酸化硅素薄膜を均一に形
成することは困難なものである。
目的 本発明は、このような点に鑑みなされたもので、従来
の製法の欠点である耐熱性のないプラスチツクス等の基
板上に二酸化硅素薄膜を形成できない等の点を、プラズ
マ中において成膜することにより、基板温度が低温、例
えば室温であつてもその主要な膜特性である膜強度及び
光透過率を従来の基板加熱方式のものと同等乃至はそれ
以上の状態に向上させ得る新規な二酸化硅素薄膜の成膜
方法を提供することを目的とする。
構成 本発明は、上記目的を達成するため、真空に減圧され
た酸素ガス又は酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスが
導入される真空槽と、前記真空槽内において蒸発物質を
蒸発させるための蒸発源と、前記真空槽内に配置されて
前記蒸発源に対向するように基板を保持する対電極と、
前記蒸発源と対電極との間に配設されて前記蒸発物質の
通過する隙間のあるグリツドと、前記真空槽内において
前記グリツドより前記蒸発源側に配設させた熱電子発生
用のフイラメントと、前記グリツドを前記フイラメント
の電位に対し正電位とする電源手段とを備えた薄膜形成
装置を用いる二酸化硅素薄膜の成膜方法において、真空
槽内に導入する酸素ガス又は酸素ガスとアルゴンガスと
の混合ガスの圧力を2×101〜10-2Paの範囲とし、蒸発
物質を硅素Si又はSiO、SiO2等の硅素酸化物とし、グリ
ツド印加電圧を50〜300Vの範囲とし、成膜速度を1〜50
Å/secとして成膜を行なうことを特徴とする。
即ち、本出願人により特開昭59−89763号として既提
案の薄膜形成装置を用い、そのプラズマを利用して低温
成膜を行うことにより反応性成膜を容易にし、化合物薄
膜を形成し、従来成膜が困難であつたプラスチツク基板
等の耐熱性のない基板上への二酸化硅素薄膜を容易に成
膜し得る蒸着方法を提供するものである。
ここに、本出願人既提案の薄膜形成装置の、構成及び
原理は、次の通りである。まず、真空層と、対電極と、
グリツドと、熱電子発生用のフイラメントと、蒸発源と
を有する。真空層内には、活性ガス若しくは不活性ガス
或いはこれら両者の混合ガスが導入される。対電極は真
空層内に配設されて基板を保持し、かつ、この基板を蒸
発源と対向させる。又、蒸発源と対電極とは同電位若し
くは対電極が負の電位におかれる。グリツドは蒸発物質
を通過させ得るものであつて、蒸発源と対電極間に配設
され、フイラメントの電位に対して正電位におかれる。
従つて、真空槽内には、グリツドからフイラメントに向
かう電界が形成される。
一方、熱電子発生用のフイラメントは、真空槽内のグ
リツドより蒸発源側に配設され、このフイラメントによ
り発生する熱電子は蒸発物質の一部をイオン化するのに
供される。よつて、蒸発源からの蒸発物質は、その一部
がフイラメントからの電子により正イオンにイオン化さ
れる。このように一部イオン化された蒸発物質は、グリ
ツドを通過し、更に、イオン化されたガスにより正イオ
ンにイオン化を促進され、上記電界の作用により基板の
方へと加速される。
なお、フイラメントからの電子は、フイラメント温度
に対応する運動エネルギーを持つてフイラメントから放
射されるので、正電位のグリツドに直ちに吸引されず
に、これを一旦通過し、グリツドによるクーロン力によ
り引き戻され、更に、グリツドを通過する、というよう
に、グリツドを中心として振動運動を繰返し、遂にはグ
リツドに吸引されるので基板へは達しない。よつて、基
板は電子衝撃を受けないので、これによる加熱がなく基
板の温度上昇が防止できる。従つて、プラスチツクスの
ような耐熱性の無い材質のものでも、基板とすることが
できるというものである。
しかして、このような薄膜形成装置を用いる、本発明
の一実施例を図面に基づいて説明する。まず、ベースプ
レート1とベルジヤー2とは、パツキング15を介して一
体化され真空槽を形成している。ベースプレート1に
は、支持体兼用電極3,5,7,9が貫通しているが、これら
支持体兼用電極3などの貫通部はもちろん気密状態であ
り、更にこれら支持体兼用電極3,5,7,9とベーススプレ
ート1とは電気的に絶縁されている。又、ベースプレー
ト1の中央部に穿設された孔1Aは真空排気系(図示せ
ず)に連結されている。
一対の支持体兼用電極3は、その間にタングステン、
モリブデンなどの金属をボート状(コイル状等であつて
もよい)に形成してなる抵抗加熱式の蒸発源4を支持し
ている。なお、このような蒸発源に代えてビーム蒸発源
などのような、従来の真空蒸着方式で用いられている蒸
発源を適宜使用してもよい。又、一対の支持体兼用電極
5の間には、タングステンなどによる熱電子発生用のフ
イラメント6が支持されている。このフイラメント6の
形状は、複数本のフイラメントを平行に配列したり、あ
るいは編目状にしたりするなどして、蒸発源から蒸発し
た蒸発物質の粒子が拡がりをカバーするように定められ
ている。支持体兼用電極7にはグリツド8が支持されて
いる。このグリツド8は蒸発物質が通過する隙間を持つ
ようにその形状が定められている。例えば、本実施例で
は網目状とされている。又、支持体兼用電極9には対電
極10が支持され、その下面には基板11が適宜の方法で保
持されている。この状態を蒸発源4の側から見れば、基
板11の背後に対電極10が配設されていることになる。
ここに、これらの支持体兼用電極3,5,7,9は、何れも
導電体であつて電極としての役割を兼ねており、それら
の真空槽外へ突出した端部間は図示のように種々の電源
に接続されている。まず、一対の支持体兼用電極3は蒸
発用電源12を介して接続されている。又、支持体兼用電
極5は電源13に接続されている。更に、図示例の場合
は、支持体兼用電極7が直流電圧電源14の正端子に接続
され、支持体兼用電極9が接地されている。これによ
り、グリツド8はフイラメント6に対して正電位とされ
ている。
実際には、これら電気的接続は種々のスイツチ類を含
み、これらの操作により成膜プロセスを実現するのであ
るが、これらスイツチ類は図中に示されていない。
このような薄膜形成装置を用いな二酸化硅素薄膜の形
成について説明する。
まず、基板11を図の様にセツトして、蒸発物質として
硅素Si又は硅素酸化物(SiO、SiO2等)を蒸発源4に保
持させる。ここでは、例えば蒸発物質は一酸化硅素SiO
であり、蒸発源4はタングステンボートであるとする。
一方、真空槽内は予め10-3〜10-5Paの圧力にされ、こ
れに必要に応じて酸素ガスを単独で、又は酸素ガスとア
ルゴンガスとの混合ガスとして、100〜10-2Paの圧力で
導入される。ここでは、例えば導入ガスを酸素ガス単独
とする。
このような状態において、電源装置を作動させること
によりグリツド8に正の電圧が印加され、フイラメント
6には電流が流れる、このとき、対電極10は接地されて
いるものとする。ここでは、例えばグリツド8が網目状
であり100V印加されているとし、フイラエト6はタング
ステンワイヤで400Wの電力がかかつているとする。フイ
ラメント6は抵抗加熱により加熱されて熱電子を放射す
る。真空槽内の酸素分子或いはアルゴン分子は、フイラ
メント6より放出された熱電子との衝突によつてイオン
化される。蒸発した硅素の粒子や酸素、又はその化合物
は拡がりをもつて、基板11側へ向かつて飛行するが、そ
の一部、及び、前記導入ガスはフイラメント6より放出
された熱電子との衝突によつてイオン化される。
このように、一部イオン化された硅素や酸素はグリツ
ド8を通過するが、その際、前述のように、グリツド8
近傍において上下に振動運動する熱電子及び前述の如く
イオン化された導入ガスの衝突により、更にイオン化が
促進される。
一方、グリツド8を通過した蒸発物質中の、未だイオ
ン化されていない部分は、更に、グリツド8と基板11の
間において、前述の如くイオン化された導入ガスとの衝
突により正イオンにイオン化されイオン化率が高められ
る。
このようにして、正イオンにイオン化された硅素は、
グリツド8から対電極12に向かう電界の作用により基板
11に向かつて加速され、基板11に高エネルギーを持つて
向かう。更に、その途中及び基板11表面において、酸素
と結合し、二酸化硅素薄膜が基板11に形成される。
次いで、熱電子は最終的には、その大部分がグリツド
8に吸収され、一部の熱電子はクリツド8を通過する
が、グリツド8と基板11との間で前述した電界の作用に
よつて減速されるので、仮に基板11に到達しても、同基
板11を加熱するには到らない。
本実施例によれば、このようにして高い光透過率を持
つ二酸化硅素薄膜を形成することが可能である。
特に、本実施例によれば、前述のように基板温度の上
昇が少なく、基板11と膜との密着性が強く得られる成膜
装置を用いているため、ガラス基板のみならず、プラス
チツクスなどの耐熱性に欠ける基板上にも二酸化硅素薄
膜を形成できる。
この結果、ガラス基板やプラスチツクス基板、又はア
ルミニウム表面上、或いは金属電極上に低い基板温度に
おいて二酸化硅素薄膜の成膜が可能であるため、あらゆ
る光学素子、装置の保護膜、パツシベーシヨン膜とし
て、又は高抵抗膜としてMINの絶縁膜、その他の絶縁膜
にも利用できるものである。
なお、成膜条件を一般的に考えた場合には、上述した
一例的な条件に限らず、酸素ガス等の導入ガスの圧力は
2×101〜10-2Paの範囲内、グリツド印加電圧は50〜300
Vの範囲内、成膜速度は1〜50Å/secの範囲内であれ
ば、良好なる結果が得られたものである。
効果 本発明は、上述したような成膜方法としたので、基板
温度の上昇が少なく、基板と膜との密着性が強く、か
つ、膜強度の優れた二酸化硅素薄膜が成膜可能な装置を
用いたことにより、ガラス基板のみならずプラスチツク
スなどの耐熱性に欠ける基板上にも二酸化硅素薄膜を形
成でき、この際、導入酸素ガスの圧力、酸素とアルゴン
との混合比、成膜速度等を適切に制御することにより、
再現性のよい良好な二酸化硅素薄膜を得ることができ、
今後益々プラスチツクス光学部品の利用が増大する光学
技術分野に大きく貢献することが期待できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示す薄膜形成装置の断面図で
ある。 4……蒸発源、6……フイラメント、8……グリツド、 10……対電極、11……基板、14……直流電源(電源手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−89763(JP,A) 特開 昭52−57267(JP,A) 特公 昭55−21108(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空に減圧され酸素ガス又は酸素ガスとア
    ルゴンガスとの混合ガスが導入される真空軸と、前記真
    空槽内において蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、
    前記真空槽内に配置されて前記蒸発源に対向するように
    基板を保持する対電極と、前記蒸発源と対電極との間に
    配設されて前記蒸発物質の通過する隙間のあるグリツド
    と、前記真空槽内において前記グリツドより前記蒸発源
    側に配設させた熱電子発生用のフライメントと、前記グ
    リツドを前記フイラメントの電位に対し正電位とする電
    源手段とを備えた薄膜形成装置を用いる二酸化硅素薄膜
    の成膜方法において、真空槽内に導入する酸素ガス又は
    酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスの圧力を2×10-1
    〜10-2Paの範囲とし、蒸発物質を硅素Si又はSiO、SiO2
    等の硅素酸化物とし、グリツド印加電圧を50〜300Vの範
    囲とし、成膜速度を1〜50Å/secとして成膜を行なうこ
    とを特徴とする二酸化硅素薄膜の成膜方法。
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