JP2544405B2 - 透明サファイア薄膜の成膜方法 - Google Patents

透明サファイア薄膜の成膜方法

Info

Publication number
JP2544405B2
JP2544405B2 JP62257826A JP25782687A JP2544405B2 JP 2544405 B2 JP2544405 B2 JP 2544405B2 JP 62257826 A JP62257826 A JP 62257826A JP 25782687 A JP25782687 A JP 25782687A JP 2544405 B2 JP2544405 B2 JP 2544405B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grid
thin film
evaporation source
substrate
evaporation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62257826A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01100270A (ja
Inventor
和三郎 太田
政志 中沢
祐二 小野寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP62257826A priority Critical patent/JP2544405B2/ja
Publication of JPH01100270A publication Critical patent/JPH01100270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2544405B2 publication Critical patent/JP2544405B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、アルミニウム表面反射鏡の保護膜、MIMス
イツチング素子等に使用可能な透明サフアイア薄膜の成
膜方法に関する。
従来技術 従来、透明サフアイア(Al2O3)薄膜は高透明性、高
硬度を有する薄膜として種々の技術分野における利用価
値が高いにもかかわらず、実用にはなかなか取り入れら
れていないという現状にある。その理由の1つは、その
成膜方法が非常に困難であり、品質のバラツキか大き
く、一定品質のものを安価に生産できないことである。
即ち、透明サフアイア薄膜の製法自体は種々提案され
ているものの、従来の製法にあつては、通常の真空蒸着
法を用いてアルミニウムを成膜した後、これを更に空気
中、酸素雰囲気中において酸化させるか、同様にしてア
ルミニウムを成膜した後、これを更に陽極酸化によつて
酸化アルミニウムにする方法がとられているに過ぎな
い。このような成膜方法では、酸化がアルミニウムの表
面近くにのみ反応し、又は反応した酸化アルミニウムが
高抵抗のために電気的に絶縁されて以後の反応が阻害さ
れる等の理由から、膜全体を均一に酸化することは困難
である。このようなことから、従来の製法により得られ
る透明サフアイア薄膜は、その透明性がよくない、膜の
緻密性が悪くて場合によつては膜構造がポーラスになつ
てしまう等の欠点も有している。
目的 本発明は、このような点に鑑みなされたもので、従来
製法の欠点である透明性がよくない、膜の緻密性が悪く
て場合によつては膜構造がポーラスになつてしまう等の
点を、プラズマ中において成膜することにより、基板温
度が低温、例えば室温であつてもその主要な膜特性であ
る膜強度及び光透過率を向上させ得る新規な透明サフア
イア薄膜の成膜方法を提供することを目的とする。
構成 本発明は、上記目的を達成するため、真空に減圧され
酸素ガス又は酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスが導
入される真空槽と、前記真空槽内において蒸発物質を蒸
発させるための蒸発源と、前記真空槽内に配置されて前
記蒸発源に対向するように基板を保持する対電極と、前
記蒸発源と対電極との間に配設されて前記蒸発物質の通
過する隙間のあるグリツドと、このグリツドを前記対電
極の電位に対し正電位とする電源手段と、前記真空槽内
において前記グリツドより前記蒸発源側に配設させた熱
電子発生用のフイラメントとを備えた薄膜形成装置を用
いる透明サフアイア薄膜の成膜方法において、真空槽内
に導入する酸素ガス又は酸素ガスとアルゴンガスとの混
合ガスの圧力を2×101〜10-2Paの範囲とし、蒸発物質
をアルミニウム又はアルミニウム酸化物とし、グリツド
印加電圧を50〜300Vの範囲とし、成膜速度を1〜50Å/s
ecとして成膜を行なうことを特徴とする。
即ち、本出願人により特開昭59−89763号として既提
案の薄膜形成装置を用い、そのプラズマを利用して提案
成膜を行うことにより反応性成膜を容易にし、化合物薄
膜を形成し、従来成膜が困難であつた透明サフアイア薄
膜を容易に成膜し得る蒸着方法を提供するものである。
ここに、本出願人既提案の薄膜形成装置の、構成及び
原理は、次の通りである。まず、真空槽と、対電極と、
グリツドと、熱電子発生用のフイラメントと、蒸発源と
を有する。真空槽内には、活性ガス若しくは不活性ガス
或いはこれら両者の混合ガスが導入される。対電極は真
空槽内に配設されて基板を保持し、かつ、この基板を蒸
発源と対向させる。又、蒸発源と対電極とは同電位若し
くは対電極が負の電位におかれる。グリツドは蒸発物質
を通過させ得るものであつて、蒸発源と対電極間に配設
され、対電極及びフライメントの電位に対して正電位に
おかれる。従つて、真空槽内には、グリツドから基板に
向かう電界と、グリツドから蒸発源に向かう電界とが逆
向きに形成される。
一方、熱電子発生用のフイラメントは、真空槽内のグ
リツドより蒸発源側に配設され、このフイラメントによ
り発生する熱電子は蒸発物質の一部をイオン化するのに
供される。よつて、蒸発源からの蒸発物質は、その一部
がフイラメントからの電子により正イオンにイオン化さ
れる。このように一部イオン化された蒸発物質は、グリ
ツドを通過し、更に、イオン化されたガスにより正イオ
ンにイオン化を促進され、上記電界の作用により基板の
方へ加速される。
なお、フイラメントからの電子は、フイラメント温度
に対応する運動エネルギーを持つてフイラメントから放
射されるので、正電位のグリツドに直ちに吸引されず
に、これを一旦通過し、グリツドによるクーロン力によ
り引き戻され、更に、グリツドを通過する、というよう
に、グリツドを中心として振動運動を繰返し、遂にはグ
リツドに吸収されるので基板へは達しない。よつて、基
板は電子衝撃を受けないので、これによる加熱がなく基
板の温度上昇が防止できる。従つて、プラスチツクスの
ように耐熱性の無い材質のものでも、基板とすることが
できるというものである。
しかして、このような薄膜形成装置を用いる、本発明
の一実施例を図面に基づいて説明する。まず、ベースプ
レート1とベルジヤー2とは、バツキング15を介して一
体化され真空槽を形成している。ベースプレート1に
は、支持体兼用電極3,5,7,9が貫通しているのが、これ
ら支持体兼用電極3などの貫通部はもちろん気密状態で
あり、更にこれら支持体兼用電極3,5,7,9とベーススプ
レート1とは電気的に絶縁されている。又、ベースプレ
ート1の中央部に穿設された孔1aは真空排気系(図示せ
ず)に連結されている。
一対の支持体兼用電極3は、その間にタングステン、
モリブデンなどの金属をボート状(コイル状等であつて
もよい)に形成してなる抵抗加熱式の蒸発源4を支持し
ている。なお、このような蒸発源に代えてビーム蒸発源
などのような、従来の真空蒸着方式で用いられている蒸
発源を適宜使用してもよい。又、一対の支持体兼用電極
5の間には、タングステンなどによる、熱電子発生用の
フイラメント6が支持されている。このフイラメント6
の形状は、複数本のフイラメントを平行に配列したり、
あるいは網目状にしたりするなどして、蒸発源から蒸発
した蒸発物質の粒子が拡がりをカバーするように定めら
れている。支持体兼用電極7にはグリツド8が支持され
ている。このグリツド8は蒸発物質が通過する隙間を持
つように、その形状が定められている。例えば、本実施
例では網目状とされている。又、支持体9には対電極10
が支持され、その下面には基板11が適宜の方法で保持さ
れている。この状態を蒸発源4の側から見れば、基板11
の背後に対電極10が配設されていることになる。
ここに、これらの支持体兼用電極3,5,7,9は、何れも
導電体であつても電極としての役割を兼ねており、それ
らの真空槽外へ突出した端部間は図示のように種々の電
源に接続されている。まず、一対の支持体兼用電極3は
蒸発用電源12を介して接続されている。又、支持体兼用
電極5は電源13に接続されている。更に、図示例の場合
は、支持体兼用電極7が直流電気電源14の正端子に接続
され、支持体兼用電極9が接地されている。
実際には、これら電気的接続は種々のスイツチ類を含
み、これらの操作により成膜プロセスを実現するのであ
るが、これらスイツチ類は図中に示されていない。
このような薄膜形成装置を用いた透明サフアイア薄膜
の形成について説明する。
まず、基板11を図の様にセツトして、蒸発物質として
アルミニウム又は酸化アルミニウムを蒸発源4に保持さ
せる。ここでは、例えば蒸発物質はアルミニウムであ
り、蒸発源4はタングステンボートであるとする。
一方、真空槽内は予め10-3〜10-5Paの圧力にされ、こ
れに必要に応じて酸素ガスを単独で、又は酸素ガスとア
ルゴンガスとの混合ガスとして、100〜10-2Paの圧力で
導入される。ここでは、例えば導入ガスを酸素ガス単独
とする。
このような状態において、電源装置を作動させグリツ
ド8に正の電位を印加すると、対電極10は接地され、フ
イラメント6には電源が流れる。ここでは、例えばグリ
テド8が網目状であり100V印加されているとし、フイラ
メント6はタングステンワイヤで400Wの電力がかかつて
いるとする。フイラメント6は抵抗加熱により加熱され
て熱電子を放射する。真空槽内の酸素分子或いはアルゴ
ン分子は、フイラメント6より放出された熱電気との衝
突によつてイオン化される。蒸発したアルミニウムの粒
子は拡がりをもつて、基板11側へ向かつて飛行するが、
その一部、及び、前記導入ガスはフイラメント6より放
出された熱電子との衝突によつてイオン化される。
このように、一部イオン化されたアルミニウムはグリ
ツド8を通過するが、その際、前述のように、グリツド
8近傍において上下に振動運動する熱電子及び前述の如
くイオン化された導入ガスの衝突により、更にイオン化
が促進される。
一方、グリツド8を通過した蒸発物質中、未だイオン
化されていない部分は、更に、グリツド8と基板11の間
において、前述の如くイオン化された導入ガスとの衝突
により正イオンにイオン化されイオン化率が高められ
る。
このようにして、正イオンにイオン化されたアルミニ
ウムは、クリツド8から対電極12に向かう電界の作用に
より基板11に向かつて加速され、基板11に高エネルギー
を持つて向かう。更に、その途中及び基板11表面におい
て、酸素と結合し、透明サフアイア薄膜を基板11に形成
する。
次いで、熱電子は最終的には、その大部分がグリツド
8に吸収され、一部の熱電子はグリツド8を通過する
が、グリツド8と基板11との間で前述した電界の作用に
よつて減速されるので、仮に基板11に到達しても、同基
板11を加熱するには到らない。
本実施例によれば、このようにして高い光透過率を持
つ透明サフアイア薄膜を形成することが可能である。
特に、本実施例によれば、前述のように基板温度の上
昇が少なく、基板11と膜との密着性が強く得られる成膜
装置を用いているため、ガラス基板のみならず、プラス
チツクスなどの耐熱性に欠ける基板上にも透明サフアイ
ア薄膜を形成できる。又、鏡を作成する場合には、この
装置において、ガスを導入せずにアルミニウムを蒸着さ
せた後、その上に前述の如く酸化アルミニウム、即ち透
明サアフアイ薄膜をつければよい。アルミニウムはグリ
ツド8、フイラメント6などが蒸発源4、基板11間にあ
つても基板11上で均一な膜となる。
この結果、ガラス基板やプラスチツクス基本、又はア
ルミニウム表面上、或いは金属電極上に低い基板温度に
おいて透明サフアイア薄膜の成膜が可能であるため、あ
らゆる光学素子、装置の保護膜、パツシベーシヨン膜と
して、又は高抵抗膜としてMIMの絶縁膜、その他の絶縁
膜にも利用できるものである。
なお、成膜条件を一般的に考えた場合には、上述した
条件に限らず、酸素ガス等の導入ガスの圧力は2×101
〜10-2Paの範囲内、グリツド印加電圧は50〜300Vの範囲
内、成膜速度は1〜50Å/secの範囲内であれば、良好な
る結果が得られたものである。
効果 本発明は、上述したような成膜方法としたので、基板
温度の上昇が少なく、基板と膜との密着性が強く、か
つ、膜強度の優れた透明サフアイア薄膜が成膜可能な装
置を用いたことにより、ガラス基板のみならずプラスチ
ツクスなどの耐熱性に欠ける基板上にも透明サフアイア
薄膜を形成でき、この際、導入酸素ガスの圧力、酸素と
アルコンとの混合比、成膜速度等を適切に制御すること
により、再現性のよい良好な透明サフアイア薄膜を得る
ことができ、今後益々プラスチツクス光学部品の利用が
増大する光学技術分野に大きく貢献することが期待でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示す薄膜形成装置の断面図で
ある。 4……蒸発源、6……フイラメント、8……グリツド、
10……対電極、11……基板、14……直流電源(電源手
段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空に減圧され酸素ガス又は酸素ガスとア
    ルゴンガスとの混合ガスが導入される真空槽と、前記真
    空槽内において蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、
    前記真空槽内に配置されて前記蒸発源に対向するように
    基板を保持する対電極と、前記蒸発源と対電極との間に
    配設されて前記蒸発物質の通過する隙間のあるグリツド
    と、このグリツドを前記対電極の電位に対し正電位とす
    る電源手段と、前記真空槽内において前記グリツドより
    前記蒸発源側に配設させた熱電子発生用のフイラメント
    とを備えた薄膜形成装置を用いる透明サフアイア薄膜の
    成膜方法において、真空槽内に導入する酸素ガス又は酸
    素ガスとアルゴンガスとの混合ガスの圧力を2×101〜1
    0-2Paの範囲とし、蒸発物質をアルミニウム又はアルミ
    ニウム酸化物とし、グリツド印加電圧を50〜300Vの範囲
    とし、成膜速度を1〜50Å/secとして成膜を行なうこと
    を特徴とする透明サフアイア薄膜の成膜方法。
JP62257826A 1987-10-13 1987-10-13 透明サファイア薄膜の成膜方法 Expired - Lifetime JP2544405B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62257826A JP2544405B2 (ja) 1987-10-13 1987-10-13 透明サファイア薄膜の成膜方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62257826A JP2544405B2 (ja) 1987-10-13 1987-10-13 透明サファイア薄膜の成膜方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01100270A JPH01100270A (ja) 1989-04-18
JP2544405B2 true JP2544405B2 (ja) 1996-10-16

Family

ID=17311663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62257826A Expired - Lifetime JP2544405B2 (ja) 1987-10-13 1987-10-13 透明サファイア薄膜の成膜方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2544405B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01100270A (ja) 1989-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4854265A (en) Thin film forming apparatus
JPH11504751A (ja) 窒化ホウ素冷陰極
JPS5989763A (ja) 薄膜蒸着装置
JP2544405B2 (ja) 透明サファイア薄膜の成膜方法
JP2549398B2 (ja) 二酸化硅素薄膜の成膜方法
JPH03104881A (ja) 鉄‐窒化鉄薄膜形成方法
JPH0216380B2 (ja)
JP3081259B2 (ja) 薄膜形成装置
JPH0617240A (ja) 薄膜形成装置
JP2905512B2 (ja) 薄膜形成装置
JPH01242770A (ja) 透明導電膜の成膜方法
JPS6386866A (ja) 薄膜形成装置
JP2716715B2 (ja) 薄膜形成装置
JP2971541B2 (ja) 薄膜形成装置
JPS6393870A (ja) 薄膜形成装置
JPH03219077A (ja) 薄膜形成装置
JP3174313B2 (ja) 薄膜形成装置
JPH0426758A (ja) 薄膜形成装置
JPH04221066A (ja) 薄膜蒸着装置
JPH059712A (ja) 水素添加非晶質シリコンの成膜方法
JP2001210222A (ja) 電子放出装置
JPH01177365A (ja) 薄膜形成装置
JPH02159369A (ja) 薄膜形成装置
JPH01100255A (ja) 反射防止膜の成膜方法
JPH02258967A (ja) 炭化物薄膜の形成方法