JP2971541B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents
薄膜形成装置Info
- Publication number
- JP2971541B2 JP2971541B2 JP22214790A JP22214790A JP2971541B2 JP 2971541 B2 JP2971541 B2 JP 2971541B2 JP 22214790 A JP22214790 A JP 22214790A JP 22214790 A JP22214790 A JP 22214790A JP 2971541 B2 JP2971541 B2 JP 2971541B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grid
- thin film
- counter electrode
- filament
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、CVD法(化学的蒸着法)の長所である強い
反応性と、PVD法(物理的蒸着法)の長所である高真空
中での成膜とを同時に実現することができ、且つ、大面
積基板上への均一な薄膜形成をも可能とする薄膜形成装
置に関する。
反応性と、PVD法(物理的蒸着法)の長所である高真空
中での成膜とを同時に実現することができ、且つ、大面
積基板上への均一な薄膜形成をも可能とする薄膜形成装
置に関する。
従来、被薄膜形成基板上に薄膜を形成する薄膜形成装
置としては、CVD法やPVD法などを利用したものが良く知
られており、CVD法による装置は反応性が強く、PVD法に
よる装置は高真空中において緻密な強い薄膜を形成でき
るなどの長所を有している。
置としては、CVD法やPVD法などを利用したものが良く知
られており、CVD法による装置は反応性が強く、PVD法に
よる装置は高真空中において緻密な強い薄膜を形成でき
るなどの長所を有している。
これら、CVD法やPVD法などを利用した薄膜形成装置と
しては従来より種々のものが提案されており、その方法
も極めて多岐にわたっている。
しては従来より種々のものが提案されており、その方法
も極めて多岐にわたっている。
しかし、従来の薄膜形成装置にあっては、形成された
膜の、被薄膜形成基板(以下、基板と称する)との密着
性が弱かったり、あるいは、耐熱性の無い基板上への薄
膜形成が困難であったり、また、大面積基板上に一様に
薄膜を形成する場合に、均一な薄膜形成が困難であった
りする等の問題があった。
膜の、被薄膜形成基板(以下、基板と称する)との密着
性が弱かったり、あるいは、耐熱性の無い基板上への薄
膜形成が困難であったり、また、大面積基板上に一様に
薄膜を形成する場合に、均一な薄膜形成が困難であった
りする等の問題があった。
そこで、これらの問題を解決するため、本出願人は先
に、薄膜形成装置として、蒸発源と蒸発源に対向させて
基板を保持させる対電極との間にグリッドを配し、蒸発
源とグリッドとの間に熱電子発生用のフィラメントを配
し、上記グリッドをフィラメントに対して正電位にして
薄膜形成を行なう装置を提案した(特公平1−53351号
公報)。
に、薄膜形成装置として、蒸発源と蒸発源に対向させて
基板を保持させる対電極との間にグリッドを配し、蒸発
源とグリッドとの間に熱電子発生用のフィラメントを配
し、上記グリッドをフィラメントに対して正電位にして
薄膜形成を行なう装置を提案した(特公平1−53351号
公報)。
この薄膜形成装置では、蒸発源から蒸発した蒸発物質
は、先ずフィラメントからの熱電子によりイオン化さ
れ、このようにイオン化された蒸発物質がグリッドを通
過すると、グリッドから対電極に向かう電界の作用によ
り加速されて基板に衝突し、基板上に密着性の良い薄膜
が形成されるという特徴を有している。
は、先ずフィラメントからの熱電子によりイオン化さ
れ、このようにイオン化された蒸発物質がグリッドを通
過すると、グリッドから対電極に向かう電界の作用によ
り加速されて基板に衝突し、基板上に密着性の良い薄膜
が形成されるという特徴を有している。
ところで、薄膜形成において、有効なイオンの入射エ
ネルギーは数eV〜数十eVと考えられている。これは、
基板表面に物理的に付着した不純物(H2Oなど)の除
去、成膜中における基板上での被蒸着物質の表面拡散
の促進、基板あるいは成膜中の膜表面に大きなダメー
ジを与えないこと、及び被蒸着物質が大きな自己スパッ
タリングを持たないこと、といった点から見積もられた
値である。
ネルギーは数eV〜数十eVと考えられている。これは、
基板表面に物理的に付着した不純物(H2Oなど)の除
去、成膜中における基板上での被蒸着物質の表面拡散
の促進、基板あるいは成膜中の膜表面に大きなダメー
ジを与えないこと、及び被蒸着物質が大きな自己スパッ
タリングを持たないこと、といった点から見積もられた
値である。
しかしながら、前述の薄膜形成装置では、イオンの入
射エネルギー及び入射量を自由に調節することが必ずし
も容易ではなかった。特に、イオンをこの様な低いエネ
ルギー(数eV〜数十eV)で十分に入射させることは困難
であり、高いエネルギーのガスイオン等の入射を嫌う薄
膜形成には十分な対応ができなかった。
射エネルギー及び入射量を自由に調節することが必ずし
も容易ではなかった。特に、イオンをこの様な低いエネ
ルギー(数eV〜数十eV)で十分に入射させることは困難
であり、高いエネルギーのガスイオン等の入射を嫌う薄
膜形成には十分な対応ができなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、基
板に対して極めて強い密着性をもった薄膜を形成でき、
耐熱性の無いプラスチック等も基板として用いうること
が可能で、尚且つ、大面積基板上に均一な薄膜形成が可
能となる、新規な薄膜形成装置を提供することを目的と
する。
板に対して極めて強い密着性をもった薄膜を形成でき、
耐熱性の無いプラスチック等も基板として用いうること
が可能で、尚且つ、大面積基板上に均一な薄膜形成が可
能となる、新規な薄膜形成装置を提供することを目的と
する。
上記目的を達成するため、本発明による薄膜形成装置
は、活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれら両者の
混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内において
蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、この蒸発源と対
向するように配置され基板を保持する対電極と、上記蒸
発源と上記対電極との間に配備された熱電子発生用のフ
ィラメントと、このフィラメントと上記対電極との間に
配備され蒸発物質を通過させうる第一グリッドと、この
第一グリッドと上記対電極との間に配備され蒸発物質を
通過させうる第二グリッドと、真空槽内に所定の電気的
状態を実現するための電源手段と、この電源手段と真空
槽内とを電気的に連結する導電手段とを有し、上記第一
グリッドをフィラメントに対し正電位に、第二グリッド
を第一グリッドに対し負電位にし、対電極を第一グリッ
ドに対し負電位に且つ第二クリッドに対し正電位にする
ことによって、基板に入射するイオンの入射量及び入射
エネルギーの制御を可能としたことを特徴とする。
は、活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれら両者の
混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内において
蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、この蒸発源と対
向するように配置され基板を保持する対電極と、上記蒸
発源と上記対電極との間に配備された熱電子発生用のフ
ィラメントと、このフィラメントと上記対電極との間に
配備され蒸発物質を通過させうる第一グリッドと、この
第一グリッドと上記対電極との間に配備され蒸発物質を
通過させうる第二グリッドと、真空槽内に所定の電気的
状態を実現するための電源手段と、この電源手段と真空
槽内とを電気的に連結する導電手段とを有し、上記第一
グリッドをフィラメントに対し正電位に、第二グリッド
を第一グリッドに対し負電位にし、対電極を第一グリッ
ドに対し負電位に且つ第二クリッドに対し正電位にする
ことによって、基板に入射するイオンの入射量及び入射
エネルギーの制御を可能としたことを特徴とする。
本発明の薄膜形成装置は、上述したように、真空槽
と、蒸発源と、対電極と、フィラメントと、第一グリッ
ド及び第二グリッドと、電源手段と、導電手段とを有す
る。
と、蒸発源と、対電極と、フィラメントと、第一グリッ
ド及び第二グリッドと、電源手段と、導電手段とを有す
る。
真空槽は、その内部空間に活性ガス、あるいは不活性
ガス、若しくは活性ガスと不活性ガスとの混合ガスを導
入しうるようになっており、蒸発源、対電極、フィラメ
ント、第一グリッド及び第二グリッドは、この真空槽内
に配備される。
ガス、若しくは活性ガスと不活性ガスとの混合ガスを導
入しうるようになっており、蒸発源、対電極、フィラメ
ント、第一グリッド及び第二グリッドは、この真空槽内
に配備される。
蒸発物質を蒸発させる蒸発源と、基板保持兼用の対電
極は、互いに対向するように配備される。
極は、互いに対向するように配備される。
熱電子発生用のフィラメントは、蒸発源と対電極の間
に配備される。
に配備される。
第一グリッドは、蒸発物質を通過させうるものであっ
て、フィラメントと対電極の間に介設され、電源手段に
より、フィラメントに対し正電位にされる。
て、フィラメントと対電極の間に介設され、電源手段に
より、フィラメントに対し正電位にされる。
第二グリッドは、蒸発物質を通過させうるものであっ
て、第一グリッドと対電極の間に介設され、電源手段に
より、第一グリッドに対し負電位にされる。
て、第一グリッドと対電極の間に介設され、電源手段に
より、第一グリッドに対し負電位にされる。
また、対電極は、第一グリッドに対し負電位に、且つ
第二グリッドに対し正電位にされる。
第二グリッドに対し正電位にされる。
従って、本発明の薄膜形成装置では、第一グリッドか
らフィラメント及び第二グリッドに向かって電界が発生
し、主にこの空間に安定なプラズマが発生する。また、
対電極及び第二グリッドの電位を適当に選ぶことによっ
て、基板に入射するイオンの入射エネルギー及び入射量
の制御が可能となる。
らフィラメント及び第二グリッドに向かって電界が発生
し、主にこの空間に安定なプラズマが発生する。また、
対電極及び第二グリッドの電位を適当に選ぶことによっ
て、基板に入射するイオンの入射エネルギー及び入射量
の制御が可能となる。
尚、これらの電源手段は、真空槽内に所定の電気的状
態を実現するための手段であり、この電源手段と真空槽
内が、導電手段により電気的に連結される。
態を実現するための手段であり、この電源手段と真空槽
内が、導電手段により電気的に連結される。
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。
説明する。
添付の図は本発明の一実施例を示す薄膜形成装置の概
略的構成図である。
略的構成図である。
図において、符号1はベルジャー、符号2はベースプ
レート、符号3はパッキングを夫々示し、ベルジャー1
とベースプレート2を、パッキング3により一体化して
真空槽を構成し、この真空槽の内部空間に、符号4で示
すような公知の適宜の方法により、活性ガス、及び/又
は不活性ガスが導入できるようになっている。また、ベ
ースプレート2の中央部に穿設された孔2Aは、図示され
ない真空系に連結されている。
レート、符号3はパッキングを夫々示し、ベルジャー1
とベースプレート2を、パッキング3により一体化して
真空槽を構成し、この真空槽の内部空間に、符号4で示
すような公知の適宜の方法により、活性ガス、及び/又
は不活性ガスが導入できるようになっている。また、ベ
ースプレート2の中央部に穿設された孔2Aは、図示され
ない真空系に連結されている。
上記ベースプレート2には、真空槽内部の機密性を保
ち、且つ、ベースプレート2との電気的絶縁性を保ちつ
つ、支持体を兼ねた電極20,21,22,23,24が配設されてお
り、これら電極20,21,22,23,24は、真空槽内部と外側と
を電気的に連結するものであって、他の配線具と共に導
電手段を構成している。
ち、且つ、ベースプレート2との電気的絶縁性を保ちつ
つ、支持体を兼ねた電極20,21,22,23,24が配設されてお
り、これら電極20,21,22,23,24は、真空槽内部と外側と
を電気的に連結するものであって、他の配線具と共に導
電手段を構成している。
上記電極20,21,22,23,24の内、符号20で示す一対の電
極の間には、タングステン、モリブデン、タンタル等の
金属をボート状に形成した抵抗加熱式の蒸発源10が支持
されている。この蒸発源10の形状は、ボート状に代えて
コイル状、またはルツボ状としてもよい。尚、このよう
な蒸発源10に代えて電子ビーム蒸発源等、従来の真空蒸
着方式で用いられている蒸発源を適宜使用することがで
きる。
極の間には、タングステン、モリブデン、タンタル等の
金属をボート状に形成した抵抗加熱式の蒸発源10が支持
されている。この蒸発源10の形状は、ボート状に代えて
コイル状、またはルツボ状としてもよい。尚、このよう
な蒸発源10に代えて電子ビーム蒸発源等、従来の真空蒸
着方式で用いられている蒸発源を適宜使用することがで
きる。
符号21で示す一対の電極の間には、タングステン等に
よる熱電子発生用のフィラメント11が支持されており、
このフィラメント11の形状は、複数本のフィラメントを
平行に配列したり、網目状にしたりするなどして、蒸発
源10から蒸発した蒸発物質の粒子の拡がりをカバーする
ように定められている。
よる熱電子発生用のフィラメント11が支持されており、
このフィラメント11の形状は、複数本のフィラメントを
平行に配列したり、網目状にしたりするなどして、蒸発
源10から蒸発した蒸発物質の粒子の拡がりをカバーする
ように定められている。
また、電極22,23には、夫々第一グリッド12、第二グ
リッド13が支持されており、これらのグリッドは、蒸発
源10から蒸発した蒸発物質を対電極14側へ通過させうる
様に形状を定めるのであるが、この例においては網目状
である。
リッド13が支持されており、これらのグリッドは、蒸発
源10から蒸発した蒸発物質を対電極14側へ通過させうる
様に形状を定めるのであるが、この例においては網目状
である。
また、電極24の先端部には、上記対電極14が支持さ
れ、この対電極14の蒸発源10に対向する側の面に、基板
100が適宜の支持方法で保持される。
れ、この対電極14の蒸発源10に対向する側の面に、基板
100が適宜の支持方法で保持される。
蒸発源10を支持する一対の電極20は、加熱用の交流電
源30に接続され、その片側の電極(以下、共通電極とい
う)は、図示の例では接地されている。尚、この電源30
は交流電源に代えて直流電源にしても良く、直流電源の
場合には、正負の向きはどちらでも良い。また、図中の
接地は必ずしも必要ではない。
源30に接続され、その片側の電極(以下、共通電極とい
う)は、図示の例では接地されている。尚、この電源30
は交流電源に代えて直流電源にしても良く、直流電源の
場合には、正負の向きはどちらでも良い。また、図中の
接地は必ずしも必要ではない。
フィラメント11を支持する一対の電極21は交流電源31
に接続され、その片側の電極は上記共通電極に接続され
る。この電源31は上記電源30と同様に、交流、直流のど
ちらを用いても良い。
に接続され、その片側の電極は上記共通電極に接続され
る。この電源31は上記電源30と同様に、交流、直流のど
ちらを用いても良い。
第一グリッド12を支持する電極22は、直流電圧電源32
の正極側に接続され、同電源の負極側は共通電極に接続
される。
の正極側に接続され、同電源の負極側は共通電極に接続
される。
第二グリッド13を支持する電極23は、図示の例では直
流電圧電源33の負極側に接続され、同電源の正極側は共
通電極に接続されている。尚、電源33は、その極性を逆
にして用いる場合もある。
流電圧電源33の負極側に接続され、同電源の正極側は共
通電極に接続されている。尚、電源33は、その極性を逆
にして用いる場合もある。
従って、第一グリッド12は、フィラメント11及び第二
グリッド13に対して正電位となり、電界は第一グリッド
12から、フィラメント11及び第二グリッド13に向かう。
グリッド13に対して正電位となり、電界は第一グリッド
12から、フィラメント11及び第二グリッド13に向かう。
対電極14を支持する電極24は、直流電圧電源34の正極
側に接続され、同電源の負極側は共通電極に接続され
る。
側に接続され、同電源の負極側は共通電極に接続され
る。
尚、実際には、上述の電気的接続は導電手段の一部を
構成するスイッチ類を含み、これらのスイッチ操作によ
り蒸着プロセスを実行するのであるが、これらのスイッ
チ類は図示を省略されている。
構成するスイッチ類を含み、これらのスイッチ操作によ
り蒸着プロセスを実行するのであるが、これらのスイッ
チ類は図示を省略されている。
さて、以上の構成からなる薄膜形成装置では、フィラ
メント加熱用電源31、第一グリッド用電源32、第二グリ
ッド用電源33の調節により安定なプラズマ状態を作るこ
とができる。また、対電極用電源34及び第二グリッド用
電源33により、基板100に入射するイオンの入射エネル
ギー及び入射量の調節が可能であり、所望の薄膜の作製
に適した成膜条件を、自由に設定することができる。
メント加熱用電源31、第一グリッド用電源32、第二グリ
ッド用電源33の調節により安定なプラズマ状態を作るこ
とができる。また、対電極用電源34及び第二グリッド用
電源33により、基板100に入射するイオンの入射エネル
ギー及び入射量の調節が可能であり、所望の薄膜の作製
に適した成膜条件を、自由に設定することができる。
以下、上記構成の薄膜形成装置による薄膜形成につい
て説明する。
て説明する。
先ず、ベルジャー1を開いて、薄膜形成用の基板100
を図示の如く対電極14に保持させると共に、蒸発物質を
蒸発源10に保持させる。尚、蒸発物質は、どのような薄
膜を形成するかに応じて選定される。
を図示の如く対電極14に保持させると共に、蒸発物質を
蒸発源10に保持させる。尚、蒸発物質は、どのような薄
膜を形成するかに応じて選定される。
次に、ベルジャー1を閉じて真空槽を密閉し、真空排
気系(図示せず)によって真空槽内を真空状態に排気し
た後、真空槽内には、活性ガス、若しくは不活性ガス、
あるいはこれらの混合ガスが10〜10-3Paの圧力で導入さ
れるが、例えば、導入ガスはアルゴン(Ar)のような不
活性ガスであるとする。
気系(図示せず)によって真空槽内を真空状態に排気し
た後、真空槽内には、活性ガス、若しくは不活性ガス、
あるいはこれらの混合ガスが10〜10-3Paの圧力で導入さ
れるが、例えば、導入ガスはアルゴン(Ar)のような不
活性ガスであるとする。
さて、この雰囲気状態において装置を作動させ、蒸発
源10を加熱し、蒸発物質を蒸発させる。この蒸発物質の
粒子は、基板100に向かって拡がりつつ飛行するが、そ
の一部及び前記導入ガスがフィラメント11より放出され
た熱電子との衝突によって、正イオンにイオン化され
る。
源10を加熱し、蒸発物質を蒸発させる。この蒸発物質の
粒子は、基板100に向かって拡がりつつ飛行するが、そ
の一部及び前記導入ガスがフィラメント11より放出され
た熱電子との衝突によって、正イオンにイオン化され
る。
このように、一部イオン化された蒸発物質は、第一グ
リッド12を通過するが、その際、第一グリッド12近傍に
おいて上下に振動運動する熱電子、及び前記イオン化さ
れた導入ガスとの衝突により、さらにイオン化される。
リッド12を通過するが、その際、第一グリッド12近傍に
おいて上下に振動運動する熱電子、及び前記イオン化さ
れた導入ガスとの衝突により、さらにイオン化される。
第一グリッド12を通過した蒸発物質中、未だイオン化
されていない部分は、さらに上記イオン化された導入ガ
スとの衝突により、正イオンにイオン化され、イオン化
率が高められる。
されていない部分は、さらに上記イオン化された導入ガ
スとの衝突により、正イオンにイオン化され、イオン化
率が高められる。
こうして、正イオンにイオン化された蒸発粒子は、第
一グリッド12から第二グリッド13へ向かう電界の作用に
より加速され、第二グリッド13を通過する。即ち、第二
グリッド13はイオンの引出電極として作用する。
一グリッド12から第二グリッド13へ向かう電界の作用に
より加速され、第二グリッド13を通過する。即ち、第二
グリッド13はイオンの引出電極として作用する。
第二グリッド13を通過したイオンは、対電極14から第
二グリッド13に向かう電界の作用により減速されて基板
100に衝突する。即ち、対電極14は基板100に衝突するイ
オンの入射エネルギー調節用電極として作用する。
二グリッド13に向かう電界の作用により減速されて基板
100に衝突する。即ち、対電極14は基板100に衝突するイ
オンの入射エネルギー調節用電極として作用する。
従って、本発明の薄膜形成装置では、対電極14と第二
グリッド13の電位の調節により、基板100に入射するイ
オンの入射量及び入射エネルギーを制御することがで
き、所望の薄膜に適した成膜条件を自由に設定できる。
また、従来困難とされていた低エネルギーイオンを用い
た成膜も可能である。
グリッド13の電位の調節により、基板100に入射するイ
オンの入射量及び入射エネルギーを制御することがで
き、所望の薄膜に適した成膜条件を自由に設定できる。
また、従来困難とされていた低エネルギーイオンを用い
た成膜も可能である。
以上のように、本発明の薄膜形成装置では、イオンに
電界方向の力が作用するので、薄膜の膜厚分布の均一化
及び物性の均一化が図られ、大面積基板上に均一な薄膜
形成を行なうことができる。また、入射イオンの入射エ
ネルギー及び入射量の調節が可能であり、低エネルギー
イオンを用いた成膜が行なえるため、基板等にダメージ
を与えることなく、電荷の存在が及ぼす効果及び運動エ
ネルギーの効果を有効に利用して、基板との密着性や結
晶性に優れた薄膜を得ることができる。
電界方向の力が作用するので、薄膜の膜厚分布の均一化
及び物性の均一化が図られ、大面積基板上に均一な薄膜
形成を行なうことができる。また、入射イオンの入射エ
ネルギー及び入射量の調節が可能であり、低エネルギー
イオンを用いた成膜が行なえるため、基板等にダメージ
を与えることなく、電荷の存在が及ぼす効果及び運動エ
ネルギーの効果を有効に利用して、基板との密着性や結
晶性に優れた薄膜を得ることができる。
また、成膜中の蒸発物質のイオン化率が極めて高く、
且つ安定しているため、導入ガスとして活性ガスを単独
で、あるいは不活性ガスと共に導入して成膜を行なう
と、蒸発物質を活性ガスと反応性良く化合させ、所望の
物性を持つ化合物薄膜を、容易且つ確実に得ることがで
きる。
且つ安定しているため、導入ガスとして活性ガスを単独
で、あるいは不活性ガスと共に導入して成膜を行なう
と、蒸発物質を活性ガスと反応性良く化合させ、所望の
物性を持つ化合物薄膜を、容易且つ確実に得ることがで
きる。
例えば、不活性ガスとしてアルゴン、活性ガスとして
酸素を導入して、圧力を10〜10-2Paに調整し、蒸発物質
としてアルミニウムを選択すれば、基板上に酸化アルミ
ニウム絶縁性薄膜を形成することができ、蒸発物質とし
てインジウム、スズを選択すれば、夫々、酸化インジウ
ム、酸化スズのような導電性の薄膜を得ることができ、
また、蒸発物質としてイットリウム及びバリウム及び銅
を選択すれば、超伝導薄膜を得ることができる。
酸素を導入して、圧力を10〜10-2Paに調整し、蒸発物質
としてアルミニウムを選択すれば、基板上に酸化アルミ
ニウム絶縁性薄膜を形成することができ、蒸発物質とし
てインジウム、スズを選択すれば、夫々、酸化インジウ
ム、酸化スズのような導電性の薄膜を得ることができ、
また、蒸発物質としてイットリウム及びバリウム及び銅
を選択すれば、超伝導薄膜を得ることができる。
さて、本発明の薄膜形成装置では、蒸発物質及び導入
ガスのイオン化には、フィラメントによる熱電子が有効
に寄与するので、10-2Pa以下の圧力の高度の真空下にお
いても蒸発物質のイオン化が可能であり、このため、薄
膜中への余分なガス分子の取り込みを極めて少なくする
ことができるため、高純度の薄膜を得ることができる。
また、薄膜の構造も極めて緻密なものとすることが可能
であり、通常、薄膜の密度はバルクのそれより小さいと
されているが、本発明によれば、バルクの密度に極めて
近似した密度が得られることも大きな特徴の一つであ
る。即ち、本発明の薄膜形成装置は、IC、LSIなどを構
成する半導体薄膜等の形成にも極めて適しているもので
ある。
ガスのイオン化には、フィラメントによる熱電子が有効
に寄与するので、10-2Pa以下の圧力の高度の真空下にお
いても蒸発物質のイオン化が可能であり、このため、薄
膜中への余分なガス分子の取り込みを極めて少なくする
ことができるため、高純度の薄膜を得ることができる。
また、薄膜の構造も極めて緻密なものとすることが可能
であり、通常、薄膜の密度はバルクのそれより小さいと
されているが、本発明によれば、バルクの密度に極めて
近似した密度が得られることも大きな特徴の一つであ
る。即ち、本発明の薄膜形成装置は、IC、LSIなどを構
成する半導体薄膜等の形成にも極めて適しているもので
ある。
以上説明したように、本発明の薄膜形成装置によれ
ば、大面積基板上に金属薄膜等のような単一元素にて構
成される薄膜ばかりでなく、化合物薄膜なども密着性良
く、化学量論的薄膜により近い状態で、且つ均一な膜厚
及び均一な物性を有するように作製することができるた
め、大量生産などにも十分対応することができる。
ば、大面積基板上に金属薄膜等のような単一元素にて構
成される薄膜ばかりでなく、化合物薄膜なども密着性良
く、化学量論的薄膜により近い状態で、且つ均一な膜厚
及び均一な物性を有するように作製することができるた
め、大量生産などにも十分対応することができる。
また、本発明の薄膜形成装置によれば、蒸発物質及び
導入ガスが活性化されるので、反応性を必要とする成
膜、結晶化を必要とする成膜において、温度(反応温
度、結晶化温度)という熱エネルギーを与えずに実現で
きるので、薄膜の低温成長が可能となる。
導入ガスが活性化されるので、反応性を必要とする成
膜、結晶化を必要とする成膜において、温度(反応温
度、結晶化温度)という熱エネルギーを与えずに実現で
きるので、薄膜の低温成長が可能となる。
図は本発明の一実施例を示す薄膜形成装置の概略的構成
図である。 1……ベルジャー、2……ベースプレート、3……パッ
キング、4……ガス導入手段、10……蒸発源、11……フ
ィラメント、12……第一グリッド、13……第二グリッ
ド、14……対電極、20,21,22,23,24……支持体兼用の電
極、30,31……交流電源、32,33,34……直流電圧電源、1
00……基板。
図である。 1……ベルジャー、2……ベースプレート、3……パッ
キング、4……ガス導入手段、10……蒸発源、11……フ
ィラメント、12……第一グリッド、13……第二グリッ
ド、14……対電極、20,21,22,23,24……支持体兼用の電
極、30,31……交流電源、32,33,34……直流電圧電源、1
00……基板。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58
Claims (1)
- 【請求項1】活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれ
ら両者の混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内
において蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、この蒸
発源と対向するように配置され基板を保持する対電極
と、上記蒸発源と上記対電極との間に配備された熱電子
発生用のフィラメントと、このフィラメントと上記対電
極との間に配備され蒸発物質を通過させうる第一グリッ
ドと、この第一グリッドと上記対電極との間に配備され
蒸発物質を通過させうる第二グリッドと、真空槽内に所
定の電気的状態を実現するための電源手段と、この電源
手段と真空槽内とを電気的に連結する導電手段とを有
し、上記第一グリッドをフィラメントに対し正電位に、
第二グリッドを第一グリッドに対し負電位にし、対電極
を第一グリッドに対し負電位に且つ第二クリッドに対し
正電位にすることによって、基板に入射するイオンの入
射量及び入射エネルギーの制御を可能としたことを特徴
とする薄膜形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22214790A JP2971541B2 (ja) | 1990-08-23 | 1990-08-23 | 薄膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22214790A JP2971541B2 (ja) | 1990-08-23 | 1990-08-23 | 薄膜形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04103762A JPH04103762A (ja) | 1992-04-06 |
JP2971541B2 true JP2971541B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=16777919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22214790A Expired - Fee Related JP2971541B2 (ja) | 1990-08-23 | 1990-08-23 | 薄膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2971541B2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-23 JP JP22214790A patent/JP2971541B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04103762A (ja) | 1992-04-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2834797B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH0153351B2 (ja) | ||
JP2971541B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP2843125B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP3174313B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP2774541B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP2843126B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP3081259B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH0250954A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP2716715B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP2768960B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP2905512B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH0421772A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH03219077A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH03153866A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH03134164A (ja) | 薄膜形成装置及びこの装置を用いた超伝導薄膜形成方法 | |
JPH0375360A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH04221066A (ja) | 薄膜蒸着装置 | |
JPH0488164A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH01177365A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH01177366A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH04165065A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH0254759A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPS63192862A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH01180971A (ja) | 薄膜形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |