JP3729872B2 - 発振回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、所定の条件において発振信号を生成する発振回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、静電容量及び抵抗値に応じて決定される周波数の発振信号を生成する発振回路は、いわゆるCR発振回路として広く知られている。
【0003】
図6ないし図8は、ガス圧等の圧力を検出する圧力センサであって、新たに開発されたものに適用した静電容量検出回路の例を示す図である。なお、かかる圧力センサに適用した静電容量検出回路については、本願の1の出願人により出願中(特願平5−63296号)である。
【0004】
図6はシュミット発振回路の回路図である。図6において、1は2つの可変コンデンサC1及びC2からなる検出部であり、可変コンデンサの静電容量がガス圧等の外部環境により変化する。2a及び2bはシュミットインバータ回路であり、それぞれ接続されている抵抗R1及びR2の抵抗値と、検出部1からの静電容量に応じて、周波数f1及びf2の発振信号を送出する。従って、例えば検出部1の構造を、圧力に応じて変位する可動電極と、この可動電極を挟んで両側に設けられた固定電極で構成し、外部から圧力を受けない状態ではコンデンサC1及びC2の静電容量が等しくなるように構成すれば、外部からの圧力に応じて静電容量が変化するので、固定値である抵抗値との時定数が変化する。従って、外部の圧力変化を周波数の変化として検出することができる。なお、抵抗R2が可変となっているのは抵抗R1の抵抗値に合わせるためである。
【0005】
図7はトランスミッションゲートであるアナログスイッチを使用した発振回路の構成を示す回路図である。図7において、1は図6と同様、2つの可変コンデンサC1及びC2からなる検出部、3a及び3bはそれぞれ制御信号ctrl1及びctrl2のレベルによってオン又はオフとなるアナログスイッチ、4a〜4eはインバータ回路である。これらインバータ回路は2つの発振部の構成要素であり、インバータ回路4a、4b、4c、コンデンサC1及び抵抗R1により第1発振部を構成する。また、インバータ回路4a、4d、4e、コンデンサC2及び抵抗R2により第2発振部を構成する。
【0006】
図7の構成において、制御信号ctrl1及びctrl2は同時にアクティブとなることはなく、従ってアナログスイッチ3a及び3bは同時にオンとなることはない。また、アナログスイッチがオンとなる側の発振部は発振動作を行うが、アナログスイッチがオフとなる側の発振部は発振動作が停止する。従って、各発振部は検出部1のコンデンサC1又はC2の静電容量を独立して周波数f1又はf2の発振信号に変換することができる。
【0007】
図8は図7の構成の変形例としての発振回路の回路図であり、図6の構成要素と同一のものは同じ符号にて表している。図8において、4fは新たに追加されたインバータ回路であり、制御信号ctrlのレベルを反転する。反転されない制御信号はアナログスイッチ3aに供給され、インバータ回路4fで反転された制御信号はアナログスイッチ3bに供給される。従って、インバータ回路4a、4b、4c、コンデンサC1及び抵抗R1により構成される第1発振部と、インバータ回路4a、4d、4e、コンデンサC2及び抵抗R2により構成される第2発振部とは交互に発振動作を行う。このように図8の構成の発振回路によれば、一つの制御信号のみで、第1発振部及び第2発振部が検出部1のコンデンサC1又はC2の静電容量を独立して周波数f1又はf2の発振信号に変換する。
【0008】
上記図6ないし図8においては、CMOSのゲート回路等で発振回路を構成しているので、可変コンデンサC1及びC2の他、抵抗R1及びR2を外付けにすることにより、ゲートアレイ等のICで構成することが可能である。
【0009】
その他従来より、静電容量・周波数変換手段としての静電容量検出回路に使用される発振回路には、高精度の検出が可能なスイッチドキャパシタ等を応用したC−V変換回路がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記発振回路のうち、図6に示すシュミット発振回路は、電源電圧の変動に対して弱く、特に低電圧時に発振動作が不安定になるため、高精度の電源を必要とし、発振回路自体は簡単で安価であるにもかかわらず、高価な電源回路が必要になるという問題があった。シュミット発振回路の場合には、理想的には、電源電圧に対し個々の発振部が相対的に変化するはずであるが、コンデンサの静電容量が小さい(発振抵抗が小さい)場合には、電源電圧の変化に応じて図9に示すような出力周波数の折れが発生する。
【0011】
また、図7及び図8に示すアナログスイッチを使用した発振回路の場合には、アナログスイッチを使用するため高価になるとともに、オン抵抗のばらつきにより静電容量と周波数との特性に誤差が生じ、発振精度が悪くなるという問題があった。さらに、各発振部が交互に発振動作を行うので、コンデンサに残存する電荷量が均一にならないため、一方の発振部から他方の発振部に切り換える際に、発振動作が安定するのに時間がかかり、高速の切り換え動作ができないという問題もあった。
【0012】
スイッチドキャパシタ等を応用したC−V変換回路の場合には、静電容量検出回路に応用すると、静電容量を電圧に変換しているため、高精度のA/Dコンバータを必要とするうえ、ディジタル信号に変換されたデータを処理するために、マイクロコンピュータ等の演算制御手段を必要とする。さらに、電源変動のみならず、温度、湿度、気体等の外部環境の変化に対する各種補償回路や素子を必要とするため高価なものになるという問題があった。
【0013】
本発明はかかる諸問題に鑑みてなされたものであり、高精度の電源を必要とせず、外部環境の変化に対しても変動の少なく、かつ、安価な発振回路を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、複数の発振部の高速の切り換え動作が可能な発振回路を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、NAND回路6a、クロックドゲート回路8aおよび8b、NAND回路6b、インバータ回路4aを直列に接続し、可変コンデンサC1および抵抗R1で決定される時定数に応じて周波数f1の発振信号を発生する第1発振回路と、NAND回路6a、クロックドゲート回路8cおよび8d、NAND回路6c、インバータ回路4bを直列に接続し、可変コンデンサC2および抵抗R2で決定される時定数に応じて周波数f2の発振信号を発生する第2発振回路と、NAND回路6d、クロックドゲート回路8eおよび8f、NAND回路6c、インバータ回路4cを直列に接続し、コンデンサCRおよび抵抗R3で決定される時定数に応じて固定の周波数f3の基準発振信号を発生する基準発振回路と、タイミングジェネレータからの複数の制御信号に基づいて前記第1発振回路および前記第2発振回路の発振開始・停止を制御する複数のクロック信号E4,E5,E6,E7,E8を発生するNAND回路6f、6gおよび6h、インバータ回路4d、NOR回路7aおよび7bとからなるゲート回路と、を備え、前記ゲート回路は、Hレベルのクロック信号E4を前記NAND回路6aに供給するとともに、Hレベルのクロック信号E5およびクロック信号E7をそれぞれ前記クロックドゲート回路8aおよび8bに供給して前記第1発振回路を発振状態にすると同時に、Lレベルのクロック信号E6およびクロック信号E8をそれぞれ前記クロックドゲート回路8cおよび8dに供給して前記第2発振回路を発振停止状態にするとともに、Lレベルのクロック信号E5およびクロック信号E7をそれぞれクロックドゲート回路8aおよび8bに供給して前記第1発振回路を発振停止状態にすると同時に、Hレベルのクロック信号E4を前記NAND回路6aに供給するとともに、Hレベルのクロック信号E6およびクロック信号E8をそれぞれクロックドゲート回路8cおよび8dに供給して前記第2発振回路を発振状態にし、更に、前記ゲート回路は、Lレベルのクロック信号E7およびE8をそれぞれクロックドゲート回路8bおよび8dに供給して前記第1発振回路および前記第2発振回路を発振停止状態にし、前記第1発振回路および前記第2発振回路の動作停止期間に、前記可変コンデンサC1および前記可変コンデンサC2の電荷量を均一にすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記ゲート回路が、複数のクロック信号を前記第1発振回路および前記第2発振回路に供給することにより、前記第1発振回路と前記第2発振回路の動作開始を交互に実行する、或いは、複数のクロック信号を前記第1発振回路および前記第2発振回路に供給することにより、前記第1発振回路と前記第2発振回路の動作停止期間に前記可変コンデンサC1および前記可変コンデンサC2の電荷量を均一にすることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】
本発明は上記構成により、各発振部はそれぞれに与えられるクロック信号に応じて発振動作を停止又は開始するので、高精度の電源を必要とせず、外部環境の変化に対しても変動が少なく、かつ、安価な発振回路を提供する。
【0018】
また、本発明は、コンデンサに残存する電荷量を均一にする回路を備えることにより、ある一つの発振部から他の発振部に切り換える際に、発振動作が安定するまでの時間が短いので、複数の発振部の高速の切り換え動作が可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1ないし図5を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明による発振回路の第1の実施例の回路図であって、CMOSゲートアレイ化した静電容量検出回路に適用したものである。
【0021】
図1において、まず、ゲートアレイに外付けする構成要素について説明する。C1及びC2は可変コンデンサ、CRは固定コンデンサであり、外部からの圧力を検出する検出部を構成する。コンデンサC1及びC2は、2つの固定電極とこの2つの固定電極間に設けられた可動電極で構成されている。この可動電極は、一方の固定電極の一部に穴を設け、その穴に通されたプランジャーに直結している。さらにこのプランジャーは、油圧、ガス圧等の液体、気体の圧力や加速度等の外部からの作用に応じて変位する受圧部に結合されている。あるいはこのプランジャー自体が外部の物体の変位に応じて偏倚する構成となっている。すなわちこの可動電極は、外部からの作用に応じていずれか一方の固定電極側に偏倚し、外部からの作用がない状態(以下「通常状態」という)では、2つの固定電極間を2分する丁度中間に位置している。従って、通常伏態においては、一方の固定電極と可動電極とで形成されるコンデンサC1の静電容量は、他方の固定電極と可動電極とで形成されるコンデンサC2の静電容量と等しい値となる。
【0022】
可動電極が外部からの圧力等に応じて偏倚した状態(以下「偏倚伏態」という)においては、コンデンサC1及びC2の静電容量は異なる値となる。従って、両者の静電容量の差を測定することにより、外部からの作用の大きさを検出することができる。
【0023】
一方、コンデンサCRは基準部(リファレンス部)であり、2つの固定電極で構成されている。従って、この2つの固定電極で形成されるコンデンサCRの静電容量の値は外部からの作用によっては変化しない。なお、コンデンサC1、C2、CRは、周囲の環境によって誘電率等が変化したときには、それぞれの静電容量も変化することになる。
【0024】
R1、R2及びR3は外付けの固定抵抗であり、それぞれコンデンサC1、C2及びCRとともに、発振周波数を決定する時定数を定める。なお、コンデンサC1及びC2を構成する固定電極はリード線等でゲートアレイの端子に接続され、可動電極は抵抗R1及びR2の一方の端とともに検出部のコモン側としてゲートアレイの端子に接続され、抵抗R1及びR2のもう一方の端は、それぞれ単独でゲートアレイの端子に接続される。また、基準部のコンデンサCRの2つの固定電極はゲートアレイの端子にそれぞれ接続され、抵抗R3はその一方の端が単独でゲートアレイの端子に、他方がコンデンサCRの一方の固定電極に接続されている。
【0025】
次に、ゲートアレイの内部回路について説明する。図1において、4aないし4dはインバータ回路、6aないし6hは2入力NAND回路、7a及び7bは2入力NOR回路、8aないし8gはクロックドゲート回路である。なおこの場合、各ゲートのトランジスタサイズ及び構成を同一にすることが望ましい。
【0026】
図2はCMOS半導体素子で構成されるクロックドゲート回路を示す一例の図であり、図2(a)はその内部回路を、図2(b)はその等価回路86を示す。図2(a)において、クロック信号φがハイレベルの場合にはインバータ動作となり、その出力信号Yは入力信号Aの反転した信号となる。一方、クロック信号φがローレベルの場合には出力はハイインピーダンスとなり、入力と出力とは遮断状態となる。図2(a)において、クロック信号φを反転するインバータ81は2つのMOSトランジスタ(内部回路は図示せず)で形成される。また、クロックドゲート回路は、インバータ81と、4個のMOSトランジスタ82、83、84及び85で構成される。この場合、MOSトランジスタ82及び85はクロック信号φがHの時共にONとなり、インバータ構成になっているMOSトランジスタ83及び84に電源が供給されるため、クロックドゲート回路はインバータ動作となる。逆に、クロック信号φがLの時、MOSトランジスタ82及び85は共にOFFとなり、インバータ構成になっているMOSトランジスタ83及び84に電源が供給されないため、クロックドゲート回路の出力はハイインピーダンスとなる。ここでインバータ構成されるMOSトランジスタは、82及び85もしくは、82及び84もしくは、83及び85でも構成可能である。いずれにしても、クロックドゲート回路は6個のMOSトランジスタで形成することができ、非常に簡単な構成となるので、ゲートアレイ化が容易で安価に実現することができる。また、特性の製造上のばらつきがアナログスイッチより少なく量産性が良い。さらに、インバータ状態とハイインピーダンス状態との状態反転が早く、高速のクロック信号φで駆動することができる。
【0027】
図1に戻り、NAND回路6a、クロックドゲート回路8a及び8b、NAND回路6b、インバータ回路4aは直列に接続されて第1発振部を構成し、コンデンサC1及び抵抗R1で決定される時定数に応じて周波数f1の発振信号を発生する。同様に、NAND回路6a、クロックドゲート回路8c及び8d、NAND回路6b、インバータ回路4bは直列に接続されて第2発振部を構成し、コンデンサC2及び抵抗R2で決定される時定数に応じて周波数f2の発振信号を発生する。また、NAND回路6d、クロックドゲート回路8e、8g及び8f、NAND回路6e、インバータ回路4cは直列に接続されて第3発振部を構成し、コンデンサCR及び抵抗R3で決定される時定数に応じて固定の周波数f3の基準発振信号を発生する。
【0028】
なお、第3発振部のクロックドゲート回路8e、8f及び8gのクロック信号入力端子は電源にプルアップされているので、常時インバータ回路を構成している。にもかかわらずクロックドゲート回路を使用してるのは、NAND回路6dの負荷容量を第1発振部及び第2発振部におけるNAND回路6aの負荷容量と等しくして、各発振部の特性の同一化を図るためである。また、第1及び第2発振部において、初段のNAND回路6aを共用しているのも同様の理由による。
【0029】
また、第1の発振部及び第2の発振部の初段NAND回路を共用とすることにより、各発振回路の入力寄生容量を同一とすることが可能となり発振の誤差を少なくする効果がある。
【0030】
一方、NAND回路6f、6g及び6h、インバータ回路4d並びにNOR回路7a及び7bのゲート回路は、ゲートアレイ内のタイミングジェネレータ(図示せず)からの制御信号であるパルス信号E0、E1、E2及びE3をこの発振回路の制御端子に受けて、第1、第2及び第3発振部の発振動作等の条件を定めるパルス信号E4ないしE8を生成する。なお、これらのパルス信号の基準となる信号は、第3発振部から発生される周波数f3の基準発振信号である。
【0031】
次に、図1の発振回路の動作について説明する。図3はパルス信号E0〜E8のタイミングチャートである。また、表1はこの発振回路の制御端子に入力されるパルス信号E0、E1、E2及びE3に対する発振状態を示すものである。
【0032】
【表1】
パルス信号E0がL(ローレベル)の場合は、NAND回路6a及びNAND回路6dがノンアクティブとなり、他のパルス信号の状態にかかわらず全ての発振が停止する(図3のT6の期間)。パルス信号E0がH(ハイレベル)の場合には、NAND回路6dがアクティブとなるので第3発振部は発振状態となり、周波数f3の基準発振信号が発生される(図3のT1〜T5の期間)。パルス信号E0がHの場合で、かつ、パルス信号E1がH、E2がL、E3がHの場合には、クロックドゲート回路8a及び8bのクロック信号φであるパルス信号E5及びE7がともにHとなる。すなわち図3のT2の期間には、第1発振部が発振状態となる。この期間において、クロックドゲート回路8c及び8dはクロック信号φであるパルス信号E6及びE8がともにLとなるので遮断状態となり、第2発振部は発振停止状態となる。
【0033】
また、パルス信号E0がHの場合で、かつ、パルス信号E1がH、E2がH、E3がLの場合には、クロックドゲート回路8c及び8dのクロック信号φであるパルス信号E6及びE8がともにHとなる。すなわち図3のT4の期間には、第2発振部が発振状態となる。この期間において、クロックドゲート回路8a及び8bはクロック信号φであるパルス信号E5及びE7がともにLとなるので遮断状態となり、第1発振部は発振停止状態となる。
【0034】
パルス信号E0がHの場合で、かつ、パルス信号E1がLの場合には、クロックドゲート回路8a及び8cはクロック信号φであるE5及びE6がともにHとなるのでアクティブとなる。また、クロックドゲート回路8b及び8dはクロック信号φであるE7及びE8がともにLとなるので遮断状態となる。かかる条件の場合、すなわち図3においてT1、T3及びT5の期間には、コンデンサC1及びC2を接続している共通端子は、クロックドゲート回路8b及び8dが遮断状態であるため、開放状態となる。また、コンデンサC1及びC2のもう片方のそれぞれの端子は同電位となる。従って、一方の発振部から他方の発振部に発振状態を切り換える際に、図3のT1、T3又はT5の期間を設けることによりコンデンサC1及びC2に残存する電荷量を均一にすることにより、発振動作の安定する時間のばらつきをなくすことが可能となる。
【0035】
また、図3には示してないが、図1において、パルス信号E0、E1、E2及びE3がHの場合、パルス信号E4がHになり、それにつながるNAND回路6aがアクティブであるにもかかわらず、クロックドゲート回路8a、8b、8c及び8dが遮断状態になり前記NAND回路6aのもう片方の入力が開放状態になるため、この状態にならないように注意が必要である。
【0036】
図4は本発明の発振回路の第2の実施例の構成を示す回路図である。この実施例の特徴は、図1に示す発振回路で第1発振部及び第2発振部に、発振周波数を決定する外付けの抵抗R1及びR2がそれぞれ接続されていたのを、一つの抵抗を共用して使用する点にある。かかる構成により、2つの抵抗のばらつきによる第1発振部及び第2発振部の発振周波数の誤差をさらに低減することができる。
【0037】
なお、他の構成並びに図3のタイミングチャート及び表1については図1に示す第1の実施例の構成と同一であるので、その説明は省略する。
【0038】
このように、クロック信号によってインバータ又はハイインピーダンス出力状態となるクロックドゲート回路を含む2つの発振部を備え、それぞれ静電容量及び抵抗値に応じて決定される周波数の発振信号を発生する場合に、各発振部はそれぞれに与えられるクロック信号に応じて発振動作を停止又は開始するので、高精度の電源を必要とせず、外部環境の変化に対しても変動が少なく、かつ、安価な発振回路を実現できる。
【0039】
また、それぞれ静電容量及び抵抗値に応じて決定される周波数の発振信号を発生する発振部と、クロック信号に応じて静電容量に係るコンデンサの電荷量を均一化する回路とを有することにより、発振動作を開始する前にコンデンサに残存する電荷量を均一化することができるので、一方の発振部から他方の発振部に切り換える際に、発振動作が迅速に安定するため、静電容量の検出を高速に行うことが可能となる。
【0040】
なお、上記実施例においては、静電容量検出回路に適用した2つの発振部(基準発振部である第3発振部を除く)の場合について記述したが、これに限ることなく、2以上のn個のポイントの圧力等を検出する場合には、n個の発振部を設け、各ポイントの圧力等の検出を順次行うときは、当該検出に係る発振部と基準発振部のみを高速で切り換えつつ発振させることになる。従って、かかる静電容量検出回路に適用するために、クロックドゲート回路を使用した本発明の構成は、優れた効果を発揮することとなる。
【0041】
なお、発振回路を通常のマクロセル等で構成する場合、あるいはゲートアレイの消費電流に余裕がある場合には、クロックドゲート回路でなくとも同様な発振回路を構成することができる。
【0042】
図5は本発明の発振回路の第3の実施例の構成を示す回路図である。この実施例の特徴は、クロックドゲート回路の代わりに、NAND回路とI/Oセルであるトライステートバッファを使用した点にある。かかる構成により、クロックドゲート回路の場合よりも消費電流は増加するものの、容易にゲートアレイ化が可能となるので、安価な発振回路を実現することができる。図5において1は従来例と同様、検出部である。基準部発振回路、NAND回路6bと6c、インバータ回路4aと4bを除いた他の構成並びに図3のタイミングチャート及び表1については図1に示す第1の実施例の構成と同一であるので、その説明は省略する。
【0043】
上記第1、第2及び第3の実施例においては、検出部を構成する可変コンデンサと基準部を構成する固定コンデンサとを同一の環境下に設けたので、この環境の変化、例えば検出する油圧の油の化学成分の変化により、検出部のコンデンサの誘電率が変化した場合等でも、基準部のコンデンサの誘電率も同じように変化するので、検出誤差を極力小さくすることが可能である。すなわち図には示してないが、ゲートアレイ内には、基準発振信号の周波数f3に基づいて各種パルス信号を発生するタイミングジェネレータの他、図3に示すT2の期間に周波数f1の発振信号をカウントアップし、T4の期間に周波数f2の発振信号をカウントダウンするアップダウンカウンタを有している。
【0044】
いま、誘電率の変化に伴い検出部のコンデンサC1及びC2の静電容量が30%増加したとする。この場合には、第1及び第2発振部からの発振信号の周波数f1及びf2が低下するので、アップダウンカウンタがT2及びT4の期間にカウントする数が30%減少することになる。しかしこの場合には、基準部のコンデンサCRの静電容量も同じく30%増加することになり、第3発振部からの基準となる発振信号の周波数f3が低下するので、T2及びT4の期間も30%長くなり、誘電率の変化に伴う検出誤差を吸収することができる。
【0045】
また、上記実施例では外部から受ける作用を静電容量の変化として検出するようにしたが、これに限ることなく、外部作用により帰還抵抗の変化として検出する構成とすることも可能である。すなわち、本発明の発振回路は外部から受ける作用のアナログ量を直接周波数の変化に変換する回路に広く適用できることはもちろんである。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、上記実施例から明らかなように、クロック信号によってインバータ又はハイインピーダンス出力状態となるクロックドゲート回路を含みそれぞれ静電容量及び抵抗値に応じて決定される周波数の発振信号を生成する複数系統の発振部と、制御信号に応じてクロック信号を生成するゲート回路とを備え、各発振部はそれぞれに与えられるクロック信号に応じて発振動作を停止又は開始することにより、高精度の電源を必要とせず、外部環境の変化に対しても変動が少なく、かつ、安価な発振回路を実現する効果がある。
【0047】
また、それぞれ静電容量及び抵抗値に応じて決定される周波数の発振信号を発生する発振部と、クロック信号に応じて静電容量に係るコンデンサに残存する電荷量を均一にする回路とを有することにより、複数の発振部の高速の切り換え動作が可能となるので、静電容量検出回路等に適用した場合には、検出速度を高速にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発振回路の第1の実施例の回路図である。
【図2】CMOS半導体素子で構成されるクロックドゲート回路を示す図である。
【図3】パルス信号E0〜E8のタイミングチャートである。
【図4】本発明の発振回路の第2の実施例の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の発振回路の第3の実施例の構成を示す回路図である。
【図6】従来のシュミット発振回路の回路図である。
【図7】従来のアナログスイッチを使用した発振回路の構成を示す回路図である。
【図8】図7の構成の変形例としての発振回路の回路図である。
【図9】シュミット発振回路において発生する出力周波数の折れを示す図である。
【符号の説明】
1 検出部
2a,2b シュミット入力インバータ回路
3a,3b アナログスイッチ
4a〜4f,81 インバータ回路
5a〜5d トライステートバッファ回路
6a〜6h,8a′〜8d′ NAND回路
7a,7b NOR回路
8a〜8g,86 クロックドゲート回路
82,83 Pch MOSトランジスタ
84,85 Nch MOSトランジスタ
C1,C2 可変コンデンサ
CR 固定コンデンサ
R1〜R3 抵抗
ctrl,ctrl1,ctrl2 制御信号
E0〜E8 パルス信号
f1〜f3,f1′,f2′ 周波数
φ クロック信号
A 入力信号
Y 出力信号
T1〜T6 制御期間
Claims (1)
- NAND回路6a、クロックドゲート回路8aおよび8b、NAND回路6b、インバータ回路4aを直列に接続し、可変コンデンサC1および抵抗R1で決定される時定数に応じて周波数f1の発振信号を発生する第1発振回路と、
NAND回路6a、クロックドゲート回路8cおよび8d、NAND回路6c、インバータ回路4bを直列に接続し、可変コンデンサC2および抵抗R2で決定される時定数に応じて周波数f2の発振信号を発生する第2発振回路と、
NAND回路6d、クロックドゲート回路8eおよび8f、NAND回路6c、インバータ回路4cを直列に接続し、コンデンサCRおよび抵抗R3で決定される時定数に応じて固定の周波数f3の基準発振信号を発生する基準発振回路と、
タイミングジェネレータからの複数の制御信号に基づいて前記第1発振回路および前記第2発振回路の発振開始・停止を制御する複数のクロック信号E4,E5,E6,E7,E8を発生するNAND回路6f、6gおよび6h、インバータ回路4d、NOR回路7aおよび7bとからなるゲート回路と、を備え、
前記ゲート回路は、Hレベルのクロック信号E4を前記NAND回路6aに供給するとともに、Hレベルのクロック信号E5およびクロック信号E7をそれぞれ前記クロックドゲート回路8aおよび8bに供給して前記第1発振回路を発振状態にすると同時に、Lレベルのクロック信号E6およびクロック信号E8をそれぞれ前記クロックドゲート回路8cおよび8dに供給して前記第2発振回路を発振停止状態にするとともに、
Lレベルのクロック信号E5およびクロック信号E7をそれぞれクロックドゲート回路8aおよび8bに供給して前記第1発振回路を発振停止状態にすると同時に、Hレベルのクロック信号E4を前記NAND回路6aに供給するとともに、Hレベルのクロック信号E6およびクロック信号E8をそれぞれクロックドゲート回路8cおよび8dに供給して前記第2発振回路を発振状態にし、
更に、前記ゲート回路は、Lレベルのクロック信号E7およびE8をそれぞれクロックドゲート回路8bおよび8dに供給して前記第1発振回路および前記第2発振回路を発振停止状態にし、前記第1発振回路および前記第2発振回路の動作停止期間に、前記可変コンデンサC1および前記可変コンデンサC2の電荷量を均一にすることを特徴とする発振回路。
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JP23242793A JP3729872B2 (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 発振回路 |
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JP23242793A JP3729872B2 (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 発振回路 |
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JPH0766694A JPH0766694A (ja) | 1995-03-10 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20230112726A1 (en) * | 2021-10-13 | 2023-04-13 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Oil deterioration detection device, oil deterioration detection system, and oil deterioration detection method |
-
1993
- 1993-08-25 JP JP23242793A patent/JP3729872B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US20230112726A1 (en) * | 2021-10-13 | 2023-04-13 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Oil deterioration detection device, oil deterioration detection system, and oil deterioration detection method |
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