JP3729819B2 - パワー素子用保護回路及びこれを備えた半導体装置 - Google Patents

パワー素子用保護回路及びこれを備えた半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーMOSFETやパワーバイポーラトランジスタ等のパワー素子の破壊を防止するパワー素子用保護回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路チップに搭載されるパワー素子用保護回路としてサーマルシャットダウン回路が主に用いられてきた。サーマルシャットダウン回路は、内蔵する温度センサによって温度を検知して、その検知温度が設定温度よりも高くなるとパワー素子の動作を停止させてパワー素子を熱破壊から保護することができる。
【0003】
また、パワー素子を流れる電流を検知して、その検知電流が設定電流より大きくならないようにパワー素子を制御するパワー素子用保護回路が用いられる場合もあった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−203091号公報
【特許文献2】
登録実用新案第2606461号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記サーマルシャットダウン回路は回路構成が簡単ではあるが、パワー素子と温度センサを同じ位置に設けることはできないため、特にパワー素子において過渡熱が発生した場合に温度センサによる検知温度とパワー素子自体の温度との間の温度差が生じ、サーマルシャットダウン回路によるパワー素子の動作停止がパワー素子の温度上昇に追いつかずパワー素子の熱破壊に至るおそれがあった。
【0006】
また、上記パワー素子を流れる電流を制限するパワー素子用保護回路は、電源電圧が高くなってパワー素子における電圧降下が大きくなると、パワー素子での損失電力が大きくなってパワー素子の熱破壊に至るおそれがあった。一方、電源電圧が高くなることを考慮して設定電流を小さくすると実動作を阻害するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑み、パワー素子に過渡熱が発生する場合や電源電圧が変動する場合でもパワー素子の破壊を防止することができ且つ簡単な回路構成にすることができるパワー素子用保護回路及びこれを備えた半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るパワー素子用保護回路においては、第1電極、第2電極、及び制御端子を有するパワー素子の前記第1電極−前記第2電極間電圧を検出し、その検出した電圧に比例した電流を出力する電圧検出手段と、前記パワー素子を流れる電流を検出し、その検出した電流に比例した電流を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力電流を対数変換して出力する第1対数変換手段と、前記電圧検出手段の出力電流を対数変換して出力する第2対数変換手段と、前記第1対数変換手段の出力と前記第2対数変換手段の出力との加算値に基づく値を逆対数変換する逆対数変換手段と、前記逆対数変換手段の出力に基づいて前記パワー素子の駆動を制限する駆動制限手段と、を備える構成とする。
【0009】
かかるパワー素子用保護回路は簡単な回路構成であって集積化が容易であり、検出対象が間接的な温度検出でなくパワー素子での損失電力であるため熱の発生量を精度良くコントロールすることができる。そのため、天絡、地絡、負荷短絡等による過渡熱の発生を制限することができ、パワー素子の破壊に至る可能性を低く抑えることができる。
【0010】
また、前記第1対数変換手段として、前記電流検出手段の出力電流をエミッタ電流又はコレクタ電流とし、ベース−エミッタ間電圧を出力する第1バイポーラトランジスタを用い、前記第2対数変換手段として、前記電圧検出手段の出力電流をエミッタ電流又はコレクタ電流とし、ベース−エミッタ間電圧を出力する第2バイポーラトランジスタを用い、前記逆対数変換手段として、前記第1対数変換手段の出力と前記第2対数変換手段の出力との加算値に基づく値をベース−エミッタ間電圧とし、エミッタ電流又はコレクタ電流を出力する第3バイポーラトランジスタを用いてもよい。
【0011】
このような構成によると、パワー素子用保護回路に設けられるトランジスタの数が少なくてすむので、回路構成を簡単にすることができ、高速動作が可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置においては、第1電極、第2電極、及び制御端子を有するパワー素子と、前記制御端子に駆動信号を出力して前記パワー素子を駆動する駆動手段と、前記パワー素子及び前記駆動手段に接続され、前記駆動手段を制御する上記いずれかの構成のパワー素子用保護回路と、を備える構成とする。
【0013】
このような構成により、パワー素子に過渡熱が発生する場合や電源電圧が変動する場合でもパワー素子の破壊を防止することができるとともに、搭載するパワー素子用保護回路の回路構成を簡単にすることができる。
【0014】
また、前記電流検出手段が、第2電極及び制御電極がそれぞれ前記パワー素子の第2電極及び制御電極に接続された第1トランジスタと、当該第1トランジスタの第1電極に第1及び第2電極における一方の電極が接続される第2トランジスタと、前記パワー素子の第1電極に一方の入力端子が接続されて前記第1トランジスタの第1電極に他方の入力端子が接続されるとともに、出力端子に前記第2トランジスタの制御電極が接続されるオペアンプと、を備え、前記パワー素子を流れる電流に比例した電流信号を前記第2トランジスタの第1及び第2電極における他方の電極から出力するようにしてもよい。
【0015】
この構成によると、前記オペアンプの両入力端子の電圧がほぼ等しくなるため、前記パワー素子及び前記第1トランジスタそれぞれの第1電極にかかる電圧がほぼ等しくなり、前記パワー素子及び前記第1トランジスタの動作状態がほぼ同一とすることができる。よって、パワー素子及び第1トランジスタがMOSFETである場合、その(ゲート幅)/(ゲート長)に比例した電流が、又、パワー素子及び第1トランジスタがバイポーラトランジスタである場合、そのエミッタ面積に比例した電流がそれぞれ、検出用の電流信号として出力されて、パワー素子を流れる電流が正確に検出される。又、第1トランジスタを流れるとともに出力される電流信号が電流検出手段の他の回路部分を流れる電流による影響のない構成とすることができる。よって、出力される電流信号を信頼性の高い電流信号とすることができる。
【0016】
又、前記第2トランジスタと前記オペアンプとによって負帰還回路が構成される。このとき、前記第2トランジスタがNチャネルのMOSFETやnpn型バイポーラトランジスタである場合、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの接続ノードが前記オペアンプの反転入力端子に接続される。又、前記第2トランジスタがPチャネルのMOSFETやpnp型バイポーラトランジスタである場合、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの接続ノードが前記オペアンプの非反転入力端子に接続される。
【0017】
又、前記電流検出手段が、第2電極及び制御電極がそれぞれ前記パワー素子の第2電極及び制御電極に接続された第1トランジスタと、当該第1トランジスタの第1電極に第2電極が接続される第2トランジスタと、前記パワー素子の第1電極に制御電極が接続されるとともに、前記第2トランジスタの制御電極に第2電極が接続される第3トランジスタと、を備え、前記パワー素子を流れる電流に比例した電流信号を前記第2トランジスタの第1電極から出力するようにしてもよい。
【0018】
この構成によると、前記第2トランジスタと前記第3トランジスタが逆極性のトランジスタであるとともに、前記第2トランジスタの第2電極及び制御電極間に発生する電位差と前記第3トランジスタの第2電極及び制御電極間に発生する電位差とを略等しくすることで、前記パワー素子及び前記第1トランジスタの第1電極にほぼ等しい電圧を印加することができる。
【0019】
よって、パワー素子及び第1トランジスタがMOSFETである場合、その(ゲート幅)/(ゲート長)に比例した電流が、又、パワー素子及び第1トランジスタがバイポーラトランジスタである場合、そのエミッタ面積に比例した電流がそれぞれ、検出用の電流信号として出力されて、パワー素子を流れる電流が正確に検出される。又、このとき、第2及び第3トランジスタがMOSFETであるときはソース・ゲート間の電圧が、第2及び第3トランジスタがバイポーラトランジスタであるときはベース・エミッタ間の電圧が、それぞれ略等しくなるように設定される。又、第1トランジスタを流れるとともに出力される電流信号が電流検出手段の他の回路部分を流れる電流による影響のない構成とすることができる。よって、出力される電流信号を信頼性の高い電流信号とすることができる。
【0020】
又、前記第2トランジスタが前記第1トランジスタと同じ極性のトランジスタである。即ち、前記第1トランジスタがNチャネルのMOSFET又はnpn型バイポーラトランジスタであるときは、前記第2トランジスタをNチャネルのMOSFETとするとともに前記第3トランジスタをPチャネルのMOSFETとするか、又は、前記第2トランジスタをnpn型バイポーラトランジスタとするとともに前記第3トランジスタをpnp型バイポーラトランジスタとする。又、前記第1トランジスタがPチャネルのMOSFET又はpnp型バイポーラトランジスタであるときは、前記第2トランジスタをPチャネルのMOSFETとするとともに前記第3トランジスタをNチャネルのMOSFETとするか、又は、前記第2トランジスタをpnp型バイポーラトランジスタとするとともに前記第3トランジスタをnpn型バイポーラトランジスタとする。
【0021】
更に、前記第3トランジスタの第1電極が前記パワー素子及び前記第1トランジスタの第2電極と接続するとともに、前記第3トランジスタの第2電極に抵抗を介して直流電圧が印加される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る半導体装置の構成例を図1に示す。本発明に係る半導体装置1は、パワー素子2と、駆動回路3と、パワー素子用保護回路4とによって構成される。パワー素子2としては、例えばパワーMOSFETやパワーバイポーラトランジスタ等が挙げられる。駆動回路3は、パワー素子2の制御端子(パワー素子2がパワーMOSFETの場合はゲート、パワー素子2がパワーバイポーラトランジスタの場合はベース)に負荷駆動指令信号S2に応じた駆動信号S3を出力してパワー素子2を駆動する。そして、駆動状態のパワー素子2が負荷16に電力を供給する。
【0023】
パワー素子用保護回路4は、パワー素子2における電圧降下Vo(パワー素子2がパワーMOSFETの場合はドレイン−ソース間電圧、パワー素子2がパワーバイポーラトランジスタの場合はコレクタ−エミッタ間電圧)を検出しその検出電圧Voに比例した電圧を出力する電圧検出部5と、電圧検出部5の出力電圧を電流に変換する電流変換部6と、電流変換部6の出力電流I2を対数変換する対数変換部7とを備える。
【0024】
また、パワー素子用保護回路4は、パワー素子2を流れる電流Io(パワー素子2がパワーMOSFETの場合はドレイン電流、パワー素子2がパワーバイポーラトランジスタの場合はコレクタ電流)を検出しその検出電流Ioに比例した電流を出力する電流検出部8と、電流検出部8の出力電流に比例した電流を生成する電流変換部9と、電流変換部9の出力電流I1を対数変換する対数変換部10とを備える。
【0025】
さらに、パワー素子用保護回路4は、基準定電流源11と、基準定電流源11から出力される基準定電流I3を対数変換する基準定電流対数変換部12と、対数変換部7の出力電圧V2と対数変換部10の出力電圧V1を足し合わせて基準定電流対数変換部12の出力電圧V3を差し引いたものを出力する演算部13と、演算部13の出力電圧V4を逆対数変換する逆対数変換部14と、逆対数変換部14の出力電流I4と制限電力指令信号S1を比較する比較部15とを備える。
【0026】
比較部15は、逆対数変換部14の出力電流I4の値が制限電力指令信号S1より大きい場合、負荷駆動信号S2に拘わらず駆動信号S3をパワー素子2の駆動を制限する信号にする。なお、制限電力指令信号S1を生成する回路はパワー素子用保護回路4に内蔵されていても外付けされていてもよく、負荷駆動信号S2を生成する回路は半導体装置1に内蔵されていても外付けされていてもよい。
【0027】
パワー素子用保護回路4は、パワー素子2を流れる電流とパワー素子2での電圧降下からパワー素子2の損失電力を求める際に、パワー素子2を流れる電流とパワー素子2での電圧降下とを直接乗算するのではなく、パワー素子2を流れる電流とパワー素子2での電圧降下とをそれぞれ対数変換し、それらの加算値から所定値を減算したものを逆対数変換してパワー素子2の損失電力を求めている。このように乗算を行わずに加算と減算によってパワー素子2の損失電力を求めているので、回路構成を簡単にすることができ、集積化が容易である。また、検出対象が間接的な温度検出でなくパワー素子での損失電力であるため熱の発生量を精度良く制御することができる。そのため、天絡、地絡、負荷短絡等による過渡熱の発生を制限することができ、パワー素子の破壊に至る可能性を低く抑えることができる。
【0028】
次に、パワー素子用保護回路4の回路構成について説明する。パワー素子用保護回路4の一回路構成例を図2に示す。なお、図2において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0029】
電流検出部8の出力電流に比例した電流I1を出力する電流源17の一端に電源電圧が印加され、他端がpnp型トランジスタQ1のエミッタ及びpnp型トランジスタQ2のベースに接続される。トランジスタQ1のコレクタは接地される。
【0030】
電圧検出部5の出力電圧に比例した電流I2を出力する電流源18の一端が接地され、他端がトランジスタQ2のコレクタ、及びトランジスタQ1のベース、及びpnp型トランジスタQ3のベースに接続される。トランジスタQ2のエミッタとpnp型トランジスタQ4のエミッタとが共通接続され、その接続ノードに電源電圧が印加される。
【0031】
基準定電流I3を出力する基準定電流源11の一端に電源電圧が印加され、他端にトランジスタQ3のエミッタ及びトランジスタQ4のベースが接続される。そして、トランジスタQ3のコレクタが接地され、トランジスタQ4のコレクタが比較部15に接続される。
【0032】
このような回路構成である図2のパワー素子用保護回路の動作について説明する。なお、以下の動作説明においてはトランジスタのベース電流を無視するものとする。電流検出部8はパワー素子2を流れる電流Io[A]に比例した電流を出力し、電流源17は電流検出部8の出力電流に比例した電流I1[A]を出力するので、下記(1)式が成り立つ。なお、(1)式中のK1[A/A]は変換係数である。
1=K1・Io …(1)
【0033】
電圧検出部5はパワー素子2における電圧降下Vo[V]に比例した電圧を出力し、電流源18は電圧検出部5の出力電圧に比例した電流I2[A]を出力するので、下記(2)式が成り立つ。なお、(2)式中のK2[A/V]は変換係数である。
2=K2・Vo …(2)
【0034】
トランジスタQ1は、電流源17の出力電流I1をエミッタ電流として入力し、そのエミッタ電流を対数変換したベース−エミッタ間電圧V1を出力する。トランジスタQ1のエミッタ電流I1[A]とベース−エミッタ間電圧V1[V]との間にはダイオード方程式である下記(3)式が成り立つ。なお、(3)式中のVT[V]は熱電圧でありk・T/qで表される(k:ボルツマン定数、T:絶対温度、q:電子の単位電荷、常温で約26[mV])。Is[A]は逆方向コレクタ飽和電流でパワー素子用保護回路の製造プロセスにより一定の値となる。
1=VT・ln(I1/Is) …(3)
【0035】
トランジスタQ2は、電流源18の出力電流I2をコレクタ電流として入力し、そのコレクタ電流と等しいエミッタ電流を対数変換したベース−エミッタ間電圧V2を出力する。トランジスタQ2のエミッタ電流I2[A]とベース−エミッタ間電圧V2[V]との間にはダイオード方程式である下記(4)式が成り立つ。なお、(4)式中のVT及びIsは(3)式中のVT及びIsと同一である。
2=VT・ln(I2/Is) …(4)
【0036】
トランジスタQ3は、基準定電流源11の基準定電流I3をエミッタ電流として入力し、そのエミッタ電流を対数変換したベース−エミッタ間電圧V3を出力する。トランジスタQ3のエミッタ電流I3[A]とベース−エミッタ間電圧V3[V]との間にはダイオード方程式である下記(5)式が成り立つ。なお、(5)式中のVT及びIsは(3)式中のVT及びIsと同一である。
3=VT・ln(I3/Is) …(5)
【0037】
そして、トランジスタQ1〜Q4のベース−エミッタ間電圧V1[V]〜V4[V]には下記(6)式の関係が成り立つ。
3+V4=V1+V2 …(6)
【0038】
上記(1)式〜(6)式によると、トランジスタQ4のベース−エミッタ間電圧V4[V]は下記(7)式のように表すことができる。
【0039】
【数1】
Figure 0003729819
【0040】
トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間電圧V4を逆対数変換したエミッタ電流と等しいコレクタ電流I4を比較部15に出力する。トランジスタQ4のエミッタ電流I4[A]とベース−エミッタ間電圧V4[V]との間にはダイオード方程式である下記(8)式が成り立つ。なお、(8)式中のVT及びIsは(3)式中のVT及びIsと同一である。
4=Is・exp(V4/VT) …(8)
【0041】
(7)式及び(8)式から、下記(9)式が成り立つ。
4=K1・K2・Vo・Io/I3 …(9)
【0042】
(9)式から明らかなように、トランジスタQ4から比較部15に出力される電流I4はパワー素子2の損失電力(Vo・Io)に比例した値となる。したがって、電流I4とパワー素子2の損失電力(Vo・Io)との間の比例定数(K1・K2/I3)を考慮して制限電力指令信号S1の値を設定するとよい。
【0043】
図2のパワー素子用保護回路は、内部に設けられるトランジスタの数が少ないので、高速動作が可能である。
【0044】
なお、電圧V1と電圧V2を加算したものをダイオード方程式によって逆対数変換しても逆方向コレクタ電流Isの項をキャンセルすることができないため((7)式及び(8)式参照)、図2のパワー素子用保護回路では、基準定電流I3をダイオード方程式によって対数変換することで得られる電圧V3を電圧V1と電圧V2を加算したものから差し引くことで電圧V4を得て((6)式参照)、その電圧V4をダイオード方程式によって逆対数変換することでパワー素子2の損失電力に比例し且つ逆方向コレクタ電流Isの項がキャンセルされた電流I4を得るようにしている。
【0045】
次に、パワー素子用保護回路4の他の回路構成例を図3に示す。なお、図3において図2と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。図3のパワー素子用保護回路は、図2のパワー素子用保護回路にpnp型トランジスタQ5を新たに付加し、トランジスタQ1のベース及びトランジスタQ3のベースの接続ノードとトランジスタQ2のコレクタ及び電流源18の接続ノードとを別個にした構成である。
【0046】
トランジスタQ5のエミッタがトランジスタQ1のベース及びトランジスタQ3のベースの接続ノードに接続され、トランジスタQ5のベースがトランジスタQ2のコレクタ及び電流源18の接続ノードに接続される。そして、トランジスタQ5のコレクタが接地される。
【0047】
図3のパワー素子用保護回路は、トランジスタQ1及びQ3のベース電流によって電流源18の出力電流とトランジスタQ2のコレクタ電流との間に生じる誤差を図2のパワー素子用保護回路の場合に比べて1/hfeにすることができるので、図2のパワー素子用保護回路の場合に比べてパワー素子2の損失電力の検出精度が向上する。なお、hfeはエミッタ接地で出力を短絡した場合のトランジスタQ5の電流利得である。
【0048】
次に、パワー素子用保護回路4の更に他の回路構成例を図4に示す。図4のパワー素子用保護回路ではnpn型トランジスタQ1’〜Q4’を用い、図2のパワー素子用保護回路ではpnp型トランジスタQ1〜Q4を用いているが、図4のパワー素子用保護回路と図2のパワー素子用保護回路において基本的な構成及び動作は共通であるので、図4のパワー素子用保護回路の特徴部分のみを説明する。
【0049】
図4のパワー素子用保護回路は、npn型トランジスタQ6〜Q8を具備している。トランジスタQ6のコレクタに電源電圧が印加され、トランジスタQ6のベースが基準定電流源11及びトランジスタQ3’のコレクタに接続され、トランジスタQ6のエミッタがトランジスタQ7のベース、トランジスタQ8のベース、及びトランジスタQ8のコレクタに接続される。また、トランジスタQ7のコレクタがトランジスタQ3’のエミッタ及びトランジスタQ4’のベースに接続される。そして、トランジスタQ7のエミッタ及びトランジスタQ8のエミッタが接地される。
【0050】
このような構成によると、トランジスタQ7とトランジスタQ8によって構成されるカレントミラー回路によってトランジスタQ3’を流れる電流とトランジスタQ6を流れる電流とが等しくなる。そして、トランジスタQ6のベース電流がトランジスタQ6のコレクタ電流Iの1/β倍であるとすると、下記(10)式が成り立つ。
3=(1+1/β)I …(10)
【0051】
ここで、1≪βであるのでI3≒Iとなる。一方、図2のパワー素子用保護回路では、基準定電流I3とトランジスタQ4のベース電流との合計電流がトランジスタQ3を流れる電流になっている。したがって、図4のパワー素子用保護回路におけるトランジスタQ3’を流れる電流Iと基準定電流I3との誤差は、図2のパワー素子用保護回路におけるトランジスタQ3を流れる電流と基準定電流I3との誤差よりも小さくなる。すなわち、図4のパワー素子用保護回路は、図2のパワー素子用保護回路に比べてパワー素子2の損失電力の検出精度が向上する。
【0052】
なお、上述した図2及び図3のパワー素子用保護回路においては、pnp型トランジスタを用いたが、npn型トランジスタを用いた回路構成にしても構わない。また、パワー素子を空冷するための冷却ファンが故障した場合等においてはパワー素子の損失電力が許容範囲内であってもパワー素子の温度が許容範囲を越えるおそれがあるので、サーマルシャットダウン回路による温度保護も共用することでパワー素子の破壊に至る可能性をさらに低く抑えることができる。
【0053】
ここで、電流検出部8の検出精度が向上すればパワー素子の損失電力の検出精度も向上するので、電流検出部8には検出精度が良好である電流検出部8を用いることが望ましい。そこで、以下に電流検出部8の検出精度を良好にすることができる実施形態について説明する。
【0054】
電流検出部8の第1の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。図5は、パワー素子2、電流検出部8、及び負荷16のみの構成を示す回路ブロック図である。
【0055】
図5の回路は、負荷16に電流供給するパワー素子2であるパワートランジスタM1と、パワートランジスタM1のゲート及びソースそれぞれにゲート及びソースが接続されたトランジスタM2と、パワートランジスタM1のドレインに非反転入力端子が接続されるとともにトランジスタM2のドレインに反転入力端子が接続されたオペアンプAと、オペアンプAの出力端子にゲートが接続されるとともにトランジスタM2のドレインにソースが接続されたトランジスタM3とによって構成される。
【0056】
又、パワートランジスタM1及びトランジスタM2のソースが接地用端子20を介して接地されるとともに、パワートランジスタM1及びトランジスタM2のゲートに制御用端子21を介して駆動信号S3が入力される。又、パワートランジスタM1のドレインが負荷16と負荷用端子22を介して接続される。又、トランジスタM3のドレインに検出電流を出力する検出用端子23が設けられる。更に、パワートランジスタM1及びトランジスタM2,M3は、NチャネルのMOSFETである。又、トランジスタM3及びオペアンプAによって負帰還回路が構成される。
【0057】
このように図5の回路が構成されるとき、オペアンプAの反転入力端子及び非反転入力端子それぞれにおける電圧がほぼ等しくなるため、パワートランジスタM1及びトランジスタM2それぞれのドレインにかかる電圧がほぼ等しくなる。よって、パワートランジスタM1及びトランジスタM2は、それぞれのソース同士及びゲート同士が接続されているため、ドレイン及びソース及びゲートそれぞれに印加される電圧が等しくなる。
【0058】
このように、パワートランジスタM1及びトランジスタM2の各電極に印加される電圧を等しくすることによって、トランジスタM2を流れるドレイン電流がパワートランジスタM1を流れるドレイン電流に比例した値となる。即ち、パワートランジスタM1のゲート幅及びゲート長をW1、L1とし、トランジスタM2のゲート幅及びゲート長をW2、L2とすると、パワートランジスタM1のドレイン電流I1に対して、トランジスタM2のドレイン電流I2が、I1×(W2/L2)/(W1/L1)となる。このとき、トランジスタM2のドレイン電流が数μA〜数10μAに対して、トランジスタM1のドレイン電流が数百mAとなる。
【0059】
又、トランジスタM3が設けられることによって、オペアンプAの出力電圧がトランジスタM3のゲート電圧としてサンプリングされるのみとすることができる。よって、トランジスタM2が抵抗などを介して直接オペアンプAの出力端子に接続される場合と異なり、トランジスタM3のドレイン電流の一部としてオペアンプAから流出したり、検出用端子23を流れる電流の一部がオペアンプAに流入することを防ぐことができる。そのため、オペアンプAからの電流が流入又は流出して検出端子23に現れる電流がオペアンプAにより影響されることがないので、検出端子23に現れる電流値がパワートランジスタM1のドレイン電流に比例したトランジスタM2のドレイン電流の電流値を表すことになる。
【0060】
又、図5では、トランジスタM3をNチャネルのMOSFETとしたが、図6のように、トランジスタM3の代わりにnpn型バイポーラトランジスタであるトランジスタT3を使用しても構わない。このとき、トランジスタT3は、コレクタが検出用端子23に、ベースがオペアンプAの出力端子に、エミッタがトランジスタM2のドレインに接続される。即ち、トランジスタT3及びオペアンプAによって負帰還回路が構成される。又、このトランジスタT3のベース電流は、コレクタ電流に比べて微少なため、図5の場合と同様、検出端子23に現れる電流値がパワートランジスタM1のドレイン電流に比例したトランジスタM2のドレイン電流の電流値を表すことになる。
【0061】
又、図5及び図6では、パワートランジスタM1をNチャネルのMOSFETとしたが、図7(a)、(b)のように、パワートランジスタM1の代わりに、npn型バイポーラトランジスタであるパワートランジスタT1が使用される場合もある。このとき、NチャネルのMOSFETであるトランジスタM2の代わりに、npn型バイポーラトランジスタであるトランジスタT2が使用される。
【0062】
そして、オペアンプAの非反転入力端子及び反転入力端子それぞれに、パワートランジスタT1のコレクタ及びトランジスタT2のコレクタに接続される。又、パワートランジスタT1及びトランジスタT2のエミッタが接地用端子20に、パワートランジスタT1及びトランジスタT2のベースが制御用端子21にそれぞれ接続される。尚、図7(a)がNチャネルのMOSFETであるトランジスタM3を使用した構成であり、図7(b)がnpn型バイポーラトランジスタであるトランジスタT3を使用した構成である。
【0063】
図7(a)、(b)のように構成したとき、オペアンプA及びトランジスタM3,T3は、図5及び図6におけるオペアンプA及びトランジスタM3,T3と同様の機能を備える。そして、パワートランジスタT1及びトランジスタT2には、それぞれのエミッタ及びコレクタ及びベースに同じ電圧が印加された状態となり、パワートランジスタT1及びトランジスタT2のエミッタ面積に比例したコレクタ電流が流れることとなる。よって、パワートランジスタT1及びトランジスタT2のエミッタ面積をそれぞれs1,s2とし、パワートランジスタT1のコレクタ電流I1であるとき、トランジスタT2に流れるコレクタ電流I2がI1×s2/s1となるとともに、このコレクタ電流I2が検出用端子23に現れる。
【0064】
又、図5〜図7では、パワートランジスタM1,T1がオペアンプAの非反転入力端子に、トランジスタM2,T2がオペアンプAの反転入力端子に接続されるものとしたが、オペアンプAの非反転入力端子及び反転入力端子への接続関係を逆としても構わない。即ち、図8(a)、(b)のように、オペアンプAの反転入力端子及び非反転入力端子それぞれにパワートランジスタM1のドレイン及びトランジスタM2のドレインが接続され、又、図8(c)、(d)のように、オペアンプAの反転入力端子及び非反転入力端子それぞれにパワートランジスタT1のコレクタ及びトランジスタT2のコレクタが接続される。
【0065】
このとき、オペアンプAの出力端子に接続されるトランジスタM3,T3はそれぞれ、PチャネルのMOSFET及びpnp型バイポーラトランジスタとされることで、オペアンプA及びトランジスタM3,T3によって負帰還回路が構成される。即ち、トランジスタM3は、図8(a)、(c)のように、ゲートがオペアンプAの出力端子に、ソースが検出用端子23に、ドレインがオペアンプAの非反転入力端子に接続され、又、トランジスタT3は、図8(b)、(d)のように、ベースがオペアンプAの出力端子に、エミッタが検出用端子23に、コレクタがオペアンプAの非反転入力端子に接続される。
【0066】
更に、図5〜図8では、パワートランジスタM1及びトランジスタM2をNチャネルのMOSFETとし、パワートランジスタT1及びトランジスタT2をnpn型バイポーラトランジスタとしたが、図9に示すように、パワートランジスタM1及びトランジスタM2をPチャネルのMOSFETとし、パワートランジスタT1及びトランジスタT2をpnp型バイポーラトランジスタとすることができる。
【0067】
このとき、図9(a)、(b)のように、オペアンプAの非反転入力端子及び反転入力端子それぞれにパワートランジスタM1のドレイン及びトランジスタM2のドレインが接続されるとともに、トランジスタM3,T3をそれぞれPチャネルのMOSFET又はpnp型バイポーラトランジスタとし、オペアンプAの非反転入力端子と出力端子22とを接続する。このようにすることで、図9(a)、(b)の回路構成が、図5及び図6と逆極性であるが、その接続関係が等しくなる。
【0068】
又、図9(c)、(d)のように、オペアンプAの非反転入力端子及び反転入力端子それぞれにパワートランジスタT1のコレクタ及びトランジスタT2のコレクタが接続されるとともに、トランジスタM3,T3をそれぞれPチャネルのMOSFET又はpnp型バイポーラトランジスタとし、オペアンプAの非反転入力端子と出力端子22とを接続する。このようにすることで、図9(c)、(d)の回路構成が、図7(a)、(b)と逆極性であるが、その接続関係が等しくなる。
【0069】
又、図10(a)、(b)のように、オペアンプAの反転入力端子及び非反転入力端子それぞれにパワートランジスタM1のドレイン及びトランジスタM2のドレインが接続されるとともに、トランジスタM3,T3をそれぞれNチャネルのMOSFET又はnpn型バイポーラトランジスタとし、オペアンプAの反転入力端子と出力端子22とを接続する。このようにすることで、図10(a)、(b)の回路構成が、図8(a)、(b)と逆極性であるが、その接続関係が等しくなる。
【0070】
又、図10(c)、(d)のように、オペアンプAの反転入力端子及び非反転入力端子それぞれにパワートランジスタT1のコレクタ及びトランジスタT2のコレクタが接続されるとともに、トランジスタM3,T3をそれぞれNチャネルのMOSFET又はnpn型バイポーラトランジスタとし、オペアンプAの反転入力端子と出力端子22とを接続する。このようにすることで、図10(c)、(d)の回路構成が、図8(c)、(d)と逆極性であるが、その接続関係が等しくなる。
【0071】
電流検出部8の第2の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。図11は、パワー素子2、電流検出部8、及び負荷16のみの構成を示す回路ブロック図である。尚、図11において、図5と同一の素子については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0072】
図11の回路は、図5の回路からオペアンプAが削除されるとともに、電源電圧VDDが一端に印加された抵抗R及びトランジスタM3のゲートにソースが接続されゲートがパワートランジスタM1のドレインに接続されたトランジスタM4が設けられる。このトランジスタM4は、ドレインが接地端子20を介して接地されるPチャネルのMOSFETであり、トランジスタM3,M4のソース・ゲート間の閾値電圧が略同一の電圧Vthとされる。
【0073】
このように構成されるとき、パワートランジスタM1のドレイン電圧をVaとすると、このパワートランジスタM1のドレイン電圧VaがトランジスタM4のゲートに与えられるため、トランジスタM4のソース電圧がVa+Vthとなる。又、このトランジスタM4のソース電圧Va+VthがトランジスタM3のゲートに与えられるため、トランジスタM3のソース電圧がVa+Vth−Vth=Vaとなり、トランジスタM2のドレイン電圧がVaとなり、パワートランジスタM1のドレイン電圧と等しくなる。
【0074】
よって、トランジスタM2のドレイン電圧及びゲート電圧及びソース電圧がそれぞれ、パワートランジスタM1のドレイン電圧及びゲート電圧及びソース電圧と等しい値となるため、トランジスタM2のドレイン電流がトランジスタM1のドレイン電流に対して(ゲート幅)/(ゲート長)で比例した値となる。又、パワートランジスタM1のドレイン電圧がトランジスタM4のゲート電圧としてサンプリングされるのみであり、又、トランジスタM4のソース電圧がトランジスタM3のゲート電圧としてサンプリングされるのみであるため、検出端子23より出力されるトランジスタM2のドレイン電流への影響を小さくすることができる。
【0075】
即ち、トランジスタM3のドレイン電流がトランジスタM4と抵抗Rによる回路を流れる電流により増減することがなく、トランジスタM2のドレイン電流と等しい値となる。又、パワートランジスタM1を流れる電流がトランジスタM4と抵抗Rによる回路を流れる電流により増減することがなく、負荷16を流れる電流と等しい値となる。よって、第1の実施形態と同様、検出用端子23に現れる電流は、パワートランジスタM1のドレイン電流に比例したトランジスタM2のドレイン電流と等しい値となる。
【0076】
又、図11では、トランジスタM3をNチャネルのMOSFETとするとともにトランジスタM4をPチャネルのMOSFETとしたが、図12のように、トランジスタM3の代わりにnpn型バイポーラトランジスタであるトランジスタT3を、トランジスタM4の代わりにpnp型バイポーラトランジスタT4をそれぞれ使用しても構わない。
【0077】
このとき、トランジスタT3は、コレクタが検出用端子23に、ベースが抵抗Rの他端に、エミッタがトランジスタM2のドレインに接続される。又、トランジスタT4は、コレクタが接地用端子20に、ベースがトランジスタM1のドレインに、エミッタがトランジスタT3のベースに接続される。このトランジスタT3,T4のベース電流は、コレクタ電流に比べて微少なため、図11の場合と同様、検出端子23に現れる電流値がパワートランジスタM1のドレイン電流に比例したトランジスタM2のドレイン電流の電流値を表すことになる。
【0078】
又、図11及び図12では、パワートランジスタM1をNチャネルのMOSFETとしたが、図13(a)、(b)のように、バイポーラトランジスタM1の代わりに、npn型バイポーラトランジスタであるパワートランジスタT1が使用される場合もある。このとき、NチャネルのMOSFETであるトランジスタM2の代わりに、npn型バイポーラトランジスタであるトランジスタT2が使用される。
【0079】
そして、図13(a)において、パワートランジスタT1のコレクタがトランジスタM4のゲートに接続されるとともに、トランジスタT2のコレクタがトランジスタM3のソースに接続される。又、図13(b)において、パワートランジスタT1のコレクタがトランジスタT4のベースに接続されるとともに、トランジスタT2のコレクタがトランジスタT3のエミッタに接続される。更に、図13(a)、(b)において、パワートランジスタT1及びトランジスタT2のエミッタが接地用端子20に、パワートランジスタT1及びトランジスタT2のベースが制御用端子21にそれぞれ接続される。
【0080】
更に、図11〜図13では、パワートランジスタM1及びトランジスタM2をNチャネルのMOSFETとし、パワートランジスタT1及びトランジスタT2をnpn型バイポーラトランジスタとしたが、パワートランジスタM1及びトランジスタM2をPチャネルのMOSFETとし、パワートランジスタT1及びトランジスタT2をpnp型バイポーラトランジスタとすることができる。
【0081】
又、図14(a)、(c)のように、トランジスタM2のドレイン又はトランジスタT2のコレクタにソースが接続されるトランジスタM3をPチャネルのMOSFETとするとともに、パワートランジスタM1のドレイン又はパワートランジスタT1のコレクタにゲートが接続されるトランジスタM4をNチャネルのMOSFETとする。このようにすることで、図14(a)、(c)の回路構成が、図11及び図13(a)と逆極性であるが、その接続関係が等しくなる。
【0082】
又、図14(b)、(d)のように、トランジスタM2のドレイン又はトランジスタT2のコレクタにエミッタが接続されるトランジスタT3をpnp型バイポーラトランジスタとするとともに、パワートランジスタM1のドレイン又はパワートランジスタT1のコレクタにベースが接続されるトランジスタT4をnpn型バイポーラトランジスタとする。このようにすることで、図14(b)、(d)の回路構成が、図12、図13(b)と逆極性であるが、その接続関係が等しくなる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によると、パワー素子に過渡熱が発生する場合や電源電圧が変動する場合でもパワー素子の破壊を防止することができ且つ簡単な回路構成にすることができるパワー素子用保護回路及びこれを備えた半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る半導体装置の構成例を示す図である。
【図2】 本発明に係るパワー素子用保護回路の一回路構成例を示す図である。
【図3】 本発明に係るパワー素子用保護回路の他の回路構成例を示す図である。
【図4】 本発明に係るパワー素子用保護回路の更に他の回路構成例を示す図である。
【図5】 第1の実施形態の電流検出部を含む回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図6】 第1の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【図7】 第1の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【図8】 第1の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【図9】 第1の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【図10】 第1の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【図11】 第2の実施形態の電流検出部を含む回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図12】 第2の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【図13】 第2の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【図14】 第2の実施形態の電流検出部を含む回路の別の構成を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 半導体装置
2 パワー素子
3 駆動回路
4 パワー素子用保護回路
5 電圧検出部
6、9 電流変換部
7、10 対数変換部
8 電流検出部
11 基準定電流源
12 基準定電流対数変換部
13 演算部
14 逆対数変換部
15 比較部

Claims (3)

  1. 第1電極、第2電極、及び制御端子を有するパワー素子の前記第1電極−前記第2電極間電圧を検出し、その検出した電圧に比例した電流を出力する電圧検出手段と、
    前記パワー素子を流れる電流を検出し、その検出した電流に比例した電流を出力する電流検出手段と、
    前記電流検出手段の出力電流を対数変換して出力する第1対数変換手段と、
    前記電圧検出手段の出力電流を対数変換して出力する第2対数変換手段と、
    前記第1対数変換手段の出力と前記第2対数変換手段の出力との加算値に基づく値を逆対数変換する逆対数変換手段と、
    前記逆対数変換手段の出力に基づいて前記パワー素子の駆動を制限する駆動制限手段と、
    を備えることを特徴とするパワー素子用保護回路。
  2. 前記第1対数変換手段が、前記電流検出手段の出力電流をエミッタ電流又はコレクタ電流とし、ベース−エミッタ間電圧を出力する第1バイポーラトランジスタであり、
    前記第2対数変換手段が、前記電圧検出手段の出力電流をエミッタ電流又はコレクタ電流とし、ベース−エミッタ間電圧を出力する第2バイポーラトランジスタであり、
    前記逆対数変換手段が、前記第1対数変換手段の出力と前記第2対数変換手段の出力との加算値に基づく値をベース−エミッタ間電圧とし、エミッタ電流又はコレクタ電流を出力する第3バイポーラトランジスタである請求項1に記載のパワー素子用保護回路。
  3. 第1電極、第2電極、及び制御端子を有するパワー素子と、
    前記制御端子に駆動信号を出力して前記パワー素子を駆動する駆動手段と、
    前記パワー素子及び前記駆動手段に接続され、前記駆動手段を制御する請求項1又は請求項2に記載のパワー素子用保護回路と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
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