JP3728806B2 - リヤアンダーミラー支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に車両の後方下部を確認するために用いられるリヤアンダーミラー支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のリヤアンダーミラー支持構造としては、例えば、図10に示す様な実開平6−67185号公報に記載されているものが知られている。
【0003】
図10中、符号1は、車両2の後部に固定支持されるリヤアンダーミラーである。このリヤアンダーミラー1は、車両2の後部ドア枠3に嵌着されるリヤウインドウパネル4を介して車両後方下部の反射像を、車室内の主に運転席から視認するためのものである。
【0004】
このリヤアンダーミラー1は、前記後部ドア枠3の上部略中央位置に、取付部5を介して固着されている。この取付部5からは、折曲自在に構成されるアーム部6が延設されている。また、このアーム部6の先端には、ミラー本体7が取付られている。
【0005】
このミラー本体7には、鏡面部8が、下向きに配設されると共に、後続車に車両2減速を知らせる。ストップランプ部9が配設されている。
【0006】
このように構成された従来のリヤアンダーミラー支持構造では、アーム部6の折曲角度を変更して、最も適切な車両後方下部の像を、前記リヤウインドウパネル4を介して運転席側から視認するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のリヤアンダーミラー支持構造では、前記アーム部6が車両からの振動を受けて鏡面部8を細かく振動させ、リヤアンダーミラー1の視認性が阻害されることがあった。特に近年では造形上ワンボックスカーのような車両であってもリヤウインドウパネル4の傾斜が緩やかに形成されるようなことがあり、そうした際には、リヤアンダーミラー1は車両後下方の視野を確保するため、アーム6を長く形成しなければならず、上記の課題は特に顕著に現われる。
【0008】
また、リヤアンダーミラー1の防振対策のためには、アーム6を金属製の丸棒材のような高剛性の部材で強固に形成することが有効であるが、やはりアーム6が長くなるとそれだけでは防振上不十分となることは否めず、更にはアーム6が長くなるとリヤアンダーミラー1が取付けられている後部ドア枠3を上方へ回動させた際に、リヤアンダーミラー1の突出量が大きいため、建造物の天井等に干渉し易くなっており、アーム6の車体への取付部を変形させてしまう虞がある。
【0009】
そこで、この発明は、リヤアンダーミラーの鏡面部の防振性を向上させてリヤアンダーミラーの視認性を向上させると共に、リヤアンダーミラーが周囲と干渉した際に車体の変形を防止することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本願発明の請求項1に記載されたものでは、車両の後部に固定支持されて、車両後方下部の反射像をリヤウインドウパネルを介して視認するリヤアンダーミラーの支持構造において、前記リヤウインドウパネル上周縁には、前記リヤアンダーミラーから車体側へ向けて延びたステー部が基端部を介して上下方向へ回動自在となるように取り付けられると共に、該リヤアンダーミラーのステー部には、車両後部に当接して、該リヤアンダーミラーを保持する弾性体を設けてなるリヤアンダーミラー支持構造を特徴としている。
【0011】
このように構成された請求項1記載のものでは、車両からの振動により、前記リヤアンダーミラーが、基端部を中心に振動しても、該リヤアンダーミラーのステー部に設けられた弾性体が、車両後部に当接して、該リヤアンダーミラーを保持する。
【0012】
このため、リヤアンダーミラーを有効に防振でき、リヤアンダーミラーの視認性が阻害されることを防止する。
【0014】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記リヤアンダーミラーが、周囲と干渉した際でも、該アンダーミラーが上下方向へ回動して車両のリヤアンダーミラーが取付けられた部位の変形を防止すると共に、該リヤアンダーミラーのステー部に設けられた弾性体が、車両後部に当接して、該リヤアンダーミラーを保持するため、リヤアンダーミラーがリヤウインドウパネルに当接する虞が無い。
【0015】
そして、請求項2に記載されたものでは、前記弾性体は、該リヤアンダーミラーの前記車両後部への当接を阻止する当接阻止部と、該リヤアンダーミラーの回動方向への振動を吸収する防振部とを設けた各請求項1記載のリヤアンダーミラー支持構造を特徴としている。
【0016】
このように構成された請求項2に記載されたものでは、前記弾性体に設けられた当接防止部によって、リヤアンダーミラーが周囲と干渉した際のリヤアンダーミラーの前記車両後部への干渉が阻止される。
【0017】
しかも、前記弾性体に設けられた防振部によって、該リヤアンダーミラーの回動方向への振動が吸収される。このため、車両後方下部の視認性が良好である。
【0018】
また、請求項3に記載されたものでは、前記当接阻止部は、円筒状に形成された前記防振部内に、同心円位置となるように設けられている請求項2記載のリヤアンダーミラー支持構造を特徴としている。
【0019】
このように構成された請求項3に記載されたものでは、前記当接阻止部が、円筒状に形成された前記防振部内に、同心円位置となるように設けられているので、該当接防止部が前記防振部に隠れて見えない。このため、外観品質が良好である。
【0020】
そして、請求項4に記載されたものでは、前記弾性体の長手方向を、前記車両内部からの後方視認方向と略一致させている請求項1乃至3のいずれか1項記載のリヤアンダーミラー支持構造を特徴としている。
【0021】
このように構成された請求項4に記載されたものでは、前記弾性体の長手方向が、前記車両内部からの後方視認方向と略一致するように構成されている。
【0022】
このため、後方視認時に弾性体が、妨げとならず、更に、後方視認性を良好なものとする事が出来る。
【0023】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しつつ説明する。なお、従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0024】
図1乃至図7は、この発明の実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を説明するもので、まず、構成を説明すると、この実施の形態1のものでは、
このリヤアンダーミラー10は、車両2の後部ドア枠3に嵌着されるリヤウインドウパネル4を介して車両後方下部の反射像を、車室内の主に運転席から視認するためのものである。
【0025】
リヤアンダーミラー10は、車両2の後部に固定支持されている。
即ち、このリヤアンダーミラー10では、略丸棒状のステー部12が、基端部11を介して、前記後部ドア枠3に取付けられている。この基端部11から車両後方下部へ向けて延設されるステー部先端12cには、ミラー本体7が取付られている。
【0026】
このミラー本体7は、略下向きに鏡面部8が設けられており、ステー部12に対して所定角度で保持されるように、前記先端12cに取付軸7aを介して可変可能に枢着されている。
【0027】
前記基端部11は、前記リヤウインドウパネル4上周縁である前記後部ドア枠3の上部略中央位置に固着される金属製の取付ベース部材13を有している。
【0028】
この取付ベース部材13には、前記ステー部12の車体側端部12aを挿入するステー挿入開口14が形成されている。
【0029】
また、この取付ベース部材13には、挿入されたステー部車体側端部12aを上下方向へ回動自在に軸支する回動軸部材15が、略水平方向に沿って挿通されている。
【0030】
そして、この取付ベース部材13の周縁には、前記後部ドア枠3の表面側に当接して、挿通されるネジ部材16等によって固着される周縁フランジ部17が形成されている。
【0031】
また、このリヤアンダーミラー10のステー部12の略中央部12bには、車両後部に当接して、該リヤアンダーミラー10を保持する弾性体18が設けられている。
【0032】
この弾性体18には、図3に示す様に、ゴム製の弾性体本体18aの上端部に、前記ステー部12の略中央部12bを係止するステー係止溝18bが、上方を所定量開放して、略中央部12bを嵌着可能な形状に一体に形成されている。
【0033】
また、この弾性体18には、弾性体本体18aから下方へ延設される略円柱形状の当接防止部18cが一体に形成されている。
【0034】
この当接防止部18cの長さは、前記ステー部12が、前記回動軸部材15を回動中心として、下方へ回動しても、リヤアンダーミラー10の前記車両後部のリヤウインドウパネル4への当接が阻止される大きさに形成されている。
【0035】
この当接阻止部18cの周囲には、前記リヤアンダーミラー10の回動方向への振動を吸収する防振部18dが設けられている。
【0036】
この防振部18dは、前記弾性体本体18aから下方へ向けて、前記当接防止部18cよりも長く、略円筒状を呈するように一体に形成されている。
【0037】
そして、図1に示すように、前記リヤウインドウパネル4のリヤワイパ19払拭範囲20外の部分に、この防振部18bの下端を当接させて、通常状態で、前記ミラー本体7の鏡面部8aを、車両後方下部が、略視認範囲内に納まるような位置に保持するように構成されている。
【0038】
しかも、この実施の形態1では、図7に示す様に、前記当接防止部18cが、この防振部18d内に、同心円位置となるように設けられている。
【0039】
また、この実施の形態1の防振部18dは、振動系のマス,ジオメトリに対して、最も防振効果の高い状態に設定されている。具体的には、前記リヤアンダーミラー10の固有振動数が、前記車両2の発生する主な振動を打ち消すように、前記弾性体18の防振部18dの剛性及び取付位置が設定されている。
【0040】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0041】
この実施の形態1では、車両2が発生する振動は、一方、車両2の後部ドアを開放する、即ち後部ドア枠3を上方へ回動させた際にリヤアンダーミラー10のステー部12が建造物の天井等周囲に干渉したとしても前記弾性体18に設けられた防振部18dによって、吸収される。このため、多少の振動は、防振部18dによって吸収され、リヤアンダーミラー10の鏡面部8の位置が安定するので、車両後方下部の視認性が良好である。
【0042】
前記リヤアンダーミラー10が、基端部11の取付ベース部材13に設けられた回動軸部材15を中心に、ステー部12が上下方向に回動して、このリヤアンダーミラー10のステー部12に設けられた弾性体18に設けられた当接防止部18cの下端が、図4に示す様に、リヤウインドウパネル4に当接する。
【0043】
このように、当接防止部18cの下端が、リヤウインドウパネル4に当接すると、図2中二点鎖線に示すように、このリヤアンダーミラー10を、前記リヤウインドウパネル4から一定間隔を置いた位置に保持して、前記リヤウインドウパネル4への近接が阻止される。
【0044】
このため、リヤアンダーミラー10が周囲と干渉することによって、後部ドア枠3が変形することを防止できる共に、リヤアンダーミラー10の鏡面部8等がリヤウインドウパネル4に当接する虞が無い。
【0045】
また、前記当接阻止部18cが、円筒状に形成された前記防振部18d内に、同心円位置となるように設けられているので、当接防止部18cが前記防振部18dに隠れて見えない。このため、外観品質が良好である。
【0046】
【実施の形態2】
図8は、この実施の形態1の一変形例であるリヤアンダーミラー支持構造を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部材については同一符号を付して説明する。
【0047】
この実施の形態2のリヤアンダーミラー支持構造では、前記弾性体18の長手方向を、前記車両内部の運転席に運転者が着座した状態で、後方を振り向いたときの眼の位置(アイポイント:以下EPと略す)からの後方視認方向と略一致させるように構成されている。
【0048】
次に、この実施の形態2の作用について説明する。
【0049】
この実施の形態2では、前記弾性体18の長手方向が、前記車両内部のEPからの後方視認方向と略一致するように構成されている。
【0050】
このため、EPから弾性体18が、見える視野角は小さく、後方視認時に妨げとならず、更に、後方視認性を良好なものとする事が出来る。
【0051】
他の構成及び作用については、前記実施の形態1と略同様であるので、説明を省略する。
【0052】
【実施の形態3】
図9は、この発明の実施の形態3のリヤアンダーミラー支持構造を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部材については同一符号を付して説明する。
【0053】
この実施の形態3の弾性体21では、弾性体本体18aの下部に、略円板形状の当接防止部21cが形成されている。
【0054】
この当接防止部21cの長さは、前記ステー部12が、前記回動軸部材15を回動中心として、下方へ回動しても、リヤアンダーミラー10の前記車両後部のリヤウインドウパネル4への当接が阻止される大きさに形成されている。
【0055】
また、この当接防止部21cの下方には、略円筒形状の防振部21dが、一体となるように形成されている。
【0056】
この防振部21dは、前記リヤアンダーミラー10の回動方向への振動を吸収するように形成されると共に、通常状態で、前記ミラー本体7の鏡面部8aを、車両後方下部が、略視認範囲内に納まるような位置に保持するように構成されている。
【0057】
他の構成及び作用については、前記実施の形態1と略同様であるので、説明を省略する。
【0058】
以上、この発明の形態1乃至3を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの形態1乃至3に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0059】
例えば、前記実施の形態1では、当接防止部18cを略円柱形状としたが、特にこれに限らず、例えば、略角柱形状等、どの様な形状,数量のものであっても、リヤアンダーミラー10の前記車両後部への当接を阻止するものであるならばよい。
【0060】
また、防振部18dを略円筒形状としたが、特にこれに限らず、例えば、略四角筒形状等、どの様な形状,数量のものであっても、リヤアンダーミラー10の回動方向への振動が吸収されるものであるならばよい。
【0061】
更に、弾性体18が、当接する部分についても、前記実施の形態1では、リヤウインドウパネル4としているが、特にこれに限らず、例えば、後部ドア枠3等、
車両後部に当接して、リヤアンダーミラー10が保持されるものであるならば、どの様な箇所であってもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の請求項1記載のものによれば、
車両からの振動により、前記リヤアンダーミラーが、基端部を中心に振動しても、該リヤアンダーミラーのステー部に設けられた弾性体が、車両後部に当接して、該リヤアンダーミラーを保持する。
【0063】
このため、リヤアンダーミラーを有効に防振でき、リヤアンダーミラーの視認性が阻害されることを防止する。
【0064】
また、請求項1に記載されたものでは、前記リヤアンダーミラーが、周囲と干渉した際でも、該アンダーミラーが上下方向へ回動して車両のリヤアンダーミラーが取付けられた部位の変形を防止すると共に、該リヤアンダーミラーのステー部に設けられた弾性体が、車両後部に当接して、該リヤアンダーミラーを保持ため、リヤアンダーミラーがリヤウインドウパネルに当接する虞が無い。
【0065】
そして、請求項2に記載されたものでは、前記弾性体に設けられた当接防止部によって、リヤアンダーミラーが周囲と干渉した際のリヤアンダーミラーの前記車両後部への干渉が阻止される。
【0066】
しかも、前記弾性体に設けられた防振部によって、該リヤアンダーミラーの回動方向への振動が吸収される。このため、車両後方下部の視認性が良好である。
【0067】
また、請求項3に記載されたものでは、前記当接阻止部が、円筒状に形成された前記防振部内に、同心円位置となるように設けられているので、該当接防止部が前記防振部に隠れて見えない。このため、外観品質が良好である。
【0068】
そして、請求項4に記載されたものでは、前記弾性体の長手方向が、前記車両内部からの後方視認方向と略一致するように構成されている。
【0069】
このため、後方視認時に弾性体が、妨げとならず、更に、後方視認性を良好なものとする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を示し、全体の構成を説明する斜視図である。
【図2】実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を示し、図1のA−A線に沿った位置の断面図である。
【図3】実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を示し、図1のB−B線に沿った位置の通常状態を説明する断面図である。
【図4】実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を示し、図1のB−B線に沿った位置の当接状態を説明する断面図である。
【図5】実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を示し、図1のC−C線に沿った位置の断面図である。
【図6】実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を示し、図1のD−D線に沿った位置の断面図である。
【図7】実施の形態1のリヤアンダーミラー支持構造を示し、図1のE−E線に沿った位置の断面図である。
【図8】実施の形態2のリヤアンダーミラー支持構造を示し、全体の構成を説明して、弾性体の配設位置及び角度を表わす側面図である。
【図9】実施の形態3のリヤアンダーミラー支持構造を示し、全体の構成を説明して、弾性体の配設位置及び角度を表わす側面図である。
【図10】従来例のリヤアンダーミラー支持構造を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
2 車両
3 後部ドア枠
4 リヤウインドウパネル
10 リヤアンダーミラー
11 基端部
12 ステー部
18,21 弾性体
18c,21c当接防止部
18d,21d防振部
Claims (4)
- 車両の後部に固定支持されて、車両後方下部の反射像をリヤウインドウパネルを介して視認するリヤアンダーミラーの支持構造において、
前記リヤウインドウパネル上周縁には、前記リヤアンダーミラーから車体側へ向けて延びたステー部が基端部を介して上下方向へ回動自在となるように取り付けられると共に、該リヤアンダーミラーのステー部には、車両後部に当接して、該リヤアンダーミラーを保持する弾性体を設けてなることを特徴とするリヤアンダーミラー支持構造。 - 前記弾性体は、該リヤアンダーミラーの前記車両後部への当接を阻止する当接阻止部と、該リヤアンダーミラーの回動方向への振動を吸収する防振部とを設けたことを特徴とする請求項1記載のリヤアンダーミラー支持構造。
- 前記当接阻止部は、円筒状に形成された前記防振部内に、同心円位置となるように設けられていることを特徴とする請求項2記載のリヤアンダーミラー支持構造。
- 前記弾性体の長手方向を、前記車両内部からの後方視認方向と略一致させていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のリヤアンダーミラー支持構造。
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