JP3728780B2 - 文書処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は文書処理装置に関し、特にキーボード等から入力される文字/記号等をカーソルによってガイドする文書処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
文書処理装置においては、従来、使用される文字は文字種(「明朝体」,「ゴシック体」等)毎に文字サイズ(ポイント)をビットパターンで用意し、利用者が文書を作成している時に、表現の強弱等に応じて使用文字の拡大縮小をしようとしても、メーカの提供する文字サイズの範囲で表現せざるを得なかった。しかし、近年、アウトラインフォントが可能になり、一種類の文字フォントを用意することで文字の大きさを自由に変更できるようになってきている。
【0003】
しかし、上記のアウトラインフォントを使用して文字を拡大縮小したり或いは回転表示する場合に、予め標準仕様として準備されている倍率/回転角以外は、倍率や回転角度等をキーボードから数値として入力することで設定していた。即ち、文字の大きさは「ポイント」数,拡大/縮小はそれぞれ縦横方向の倍率,または矩形範囲のミリメートル指定等であり、回転は「度数」を入力していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように数値入力で指示した後に画面上への表示を指示することで、実際のサイズや回転状態を画面上で確認しており、全体的なバランスが崩れている場合は、改めて個々の文字の倍率や回転量を調整する必要があった。一旦表示した文字の変更のためには再び数値指定用の画面に戻り、改めて個別の文字毎に数値設定をしなければならず、思い通りの表示にするためには上記のような試行錯誤を繰り返す煩雑さが避けられない不都合があった。
【0005】
今後、文書処理装置はますます普及し、一般ビジネスは勿論、学生また家庭においても一層の利用が考えられるおりから、文字入力におけるサイズ/回転設定が視覚イメージで入力できるようにする必要性がある。
【0006】
本発明はこのような点にかんがみて、容易に倍率変形また回転制御できる自在カーソルを画面に表示することで、サイズや回転状態がそのまま画面上で視認できるようにした文書処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は下記の如くに構成された本発明になる文書処理装置によって解決される。
【0008】
図1は、本発明の原理構成ブロック図であり、(A)は請求項1記載の発明、また(B)は請求項2記載の発明である。
請求項1記載の発明において、1は文字/記号の入力モードを変更するモード変更手段、2は変更された入力モードに応答したカーソルの形状を表示手段3を介して画面に表示させるカーソル形状設定手段、3はカーソル形状設定手段2が保有する情報に基づいて表示すべきカーソル形状および状態を画面に表示する表示手段、4は変更されたモード中に動作し、カーソル形状の拡大縮小寸法及び回転量を指示する信号を出力する操作手段、5は操作手段4からの指示信号を入力されて、カーソル形状の拡大縮小寸法及び回転量を算出する解析部、6は文字/記号を入力する手段であり、
モード変更手段1で入力モードを変更し、当該変更モードに応じて操作された操作手段4からの出力を解析することで、前記カーソル形状の拡大縮小寸法及び回転量を算出して、当該算出値に応じた形状を画面に表示し、入力手段6による文字/記号をカーソルの寸法/回転に従う形態でカーソル位置に表示させるように構成する。
【0009】
また、請求項2記載の発明において、8はメモリ、9は整列手段、70は区画設定手段、71は指定手段であり、入力済みの文字/記号の情報をメモリ8に記憶し、変更モード中に画面に表示されている複数の文字/記号を区画設定手段70によって囲い込み、この囲われた区画内の1つの文字/記号を指定手段71で指定しておいて、整列手段9はメモリ8を検索し、記憶されている文字/記号の情報に基づいて囲われた区画内の文字/記号を抽出し、当該抽出した文字/記号内で指定手段71によって指定された文字/記号以外の文字/記号を、指定された文字/記号に整列させるように構成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を併用して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
始めに、本発明の自在カーソルの実施の形態を図5によって説明する。一般に画面に表示されているカーソル形状は、縦長な「エ」型,四角「■」型,下線「−」型等が使用されている。本発明の場合も、通常モードの文字入力では上記のカーソル形状で表示している。ここで、入力モードを変更することで、図5(A)に描画したように、「端点を共有し互いに直交方向に向かう二本の矢線」にカーソル形状が変化する。
この図5(A)で自在カーソル200の部分名称を説明すると、201は自在カーソルの基点であり、図示していないが、画面の左上端を原点とし、右方向をXの正の軸,下方向をYの正の軸とする画面座標系の座標値(X,Y)が設定されている。202は縦(Y)軸方向のサイズを示し203はその端点であり、また、204は横(X)軸方向のサイズを示し205はその端点である。そして、点線の矢線400はこの自在カーソル200に対する変形指示を行うポインティングデバイス(例えば,マウスカーソル,トラックボール等)の移動軌跡を示す
図5(B)は自在カーソル操作説明図であり、ポインティングデバイスによる自在カーソル200への操作と変形の遷移を説明している。図において、自在カーソル200の位置には文字「文」がすでに入力済とする。
【0011】
ここで、YX(1,1)は基本形であって、サイズはY=1,X=1,R=0の状態である。
次のYX(1,2)では、ポインティングデバイスで基点201をクリックし、そのまま右(X)方向に2倍の位置までドラッグすることでX軸204が2まで延伸した「横倍角」形態である。
【0012】
次のYX(2,1)では、ポインティングデバイスで基点201をクリックし、そのまま上(Y)方向に2倍の位置までドラッグすることでY軸202が2まで延伸した「縦倍角」形態である。
【0013】
次のYX(2,2)では、ポインティングデバイスで基点201をクリックし、そのまま斜め右上(45度)方向にドラッグすることでY軸202およびX軸204を2まで延伸した「4倍角」形態である。
【0014】
二段目のYX(3,3)は同様にドラッグを45度方向にY軸202およびX軸204が3になるまで延伸した形態である。
また、同右のYX(3,3)R(20)は、二段目のYX(3,3)についてX軸204の端点205をクリックし、やや左上方向にドラッグすることで、文字「文」に20度の回転を与えた形態である。
【0015】
上記の説明では、既に文字「文」が表示済として説明したが、始めに自在カーソル200に操作を施しておき、その後から文字を入力することもできる。
次に、図2に戻り本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図2は本発明の実施の形態を説明するブロック構成図である。図において、
10はモード設定/解除キー、20はカーソル形状設定部、21は自在カーソル200の座標位置を記憶するカーソルレジスタ、40はマウスカーソルに対するマウス操作部、50は変位量(平行量,回転量)処理部、80はメモリ、60はキーボード、65は文字処理部、30は表示処理部、100は画面、701は区画指定部、711は基準文字指定部、90は整列処理部である。
【0017】
上記構成を備える本発明の実施の形態における作用を詳細に説明する。
始めに、モード設定/解除キー10からのモード設定信号がカーソル形状設定部20に入力される。この入力により、カーソル形状設定部20はカーソルレジスタ21で指示する位置にデフォルト値(Y=1,X=1,R=0°)で自在カーソル200(図5参照)を表示処理部30を介して画面100に表示する。
【0018】
文書作成者は画面100に表示された自在カーソル200の形状と画面内位置を確認し、所望の位置に自在カーソル200が表示されていない時は、図示しないカーソル移動キーを用いてカーソルレジスタ21の内容を更新し、カーソル形状設定部20によって画面に表示させる。
【0019】
所望の画面内位置に自在カーソル200を位置付けたならばマウス操作部40でマウスカーソルを移動させ、サイズ変更を所望する時は自在カーソル200の基点201をクリックし、或いは文字の回転を所望する時は自在カーソル200の端点203(または205)をクリックし、次いでY方向および/またはX方向へ所望の距離だけドラッグする。この時のマウスカーソルのドラッグ開始位置と終了位置の座標が変位量処理部50に入力される。なお、この際のドラッグ量は後述する作用により瞬時的に画面にフィードバックされて自在カーソル200の形状が変化(または回転)するから、文書作成者はこの自在カーソル200の状態を視認しながら所望のサイズまたは回転した位置になった状態でドラッグを終了すればよい。
【0020】
次に、変位量処理部50の作用を図3および図4を併用して説明する。図3は変位量処理部の流れ図であり、図4は文字情報テーブル説明図である。
図3において、マウスカーソルをドラッグすることにより、
ステップS1:変位量処理部50にマウスカーソルのドラッグ開始点の座標とドラッグ終了点の座標が入力される。
【0021】
ステップS2:変位量処理部50は両座標から、Y,Xそれぞれの方向の差分(δY,δX)を算出する。
ステップS3:続いて、メモリ80内の文字情報テーブル81(図4)を走査し、ドラッグ開始位置座標に一致する「基点座標」を検索し、一致する基点座標があれば自在カーソル200への拡大縮小操作と判断してステップS4に分岐する。また、一致する基点座標が抽出出来ない時はステップS6に分岐する。
【0022】
ステップS4:算出済みの差分(δY,δX)から、Y軸/X軸方向の倍率(例えば、3.0,3.0)を算出する。
ステップS5:この算出した倍率を文字情報テーブル81(図4)のサイズ(Y,X)欄83に書き込んで終了する。
【0023】
ステップS6:ドラッグ開始位置座標が「基点座標にサイズ(Y,X)を加算した座標」に一致すれば自在カーソル200への回転操作と判断してステップS7に分岐し、不一致であればステップS61に分岐し、ポインティングデバイスの画面指定位置がずれていることを作成者に通知する。
【0024】
ステップS7:ドラッグ終了点の座標からX軸204(またはY軸202)へ垂線を下ろし、この垂線を下ろした軸上の位置と垂線の長さから回転量(例えば、20度)を算出する。
【0025】
ステップS8:算出した回転量を文字情報テーブル81(図4)の回転角84欄に書き込んで終了する。
上記の処理が変位量処理部50で終了するごとに、カーソル形状設定部20はメモリ80から当該位置の文字情報を読みだして自在カーソル200の形状(サイズ,回転)を表示処理部30を介して画面100に表示する。
【0026】
作成者は表示されている自在カーソル200を確認し、サイズ/回転が所望の状態であれば、キーボード60を介して文字/記号等を入力する。入力された文字等は文字処理部65に入力される。文字処理部65は文字情報テーブル81からサイズ83/回転角84を読み出し、入力された文字データを倍率また回転角に応じて処理し、表示処理部30を介して画面100または印刷部150に出力する。
【0027】
以上のようなプロセスを経て、文書作成が終了したらば、モード設定/解除キー10によってカーソルのモードを解除し、通常のカーソル表示に戻す。
次に、画面100に表示された複数の文字に表示位置の乱れがあった場合に、文字表示位置を調整する本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
図6は「文字列」の整列の説明図であり、101と102は区画であり、三文字「文, 字, 列」を含む破線枠として画面上に表示される。この際、区画101に囲まれた三文字(「文」601,「字」602,「列」603)にはY軸方向の表示位置のずれがあり、これを区画102に示すように、「文」601を基準として他の二文字を一直線に整列させるものである。
【0029】
図2において、区画指定部701を操作し、図6に示す矩形枠として描画される区画101を、整列対象とする三文字を囲うように設定する。この区画101を示す信号は、区画の左上隅と右下隅の二点座標として整列処理部90に入力される。整列処理部90はメモリ80にアクセスし、文字情報テーブル81を検索して、メモリ80に記憶されている文字の基点座標82が上記の区画101の枠内に入っている文字を抽出する。この際、当該ケースの場合は図6に示す三文字(「文」601,「字」602,「列」603)が抽出される。続いて、基準文字指定部711を操作して区画101内の文字「文」601を指定する。この指定位置としては、文字「文」601を表示する際に使用した自在カーソル200による矩形範囲内であればよい。
【0030】
この指定信号は座標値として整列処理部90に入力されるから、整列処理部90は前記の抽出した残りの二文字の基点座標(Y値)82を文字「文」601の基点座標(Y値)82と比較し、Y値に差があれば、文字「文」601のY値をそれぞれの文字(「字」602,「列」603)の基点座標82に書き込んで文字情報テーブル81を書き替える。
【0031】
書き替えられた文字情報テーブル81内の文字は文字処理部65によって読出され、表示処理部30を介して画面100または印刷部150に出力される。
なお、上記の説明では、自在カーソルの形状を「端点を共有し互いに直交方向に向かう二本の矢線」として説明したが、本発明の自在カーソルはこの形状に限定することなく、入力表示される文字の縦横サイズおよび回転量が明示される形状であればよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明になる自在カーソルを使用する事で、文書作成者は手書きと同じように表現力を拡げるために文字サイズや文字の角度を自由に変更でき、手書きにあるオリジナリティや強調を表現し、パーソナルな使用方法を自由に操ることができると言う格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態ブロック構成図である。
【図3】変位量処理部の流れ図である。
【図4】文字情報テーブル説明図である。
【図5】自在カーソル操作による表示文字の変化説明図である。
【図6】「文字列」の整列の説明図である。
【符号の説明】
1 モード変更手段
2 カーソル形状設定手段
3 表示手段
4 操作手段
5 解析部
6 入力手段
8 メモリ
9 整列手段
70 区画設定手段
71 指定手段

Claims (2)

  1. 文字/記号の入力手段を有し、画面に表示されるカーソル位置に、前記入力手段によって入力した文字/記号を表示する表示手段を有する文書処理装置において、
    前記文字/記号の入力モードを変更するモード変更手段と、
    変更された入力モードに応答して、通常モードの時のカーソルとは異なる形状である自在カーソルを前記表示手段を介して前記画面に表示させるカーソル形状設定手段と、
    変更されたモード中に動作し、前記自在カーソルを画面上で直接操作することに応じて、前記自在カーソルに対する拡大縮小寸法及び回転量を変形指示する信号を出力する操作手段と、
    前記操作手段からの変形指示信号を入力され前記自在カーソルの拡大縮小寸法及び回転量を算出する解析部と、
    前記入力手段による文字/記号を前記操作手段により変形された自在カーソルの寸法または回転に従う形態で当該カーソル位置に表示させる手段とを備えたことを特徴とする文書処理装置。
  2. 入力済みの文字/記号の情報をメモリに記憶した請求項1記載の文書処理装置において、前記自在カーソルを用いる変更モード中に前記画面に表示されている複数の文字/記号を囲う区画設定手段と、
    前記囲われた区画内の1つの文字/記号を指定する手段と、
    前記メモリを検索し、記憶されている文字/記号の情報に基づいて囲われた区画内の文字/記号を抽出し、当該抽出した文字/記号内で前記指定された文字/記号以外の文字/記号を、前記指定された文字/記号に整列させる手段と、
    を設けた事を特徴とする文書処理装置。
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