JP3726882B2 - 発光ダイオードの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上面がp型領域から成るpn接合構造の発光ダイオードの製造方法に関し、特に光出射面を凹凸化処理して光取出し効率を高めるようにした発光ダイオードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような発光ダイオードは、半導体基板上に、例えばエピタキシャル成長によって複数の半導体領域を積層させて、p型の第一の半導体領域と、n型の第二の半導体領域を有する少なくとも一つのpn接合を備え、GaAs系又はGaAlAs系のp型領域が上面に配設された複数個の発光ダイオードチップを構成し、この半導体チップの上面及び裏面に電極を形成した後、半導体基板を切断して、各半導体チップ毎に分離することにより、製造されている。
【0003】
このような構成の発光ダイオードによれば、電極間に駆動電圧を印加することによって、p型の第一の半導体領域とn型の第二の半導体領域間に電圧が印加され、その間のpn接合部から光が出射し、上方のp型領域を通って、外部に光が出射するようになっている。
【0004】
ところで、このような構成の発光ダイオードにおいて、p型領域を構成する半導体の屈折率はほぼ3であり、空気の屈折率1に対して大きな差がある。このため、このような屈折率の差によって、pn接合部から出射した光は、p型領域の空気との界面にて、限定された入射角の光のみが外部に出射すると共に、残りの光はこの界面で反射され、p型領域及びn型領域内部で吸収されてしまうため、光の取出し効率が低くなってしまうという問題があった。
従って、発光ダイオードの光取出し効率を高めるためには、半導体チップ表面を凹凸化して、pn接合部から出射した光が半導体チップ表面で外部に出射可能な入射角を有する確率を増やすこと、及び、半導体チップ表面に特定の屈折率の特定の厚さの薄膜を形成して反射率を下げることが効果的であることが知られている。
【0005】
従来方法においては、GaAlAs発光ダイオードの場合を例にとると、半導体チップの分離前に、p型領域の電極をマスク等により保護して、例えば95:5の硝酸:硫酸により凹凸化を行ない、その後、特定の屈折率を持つ半導体チップの半導体構成物以外の組成物、例えば窒化シリコン,酸化シリコン等を蒸着あるいはスパッタして特定の屈折率を有する薄膜を形成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、凹凸化され、薄膜が形成された発光ダイオードを製造する従来の方法においては、凹凸化等の際にマスク等による電極保護が必要であり、凹凸化等の処理後には、電極保護のためのマスク等の除去が必要になるため工程が複雑になって、そのためにコストも高くなってしまう。
また、凹凸化と薄膜形成の工程が別工程であることから、工程数が多くなり、処理時間も長くなることによってもコスト高の要因になる。
さらに、凹凸化及び薄膜形成を行なった後に、半導体チップの分離作業が必要になることから、半導体チップ分離の際の切断箇所、即ち半導体チップの側面における凹凸化及び薄膜形成が不可能であり、光取出し効率の向上が十分ではなくなってしまう。
【0007】
このため、半導体チップの分離後に凹凸化及び薄膜形成を行なう方法も考えられるが、この場合、電極保護のためのマスク等の電極保護材の取付け及び除去が必要となり、作業が煩雑になってしまう。
【0008】
また、上方にn型領域が配置されたpn接合から成る発光ダイオードにおいては、15〜80%の硝酸水溶液を用いることによって、電極を保護すること無しにn型領域の凹凸化ができることから、半導体チップの分離後に電極保護材無しに凹凸化及び薄膜形成を行ない、かつ、この際、硝酸水溶液に溶け込んだAsから生成する水酸化ヒ素を主成分とするヒ素化合物を凹凸表面に析出させて特定の屈折率を有する薄膜を形成するという簡略な工程で、十分な光取出し効率を有する発光ダイオードが得られている(本発明者らによる特願平11−203397号明細書参照)。
しかしながら、光取り出し面がp型領域である発光ダイオードの場合には、同様の処理液を使用すると、p型領域である半導体チップ表面が処理液によって溶解してしまうため、凹凸形状が形成されないばかりか、電極が剥離してしまうという問題があった。このように、p型領域に対して、凹凸形状が形成でき、かつ、電極を傷めない処理液は無かった。
このため、上面がp型領域から成るpn接合構造の発光ダイオードで、光出射面を凹凸化処理し、かつ、凹凸面に薄膜を形成して光取出し効率を高めるようにした発光ダイオードは、上記に説明した従来方法で製造していたため、コストが高いという課題があった。
【0009】
本発明は、以上の課題にかんがみ、p型領域が上方に配置された発光ダイオードにおいても、光取出し効率が高く、低コストで製造できる発光ダイオードの製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
上記課題を解決するため、本発明は、半導体基板上に複数の半導体領域を積層させて、少なくともn型の第二の半導体領域とp型の第一の半導体領域とがpn接合を形成するように配設された複数個の半導体チップを形成する第一の工程と、半導体チップの少なくともp型の領域に電極を形成する第二の工程と、上記半導体チップの電極以外の上面及び側面領域を凹凸化すると共に、この凹凸化された表面に半導体チップ材料を含む化合物の薄膜を付着させる第三の工程とを含んでいる発光ダイオードの製造方法において、上記第三の工程にて、半導体チップの上面領域及び側面を、硝酸及び水溶性の有機溶媒から成る処理液により処理して凹凸化させると共に、この凹凸化された表面に半導体チップ材料を含む化合物の薄膜を付着させるよう構成されている。
上記製造方法によれば、p型の第一の半導体領域とn型の第二の半導体領域とをpn接合を形成するように配置した半導体チップと、半導体チップの少なくともp型の領域に配設された電極とを含み、半導体チップ上面の電極以外の領域及び側面から光を取り出すように構成され、上記電極以外の半導体チップ上面及び/又は側面が、0.5乃至5μm程度の凹凸面を有すると共に、少なくともその凹凸面に上記半導体チップ材料を含む化合物の薄膜が付着しており、半導体チップの上面がp型の第一の半導体領域で、半導体チップの側面がp型の第一の半導体領域及びn型の第二の半導体領域である発光ダイオードを製造することができる。
これにより電極保護を行なうことなく、複数の半導体チップを一括して、凹凸化と薄膜形成を同時に行なうので、本発明にかかる発光ダイオードを低コストで製造することができる。したがって、光出射面に凹凸を有し、かつ、凹凸面に薄膜を有しており、光取出し効率が高い発光ダイオードの製造方法が提供される。
本発明の製造方法による発光ダイオードにおいては、半導体チップ上面及び側面が凹凸を有しているから、pn接合で発光した光を高効率で半導体チップの外に取り出すことができ、また、凹凸部には半導体チップ材料を含む化合物の薄膜が付着しているので、pn接合で発光した光を高効率で半導体チップの外に取り出すことができる。すなわち、半導体チップ上面がp型の第一の半導体領域であり、半導体チップの下面がn型の第二の半導体領域である発光効率の高い発光ダイオードが得られる。この発光ダイオードは、例えば、配線基板上の配線パターン上に発光ダイオードのn型半導体領域をフェースダウンボンディングしなければならない場合に有効に使用することができる。
【0014】
本発明において、第二の工程と第三の工程との間に、半導体チップの裏面に粘着テープを貼着して、各半導体チップ毎に切断する分離工程と、分離工程の後に粘着テープを伸長して、各半導体チップの間の間隔を広げる伸長工程とを加え、分離及び伸長されて粘着テープに貼着されている半導体チップを、粘着テープに貼着されたまま第三の工程を施すことができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、処理液が硝酸とメタノールの混合液から成る。また、好ましくは、第三の工程が処理液温度10℃乃至50℃で行なわれる。
さらに好ましくは、第三の工程が、処理時間10秒乃至5分で行なわれる。
さらに好ましくは、処理液における硝酸とメタノールの混合比が、容積比10:0.1乃至5である。
【0016】
上記構成によれば、上方にp型領域が配置されたpn接合から成る発光ダイオードにおいて、第一の段階及び第二の段階では、従来と同様にして半導体チップが形成されると共に、第三の段階にて、硝酸及び水溶性の有機溶媒から成る処理液が使用され、この処理液は、電極と反応せず、しかもp型領域を溶解しない。これにより、第三の段階にて、光が出射する半導体チップの電極を除くp型領域の上面領域及び側面を、処理液を使用して凹凸化すると共に、同時に薄膜形成を行なうので、工程数が少なくて済み、処理時間が短くなるので生産効率が向上する。
この場合、電極と反応しない処理液が使用されることによって、電極の保護、即ち電極保護材の取付け及び除去が不要になる。したがって、工程数が少なくて済み、処理時間が短くなるので生産効率が向上する。
また、p型領域を溶解しない処理液が使用されることによって、p型領域の上面領域及び側面が確実に凹凸化されるので、光取出し効率を確実に向上させることができる。
【0017】
さらに、上記第二の段階と第三の段階の間に、半導体チップの裏面に粘着テープを貼着して、各半導体チップ毎に切断する分離段階と、分離段階の後に、粘着テープを伸長して各半導体チップの間の間隔を広げる伸長段階とを含んでいる場合には、各半導体チップの間隔が切断代より大きくなるので、第三の段階における処理液による凹凸化及び薄膜形成の際に、処理液が半導体チップの間に容易に進入することによって、半導体チップ側面の凹凸化及び薄膜形成を確実に行なうことができる。
また、分離及び伸長されて上記粘着テープに貼着されている上記半導体チップを、粘着テープに貼着されたまま凹凸化及び薄膜形成するので、複数の半導体チップを一度に処理することができ、工程数が少なくて済み、処理時間が短くなるので生産効率が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の製造方法による発光ダイオードの実施形態を示す図である。
図1において、発光ダイオード10は、pn接合の発光ダイオードチップとして、n型の半導体領域12と、その上に配設されたp型の半導体領域13とで形成された半導体チップ20と、これらを挟むように半導体チップ20の上面及び裏面に備えられた電極14,15と、を含んでいる。
【0019】
ここで、n型の半導体領域12とp型の半導体領域13との間に構成されるpn接合16は、半導体チップ20の上面及び下面に対して平行に形成されており、pn接合16の端部は半導体チップの側面に露出している。そして、このpn接合16を含む半導体チップ20の側面は、ほぼ垂直に形成されている。
【0020】
上記n型の半導体領域12は、例えばGaAlAsの半導体材料に対して、不純物として例えばTe等を添加したものである。
また、上記p型の半導体領域13は、例えばGaAlAs系の半導体材料に対して、不純物として例えばZn等を添加したものである。
なお、上記GaAlAs系の半導体材料は、何れもAl混晶比が0乃至0.8程度のものである。
ここで、上記n型の半導体領域12及びp型の半導体領域13は、その境界において互いにpn接合16を形成している。
なお、上記n型の半導体領域12及びp型の半導体領域13は、図示しない半導体基板の例えば(100)面上に順次に例えばエピタキシャル成長によって積層して形成されることにより、その(100)面が表面の方位と一致するようになっている。
【0021】
さらに、上記発光ダイオード10の表面(上面)側において、電極15を除く半導体チップ20の上面及び側面が、凹凸化処理されて凹凸面17が形成されており、その凹凸面17に半導体材料の組成の一部を含む化合物、例えば水酸化ヒ素などを主組成とした薄膜18が形成されている。
【0022】
この凹凸面17は、半導体チップ20の上面及び側面に窪みを形成することにより凹凸構造が形成され、その窪みの深さは例えば0.5乃至5.0μm程度の表面粗さとなるように例えば処理液によるエッチングによって行なわれる。
また、少なくともその凹凸面17に形成される水酸化ヒ素などを主組成とした薄膜18は、0.01μm以上の厚さ、最適値としては0.01μm〜5μm程度の厚さを有している。
【0023】
上述した発光ダイオード10は、本発明による製造方法によれば以下のようにして製造される。
図2は本発明の製造方法を示す工程図である。即ち、図2に示す工程図に従って、先ずステップST1において、半導体基板上に、n型の半導体領域12と、その上にp型の半導体領域13が順次に積層して形成される。
続いて、ステップST2にて、半導体基板を取り除いたn型の半導体領域12の裏面とp型の半導体領域13の上面に電極を形成する。
図3は、半導体チップ上に形成した電極の断面模式図である。
図3に示すように、半導体チップ領域に、それぞれ電極14,15をパターン形成する。
上述したステップST1乃至ステップST2は、従来の発光ダイオードの製造方法と同じである。
【0024】
次に、ステップST3にて、積層した半導体領域12,13を半導体チップ領域毎に切断して各半導体チップ20を分離する。この場合、切断作業の前に、裏面の電極14側には粘着テープ21を貼着しておく。これにより、切断後に各半導体チップ20が切り離されずに、所定間隔で一体に保持されるようになっている。
【0025】
その後、ステップST4にて、所謂エキスパンドを行う。
図4はエキスパンド後の半導体チップの配置状況を示す図である。
エキスパンドは、粘着テープ21を縦横方向に伸長させることにより行なわれる。これにより、粘着テープ21が縦横方向に延びて、各半導体チップ20の間隔が拡げられる。ここで、各半導体チップ20の間隔は、後の凹凸化処理にて各半導体チップ20の側面の凹凸化が容易に行なわれ得るように、切断面長以上の間隔、例えば30μm以上に設定される。
【0026】
図4に示すように、半導体チップ20を粘着した粘着テープ21の周縁がリング22で固定されており、粘着テープ21及びリング22は、後述する処理液により変質しない材料から構成されている。
【0027】
そして、各半導体チップ20がリング22ごと、処理液に浸漬されることにより、各半導体チップ20の上面及び側面の領域が処理液によって凹凸化処理される。
ここで、処理液は、硝酸(61重量%)と水溶性の有機溶媒としてのメタノールの混合液が使用される。硝酸とメタノールの混合比は、容積比で10:0.1乃至5、好ましくは10:1である。なお、硝酸10に対してメタノールが5以上の場合、処理液による反応が弱くなり、処理時間が長くなってしまうと共に、硝酸10に対してメタノールが0.1以下の場合には、半導体チップ20の表面特にp型の半導体領域13の表面が溶解してしまうので、所望の凹凸化及び薄膜形成が得られなくなってしまう。
また、処理液の温度は、10℃〜50℃、好ましくは25℃であり、処理時間は、10秒乃至5分、好ましくは1分である。
なお、この処理時間は例示したものであり、これに限定されることなく所望の表面粗さの凹凸化が得られるように、例えば10秒乃至5分の間で適宜に設定されればよい。ここで、処理時間が10秒以下の場合には十分な凹凸化が行なわれず、また、5分以上の処理時間の場合には過度の凹凸化が行なわれてしまう。
【0028】
これにより、各半導体チップ20の上面及び側面の領域が処理液と反応することにより凹凸化処理されて凹凸面17が生じると共に、同時進行的に、処理液中に溶解した半導体材料が処理液中で反応することにより、水酸化ヒ素を主成分としたヒ素化合物が生成され、この水酸化ヒ素等が各半導体チップ20の上面及び側面の領域に付着して、薄膜18を形成する。
その後、例えば30秒乃至2分間の水洗を行ない、乾燥させることにより、各半導体チップ20の凹凸化及び薄膜形成が完了し、図1に示した各半導体チップ20が完成する。
【0029】
図5、図6は、本発明の製造方法によって作成した発光ダイオードの断面電子顕微鏡写真である。
図5の(A),(B)及び図6の(A),(B)に示す電子顕微鏡写真(1000倍及び5000倍)によく表れているように、半導体チップ20の電極15を除く上面領域及び側面が凹凸化されており、この凹凸は約5μm〜10μmの間隔で高密度に形成されており、また、側壁は半導体チップ表面に対してほぼ垂直を成しており、このことから、pn接合で発光した光が、外部に出射可能な入射角を有する確率が極めて高くなることがわかる。また、凹凸の表面全体に亘って均一な厚さで薄膜18が形成されており、薄膜18によって反射光が押さえられ、有効に光が外部に取り出されることがわかる。
【0030】
ここで、以下に実験例を示す。
上記第三の工程において、Al混晶比0乃至0.45のGaAlAsから成る発光ダイオード10を、日東電工製の型式V8Sの粘着テープによりポリプロピレン製のリング22により固定する。
そして、硝酸とメタノールの混合比(容積比)10:1の処理液により、処理液温度25℃,処理時間1分間で凹凸化及び薄膜形成の処理を行なった後、1分間水洗して、乾燥させた。
【0031】
このようにして得られた発光ダイオード10の発光量を測定した。
図7は本発明の発光ダイオードと従来技術で形成した発光ダイオードの発光量の比較図である。
発光量は全発光方位にわたって積分した発光量、すなわち、全外部取り出し光量である。横軸は処理液による処理時間であり、縦軸は凹凸処理を行わなかった発光ダイオードの発光量を基準として表した発光量比である。図7において、符号Aで示す曲線は、本発明の発光ダイオードの光量−処理時間曲線であり、符号Bで示す曲線は、従来技術、すなわち、p型領域上の電極を保護材で保護して凹凸処理を行い、その後チップに分離して作製した発光ダイオード(側面が凹凸処理されていない)の光量−処理時間曲線である。
図7から明らかなように、従来技術の発光ダイオードが約20%の発光量の改善であるのに対し、本発明の発光ダイオードは約50%の発光量の改善が見られる。
【0032】
また、本発明の製造方法によれば、凹凸化処理及び薄膜形成は、粘着テープ上に粘着した全ての半導体チップを一度に、また、同一工程で、同じ処理液によって行なわれる。従って、コストが低減され得ると共に、処理時間が短縮される。さらに、凹凸化処理及び薄膜形成のための薬液が硝酸とメタノールとの混合液であることから、半導体チップ20を構成する電極14,15と反応しない。したがって、電極保護のためのマスク等が不要になると共に、このマスク等の処理前の取付け及び処理後の除去も不要になり、作業が簡略化されてより一層コストが低減される。
【0033】
なお、上述した実施形態においては、凹凸化及び薄膜形成のための処理液は、硝酸とメタノールの混合液が使用されているが、これに限らず、硝酸に対して、水溶性の有機溶媒、例えばエタノール,アセトン,イソプロピルアルコール等の水溶性の有機溶媒を混合したものでもよい。
また、上述した実施形態においては、発光ダイオード10のp型の半導体領域13及びn型の半導体領域12の半導体材料及び不純物は、例示したものに限定されず、発光ダイオード10の発光色等に応じて、他の任意の半導体材料及び不純物の種類,濃度等を選定することが可能であることは明らかである。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の製造方法によれば、発光ダイオードは、光出射面に凹凸を有し、かつ、凹凸面に薄膜を有しているために光取出し効率の高い、p型領域が上方に配置された発光ダイオードが実現する。
また、本発明の製造方法によれば、電極保護を行なうことなく、複数の半導体チップを一括して、凹凸化と薄膜形成を同時に行なうことができるので、発光ダイオードを低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発光ダイオードの実施形態を示す図である。
【図2】本発明の製造方法を示す工程図である。
【図3】半導体チップ上に形成した電極の断面模式図である。
【図4】エキスパンド後の半導体チップの配置状況を示す図である。
【図5】本発明の製造方法によって作製した発光ダイオードの断面電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の製造方法によって作成した発光ダイオードの断面電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明の発光ダイオードと従来技術で形成した発光ダイオードの発光量の比較図である。
【符号の説明】
10 発光ダイオード
12 n型の半導体領域
13 p型の半導体領域
14,15 電極
16 pn接合
17 凹凸面
18 薄膜
20 半導体チップ
21 粘着テープ
22 リング
Claims (8)
- 半導体基板上に複数の半導体領域を積層させて、少なくともn型の第二の半導体領域とp型の第一の半導体領域とがpn接合を形成するように配設された複数個の半導体チップを形成する第一の工程と、
半導体チップの少なくともp型の領域に電極を形成する第二の工程と、
上記半導体チップの電極以外の上面及び側面領域を凹凸化すると共に、この凹凸化された表面に半導体チップ材料を含む化合物の薄膜を付着させる第三の工程とを含んでいる、発光ダイオードの製造方法において、
上記第三の工程にて、半導体チップの上面領域及び側面を、硝酸及び水溶性の有機溶媒から成る処理液で処理して凹凸化させると共に、この凹凸化された表面に半導体チップ材料を含む化合物の薄膜を付着させることを特徴とする、発光ダイオードの製造方法。 - p型の第一の半導体領域とn型の第二の半導体領域とをpn接合を形成するように配置した半導体チップと、半導体チップの少なくともp型の領域に配設された電極とを含んでおり、
該半導体チップ上面の電極以外の領域及び側面から光を取り出すように構成され、上記電極以外の半導体チップ上面及び/又は側面が、0.5乃至5μm程度の凹凸面を有すると共に、少なくともその凹凸面に上記半導体チップ材料を含む化合物の薄膜が付着しており、
上記半導体チップの上面が上記p型の第一の半導体領域であり、上記半導体チップの側面が上記p型の第一の半導体領域及びn型の第二の半導体領域である発光ダイオードの製造方法であって、
半導体基板上に複数の半導体領域を積層させて、少なくとも上記n型の第二の半導体領域と上記p型の第一の半導体領域とがpn接合を形成するように配設された複数個の半導体チップを形成する第一の工程と、
上記半導体チップの少なくともp型の領域に電極を形成する第二の工程と、
上記半導体チップの電極以外の上面及び側面領域を凹凸化すると共に、この凹凸化された表面に半導体チップ材料を含む化合物の薄膜を付着させる第三の工程とを含み、
上記第三の工程にて、上記半導体チップの上面領域及び側面を硝酸及び水溶性の有機溶媒から成る処理液で処理して凹凸化させると共に、この凹凸化された表面に半導体チップ材料を含む化合物の薄膜を付着させることを特徴とする、発光ダイオードの製造方法。 - 前記第二の工程と第三の工程との間に、前記半導体チップの裏面に粘着テープを貼着して、各半導体チップ毎に切断する分離工程と、この分離工程の後に、粘着テープを伸長して、各半導体チップの間の間隔を広げる伸長工程とを加え、
分離及び伸長されて上記粘着テープに貼着されている上記半導体チップを、粘着テープに貼着されたまま前記第三の工程を施すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光ダイオードの製造方法。 - 前記処理液が硝酸とメタノールの混合液から成ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記第三の工程が処理液温度10℃乃至50℃で行なわれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記第三の工程が処理時間10秒乃至5分で行なわれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記処理液における硝酸とメタノールの混合比が、容積比で10:0.1乃至5であることを特徴とする、請求項4に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記水溶性の有機溶媒は、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコールのいずれかであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光ダイオードの製造方法。
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