JP2000260760A - ウェーハ及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

ウェーハ及び半導体装置の製造方法

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JP2000260760A
JP2000260760A JP6555799A JP6555799A JP2000260760A JP 2000260760 A JP2000260760 A JP 2000260760A JP 6555799 A JP6555799 A JP 6555799A JP 6555799 A JP6555799 A JP 6555799A JP 2000260760 A JP2000260760 A JP 2000260760A
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wafer
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Kazuyoshi Furukawa
和由 古川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の再利用が可能で、バックラップ工程の
不要な半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板1上に除去層2を設け、この除去層
2上に分離層5を設け、この除去層2を選択的にエッチ
ングする。このことにより、基板1を構成要素としない
半導体装置を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はLED(Light Emitt
ing Diode)やレーザーダイオードなどの半導体装置の製
造に供されるウェーハと、これらの半導体装置の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置であるLEDやレーザーダイ
オードはPN接合構造を持ち、PN接合より注入された
キャリアが接合近傍で再結合する際の発光を利用するデ
バイスである。発光波長は再結合部のバンドギャップや
不純物準位で決まり、また直接遷移型の再結合が強い発
光強度を示す。このため発光素子の材料には、一般にG
aAsなどの化合物半導体が使用され、発光に直接関与
するPN接合と、ヘテロ構造は組成や不純濃度を制御す
るためにエピタキシャル成長で形成される。
【0003】図6は、従来の半導体装置の製造方法を示
す図である。ここで示す半導体装置はガリウム砒素(G
aAs)赤外LEDである。まず、図6(a)のように
n型GaAs基板1を用意し、次に、図6(b)のよう
に基板1上にn型GaAsエピタキシャル層34とp型
GaAsエピタキシャル層44を液相エピタキシャル法
で成長させる。次に、図6(c)のようにウェーハの厚
さを所定の厚さに調整するために、GaAs基板11の
裏側を研削して薄くする。ここで図6(b)と図6
(c)に示されるウェーハがLED用エピタキシャルウ
ェーハといわれるものである。最後に、図6(d)のよ
うに、このエピウェーハの両面に電極6と7を設け、光
の取り出し効率を上げるために電極7の一部を除去し、
一点鎖線で示したようにエピタキシャルウェーハを所定
の大きさに切り分けてLEDチップが製造される。
【0004】この赤外線LEDに限らず可視光LEDも
含めて、LEDチップはランプの外囲器内、センサやカ
プラなどの光応用デバイス内、さらには種々の機器の光
表示部などに実装される。その際、反射板など光取り出
し機構の設計や、機器の大きさなどの都合上、チップの
厚さが制限される。一般に求められるチップ厚は、ラン
プの場合は200〜300μmが多く、機器内実装では
これより薄い場合もある。これに対してウェーハの厚さ
は、小口径の2インチ基板でも250〜400μmの基
板の厚さがあり、これにエピタキシャル層の厚さ例えば
液相エピタキシャル法においては数十μmから数百μm
が加わった厚さである。このためウェーハには厚さ調整
のため、発光に寄与しない基板の裏側から薄くするバッ
クラップが行われる。バックラップではウェーハ裏側を
ラッピング装置やグライダーで研削することが行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、バックラップ
には、以下の問題点があった。
【0006】GaAsなど化合物半導体基板は高価で
あり、この一部を削り捨て再利用しないことは経済的に
大きな損失である。
【0007】バックラップ工程のためにラップ盤やグ
ライダーなどの高価な装置が必要であり、また研削自体
とその前後のセットアップや洗浄に手間と時間がかか
る。
【0008】化合物半導体はAsなどの有害物質を含
むものが多く、有害物質を含む研削くずは環境に有害で
あり、処理に莫大な費用と手間がかかる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、基板の再利用が可能
で、バックラップ工程の不要なウェーハを提供すること
にある。
【0010】本発明の他の目的は、基板の再利用が可能
で、バックラップ工程の不要な半導体装置の製造方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、初めからチップ厚に合わせた薄い基板を使用する
ことが考えられる。しかし、薄い基板は強度が小さく基
板の製造工程で割れやすいという問題点がある。特にエ
ピタキシャル工程やLED製造工程でも割れてしまうた
め実質的に使用することは難しい。また、近年機器の小
型化に伴ってチップに要求される厚さは薄くなり、一
方、製造効率向上のためウェーハの直径は大きくなり、
それに伴って強度を確保するために厚さが厚くなる傾向
にある。例えば、2インチ基板の標準的な厚さ300μ
mであるのに対し、3インチでは450μm、4インチ
では625μmである。
【0012】またエピタキシャル成長後、基板の裏側を
エッチングして薄くすることも考えられるが、広い面積
を均一にエッチングすることが難しく、また表面をエッ
チング中に保護する必要があり、特に基板除去量が多い
バックラップでは、これに代わるエッチング技術は完成
されていない。
【0013】以上目的を達成するために、本発明の第1
の特徴は、基板と、この基板上に設けられ、この基板に
対して選択的にエッチングできる除去層を有するウェー
ハであることである。ここで、選択的にエッチングでき
るとは、あるエッチャントに基板と除去層を同時にさら
すと、基板のエッチング量に対して除去層のエッチング
量がきわめて大きいことをいう。また、除去層とは、最
終の半導体装置では存在しないがその製造の過程では存
在していた膜のことである。このことにより、LEDな
ど発光素子の発光に寄与するエピタキシャル層と、エピ
タキシャル工程後は不要となる基板とを、除去層のエッ
チングで分離することが可能になる。従って、基板の裏
側を研削してウェーハを薄くするバックラップ工程が不
要となる。なお、除去層の膜厚は薄すぎるとエッチャン
トが基板と分離層間に入りにくく、厚すぎると経済的で
ないので0.5μm以上50μm以下が好ましい。
【0014】また、本発明の第1の特徴は、除去層上
に、除去層のエッチングで選択的にエッチングされない
分離層を設けたことによっても同様の効果を奏する。こ
こで、分離層とは、基板から分離させられて存在する層
のことで、この層に発光素子などの電子デバイスの構造
が形成されている。さらに、分離層上には、除去層のエ
ッチングで選択的にエッチングされない発光に寄与する
エピタキシャル成長層を設けてもよい。
【0015】本発明の第2の特徴は、基板上に除去層を
設ける工程と、この除去層上に分離層を設ける工程と、
除去層を選択的にエッチングする工程を含む半導体装置
の製造方法であることである。このことにより、LED
など発光素子の発光に寄与する分離層と基板とを、除去
層のエッチングで分離することが可能になる。従って、
基板の裏側を研削してウェーハを薄くするバックラップ
工程が不要となる。そして、工程削減と基板再使用によ
る経済的効果や、有害廃棄物発生防止の効果などが得ら
れる。
【0016】本発明の第2の特徴は、分離層あるいは分
離層と除去層を分割する工程を、除去層を選択的にエッ
チングする工程の前方あるいは後方に設けることにより
いっそう効果的である。分割するサイズを発光素子など
の電子デバイスのサイズ程度にすれば電子デバイスの製
造が可能となる。特に、この分割する工程を選択的にエ
ッチングする工程より早い段階で行うことにより、エッ
チング時間をウェーハサイズに関わらずほぼ一定で、工
程順が逆の場合より短くすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施の形態を説明する。以下の図面の記載において同一又
は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。た
だし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との
関係、各層の厚みとの比率等は現実のものとは異なるこ
とに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸
法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。ま
た、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率の異
なる部分が含まれるのはもちろんである。
【0018】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図であ
る。半導体装置が赤外LEDである場合について説明す
る。本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法
は、基板1上に除去層2を設ける工程と、この除去層2
上に分離層5を設ける工程と、除去層2を選択的にエッ
チングする工程を含む。
【0019】(イ)図1(a)に示すように、始めに直
径50mm、厚さ300μmのn型GaAs基板1を用
意する。面方位は(100)、ドーパントはシリコン
(Si)、キャリア濃度は約1×1018/cm3であ
る。基板1はn型単結晶GaAsであれば良く、製法、
方位、ドーパントはとわない。
【0020】(ロ)図1(b)に示すように、ガリウム
(Ga)中にGaAsとアルミニウム(Al)を溶解さ
せたソースを用いた液相エピタキシャル成長により、基
板1に除去層としてのアルミニウムガリウム砒素(Al
GaAs)層2を成長させる。
【0021】なお、この成長により、基板1とこの基板
1上に設けられこの基板1に対して選択的にエッチング
できる除去層2を有するウェーハが完成したことにな
る。選択的なエッチングについては後述する。
【0022】(ハ)次いで、図1(c)に示すように、
Ga中にGaAsとドーパントとしてSiを加えたソー
スを用いた液相エピタキシャル成長を行い、n型GaA
s層3とp型GaAs層4を成長させる。この際ドーパ
ントにSiを用いると、Siは880℃以上の温度では
Gaと置換してn型GaAs層3が、880℃以下の温
度ではAsと置換してp型GaAs層4が得られる。こ
のn型GaAs層3とp型GaAs層4とで分離層5を
形成する。さらに必要があれば、図示していないが、p
型GaAs層4の上にp型AlGaAs層を成長させる
場合もある。ただし、この場合はAlxGa1-xAsのA
lの組成比xが0.4以下の範囲で使用したほうがよ
い。この組成比の範囲については後述する。成長終了後
ウェーハの断面を観察して求めたそれぞれの層の厚さ
は、除去層2が5.1μm、n型GaAs層3が88μ
m、p型GaAs層4が52μmであった。ホトルミネ
センス(PL)発光波長で求めた除去層2のAlの組成
比xは0.71であった。
【0023】なお、ここまでの積層の成長により、除去
層2上に、除去層2のエッチングで選択的にエッチング
されない分離層5を設けたウェーハが完成したことにな
る。
【0024】(ニ)次に、図1(d)に示すように、こ
のウェーハを塩酸(HCl)に浸漬し沸騰するまで加熱
して除去層2をエッチングし、分離層5を基板1から分
離した。
【0025】図2はAlGaAs中のAlの組成比とエ
ッチング速度の関係を示す図である。
【0026】図2は「III−V族混晶半導体ハンドブッ
ク」(日本電子振興会)54ページより引用した。図2
(a)はエッチング液が沸騰しているHClの場合であ
り、図2(b)はエッチング液が80℃のフッ酸の場合
である。図2(a)の横軸はAlの組成比で、縦軸はエ
ッチング速度である。これより、Alの組成比が0.4
以下の場合はエッチングされないが、組成比が0.4を
超えるとエッチングされるようになり組成比が大きいほ
どエッチング速度が大きくなることがわかる。そして、
組成比0.71の除去層のエッチング速度は、10μm
/分程度が見込まれる。これに対してAlの組成比が0
であるGaAs基板1、分離層5(p型GaAs層4、
n型GaAs層3)はエッチングされない。エッチング
時間が38時間で除去層2がすべて溶解し、基板1から
分離層5が分離した。基板の半径は25mmなので、平
均エッチング速度は11μm/minであった。なお、
図2(b)のフッ酸の場合も選択的なエッチングが可能
である。
【0027】さらに、直径100mm、厚さ625μm
のn型GaAs基板1に上記と同じ構造の積層膜を形成
した場合も基板1から分離層5の分離は可能であった。
この場合、分離に要したエッチング時間は87時間であ
った。
【0028】(ホ)最後に、図1(e)に示すように、
分離層5の表面を硫酸(H2SO4)と過酸化水素水(H
22)の混合液で処理し、電極6と7を真空蒸着等で付
け、電極7の一部を除去し、一点鎖線で示したように所
定の大きさにダイシングをして、LEDを完成させた。
製作したLEDは厚さが130〜140μm、大きさは
縦横300μmである。
【0029】LEDの発光特性の比較のため図6に示し
た従来の方法でLEDを製作した。n型GaAs層34
とp型GaAs層44の厚さがそれぞれ50μmになる
ようにエピタキシャル成長を行い、図5(c)の様に、
総厚130〜140μmを目標に、基板11の裏側をラ
ップ盤で削り、破砕層をエッチングして取り除いた。
【0030】第1の実施の形態と比較例のLEDそれぞ
れ20個の特性を測定した。LEDの明るさを示す初期
出力は、比較例が1.10〜1.33mW(平均1.2
3mW)であったのに対し、実施例は1.18〜1.3
0mW(平均1.24mW)とバラツキが小さかった。
これは第1の実施の形態の方が総厚のバラツキが小さく
特性が均一になったためである。平均出力は同等であっ
た。順方向電圧低下(30mW)も、第1の実施の形
態、比較例とも1.24Vで同等であった。
【0031】除去層2のエッチングで分離した基板1も
硫酸と過酸化水素水の混合液で処理を行い、一部の基板
の表面には仕上げのケミカル研磨をして、回収再生し
た。再生後の厚さはエピタキシャル成長前に比べて2〜
4μm薄くなっていたが、この変化量は基板の厚さ仕様
±25μmに比べて小さく、再使用の障害にならない。
【0032】再生した基板を使用して、従来の方法で赤
外LEDを製作した結果、新品の基板を使用したときと
同様にエピタキシャル成長が可能であり、LEDも同じ
性能のものが得られた。さらに、エピタキシャル成長、
分離、回収再生を繰り返したが、10回目のエピタキシ
ャルで製作したLEDも1回目と同等の特性を示した。
【0033】このように、本発明に係る第1の実施の形
態により、バックラップ工程を行うことなく従来より特
性分布が小さいLEDが得られた。また従来1回しか使
用できなかった基板も、繰り返し再使用することができ
た。
【0034】(第2の実施の形態)図3は本発明の第2
の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図であ
る。半導体装置が赤外LEDである場合について説明す
る。本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造
方法は、バックラップを省略できる本発明の特徴を生か
し、基板の両側にエピタキシャル成長することを特徴と
する。
【0035】(イ)第1の実施の形態と同様に図3
(a)に示すように、始めに直径50mm、厚さ300
μmのn型GaAs基板1を用意する。
【0036】(ロ)図3(b)に示すように、第1の実
施の形態と同様の液相エピタキシャル成長により、基板
1の両面に除去層としてAlの組成比0.7のAlGa
As21と22を5μm成長させる。
【0037】なお、この成長により、基板1とこの基板
1上に設けられこの基板1に対して選択的にエッチング
できる除去層21と22を有するウェーハが完成したこ
とになる。
【0038】(ハ)次いで、図3(c)に示すように、
ウェーハの両面に、第1の実施の形態と同様の方法でn
型GaAs層31と32をそれぞれ40μm、p型Ga
As層41と42をそれぞれ30μm、p型AlGaA
s層81と82をそれぞれ30μmを液相エピタキシャ
ル法により順次成長させた。p型AlGaAs層81と
82のAlの組成比xは、成長開始界面で0.25、成
長終了した表面で0.04であった。
【0039】なお、ここまでの積層の成長により、除去
層21と22上に、除去層21と22のエッチングで選
択的にエッチングされない分離層51と52を設けたウ
ェーハが完成したことになる。
【0040】(ニ)次に、図3(d)に示すように、第
1の実施の形態と同様の方法で除去層21と22を選択
的にエッチングし、分離層51と52を基板1から分離
した。本発明の第2の実施の形態では基板の裏側を削る
必要がない。その結果、基板の両側にエピタキシャル成
長を行うことが可能となり、1回のエピタキシャル工程
で従来の2倍の生産ができる。なお、p型AlGaAs
層81と82のAlの組成比xは0.4以下であるので
図2よりエッチングされることはない。
【0041】(ホ)最後に、第1の実施の形態と同様の
方法で、分離層51と52の表面を硫酸(H2SO4)と
過酸化水素水(H22)の混合液で処理し、電極を付け
ダイシングをしてLEDを完成させた。
【0042】(第3の実施の形態)図4は本発明の第3
の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図であ
る。半導体装置がLEDである場合について説明する。
本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法
は、発光に関与するエピタキシャル成長層が薄い場合に
有用となるもので、基板1上に除去層2を設け、その上
に分離層33であるLEDチップの厚さを調整するエピ
タキシャル層を設けることを特徴とする。
【0043】(イ)図4(a)に示すように、第1の実
施の形態と同様にボード法で製造したn型GaAs基板
1を用意する。基板の方位は(100)をOF方向に1
0度傾けたものである。
【0044】(ロ)図4(b)に示すように、第1の実
施の形態と同様の液相エピタキシャル成長により、基板
1に除去層2としてAlの組成比0.7のAlGaAs
33を10μm成長させた。
【0045】なお、この成長により、基板1とこの基板
1上に設けられこの基板1に対して選択的にエッチング
できる除去層2を有するウェーハが完成したことにな
る。
【0046】(ハ)次いで、図4(c)に示すように、
ウェーハ上に第1の実施の形態と同様の方法で除去層2
としてのn型GaAs層33を100μm液相エピタキ
シャルにより成長させた。このウェーハの表面を平坦化
するためにn型GaAsエピタキシャル層33の表面に
ケミカルポリッシングを施し、洗浄して清浄な表面を得
た。そして、図4(d)に示すように、このウェーハを
有機金属気相成長(OMVPE)法により、アルミニウ
ムインジウムガリウムリン(AlInGaP)の発光層
9を成長させた。発光層9は下から、n型AlInGa
Pクラッド層、ノンドープAlInGaP発光層、p型
AlInGaPクラッド層、のダブルヘテロ構造とし
た。
【0047】なお、ここまでの積層の成長により、分離
層33上に、除去層2のエッチングで選択的にエッチン
グされない発光に寄与するエピタキシャル成長層9を設
けたウェーハが完成したことになる。
【0048】(ニ)次に、図4(e)に示すように、第
1の実施の形態と同様の方法で除去層2を選択的にエッ
チングし、分離層2と発光層9を基板1から分離した。
なお、AlInGaP層9は、この除去層2のエッチン
グ方法ではエッチングされることはない。
【0049】(ホ)最後に、第1の実施の形態と同様の
方法で、分離層33と発光層9の表面を硫酸(H2
4)と過酸化水素水(H22)の混合液で処理し、電
極を付けダイシングをして総厚約100μmのAlIn
GaPのLEDを完成させた。
【0050】第3の実施の形態のように分離層33上に
エッチングされない発光層9を設けておくことで、発光
層9が薄い場合でも、所望の厚さのLEDチップをバッ
クラップなしで製造でき、基板1も回収再使用できる。
【0051】(第4の実施の形態)図5は本発明の第4
の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図であ
る。半導体装置が赤外LEDである場合について説明す
る。本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造
方法は、除去層の選択エッチングの時間を短縮できるこ
とを特徴とする。
【0052】(イ)第1の実施の形態と同様に図5
(a)に示すように、始めに直径50mm、厚さ300
μmのn型GaAs基板1を用意する。
【0053】(ロ)図5(b)に示すように、第1の実
施の形態と同様の液相エピタキシャル成長により、基板
1上に除去層としてAlの組成比0.7のAlGaAs
2を5μm成長させる。
【0054】(ハ)次いで、図5(c)に示すように、
第1の実施の形態と同様の方法でn型GaAs層3を8
8μm、p型GaAs層4を52μm液相エピタキシャ
ル法により順次成長させた。
【0055】(ニ)次に、図5(d)に示すように、第
1の実施の形態の(ホ)と同様の方法で、分離層5の表
面を硫酸(H2SO4)と過酸化水素水(H22)の混合
液で処理し、電極7をもうけた。
【0056】(ホ)最後に、図5(e)に示すように、
電極7間に溝10を設ける。この溝10は通常のダイシ
ング用ブレードで深さを制限する。ただし、除去層2を
越える深さまで溝10を掘る必要があり、第4の実施の
形態では溝の深さは除去層2の上面から20μm以上の
深さまでとした。また、ウェーハ上の縦方向と横方向共
に溝の幅は40μm、ピッチは300μmとした。図5
(f)に示すように、第1の実施の形態の(ニ)と同様
の方法で除去層2を選択的にエッチングし、LEDチッ
プ毎に分割された分離層5を基板1から分離した。本発
明の第4の実施の形態では分離層5と除去層2を溝10
で細かく区切ってから選択エッチングを行うため、エッ
チング時間が短くて済む。本発明の第1の実施の形態で
は選択エッチングに38時間かかったが本発明の第4の
実施の形態では約10分間であった。なお、LEDチッ
プの裏面に電極が設けられていないが、チップをフレー
ムにマウントする際に、フレームを金メッキしたり金の
シートを介在させるなどしてチップ裏面を金と共晶化す
ることで、チップをマウントに固定しかつチップとマウ
ントの電気的接続をとることが出来る。
【0057】(その他の実施の形態)上記のように、本
発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす
論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解す
べきでない。この開示から当業者には様々な代替しうる
実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになろう。
【0058】既に述べた実施の形態の説明においては、
除去層がAlGaAsであり、基板や分離層や発光層が
GaAsやAlGaInPである場合を説明した。しか
し、本発明は実施の形態の材質に限定されるものではな
く、除去層が基板と分離層と発光層に対して選択的にエ
ッチングできる材質であればよい。例えば、除去層にイ
ンジウムアルミニウムリン(InAlP)を用いて熱リ
ン酸で選択的にエッチングすることもできる。
【0059】この様に、本発明はここでは記載していな
い様々な実施の形態を包含するということを理解すべき
である。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許
請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定される
ものである。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、基
板の再利用が可能で、バックラップ工程の不要なウェー
ハを提供することができる。
【0061】本発明によれば、基板の再利用が可能で、
バックラップ工程の不要な半導体装置の製造方法を提供
することができる。
【0062】すなわち、バックラップ工程の多大な装置
設備投資と工程時間が節約できるだけでなく、機械加工
であるバックラップに工程でのウェーハ割れがなくなり
歩留りが向上する。さらに従来より性能バラツキが小さ
い発光素子が得られる。また従来1度しか使用できなか
った基板も再使用することができ、大きな経済効果が得
られる。また、近年大きな問題となっている環境汚染に
関し、バックラップの際にできるAsを含む有害屑が発
生しなくなる効果がある。
【0063】さらに、本発明では基板の裏側を削る必要
がないので、基板の両面にエピタキシャル成長を行うこ
とが可能となり、1回のエピタキシャル工程で従来の2
倍の生産ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図2】AlGaAs中のAlの組成比とエッチング速
度の関係を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の
製造方法を示す図である。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1、11 基板(GaAs) 2、21、22 除去層(AlGaAs) 3、31、32、34 n型GaAs層 4、41、42、44 p型GaAs層 5、33、51、52 分離層 6、7 電極 9 AlInGaP 10 溝 81、82 p型AlGaAs

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs結晶基板と、前記基板上に設け
    られ、前記基板上に対してエピタキシャル成長し、前記
    基板に対して選択的にエッチングできる除去層とを有す
    ることを特徴とするウェーハ。
  2. 【請求項2】 基板と、前記基板の表裏両面上に前記基
    板に対して選択的にエッチングできる除去層とを有する
    ことを特徴とするウェーハ。
  3. 【請求項3】 前記除去層上に、除去層のエッチングで
    選択的にエッチングされない分離層を設けたことを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のウェーハ。
  4. 【請求項4】 前記分離層が、発光に寄与するエピタキ
    シャル成長層であることを特徴とする請求項3記載のウ
    ェーハ。
  5. 【請求項5】 前記分離層上に、除去層のエッチングで
    選択的にエッチングされない発光に寄与するエピタキシ
    ャル成長層を設けたことを特徴とする請求項3記載のウ
    ェーハ。
  6. 【請求項6】 半導体基板上に除去層を設ける工程と、 前記除去層上に分離層を設ける工程と、 前記除去層を選択的にエッチングし、前記半導体基板と
    前記分離層を分離する工程とを含むことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体基板と前記分離層を分離する
    工程の後に、前記分離層の両面に電極を形成する工程を
    具備したことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板上に除去層を形成する工程
    と、 前記除去層上に分離層を形成する工程と、 前記分離層上の所定の領域に複数の電極を形成する工程
    と、 前記電極間に少なくとも前記除去層にまで達する程度の
    溝を形成する工程と、 前記除去層を選択的にエッチングし、前記半導体基板と
    前記分離層を分離する工程とを具備したことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記半導体基板と前記分離層を分離する
    工程は、塩素に浸漬し沸騰するまで加熱して前記除去層
    をエッチングしたことを特徴とする請求項6乃至8のい
    ずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
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