JP3725840B2 - 型締装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は射出成形機等の型締装置に係り、特に型締シリンダのピストンロッドによりタイバーが形成され、前記型締シリンダにより前記タイバーを牽引することにより型締を行う型締装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、固定盤に設けられた型締シリンダのピストンロッドによりタイバーが形成され、前記タイバーの外周に形成されたねじ部やリング溝等の係合部に対して可動盤に設けられたハーフナットを係合し、前記型締シリンダにより前記タイバーを牽引することにより型締を行う型締装置としては特開平10−296739号公報、特開平8−276482号公報等に記載されたものが知られている。これらの型締装置においては、ハーフナットが適切な係合部に係合されるようタイバーの位置を調整する必要があり、そのための機構が備えられている。特開平10−296739号公報の図9に従来技術として示されるものは、タイバーにストッパを取付け、ストッパによりタイバーをハーフナットと係合可能な位置に停止させる。また特開平10−296739号公報の図10に従来技術として示されるものは、型厚の変更に応じて押引き調整ねじと固定ナットにより型締シリンダのピストンの位置を調整し、タイバーをハーフナットと係合可能な位置に停止させる。しかしながら前記公報に従来技術として図9,図10に記載されたものは、いずれも各々のタイバーを手作業によって一本づつ別個に調整を行う必要があり、タイバーを係合位置へ移動させる際の精度が出しにくいという問題と、作業に時間がかかるという問題があった。
【0003】
また特開平8−276482号公報に記載のものは、タイバーを牽引する型締シリンダのラムにピストンロッドが直結された副シリンダを設け、前記副シリンダによりタイバーの位置を調整させ、タイバーをハーフナットと係合可能な位置に停止させる。しかしながら前記公報に記載のものは、タイバーの位置の調整を油圧シリンダにより行うので、タイバーの係合位置の精度が出しにくいという問題があった。
更に特開平10−296739号公報の図1ないし図8に記載されたものは、タイバーを牽引する型締シリンダとは別に設けられたタイバースライド用サーボモータによりタイバーを移動させ、移動盤とタイバーの移動速度を同期させてタイバーのねじ部とハーフナットとを係合させることが記載されている。しかしながら前記公報のものは、タイバーの移動をタイバーと同軸に直結されたボールネジにより直接移動させるので、比較的駆動力の大きいサーボモータが必要となるという問題があった。更に特開平8−276482号公報に記載されたもの、特開平10−296739号公報の図1ないし図8に記載されたものはいずれも型締シリンダの同軸延長上に副シリンダや、タイバースライド用サーボモータおよびボールネジ等が取付けられるので、固定盤本体からから射出装置側に向けて前記タイバー位置調整用の機構が突出することになり、その結果型締装置の全長が長くなってしまうという問題があった。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
そこで本発明は、型締シリンダのピストンロッドによりタイバーが形成され、前記タイバーの外周に形成されたねじ部やリング溝等の係合部に対して可動盤に設けられたハーフナットを係合し、前記型締シリンダにより前記タイバーを牽引することにより型締を行う型締装置において、タイバーの位置を調整する係合位置調整手段の制御を自動化するとともに、型締装置の全長を所定内に押さえることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために本発明の第一の実施態様の型締装置は、固定盤または可動盤の一方に取付けられた型締シリンダのピストンロッドによりタイバーが形成され、固定盤または可動盤の他方に取付られたハーフナットを前記タイバーの係合部に係合し、前記型締シリンダにより前記タイバーを牽引することにより型締を行う型締装置において、アクチュエータの駆動をリンク機構を介してタイバーの移動に変換する係合位置調整手段を固定盤または可動盤に設けたことを特徴とする。
【0006】
また本発明の第二の実施態様の型締装置は、固定盤または可動盤の一方に取付けられた型締シリンダのピストンロッドによりタイバーが形成され、タイバーの一端側は支持盤に支持され、固定盤または可動盤の他方に取付られたハーフナットを前記タイバーの係合部に係合し、前記型締シリンダにより前記タイバーを牽引することにより型締を行う型締装置において、アクチュエータの駆動をリンク機構を介してタイバーの移動に変換する係合位置調整手段を支持盤に設けたことを特徴とし、固定盤側に本係合位置調整手段を設けた場合と比較してノズル周りの操作性を向上させることができ、可動盤側に本係合位置調整手段を設けた場合と比較して可動部の重量を軽減することができる。
【0007】
また本発明の第三の実施態様の型締装置は、前記第一の実施態様、第二の実施態様においてリンク機構のリンクがアクチュエータの作動時における力点から支点までの長さが、支点から作用点までの長さよりも長いことを特徴とし、駆動力が比較的小さいアクチュエータによってタイバーを移動させることができる。
【0008】
また本発明の第四の実施態様の型締装置は、前記第一の実施態様ないし第三の実施態様において、アクチュエータが閉ループによって制御される電動モータであることを特徴とし、タイバーの移動をより正確に行うことができる。
【0009】
また本発明の第五の実施態様の型締装置は、前記第一の実施態様ないし第四の実施態様において、アクチュエータは盤に対して型開閉方向に移動可能に取付けられた移動プレートに取付けられるとともに、移動プレートと盤の間にはシリンダ機構が取付けられた係合位置調整手段が設けられたことを特徴とし、増圧時、圧抜時、強力型開時におけるタイバーの移動をシリンダ機構により吸収させることにより、例えば強力型開の際にアクチュエータのボールネジ等を回転させずにロックさせたままタイバーの移動を行うことができ、係合作動時間の短縮を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は本発明の型締装置が取付けられた射出成形機の一部を示す平面図である。図2は、本発明の型締装置の係合位置調整手段を示す拡大平面図である。図3と図4は、型締装置の係合位置調整手段の作動を示す説明図である。
【0011】
図1において、1は、樹脂や金属やセラミック等を原料とする成形品を成形する射出成形機の型締装置であって図示しないベッド上に固定金型2が取付けられた固定盤3が固着されている。固定盤3の四隅近傍には圧締手段である型締シリンダ4がそれぞれ設けられるとともに、固定盤3の中央部には射出装置5から固定金型2へ溶融樹脂が射出充填されるための注入孔6が設けられている。型締シリンダ4のピストンロッドである四本のタイバー7は、可動金型8が取付けられた可動盤9の四隅近傍にそれぞれ挿通され、タイバー7の一端側は支持盤10にそれぞれ挿通されている。そしてタイバー7の外周の所定位置には係合溝11が複数形成された係合部12が設けられている。また可動盤9における支持盤10側側面の四隅近傍には、挿通されたタイバー7に対してシリンダ13により進退して、前記係合部12と係合・離脱可能なハーフナット14が設けられている。更に固定盤3の本体両側面には可動盤9を固定盤3に対して近接・離間移動させる型開閉手段の型開閉シリンダ15,15が固定されており、型開閉シリンダ15のピストンロッドの端部は可動盤9の本体両側面に固定されている。なお型開閉手段についてはサーボモータとボールネジ等の組合わせを用いたものでもよい。そして可動盤9の移動位置は図示しないロータリエンコーダまたはリニアスケール等の検出手段により検出可能に設けられている。
【0012】
なお本発明の実施の形態の型締装置1の構成の概略は上記の通りであるが、本発明は上記の型締装置1以外にも、型締シリンダのピストンロッドによりタイバーが形成される型締装置のすべてを対象とするものであり、一例として次のような構成の型締装置にも用いることができる。
(1)固定盤の四隅近傍に型締シリンダが設けられ、型締シリンダのピストンロッドであって係合部が設けられたタイバーが可動盤に対して挿脱可能に設けられ、支持盤を有しない型締装置。
(2)可動盤の四隅近傍に型締シリンダが設けられ、型締シリンダのピストンロッドであって係合部が設けられたタイバーが固定盤に対して挿脱可能に設けられた型締装置。
(3)タイバーの中心軸が固定盤と可動盤とに亘って固定され、固定盤または可動盤の一方に型締シリンダが設けられ、型締シリンダのピストンロッドが前記中心軸の周囲に摺動自在に外挿されるとともに他方の盤に挿脱可能に設けられ、前記中心軸と前記ピストンロッドの両者からタイバーが形成された型締装置。
【0013】
次に本発明の型締装置1の係合位置調整手段16について説明する。係合位置調整手段16は、タイバー7の外周部に形成された係合部12をハーフナット14に係合・離脱させるためのものである。この実施の形態では係合位置調整手段16は、上方の二のタイバー7,7の位置を調整するための係合位置調整手段16と、下方の二のタイバー7,7の位置を調整する係合位置調整手段(図1,2には表れず)とに別れている。上方の係合位置調整手段16について説明すると、固定盤3の射出装置5側には型締シリンダ4,4の後端部4dが、射出装置側本体側面3aから射出装置5側に突出している。型締シリンダ4,4の後端部4dの間の射出装置側本体側面3aには、射出装置5に向けて二のガイド部材17が突設されている。そして前記ガイド部材17には一の移動プレート18が型開閉方向に移動自在に設けられている。移動プレート18は型締シリンダ4,4側に向けて長手方向を有する長手部材であり、その長手方向の両端近傍が前記したガイド部材17,17に挿通されている。
【0014】
そして固定盤3の射出装置側本体側面3aと移動プレート18の間において、前記ガイド部材17,17の間には移動プレート18を保持および自在に移動させるシリンダ機構19が設けられている。シリンダ機構19は、行程の短い第一シリンダ20と第一シリンダ20より行程の長い第二シリンダ21からなる。第一シリンダ20は、固定盤3の射出装置側本体側面3aにシリンダ後端部が固着され、ピストンロッド20aが移動プレート18側に向けられている。また第二シリンダ21は移動プレート18にシリンダ後端部が固着され、ピストンロッド21aが固定盤3側に向けられ、両シリンダ20,21のピストンロッド20a,21aは、ジョイントにより結合されている。そしてこのシリンダ機構19は、成形時のタイバー7の移動がリンク機構を介して係合位置調整手段16に伝達された際、リニアアクチュエータ22をロックした状態のままで、タイバー7の移動をシリンダ機構19によって受容する役割を有する。上記の成形時にリニアアクチュエータ22をロックした状態で使用する理由は、リニアアクチュエータ22の作動部22aに外力が加えられて作動部22aが移動されるときに、作動部22aの移動速度が所定以上となると機器に問題が発生する可能性があるためである。
この実施の形態では一の移動プレート18につき、第一シリンダ20と第二シリンダ21のセットが二組設けられているが、この数に限定されるものではない。
また移動プレート18の前記シリンダ機構19の取付部の内側部分には二のリニアアクチュエータ22,22が作動部22a,22aを射出装置5側に向けて固定されている。リニアアクチュエータ22はロータリエンコーダを内臓しており、閉ループによって作動部22aを往復移動制御する電動モータの一種である。このリニアアクチュエータ22は、強力型開後にタイバー7をハーフナット14から離脱可能な位置に移動させる。またリニアアクチュエータ22は、型開中にタイバー7を第二シリンダ21の移動とともに、ハーフナット14と係合可能な位置に移動させる。
そしてリニアアクチュエータ22,22の作動部22a,22aの端部にはそれぞれ比較的長さの短い調整リンク23,23の一端が連結されている。また前記調整リンク23,23の他端には変換リンク24,24の一端が連結されている。
【0015】
また型締シリンダ4の後端部4dには前記ガイド部材17,17と平行にリンク支持部25,25がそれぞれ固着され、射出装置5に向けて突設されている。更に型締シリンダ4のピストン4aにはタイバー7の端部が固着されており、シリンダ側室4c側にはタイバー7に固定される部材である位置調整用ロッド26がタイバー7と同軸に固着され、その一端は型締シリンダ4から射出装置5側に向けて突設されている。なお本発明において、タイバー7の固定される部材は、タイバー7に直接されるものに限定されず、他の部材を介してタイバー7と間接的に固定されたものでもよい。
そして前記変換リンク24はリンク支持部25により軸支され、その他端は位置調整用ロッド26の一端側に連結されている。そしてこの実施の形態では、駆動力の比較的小さいアクチュエータによりタイバー7を移動可能にするため変換リンク24は、前記アクチュエータ作動時の力点である一端側の調整リンク23との連結部24aからリンク支持部25によって軸支される支点である軸支部24bまでの長さAは、前記軸支部24bから変換リンク24のアクチュエータ作動時の作用点である他端側の位置調整用ロッド26との連結部24cまでの長さBよりも長く設定されており、その比は2:1に設定されている。
【0016】
下方の係合位置調整手段16については上方の係合位置調整手段16と同じ構成であるので説明を省略するが、ノズルからのドルーリングやパージにより樹脂が付着するのを防止するためにカバーを取付けてもよい。また係合位置調整手段16は各々のタイバー7に対して別個に移動プレート18を設けたものでもよく、更には上下一対のタイバー7,7の位置や、四本のタイバー7の位置を同時に調整するものでもよい。
そして上記したように係合位置調整手段16は、型締シリンダ4の後端部4dから突設された位置調整用ロッド26には変換リンク24の一部が連結されるのみであり、その機構の一部は型締シリンダ4の後端部4dよりも型開側に位置する固定盤3の射出装置側本体側面3aに取付けられているので、係合位置調整手段16が固定盤3から射出装置5に向けて突出する寸法は小さく抑えられている。
【0017】
次に本発明の型締装置1の係合位置調整手段16の型厚調整工程における作動について図3,4により説明する。
(型厚調整工程)
図3の(a)に示されるように、成形に用いる金型が厚さの異なるものに変更されると、型閉した際の固定盤3と可動盤9の間隔が変化して係合部12とハーフナット14との係合関係が崩壊するので、最初に型厚調整を行う。型厚調整を行う際には係合位置調整手段16の第一シリンダ20のピストン20bは前進限にあり、第二シリンダ21のピストン21bは後退限にあるよう図示しない油圧機構により保持されている。そして固定盤3と可動盤9との間に固定金型2と可動金型8を配設し、型開閉手段により型閉を行う。そして型閉された際の可動盤9の位置は図示しない検出手段により検出され、図示しない制御部に送られ、可動盤9に設けられたハーフナット14に対して係合される係合溝11の位置が演算・決定される。
【0018】
この際にハーフナット14により係合される係合溝11は、型締シリンダ4内において増圧および強力型開のストロークが確保されている位置の係合溝11が演算・決定される。そしてハーフナット14が係合される係合溝11が決定されると、制御部から係合位置調整手段16のリニアアクチュエータ22に指令が出され、タイバー7が目標位置に向けて移動される。この際リニアアクチュエータ22への指令は、タイバー7の移動方向とは反対方向に向かって、タイバー7の移動量の2倍の移動を作動部22aが行うよう指令が出され、リニアアクチュエータ22が閉ループにより駆動される。そして前記リニアアクチュエータ22の駆動は、調整リンク23,変換リンク24からなるリンク機構、位置調整用ロッド26を介して、タイバー7の移動に変換され、タイバーの前記演算・決定された係合溝11が、ハーフナット14と係合可能な位置に移動される。そしてタイバー7の移動が完了すると、その位置が成形時におけるハーフナット係合の際のタイバー7の位置として制御部に記憶される。
【0019】
次に係合位置調整手段の成形時における作動について説明する。
(ハーフナット係合工程)
図3の(b)に示されるように、型開閉シリンダ15により可動盤9が固定盤3に向けて移動され、可動金型8と固定金型2とが当接されると、ハーフナット14がシリンダ13により移動され、係合部12の係合溝11に係合される。ハーフナット14が係合される際、この実施の形態ではハーフナット14の山部14aの両側面と係合部12の係合溝11の両側面の間にはそれぞれ1mmの間隔を有する。またこの際、係合位置調整手段16の第一シリンダ20のピストン20bは前進限に保持され、第二シリンダ21のピストン21bは後退限に保持され、またリニアアクチュエータ22もサーボロックされている。
【0020】
(増圧工程)
図3の(c)に示されるように、ハーフナット14が係合部12の係合溝11に係合されると、型締シリンダ4のロッド側室4bに図示しない油圧機構から油が供給され、タイバー7を型閉方向に牽引することにより、可動金型8と固定金型2の圧締が行われる。この際にハーフナット14の山部14aの型開側側面と、タイバー7の係合溝11の側面との間隙(1mm)は、タイバー7の型閉方向への移動により解消される。増圧工程を開始する際、第一シリンダ20のピストン20bは前進限に位置してフリーの状態にあり、第二シリンダ21のピストン21bは後退限に位置している。またリニアアクチュエータ22はサーボロックされている。そしてタイバー7の移動は、タイバー7に固定された位置調整用ロッド26を介して係合位置調整手段16に伝達される。前述のように、変換リンク24は、前記アクチュエータ作動時の力点である連結部24aから支点である軸支部24bまでの長さAに対して、前記軸支部24bから変換リンク24のアクチュエータ作動時の作用点である連結部24cまでの長さBが2:1に設定されており、第二シリンダ21は後退限に位置し、リニアアクチュエータ22もサーボロックされているから、位置調整用ロッド26の型閉方向への1mmの移動分は、第一シリンダ20のピストン20bを2mm型開方向に向けて押し下げる。そして型締工程においては、キャビティに溶融樹脂が射出充填され、その後成形品の冷却が行われる。
【0021】
(圧抜工程)
図4の(d)に示されるように、成形品の冷却が完了すると、型締シリンダ4のロッド側室4bの油が排出され、圧抜が行われる。圧抜とともに型締シリンダ4のピストンロッドであるタイバー7は型開側に向けて移動され、ハーフナット14の山部14aの型閉側の側面部と係合部12の係合溝11との間隔がなくなる。よって圧抜工程においてタイバー7は、2mm型開側に向けて移動される。この際第一シリンダ20と第二シリンダ21はフリーの状態にあり、リニアアクチュエータ22はサーボロックされている。そしてタイバー7の移動ととも前工程で第一シリンダ20のピストン20bが2mm型開側に向けて押し下げられていたのが解消され、ピストン20bは前進限に移動する。他方第二シリンダ21のピストン21bは2mm固定盤3側(型開側)に向けて前進し、両シリンダ20,21によってリンク機構により倍加された4mmの移動量を吸収する。
【0022】
(強力型開工程)
図4の(e)に示されるように、圧抜が完了すると、キャビティ形成面と成形品を離型させるために、強力型開工程が行われる。強力型開工程においては、型締シリンダ4のシリンダ側室4cに油が供給され、タイバー7を前進させることによって、可動盤9が型開方向に向けて移動される。この実施の形態では強力型開間隔は20mmに設定されている。この際第一シリンダ20のピストン20bは前進限に位置し、第二シリンダ21はフリーの状態にあり、リニアアクチュエータ22はサーボロックされている。そしてタイバー7が型締シリンダ4により強力型開間隔20mm移動されるとともに、第二シリンダ21のピストン21bは、リンク機構により倍加された40mm分の移動量を吸収し、固定盤3側(型開側)に向けてピストン21bが移動し、前記圧抜工程と加えてピストン21bの後退限から計算して42mmピストン21bを移動させる。
【0023】
(ハーフナット離脱工程)
図4の(f)に示されるように、強力型開が完了するとタイバー7の係合溝11からハーフナット14の離脱を行う。強力型開工程の終了時点では、ハーフナット14の山部14aの型閉側側面とタイバー7の係合溝11が当接している。そこでハーフナット14の山部14aの両側面と係合部12の係合溝11との間にそれぞれ間隙を設けるために、タイバー7を型閉側に向けて僅かに移動させる。この際型締シリンダ4はフリーの状態にあり、第一シリンダ20、第二シリンダ21は強力型開工程が完了した状態の位置で保持されている。そしてリニアアクチュエータ22が駆動され、この実施の形態では2mmリニアアクチュエータ22の作動部22aが後退され、リンク機構を介してタイバー7が1mm型閉側に向けて移動される。そしてシリンダ13を駆動させてハーフナット14を係合溝11から離脱させる。
【0024】
(型開工程)
ハーフナット14の離脱が終わると、型開閉シリンダ15により可動盤9は型開位置に移動され、成形品の取出しが行われる。その間にタイバー7はハーフナット14と係合可能な位置に戻される。その際第二シリンダ21のロッド側室21cに油が供給され、第二シリンダ21のピストン21bは後退限に移動され、その位置に保持される。またその前後いずれかにリニアアクチュエータ22の作動部22aは前進され、当初の制御部に記憶された設定位置に戻される。そしてリニアアクチュエータ22の位置制御により、強力型開工程において型締シリンダ4の作動等によるタイバー7の移動量に僅かな誤差があったとしても、ハーフナット14の係合時にはタイバー7は正規の係合位置に戻されるようになっている。
【0025】
また図5に示されるのは別の実施の形態である。射出成形機の型締装置1の基本的な構成は最初の実施の形態とほぼ同じであるが、この実施の形態は、係合位置調整手段16がタイバー7の一端側を支持する支持盤10aの外側側面(支持盤10aから見て可動盤9とは反対側)に設けられている。なおこの実施の形態において、係合位置調整手段16を支持盤10aの内側に設けることも可能であるが、いずれにしても支持盤10aは最初の実施の形態の支持盤10より強化されている。なお係合位置調整手段16の各部の構成については最初の実施の形態とほぼ同じであるが、変換リンク24は位置調整用ロッド26ではなく、タイバー7の延設部7aに取付けられている。
そして作動においては、タイバー7の移動に伴うシリンダ機構19やリニアアクチュエータ22の移動方向が最初の実施の形態とは逆になる。一例を示せば、ハーフナット離脱工程におけるリニアアクチュエータ22の作動は最初の実施の形態では作動部22aを固定盤3に向けて引き戻す方向に駆動させるが、図5に示される実施の形態では作動部22aを支持盤10aから型開方向に遠ざかる方向に向けて駆動させる。
図5に示される別の実施の形態は、型締シリンダ4のピストン4aの後部側の構造が簡略化でき、射出装置5のノズル周りの作業が行いやすいというメリットがある。
【0026】
次に図6に示されるのは更に別の実施の形態である。射出成形機の型締装置1の基本的な構成および係合位置調整手段16の取付位置は最初の実施の形態と同じであるが、図6に示される更に別の実施の形態のものは、係合位置調整手段30の構成が異なっている。固定盤3には係合位置調整手段30のアクチュエータである一のサーボモータ31が取付けられている。サーボモータ31にはモータの角度信号を検出するロータリエンコーダが付設され、図示しない制御部により制御される。またサーボモータ31の両側には固定盤3に対して所定の間隔を隔てて、型開閉方向に移動自在な移動プレート32をガイドするための二のガイド部33,33が射出装置5側に向けて取付られている。サーボモータ31の駆動軸にはカップリングを介してボールネジ34が取付けられ、ボールネジ34にはボールナット35が螺合されている。ボールナット35は前記した移動プレート32に固着され、ボールネジ34が回動されることにより、ボールナット35と移動プレート32が型開閉方向に向けて往復方向に移動可能に設けられている。また移動プレート32は型締シリンダ4,4の射出装置5側に突設された位置調整用ロッド26,26の間に位置し、位置調整用ロッド26,26の方向に向けて長手方向が設けられている。そして移動プレート32の位置調整用ロッド26側の両端から中央側に向けて所定の長さと幅のカム溝32a,32aがそれぞれ形成されている。このカム溝32a,32aにはリンク機構の変換リンク36,36の一端に設けられたカムフォロア37,37がそれぞれ嵌合されている。変換リンク36は最初の実施の形態と同様に、カムフォロア37がアクチュエータ作動時の力点に相当し、固定盤3に固定されたリンク支持部25の軸支部24bが支点に相当し、型締シリンダ4のピストン4aの後端に固定された位置調整用ロッド26に他端部の連結部24cが作用点に相当する。また下部のタイバー7,7の間にも同様の係合位置調整手段30が形成されている。
【0027】
次に図6に示される更に別の実施の形態の作用について説明する。型厚調整時には可動金型8の位置を検出手段により検出し、ハーフナット14に対し演算・決定された係合溝11が係合される位置にサーボモータ31によりタイバー7を移動させる。成形時における増圧、圧抜、強力型開工程には、型締シリンダ4によりタイバー7が移動され、タイバー7の移動量は位置調整用ロッド26、変換リンク36を介して移動プレート32を移動させる。この際サーボモータ31はフリーの状態にあり、移動プレート32に固定されたボールナット35の移動とともにボールネジ34とサーボモータ31の駆動軸は回転する。ハーフナット離脱工程では、サーボモータ31が移動プレート2mmを後退させる方向に駆動され、移動プレート32の移動により両側のタイバー7,7が、それぞれ1mm型閉側に向けて移動され、山部14aの両側と係合溝11との間に間隙が設けられる。そしてハーフナット14の離脱が終わると型開が行われ、その間にサーボモータ31によりタイバー7は型閉時のハーフナット14との係合位置に戻される。
この更に別の実施の形態のものは一のアクチュエータにより二のタイバー7,7を駆動可能であり、シリンダ機構19を有していないので構造が簡単であるというメリットがある。
【0028】
また、本発明はリンク機構を用いてタイバー7の移動を閉ループ制御により行うものであれば上記の実施の形態に限定されるものでなく、種々の変更が可能である。例えばアクチュエータは油圧シリンダとサーボバルブの組合わせでもよく、アクチュエータにより作動部を移動させる方向は型開閉方向と直角方向でもよい。そしてリンク機構についても実施の形態に記載の構造のものに限定されるものではない。そして本発明は射出圧縮成形や射出プレス成形においても好適に用いられる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の型締装置は、型締シリンダのピストンロッドによりタイバーが形成され、前記タイバーの外周に形成されたねじ部やリング溝等の係合部に対してハーフナットを係合し、前記型締シリンダにより前記タイバーを牽引することにより型締を行う型締装置において、リンク機構を用いてタイバーの移動を行い、タイバーの係合部に対してハーフナットを係合可能としたことにより、タイバーの位置を調整する係合位置調整手段の制御を自動化するとともに、型締装置の全長を所定内に押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型締装置が取付けられた射出成形機の一部を示す平面図である。
【図2】本発明の型締装置の係合位置調整手段を示す拡大平面図である。
【図3】型締装置の係合位置調整手段の作動を示す説明図である。
【図4】型締装置の係合位置調整手段の作動を示す説明図である。
【図5】別の実施の形態の型締装置の係合位置調整手段を示す拡大平面図である。
【図6】更に別の実施の形態の型締装置の係合位置調整手段を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
1 ……… 型締装置
2 ……… 固定金型
3 ……… 固定盤
3a …… 射出装置側本体側面
4 ……… 型締シリンダ
4a,20b,21b…… ピストン
4b,21c…… ロッド側室
4c …… シリンダ側室
4d …… 後端部
5 ……… 射出装置
6 ……… 注入孔
7 ……… タイバー
7a …… タイバー延設部
8 ……… 可動金型
9 ……… 可動盤
10,10a …… 支持盤
11 …… 係合溝
12 …… 係合部
13 …… シリンダ
14 …… ハーフナット
14a … 山部
15 …… 型開閉シリンダ
16 …… 係合位置調整手段
17,33 …… ガイド部材
18,32 …… 移動プレート
19 …… シリンダ機構
20 …… 第一シリンダ
20a,21a…… ピストンロッド
21 …… 第二シリンダ
22 …… リニアアクチュエータ
22a …… 作動部
23 …… 調整リンク
24,36 …… 変換リンク
24a,24c…… 連結部
24b…… 軸支部
25 …… リンク支持部
26 …… 位置調整用ロッド
30 …… 係合位置調整手段
31 …… サーボモータ
32a …… カム溝
34 …… ボールネジ
35 …… ボールナット
37 …… カムフォロア

Claims (5)

  1. 固定金型が取付けられた固定盤に対して可動金型が取付けられた可動盤を近接・離間移動させる型開閉手段と、
    固定盤または可動盤の一方に取付けられた型締シリンダと、
    該型締シリンダのピストンロッドであって外周に係合部が形成されたタイバーと、
    固定盤または可動盤の他方に取付けられ係合部に対し係合・離脱可能なハーフナットとからなり、
    係合部とハーフナットを係合させ、型締シリンダによりタイバーを牽引することにより固定金型と可動金型とを圧締する型締装置において、
    固定盤または可動盤に設けられたアクチュエータと、
    該アクチュエータにより往復移動される作動部と、
    タイバーまたはタイバーに固定される部材と前記作動部との間に連結され前記アクチュエータの駆動をタイバーの移動に変換するリンク機構からなる係合位置調整手段が設けられたことを特徴とする型締装置。
  2. 固定金型が取付けられた固定盤に対して可動金型が取付けられた可動盤を近接・離間移動させる型開閉手段と、
    固定盤に取付けられた型締シリンダと、
    該型締シリンダのピストンロッドであって外周に係合部が形成されたタイバーと、
    該タイバーの一端側を支持する支持盤と、
    可動盤に取付けられ係合部に対し係合・離脱可能なハーフナットとからなり、
    係合部とハーフナットを係合させ、型締シリンダによりタイバーを牽引することにより固定金型と可動金型とを圧締する型締装置において、
    支持盤に設けられたアクチュエータと、
    該アクチュエータにより往復移動される作動部と、
    タイバーまたはタイバーに固定される部材と前記作動部との間に連結され前記アクチュエータの駆動をタイバーの移動に変換するリンク機構からなる係合位置調整手段が設けられたことを特徴とする型締装置。
  3. 前記リンク機構のリンクは前記アクチュエータの作動時における力点から支点までの長さが支点から作用点までの長さより長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の型締装置。
  4. 前記アクチュエータは、閉ループによって制御される電動モータであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の型締装置。
  5. 固定盤、可動盤、および支持盤のいずれかの盤に対して型開閉方向に移動可能に取付けられた移動プレートと、
    該移動プレートに固定された前記アクチュエータと、
    該アクチュエータにより往復移動される作動部と、
    タイバーまたはタイバーに固定される部材と前記作動部との間に連結され前記アクチュエータの駆動をタイバーの移動に変換するリンク機構と、
    固定盤、可動盤、および支持盤のいずれかの盤および/または前記移動プレートに取付けられ前記移動プレートを保持および変位させるシリンダ機構と、
    からなる係合位置調整手段が設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の型締装置。
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