JP3725775B2 - 旋回作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックホー等の旋回作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バックホーは、走行装置上に旋回台を上下方向の旋回軸心回りに左右に旋回自在に支持し、旋回台の前部に掘削装置を設けると共に、旋回台上に、運転席、エンジン、ラジエータ、作動油タンク、燃料タンク等を備えてなる。
走行装置は、トラックフレームの左右両側に、クローラ式走行機構を備えてなる。
トラックフレームは、左右方向中央部のセンター部と、このセンター部の左右両側から左右方向外方に延びる脚部と、左右の各脚部の左右方向外端側に設けられたサイドフレーム部とから主構成されており、センター部上に旋回台が取り付けられると共に、該センター部の前部にドーザ装置が取り付けられ、サイドフレーム部にクローラ式走行機構が装備されている。
【0003】
ドーザ装置は、上下揺動自在な左右一対の揺動アームの前端側にブレードを固定すると共に、左右揺動アーム間に配置されていて揺動アームを上下揺動させる油圧シリンダからなるドーザシリンダを有する。
トラックフレームのセンター部は、上下方向に間隔を有して配置された上板と下板とを前後左右の縦板で連結してなり、前側の縦板の前方側で且つ上板の下面側に、ドーザ装置を取り付けるドーザブラケットが溶接固定されている。
このドーザブラケットは、左右方向中央部に配置されたシリンダ取付部を構成するドーザブラケットと、このシリンダ取付部の左右両側に配置されていて揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットとがあり、これらシリンダ取付部及び左右の揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットはそれぞれ一対設けられて左右方向対向状に配置されている。
【0004】
左右の揺動アーム取付部のドーザブラケット間には、左右の揺動アームの後端側の枢支部が左右方向の軸心回りに回動自在に枢着されていて、該揺動アームが上下揺動自在とされ、シリンダ取付部のドーザブラケット間には、ドーザシリンダの後端側の枢支部が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着され、ドーザシリンダの前端側の枢支部は、左右の揺動アームの前部間に設けられた、シリンダブラケットに左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されており、ドーザシリンダを伸縮させることにより、揺動アームが上下に揺動されるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のものにおいて、ドーザブラケットをトラックフレームの上板に溶接固定する場合、溶接トーチは所定の角度(約45°)で、溶接しようとする個所にあてなければ、良好に溶接できないが、揺動アーム取付部及びドーザシリンダ取付部を構成する一対のドーザブラケットの間の左右間隔は狭く、溶接トーチを所定の角度でドーザブラケット間に入れることができなく、ドーザブラケットの対向内側の上端側をトラックフレームの上板下面にうまく溶接できず、溶接不良を生じる場合がある。
【0006】
また、トラックフレームの上板は高さが比較的低く、ドーザブラケットの対向内側の上端側をトラックフレームの上板下面に溶接する場合、しゃがんだ状態で斜め下方から溶接しなければならず、無理な姿勢で溶接するために、溶接不良が生じ易いと共に、作業性が悪いという問題もある。
また、ドーザブラケット回りには、作業時に、ドーザシリンダに作用する反力と揺動アームに作用する反力とにより、回転モーメントを受けるため、強度上、かなり強固な構造とする必要があり、溶接不良があるのは好ましくなく、しかも、この強固な構造の為、重量アップとなり、安定性向上の妨げとなっている。
【0007】
また、ドーザブラケットには、回転モーメント以外にも、たおれ、ねじれ等の外力を受けるため、これに対する強度を確保するため、横剛性もアップする必要がある。
本発明は、前記問題点に鑑みて、主として、ドーザブラケットの強度の確保及び向上を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が技術的課題を解決するために講じた技術的手段は、下部の走行装置と上部の旋回台と走行装置の前部に設けられたドーザ装置とを有し、ドーザ装置は、左右一対の揺動アームと、この左右揺動アームの前端側に固定されたブレードと、左右揺動アーム間に配置されていて揺動アームを上下揺動させるドーザシリンダとを備えてなり、走行装置は走行フレームの左右両側に走行機構を備えて構成され、走行フレームは左右方向中央部の上面側に旋回台を旋回自在に支持する上板を備え、この上板の前側の下面側に、板材から構成されていて板厚方向が左右方向となるように左右対向状に配置された一対のドーザブラケットが溶接固定され、この左右一対のドーザブラケットは、上板の左右方向中央部に配置されてドーザシリンダの一端側を枢支するシリンダ取付部を構成するドーザブラケットと、このシリンダ取付部の左右両側に配置されて揺動アームの後端側を枢支する揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットとを備えた旋回作業機において、
前記上板前部の、シリンダ取付部と左右各揺動アーム取付部とに対応する位置に、ドーザブラケットの上端側を、上板の上方側から該上板に溶接固定するための穴を貫通状に形成し、シリンダ取付部に対応する穴は、シリンダ取付部を構成する一対のドーザブラケットの各上端面の対向内側が露出するように左右のドーザブラケットにわたって形成され、揺動アーム取付部に対応する穴は、揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットの左右 方向内側のドーザブラケットの上端面の対向内側が露出するように且つ該ドーザブラケットの左右方向外側のドーザブラケット上端面が露出しないように形成されており、揺動アーム取付部を構成する一対のドーザブラケットの左右方向外側のドーザブラケットの上端面の対向外側を上板に溶接固定すべく、該ドーザブラケットの上端面の対向外側が、走行フレームの上板から露出するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記穴からドーザブラケットの上端面が、該ドーザブラケットの厚さ方向略中央部まで露出しているのがよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図3において、1は旋回作業機として例示するバックホーであり、このバックホー1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とから主構成されており、走行装置2の前部にはドーザ装置4が取り付けられ、旋回体3は旋回台5に、掘削装置(作業装置)6、運転席7、操縦装置8、キャノピ9、エンジン、ラジエータ、燃料タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、油圧機器のコントロールバルブ、ボンネット等を備えてなる。
【0011】
このバックホー1は、後方小旋回型バックホーと称されるもので、旋回台3の後面が、旋回しても走行装置2の左右幅からはみでないように略円弧状に形成されている。
走行装置2は、本実施の形態では、図4及び図5に示すように、トラックフレーム(走行フレーム)11の左右両側にクローラ式走行機構12を備えてなるクローラ式走行装置が採用されている。
トラックフレーム11は、図2、図4〜図7に示すように、上面に旋回ベアリング13を支持しかつ中央にスイベルジョイント14を設けたセンター部15と、このセンター部15から左右方向外方突出状に設けられた支持脚部16と、左右各支持脚部16の左右方向外端側に位置してクローラ式走行機構12を支持するサイドフレーム部17とを有している。
【0012】
クローラ式走行機構12は、サイドフレーム部17の前部に回転自在に支持されたアイドラ18と、サイドフレーム部17の後部に設けた油圧モータ等からなる走行モータMに設けられて回転駆動可能とされた駆動輪(スプロケット)19と、サイドフレーム部17の下部に回転自在に設けられた複数個の転輪20と、サイドフレーム部17上部の前後中途部に設けられたキャリヤローラ21と、これらアイドラ18,駆動輪19、転輪20キャリヤローラ21に亘って巻き掛けられたゴム製又は鉄製のクローラベルト22とを備えて構成され、駆動輪19を走行モータMで駆動してクローラベルト22を循環回走させることで、バックホー1を前後進させるように構成されている。
【0013】
ドーザ装置4は、トラックフレーム11のセンター部15から前方に突出すると共に、センター部15に上下揺動自在に支持された揺動アーム24と、この揺動アーム24の前端側に固着されたブレード25と、揺動アーム24を昇降する(上下動させる)油圧シリンダ(又は他のアクチュエータ)からなるドーザシリンダ26とを有する。
前記旋回台5は、トラックフレーム11に、旋回ベアリング13を介して上下方向の旋回軸心Xを中心に左右に旋回自在に支持されており、厚板材からなる旋回基板27上に補強部材、機器取り付け用のステー、ブラケット等を設けてなる旋回フレーム28を有し、この旋回フレーム28の後部に、旋回台5の後部を構成するウエイト29が取り付けられ、旋回フレーム28の前面、左右側面及び上面の適宜個所がカバー体によって覆われてなる。
【0014】
旋回フレーム28(旋回台5)の前部には、支持ブラケット30が固定され、この支持ブラケット30に前記掘削装置6が装着されている。
この掘削装置6は、前記支持ブラケット30に縦軸を介して上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持された揺動ブラケット31にブーム32とブームシリンダ33の各基端部を枢支し、ブーム32の先端にアーム34を枢支して該アーム34をアームシリンダ35で揺動可能にし、アーム34の先端にバケット(作業具)36を枢支して該バケット36をバケットシリンダ37で掬い及びダンプ動作可能にしている。
【0015】
前記トラックフレーム11のセンター部15は、上板39と下板40とを前後左右の縦板41,42,43で連結して四角箱形状に形成されている。
支持脚部16は、前記センター部15の上板39の左右側縁から左右方向外方に延びる上脚板44と、センター部15の下板40の左右側縁から左右方向外方に延びる下脚板45と、上下脚板44,45を連結する前後の連結板46,47とから主構成され、上脚板44は、上板39とは別体で形成され、下脚板45は下板40と一体形成され、前連結板46は前縦板41と一体形成され、後連結板47は後縦板42と一体形成されている。
【0016】
なお、一枚板からなる一体のものを別体で形成して溶接して接続し、別体のものを溶接してなるものを一枚板で一体に形成してもよい。また、上脚板44には孔は形成されていない。
上下の脚板44,45は、図7及び図10に示すように、センター部15から左右外方へかつ下向き傾斜して設けられ、サイドフレーム部17に接続されている。
また、上脚板44は1枚板で形成され、この上脚板44左右方向内端側は、上方に向けて折曲されると共に、該折曲部分の左右方向内端側をセンター部15の上板39の側面に、上板39の上面から上方に突出するように接当させ、この上脚板44の折曲部分の上板39上面から上方に突出した部分と、上板39上面とを溶接により固定している。
【0017】
このように構成することで、溶接の信頼性を確保することができるのである。
すなわち、図11に示すように、上脚板44の左右方向内端側が上板39の下面側に溶接固定されるように構成されていると、上脚板44の左右方向内端側の上板39に対する位置決めが難しく、溶接強度にバラツキが生じることとなるが、本実施の形態のものでは、このようなことはないようになっている。
また、上脚板44は、左右方向中途部で、下部側が上部側に対して緩斜面となるように、屈曲されている。
【0018】
このように構成することで、トラックフレーム11の剛性向上が図れると共に、上脚板44とクローラベルト22との間の隙間が大きくなり、土の排除性が向上すると共に、この隙間に土落とし用の棒等を入れやすいようになっている。
左右各サイドフレーム部17は、前部及び中途部を構成する正面視略門型形の主体部48と、後部のモータホルダ49とから主構成され、主体部48は支持脚部16に連結され、モータホルダ49は主体部48の後端に固着された支持板50に固着されている。
【0019】
また、前記主体部48にアイドラ18、転輪20及びキャリヤローラ21が取付支持され、モータホルダ49に走行モータMが取付支持されている。
なお、センター部15において、上板39には中央に大きな円形孔51が形成され、上板39の上面には円形孔51の外方に設けた取付部52に旋回ベアリング13の内輪が固着されると共に、旋回ベアリング13の外輪が旋回フレーム28の旋回基板27下面に固定され、旋回ベアリング13の内輪の内周面には、旋回台5に取付けられた旋回モータのピニオンが噛合する大ギヤが形成されており、旋回モータを駆動することにより旋回台5を旋回できるようになっている。
【0020】
前記センター部15の上板39は厚肉の堅牢な板材によって形成され、この上板39の前部は、前縦板41及び支持脚部16の左右方向内端側より大きく前方へ突出した延設部53を有し、この延設部53の下面に、板材からなり左右対向状に配置された一対の(一対で一組の)ドーザブラケット54,55a,55bが、左右方向複数個所(3個所)配置されており、各ドーザブラケット54,55a,55bの、上板39、下板40及び前縦板41に対応する端縁等が、上板39、下板40及び前縦板41に溶接により接合固定されている。
【0021】
左右一対のドーザブラケット54,55a,55bは、上板39の左右方向略中央部に配置されていてシリンダ取付部56を構成するドーザブラケット54と、このシリンダ取付部56の左右両側に配置されていて揺動アーム取付部57を構成するドーザブラケット55a,55bとがある。
左右の揺動アーム取付部57を構成するドーザブラケット55a,55b間(の前部)には、左右の揺動アーム24の後端側の枢支部が左右方向の軸心回りに回動自在に枢着されていて、該揺動アーム24がドーザブラケット55a,55bに上下揺動自在に支持されている。
【0022】
また、シリンダ取付部56を構成するドーザブラケット54間(の前部)には、ドーザシリンダ26の一端側(後端側)の枢支部が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着され、ドーザシリンダ26の他端側(前端側)の枢支部は、左右の揺動アーム24の前部同志を連結する連結部材58の左右方向略中央部に設けられた左右一対のシリンダブラケット59間に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されており、ドーザシリンダ26を伸縮させることにより、左右の揺動アーム24が上下に揺動されるように構成されている。
【0023】
前記ドーザブラケット54,55a,55bは、従来技術においては前縦板41の前面に固着されて、強度上、前縦板41からの突出量を大きくできなかったために、ドーザシリンダ26の枢支部が前縦板41の近くに位置しており、揺動アーム24の枢支部を下板40より下方に突出する位置に採ることにより、揺動アーム24とドーザシリンダ26の枢支部との距離を確保するようになっていた。
しかし、前述のように、上板39の前部を大きく突出させた延設部53を形成することにより、ドーザシリンダ26の枢支部を前方に位置変更させることができ、それにより、揺動アーム24の枢支部を下板40よりも上方に位置変更させることができるようになる。
【0024】
そして、揺動アーム24の枢支部は、上方へ位置変更することにより、下板40又は下板40に形成される開口を塞ぐ底板(トラックフレーム11のセンター部15の下面)より下方へ突出しなくなり、即ち、センター部15の下面以上の高さに配置できるようになり、トラックフレーム11が石等の障害物を跨ぐときにその障害物と接触することがなくなる。
換言すると、障害物との干渉を回避するために、揺動アーム24の枢支部を上方に位置変更し、揺動アーム24を揺動するための枢支点間距離を確保するために、ドーザシリンダ26の枢支部を前方に位置変更し、そのような揺動アーム24及びドーザシリンダ26を強固に支持するために、上板39を前方に大きく突出させている。
【0025】
前記上板39の延設部53には、左右方向中央部及び左右両側の3つの穴61,62が上下方向貫通状に形成されており、左右方向中央部の穴61は、シリンダ取付部56を構成するドーザブラケット54に対応する位置に形成され、左右両側の穴62は揺動アーム取付部57を構成するドーザブラケット55a,55bに対応する位置に形成されている。
この穴61,62は、左右一対のドーザブラケット54,55a,55bの、ドーザブラケット対向方向内側(これを対向内側といい、また、これに対し、ドーザブラケット対向方向外側を対向外側という)の上端側を上板39の下面に溶接する場合において、左右一対のドーザブラケット54,55a,55b間の間隔が狭く、このドーザブラケット54,55a,55b間に斜め下側から溶接トーチを最適な角度で挿入することができないがために、この左右一対のドーザブラケット54,55a,55bの対向内側の上端側を上板39に、該上板39の上方側から溶接できるように形成したものであり、このように穴61,62を形成することで、狭いドーザブラケット54,55a,55b間の対向内側の上端側を精度良く溶接できるのである。
【0026】
また、上から溶接できるので、比較的楽な姿勢で溶接作業を行うことができ、溶接精度を向上させることができる。
さらに、上板39に穴61,62を形成することで、重量軽減を図ることができる。
前記穴61,62は、該穴61,62からドーザブラケット54,55の上端面の対向内側が、ドーザブラケット54,55a,55bの厚さ方向(左右方向)略中央部まで露出するように形成されている。
【0027】
詳しくは、中央部の穴61からは、シリンダ取付部56を構成する左右各ドーザブラケット54の上端面の対向内側が、ドーザブラケット54の厚さ方向略中央部まで露出しており、左右両側の穴62からは、揺動アーム取付部57を構成するドーザブラケット55a,55bの、左右方向内方側のドーザブラケット55aの上端面の対向内側が、ドーザブラケット54の厚さ方向略中央部まで露出している。
そして、この露出したドーザブラケット54,55aの上端面の対向内側と、上板39に形成した穴61,62の内面とを溶接することで、ドーザブラケット54,55aの対向内側の上端側が上板39に固定されるようになっている。
【0028】
また、揺動アーム取付部57を構成するドーザブラケット55a,55bの、左右方向外方側のドーザブラケット55bの対向内側の上端側は、穴62を介して上板39の下面に溶接される。
このようにして、ドーザブラケット54,55aの対向内側の上端側の溶接精度を良好に確保でき、ドーザブラケット54,55aの横剛性を十分確保できる。
なお、穴61,62を形成する場合、穴61,62からドーザブラケット54,55の上端面の対向内側が露出するように形成されていなくてもよいが、例えば、穴61,62の左右側縁がドーザブラケット54,55a,55bの対向内側の上端縁に一致していると、穴61,62の内面とドーザブラケット54,55a,55bの対向内側の面とが面一になり、ドーザブラケット54,55a,55bの対向内側の上端側と穴61,62の内面とを溶接する場合、溶接ビードが垂れ下がり、溶接不良を起こすことが多く、また、穴61,62を開け且つドーザブラケット54,55の対向内側の上端側を上板39の下面に溶接する構成とすると、必然的に穴61,62の大きさが小さくなり、溶接しにくくなると共に、重量軽減効果が小さくなるという不具合が生じる。
【0029】
また、ドーザブラケット54,55aの対向内側の、上端面が穴61,62から露出していない部分については、ドーザブラケット54,55aの対向内側の上端側が上板39の下面に溶接される。
また、揺動アーム取付部57を構成するドーザブラケット55a,55bの、左右方向外方側のドーザブラケット55bは、その上端面の対向外側が、上板39からドーザブラケット55bの厚さ方向略中央部まで露出するように配置されており、この露出した部分と、上板39の側面とを溶接することで、ドーザブラケット55a,55bの、左右方向外方側のドーザブラケット55bの対向外側の上端側が上板39に固定されており、この部分についても、上から溶接できるようにしており、溶接精度を良好に確保でき、ドーザブラケット54,55の横剛性を十分確保できるようにしている。
【0030】
なお、揺動アーム24及びドーザシリンダ26の枢支部はドーザブラケット54、55に左右方向から支軸を挿入して連結するようになっており、上板39の左右方向外方側に前記支軸の配置空間が形成されている。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、下部の走行装置と上部の旋回台とを有し、走行装置は走行フレームの左右両側に走行機構を備えて構成され、走行フレームは左右方向中央部の上面側に旋回台を旋回自在に支持する上板を備え、この上板の前側の下面側に、左右対向状に配置された一対のドーザブラケットが溶接固定され、この左右一対のドーザブラケットは左右方向複数個所に配置されていて、該ドーザブラケットにドーザ装置が取り付けられている旋回作業機において、
上板のドーザブラケットに対応する個所に、一対のドーザブラケットの対向内側上端側を、上板の上方側から該上板に溶接固定するための穴を貫通状に形成したので、溶接精度が向上され、ドーザブラケットの剛性を確保でき、また、穴を開けることにより重量軽減を図ることができる。
【0032】
また、穴からドーザブラケットの上端面の、ドーザブラケット対向方向内側が露出するように、穴を形成することにより、溶接精度を向上させることができる。
また、ドーザブラケットの上端面の、ドーザブラケット対向方向内側が、ドーザブラケットの厚さ方向略中央部まで露出しているよう構成することで、溶接精度をさらに向上させることができる。
また、ドーザ装置は、左右一対の揺動アームと、この左右揺動アームの前端側に固定されたブレードと、左右揺動アーム間に配置されていて揺動アームを上下揺動させるドーザシリンダとを備えてなり、一対のドーザブラケットは、上板の左右方向中央部に配置されてドーザシリンダの一端側を枢支するシリンダ取付部を構成するドーザブラケットと、このシリンダ取付部の左右両側に配置されて揺動アームの後端側を枢支する揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットとを備え、揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットの左右方向外側のドーザブラケットの上端面の、ドーザブラケット対向方向外側が、走行フレームの上板から露出するように設けられていることにより、さらに、溶接精度をさらに向上させることができる。
【0033】
また、従来技術においては、ドーザブラケットは走行フレームの中央部の前縦板の前面に固着されていて、強度上、前縦板からの突出量を大きくできなかったために、ドーザシリンダの枢支部が前縦板の近くに位置しており、揺動アームの枢支部を、走行フレームの中央部下面より下方に突出する位置に採ることにより、揺動アームとドーザシリンダの枢支部との距離を確保するようになっていたが、走行フレームの上板の前部に、前方突出状に延設した延設部を形成し、この延設部の下面側にドーザブラケットを溶接固定することで、ドーザシリンダの枢支部を前方に位置変更させることができ、それにより、揺動アームの枢支部を走行フレームの中央部下面よりも上方に位置変更させることができるようになり、走行フレームが石等の障害物を跨ぐときに、ドーザブラケット等がその障害物と接触することがなくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラックフレーム前部の平面図である。
【図2】 トラックフレームの平面図である。
【図3】 バックホーの側面図である。
【図4】 走行装置の平面図である。
【図5】 走行装置等の側面図である。
【図6】 トラックフレームの側面図である。
【図7】 トラックフレームの正面図である。
【図8】 図2のA−A線矢示断面図である。
【図9】 図2のB−B線矢示断面図である。
【図10】 トラックフレームの一部の正面図である。
【図11】 比較例に係るトラックフレームの一部の正面図である。
【符号の説明】
2 走行装置
4 ドーザ装置
5 旋回台
11 トラックフレーム(走行フレーム)
12 クローラ式走行機構
24 揺動アーム
25 ブレード
26 ドーザシリンダ
39 上板
53 延設部
54 ドーザブラケット
55a ドーザブラケット
55b ドーザブラケット
56 シリンダ取付部
57 揺動アーム取付部
61 穴
62 穴
Claims (2)
- 下部の走行装置と上部の旋回台と走行装置の前部に設けられたドーザ装置とを有し、ドーザ装置は、左右一対の揺動アームと、この左右揺動アームの前端側に固定されたブレードと、左右揺動アーム間に配置されていて揺動アームを上下揺動させるドーザシリンダとを備えてなり、走行装置は走行フレームの左右両側に走行機構を備えて構成され、走行フレームは左右方向中央部の上面側に旋回台を旋回自在に支持する上板を備え、この上板の前側の下面側に、板材から構成されていて板厚方向が左右方向となるように左右対向状に配置された一対のドーザブラケットが溶接固定され、この左右一対のドーザブラケットは、上板の左右方向中央部に配置されてドーザシリンダの一端側を枢支するシリンダ取付部を構成するドーザブラケットと、このシリンダ取付部の左右両側に配置されて揺動アームの後端側を枢支する揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットとを備えた旋回作業機において、
前記上板前部の、シリンダ取付部と左右各揺動アーム取付部とに対応する位置に、ドーザブラケットの上端側を、上板の上方側から該上板に溶接固定するための穴を貫通状に形成し、シリンダ取付部に対応する穴は、シリンダ取付部を構成する一対のドーザブラケットの各上端面の対向内側が露出するように左右のドーザブラケットにわたって形成され、揺動アーム取付部に対応する穴は、揺動アーム取付部を構成するドーザブラケットの左右方向内側のドーザブラケットの上端面の対向内側が露出するように且つ該ドーザブラケットの左右方向外側のドーザブラケット上端面が露出しないように形成されており、揺動アーム取付部を構成する一対のドーザブラケットの左右方向外側のドーザブラケットの上端面の対向外側を上板に溶接固定すべく、該ドーザブラケットの上端面の対向外側が、走行フレームの上板から露出するように構成されていることを特徴とする旋回作業機。 - 前記穴からドーザブラケットの上端面が、該ドーザブラケットの厚さ方向略中央部まで露出していることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000336649A JP3725775B2 (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 旋回作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000336649A JP3725775B2 (ja) | 2000-11-02 | 2000-11-02 | 旋回作業機 |
Publications (2)
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