JP3725673B2 - ホースアセンブリ - Google Patents

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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
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    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、最内層がポリアミドなどの熱可塑性樹脂層のゴム製ホースと金属製の継手とからなるホースアセンブリ、とくにカークーラーなどの冷房装置の冷媒輸送用ホースアセンブリに関する。本発明によれば、輸送液体またはガスの漏洩を長期間防止することができる。
【0002】
【従来の技術】
ホースにニップルとソケットを有する継手金具を挿入固着するばあい、ホースの最内層がゴムのようなシール性に優れた材質の物であれば、ホース内径と同じか若干大きいニップルを挿入しソケットでカシメれば充分な結合強度とシール力がえられる。しかし、カークーラーなどの冷房装置の冷媒輸送用ホースなどは浸透力の大きいフロン系の冷媒を輸送するため、その最内層に150ミクロン以下のポリアミドの薄層が形成されている。このホースに前記のニップルを挿入しカシメても、ポリアミド層のガスケット係数が大きいため、充分なシール力がえられない。そこで現在、ホース内径と同程度のニップルを用い、挿入したニップルの表面とホースのポリアミド層とを接着剤で接着結合している(特開平2−236086号公報)。
【0003】
そうした接着剤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂系接着剤;クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、クロロプレンゴムなどのゴム系接着剤などが使用されている。
【0004】
しかし樹脂系接着剤は、接着力は大きいものの接着剤層が硬いため、ホース内圧の変動や外力により接着剤層に亀裂や剥離が生ずることがある。一方、ゴム系接着剤は柔軟性はあるが、接着力が低く大きな内圧がかかったばあいなどのシール性に問題が残る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の接着剤はいずれも長期間のシール力の維持の点で解決すべき問題がある。
【0006】
本発明は、継手金具の挿入が容易でかつ優れたシール力を長期間維持できるホースアセンブリを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴム製のホースとその端部に挿入されている金属製の継手とからなり、ゴム製のホースの最内層が熱可塑性樹脂層であり、該熱可塑性樹脂層と金属製の継手の挿入部表面とのあいだに接着剤層が存在しており、該接着剤層がアクリロニトリルブタジエンゴム(以下、「NBR」という)とノボラック型フェノール樹脂との重量比で60/40〜30/70の混合物とからなり
前記金属製の継手がニップルを有しており、接着剤層が該ニップルの表面に設けられている環状の溝の少なくとも一部に形成され、前記ニップルがホースに挿入されたのち、カシメられ、
アクリロニトリルブタジエンゴムがカルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムであり、
前記接着剤層が、アクリロニトリルブタジエンゴムとノボラック型フェノール樹脂との重量比で60/40〜30/70の混合物を濃度15〜25重量%で溶解している有機溶剤型接着剤組成物から形成されてなる
ことを特徴とするホースアセンブリに関する。該NBRはカルボキシル化NBRであるのが好ましい。
【0008】
また、接着剤層が、NBRとノボラック型フェノール樹脂との重量比で60/40〜30/70の混合物を濃度15〜25%(重量%。以下同様)で溶解している有機溶剤型接着剤組成物から形成されているのが好ましい。
【0009】
金属製の継手がニップルを有しており、接着剤層がそのニップルの表面に設けられている環状の溝の少なくとも一部に形成されていれば、本発明の目的は達成できる。
【0010】
かかるホースアセンブリは、冷房装置の冷媒輸送用のホースのホースアセンブリとして特に有用であり、冷媒が潤滑油を含む含フッ素化合物からなる混合物であるときに特に効果を発揮する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のホースアセンブリは、金属製の継手の挿入部(以下、ニップルに代表させて説明する)の表面とホースの熱可塑性樹脂最内層との間に形成されている接着剤層に特徴がある。
【0012】
かかる接着剤層は、NBRとノボラック型フェノール樹脂との特定範囲の混合物を含むものである。この接着剤層において、NBRは接着剤層に柔軟性を付与する機能を果たし、ノボラック型フェノール樹脂はニップル表面と熱可塑性樹脂最内層とを接着する機能を果たす。
【0013】
ホースの最内層を構成している熱可塑性樹脂としてはポリアミドが一般的であるが、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなども適用できる。
【0014】
一般にこの種のホースアセンブリは、ニップルをゴム製のホースに挿入した後ソケットでホースの外周をカシメてシール性と結合力をもたす。その結果、初期にはホースのゴム層の内部応力によりシール性は保たれているが、熱などによりゴムが老化すると内部応力が低下し、漏洩が始まる。本発明では、ゴムの内部応力でシール力を維持している初期の段階ではNBRで接着剤層の柔軟性を高め、ゴムが熱により老化した後はノボラック型フェノール樹脂が熱により接着力を生じシール力を維持するものである。
【0015】
本発明で接着剤のゴム成分としてNBRを採用しているのは、併用するフェノール樹脂との相溶性が良好であり、また同一溶剤に可溶であるからである。NBRとしては通常のNBRでもよいが、金属および熱可塑性樹脂との密着性やフェノール樹脂との相溶性を向上させる点からカルボキシル化NBRが好ましい。
【0016】
また、ノボラック型フェノール樹脂を採用したのは、その熱可塑性樹脂への大きな接着力が期待できるほか、金属との接着力も良好であるからである。レゾール型ではなくノボラック型を採用したのは、レゾール型では熱により硬化し硬くなりすぎるため接着破壊などを生じ長期のシール性に問題があるからである。その点ノボラック型では熱による硬化が生じず接着力が主として生じるので、ゴムの熱劣化によるシール性の低下を補填でき、長期のシール力を維持できる。
【0017】
こうしたシール力の維持の確実にするためには、NBRとノボラック型フェノール樹脂の配合割合が重要である。本発明では、NBR/ノボラック型フェノール樹脂の重量比を60/40〜30/70、好ましくは60/40〜40/60、特に好ましくは60/40〜50/50とする。NBRが多くなりすぎると接着力が不充分となり熱老化後のシール性が低下する傾向にある。一方、ノボラック型フェノール樹脂が多くなりすぎると接着剤層の柔軟性が不充分となり、従来と同じくホースの内圧の変動や外力による接着破壊が生じやすくなる。
【0018】
接着剤層は有機溶剤型接着剤組成物をニップルの表面あるいはホースの内面に塗布し、要すれば乾燥し、ついでニップルをホースに挿入することによって形成できる。接着剤層はニップルの表面全体に形成してもよいが、ニップルの表面に設けられている環状の溝のみ、それも溝の一部を埋めるように形成しても本発明の長期のシール性は維持できる。これはニップルをホースに挿入しカシメることにより、ホースの内面とニップルの溝が密着するからである。
【0019】
有機溶剤型接着剤組成物は、有機溶剤にNBRとノボラック型フェノール樹脂とを所定量溶解してえられる。有機溶剤としては、たとえばメチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチルなどが用いられる。
【0020】
有機溶剤型接着剤組成物は、塗工性、作業性の点からNBRとフェノール樹脂の混合物の合計濃度が15〜25%、好ましくは17〜21%とする。濃度が低くなりすぎると必要な接着剤層の膜厚がえられず、高くなりすぎると膜厚が厚くなりすぎてニップルの挿入が困難になることがある。
【0021】
こうした塗工性、作業性を改善、調整するするために、適宜カーボンブラックや顔料などの着色剤などを本発明の効果を損なわない範囲の量添加してもよい。
【0022】
本発明のホースアセンブリは、自動車用、家庭用、業務用などの各種冷房装置の冷媒輸送(循環)用のホース、ガソリンやアルコールなどの燃料輸送用ホースなどに好適である。したがって、輸送すべき液体またはガスは用途によって異なるが、前記冷房装置用の冷媒としては、通常、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)などの含フッ素化合物に潤滑油を配合したものが使用されている。そのほか、ガソリン、アルコールなどの燃料用の液体にも適用できる。
【0023】
ホースの構造は、主要部分がゴム層からなり最内層が熱可塑性樹脂であるものであれば、特に限定されない。
【0024】
金属製の継手としては、ニップルとソケットを有するもののほか、ニップルを挿入後バンドで締めつけるタイプのものなど通常使用されているものが使用できる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
実施例1
カルボキシル化NBR(ポリサー社製のKRYNAC X7.50)60重量部とノボラック型フェノール樹脂(SCHENECTADY社製のSP 6700)40重量部をMEKに溶解して濃度20%の接着剤組成物を調製した。
【0027】
この接着剤組成物を金属製継手(深さ0.5mmの環状の溝が3本設けられている最大外径12mmのニップルをもつ)のニップル表面にディップコーティング法により塗布し、150℃で3分間乾燥して厚さ約20ミクロンの接着剤層を形成した。この塗布乾燥後の接着剤層の硬さを指触で調べた(結果を表1に示す)。この継手2個を内側から150ミクロン厚のポリアミド層、1.3mm厚のゴム(ブチルゴム)層、ポリエステル繊維補強層、カバーゴム層からなる冷房装置の冷媒輸送用のゴムホース(内径12mm、外径19.5mm)の両端に挿入しソケットでカシメ、本発明のホースアセンブリを作製した。
【0028】
このホースアセンブリについて、つぎの漏洩試験を行なった。結果を表1に示す。
【0029】
(漏洩試験)
ホースアセンブリのホース内にR134aを内容量の約70%ほど充填し両端を封止する。このアセンブリを100℃に加熱してホース内部を加圧状態にし、この状態で静置する。168時間後室温まで冷却しR134aを放出したのち、チッ素ガスを36kgf/cm2 で5分間圧入してチッ素ガスの漏出の有無を目視で調べる。漏出が認められないばあいは、再度上記の手順でR134aを封入して漏洩試験を繰り返す。
【0030】
比較例1〜10
接着剤組成物として、表1に示す材料を用いた以外は実施例1と同様にしてホースアセンブリを作製し、漏洩試験を行なった。結果を表1に示す。
【0031】
なお、各比較例で使用した接着剤はつぎのものである。
【0032】
一液型エポキシ樹脂:コニシ(株)製のボンドE40。
塩化ゴム:ロードファーイースト社製のケムロック205。
可溶性ポリアミド:Plate Bonn社製のプラタボンドMX1602。
カルボキシル化NBR:ポリサー社製のKRYNAC X7.50。
アクリル系接着剤:東洋インキ製造(株)製のオリバインBPS5269。
シリコーン系接着剤:コニシ(株)製のボンドMOS10。
二液型エポキシ樹脂:ロードファーイースト社製のフューザー320/322。
ウレタン系接着剤:ロードファーイースト社製のタイライト7500。
レゾール型フェノール樹脂接着剤:(株)東洋化学研究所製のメタロックNC。
【0033】
【表1】
Figure 0003725673
【0034】
表1から明らかなように、ゴム系接着剤または合成樹脂系接着剤の単独使用では長期のシール性がえられず、NBRとレゾール型フェノール樹脂の併用(重量比60/40)のばあいではレゾール型フェノール樹脂の単独使用よりもシール性の持続効果に劣っている。
【0035】
実施例2
NBRとノボラック型フェノール樹脂との配合比を表2に示す重量比としたほかは実施例1と同様にして調製した接着剤組成物(濃度20%)を用いて、実施例1と同様にしてホースアセンブリを作製し漏洩試験を行なった。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003725673
【0037】
表2より、NBRとノボラック型フェノール樹脂との配合比が60/40〜30/70(重量比)の範囲にあるとき、長期のシール性が維持できる。
【0038】
実施例3
接着剤組成物におけるNBRとノボラック型フェノール樹脂との合計濃度の影響について、NBRとノボラック型フェノール樹脂(重量比60/40)との合計濃度15%、16%、18%、20%および25%の接着剤組成物(溶剤MEK)を調製し、実施例1と同様にしてホースアセンブリを作製して実施例1と同様にして漏洩試験を行ない、また、塗装時の作業性および1回の塗装により形成される接着剤層の膜厚を調べた。その結果、塗装の作業性は濃度が高くなるとともに均一な膜厚を形成しにくくなっていき、膜厚も約15ミクロンから約40ミクロンへと厚くなっていき、ニップルの挿入時に余分な接着剤が出てくるが、いずれの接着剤組成物でも504時間(漏洩試験3回)でも漏出は認められなかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、浸透性の高いクーラー用の冷媒などの液体またはガスを長期間漏洩することなく保持することのできるホースアセンブリを提供することができる。

Claims (3)

  1. ゴム製のホースとその端部に挿入されている金属製の継手とからなり、ゴム製のホースの最内層が熱可塑性樹脂層であり、該熱可塑性樹脂層と金属製の継手のホース内挿入部表面とのあいだに接着剤層が存在しており、該接着剤層がアクリロニトリルブタジエンゴムとノボラック型フェノール樹脂との重量比で60/40〜30/70の混合物と有機溶剤とからなり
    前記金属製の継手がニップルを有しており、接着剤層が該ニップルの表面に設けられている環状の溝の少なくとも一部に形成され、前記ニップルがホースに挿入されたのち、カシメられ、
    アクリロニトリルブタジエンゴムがカルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムであり、
    前記接着剤層が、アクリロニトリルブタジエンゴムとノボラック型フェノール樹脂との重量比で60/40〜30/70の混合物を濃度15〜25重量%で溶解している有機溶剤型接着剤組成物から形成されてなることを特徴とするホースアセンブリ。
  2. ホースが、冷房装置の冷媒輸送用のホースである請求項1記載のホースアセンブリ。
  3. 冷媒が、潤滑油を含む含フッ素化合物からなる混合物である請求項2記載のホースアセンブリ。
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