JP2003042366A - ニップルと可撓性ホースの結合方法 - Google Patents

ニップルと可撓性ホースの結合方法

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JP2003042366A
JP2003042366A JP2001225447A JP2001225447A JP2003042366A JP 2003042366 A JP2003042366 A JP 2003042366A JP 2001225447 A JP2001225447 A JP 2001225447A JP 2001225447 A JP2001225447 A JP 2001225447A JP 2003042366 A JP2003042366 A JP 2003042366A
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nipple
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hose
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Makoto Yoshino
誠 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムホース2の加硫処理工程とコーティング
層4の加硫接着工程とを兼ねることにより、加硫工程数
を削減してコストダウンを図る。 【解決手段】 金属ニップル1とゴムホース2との締結
前に、ゴムホース2およびコーティング層4に加熱処理
を施すことで、ゴムホース2の加硫処理工程とコーティ
ング層4の加硫接着工程とを兼ねることができる。ま
た、初期段階から高温、高圧条件下で使用される冷凍サ
イクルの配管接続継手10においては、ゴムホース2の
加硫処理時のコーティング加硫接着処理後に金属スリー
ブ3を外周側からかしめる等のスリーブ締結によるシー
ル面圧付加を行っているので、各々のシール性を初期段
階から最大限に発揮できる。これにより、金属ニップル
1とゴムホース2との間に高いシール力を得ることがで
き、冷媒の漏れを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムパイ
プ等の金属ニップルと三層以上の多層構造のゴムホース
等の可撓性ホースの結合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空調装置の冷凍サイク
ル用配管としての可撓性ホースと金属パイプ(金属ニッ
プル)との間のシール性を保つシール手段として、特許
公報第2551649号には、樹脂層、内面層、補強
層、外面ゴム層よりなる可撓性ホースと金属ニップルと
の間に、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CS
M)、ブチルゴム(IIR)等のシーリング剤を介在さ
せて、金属ニップルに接続された継手金具(金属スリー
ブ)をかしめて可撓性ホースとシーリング剤と金属ニッ
プルを一体的に結合したものが記載されている(第1従
来例)。
【0003】また、特許公報第2589238号には、
内面ゴム層、内管ゴム層、繊維補強層、外管ゴム層より
なる可撓性ホースと金属ニップルとの間に、受酸剤含有
塩素系エラストマ(Cl−IIR)等のシーリング剤を
介在させて、金属ニップルに接続された継手金具(金属
スリーブ)をかしめて可撓性ホースとシーリング剤と金
属ニップルを一体的に結合したものが記載されている
(第2従来例)。
【0004】また、特公平5−32639号公報には、
接着剤が添加されたニトリルゴム(NBR)を金属ニッ
プルの外周面に接着してコーティング層を形成し、その
コーティング層に加硫処理を施し、金属ニップルを金属
スリーブ内に差し込み、金属ニップルと継手金具(金属
スリーブ)との間に可撓性ホースを挿入し、金属ニップ
ルに接続された継手金具をかしめて可撓性ホースとコー
ティング層と金属ニップルを一体的に結合したものが記
載されている(第3従来例)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、第1、第2
従来例に記載された手段においては、金属ニップルと可
撓性ホースとの間に介在するシーリング剤が未加硫ゴム
であるため、熱によるへたりが進み、長時間経過する
と、やがてシーリング剤と可撓性ホースとのシール力が
無くなり、可撓性ホースと金属ニップルとの間のシール
性が低下するという問題が生じている。
【0006】また、第3従来例に記載された手段におい
ては、ニトリルゴム(NBR)がゴム系加硫接着剤のた
め、熱が加わっていない初期使用時に可撓性ホースの内
面とNBRとの接着効果が充分得ることができないとい
う問題が生じている。また、金属ニップルの外周面にN
BRに接着剤を付与したコーティング層をコーティング
した後に、NBRの加硫処理が必要であり、コストアッ
プとなるという問題が生じている。
【0007】ここで、特開昭63−180795号公報
には、図5に示したように、金属ニップル101の外周
全面に、可撓性ホース102の内面に対して馴染み性の
良好なニトリルゴム系加硫接着剤を塗布してコーティン
グ層104を形成し、次に、コーティング層104を充
分乾燥させ、加硫処理(150℃で10分間)を行い、
次に、金属ニップル101を継手金具(金属スリーブ)
103と固着した後に、金属ニップル101と金属スリ
ーブ103との間に可撓性ホース102を挿入し、金属
スリーブ103を外周側からかしめて金属ニップル10
1と可撓性ホース102とを締結し、その後に、金属ニ
ップル101と可撓性ホース102との継手接続部を1
50℃の大気雰囲気中に12時間放置することによって
加熱処理を行ってホース継手を製造するホース継手の製
造方法(第4従来例)が記載されている。
【0008】この第4従来例に記載されたホース継手の
製造方法においては、金属ニップル101と可撓性ホー
ス102とを締結した後に、金属ニップル101と可撓
性ホース102の継手接続部を加熱処理することによ
り、図6のグラフに示したように、初期のコーティング
接着力は向上しているが、背反として可撓性ホース1
02側のシール面圧が低下するため、シール力の目標
値P0 は満たすことはできない。また、第4従来例に記
載されたホース継手の製造方法では、図7のグラフよ
り、短時間の熱処理で可撓性ホース102の圧縮永久歪
みが悪化し、シール面圧が損失する。
【0009】したがって、コーティング層104を介し
て可撓性ホース102と金属スリーブ103を締結後に
へたりが進み、結局ゴム面圧によるシール力は保てなく
なり、コーティング層104による接着力と可撓性ホー
ス102自身のゴム面圧との相乗効果による高いシール
力を得ることはできないという問題が生じている。ま
た、金属ニップル101と可撓性ホース102とを締結
した後に、金属ニップル101と可撓性ホース102の
継手接続部の加熱処理が必要であり、コストアップとな
るという問題が生じている。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、可撓性ホースの加硫処
理工程とコーティング層の加硫接着工程とを1回の加熱
処理により行うことにより、加硫工程数を削減すること
のできるニップルと可撓性ホースの結合方法を提供する
ことにある。また、コーティング層による接着力と可撓
性ホース自身のゴム面圧との相乗効果による高いシール
力を維持することのできるニップルと可撓性ホースの結
合方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、管状のニップルの外周に、接着剤を塗布または
接着してコーティング層を形成し、次に、コーティング
層の外周に、管状の可撓性ホースを装着し、次に、コー
ティング層および可撓性ホースに加熱処理を施し、次
に、ニップルに接続された継手金具をかしめて可撓性ホ
ースとコーティング層とニップルとを一体的に結合する
結合方法を採用している。
【0012】それによって、上記の加熱処理が、可撓性
ホースの加硫処理工程とコーティング層の加硫接着工程
とを兼ねているので、加硫工程数を削減でき、コストダ
ウンを図ることができる。また、上述の結合方法によ
り、加熱処理後の継手金具の締結によるシール面圧付加
を行っているため、各々のシール性を初期段階から最大
限に発揮でき、高いシール力を得ることができる。すな
わち、仮に高温、高圧の条件下であってもニップルと可
撓性ホースとの間のシール性を長期間保つことができる
ので、コーティング層による接着力と可撓性ホース自身
のゴム面圧の相乗効果による高いシール力を維持するこ
とができる。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、可撓性ホ
ースは、少なくともゴム層を含んで構成される内面層、
この内面層の外周を被覆する補強層、およびこの補強層
の外周を被覆する外面層を有する三層以上の多層構造の
ゴムホースであることを特徴としている。それによっ
て、フロンガス等の冷媒を輸送する冷凍サイクル用配
管、特に初期段階から高温、高圧条件下で使用される冷
凍サイクルの高圧配管に利用することができる。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、ゴムホー
スの内面層は、ポリアミド樹脂系またはエチレンビニル
アルコール樹脂系等の熱可塑性樹脂、あるいはニトリル
ゴム(NBR)またはクロロプレンゴム(CR)または
塩素化ブチル系ゴム(Cl−IIR)または臭素化ブチ
ル系ゴム(Br−IIR)またはエチレンプロピレンジ
エンゴム(EPDM)等の未加硫ゴム、あるいはニトリ
ルゴム(NBR)またはクロロプレンゴム(CR)また
は塩素化ブチル系ゴム(Cl−IIR)または臭素化ブ
チル系ゴム(Br−IIR)またはエチレンプロピレン
ジエンゴム(EPDM)等の半加硫ゴム、あるいはこれ
ら2種以上の混合物により構成されていることを特徴と
している。それによって、ゴムホースの内面層は、柔軟
性や冷媒不透過性に優れたものとなる。
【0015】請求項4に記載の発明によれば、ゴムホー
スの樹脂層は、ポリアミド樹脂系またはエチレンビニル
アルコール樹脂系等の熱可塑性樹脂により構成されてい
ることを特徴としている。それによって、ゴムホースの
樹脂層は、柔軟性や冷媒不透過性に優れたものとなる。
また、ゴムホースの内管ゴム層は、ニトリルゴムまたは
クロロプレンゴムまたは塩素化ブチル系ゴムまたは臭素
化ブチル系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴム等
の未加硫ゴム、あるいはニトリルゴムまたはクロロプレ
ンゴムまたは塩素化ブチル系ゴムまたは臭素化ブチル系
ゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴム等の半加硫ゴ
ム、あるいはこれら2種以上の混合物により構成されて
いることを特徴としている。それによって、ゴムホース
の内管ゴム層は、冷媒不透過性に優れたものとなる。
【0016】請求項5に記載の発明によれば、管状のニ
ップルの外周全体に塗布または接着されてコーティング
層を形成する接着剤は、ニトリルゴム(NBR)系また
はクロロプレンゴム(CR)系またはスチレンブタジエ
ンゴム(SBR)系等のゴム系加硫接着剤、あるいはエ
ポキシ樹脂系またはフェノール樹脂系等の樹脂系接着
剤、あるいはこれらの2種以上の合成接着剤により構成
されていることを特徴としている。それによって、接着
剤は、ゴムホースの内面層との接着性に優れたものとな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】[実施形態の構成]発明の実施の
形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここ
で、図1は冷凍サイクルの配管接続継手を示した図で、
図2は金属ニップルの接続継手部とゴムホースの接続継
手部との結合方法を示した図である。
【0018】本実施形態では、細い外径の円管状の金属
パイプ(以下金属ニップルと言う)1と、太い外径で可
撓性のあるゴムホース(本発明の可撓性ホースに相当す
る)2と、金属ニップル1のジョイント部(接続継手
部)とゴムホース2のジョイント部(接続継手部)とを
かしめ接続する金属スリーブ3とによりフロンガス等の
冷媒を輸送する冷凍サイクル用配管、特に初期段階から
高温、高圧の条件下で使用される冷凍サイクルの高圧配
管の配管接続継手10を構成している。また、金属ニッ
プル1のジョイント部の外周全体には、ゴムホース2の
内面層との接着性を向上させるためにゴム系加硫接着剤
または樹脂系接着剤等の接着剤を塗付または接着して、
膜厚が10から50μmの円管状のコーティング層(シ
ーリング層)4が形成されている。
【0019】金属ニップル1は、冷凍サイクルの冷媒圧
縮機側の高圧配管であり、本例では内径が12.0〜1
5.0mmで、肉厚が1.2〜1.8mmのアルミニウ
ムパイプが使用されている。そして、金属ニップル1の
ジョイント部の外周面全体には、切削加工または転造加
工により複数個(本例では3個)の周溝11および1個
の環状溝12が形成されている。周溝11の溝形状は、
台形状で、環状溝12の溝形状は、矩形状である。金属
ニップル1の内部には、冷媒通路13が形成されてい
る。
【0020】ゴムホース2は、冷凍サイクルの冷媒凝縮
器側または冷媒蒸発器側の高圧配管である。フロンガス
等の冷媒を輸送するゴムホース2としては、内面層と繊
維補強層(補強層)と外管ゴム層(外面層)とからなる
円管状で可撓性のある三層以上の多層構造のホースが使
用されている。ゴムホース2の内部には、冷媒通路13
に連通する冷媒通路23が形成されている。なお、ゴム
ホース2の内面層は、コーティング層4の外周に加硫接
着される熱可塑性樹脂層と、この熱可塑性樹脂層の外周
を被覆する内管ゴム層(いずれも図示せず)とからな
る。熱可塑性樹脂層の厚みは、0.15mmで、内管ゴ
ム層の厚みは、1.3mmで、繊維補強層の厚みは、
1.0mmで、外管ゴム層の厚みは、1.0mmであ
る。
【0021】金属スリーブ3は、本発明の継手金具に相
当するもので、金属ニップル1のジョイント部の外周面
に形成された環状溝12に嵌め合わされる円環状部3
1、およびこの円環状部31の外周端部より軸方向に延
ばされて、ゴムホース2のジョイント部の外周に嵌め合
わされる円管状部(スリーブ部)32等から構成されて
いる。円環状部31内には、金属ニップル1のジョイン
ト部を差し込むための円形状の挿入孔33が形成されて
いる。また、円管状部32には、かしめ工程時に形成さ
れる複数個(本例では3個)の段かしめ部34が設けら
れている。
【0022】コーティング層4は、ゴムホース2の熱可
塑性樹脂層との接着性や水分不透過性やガス不透過性や
柔軟性や耐油性の観点から、ニトリルゴム(NBR)系
またはクロロプレンゴム(CR)系またはスチレンブタ
ジエンゴム(SBR)系等のゴム系加硫接着剤、あるい
はエポキシ樹脂系またはフェノール樹脂系等の樹脂系接
着剤、あるいはこれらの2種以上の合成接着剤を用いる
ことが望ましい。
【0023】[実施形態の結合方法]次に、本実施形態
の金属ニップル1の接続継手部とゴムホース2の接続継
手部との結合方法を図1および図2に基づいて簡単に説
明する。
【0024】先ず、金属ニップル1のジョイント部の外
周に、ゴム系加硫接着剤または樹脂系接着剤等の接着剤
を塗付して所定の厚みのコーティング層4を形成する
(第1工程)。ここで、接着剤としては、ニトリルゴム
(NBR)系、クロロプレンゴム(CR)系、スチレン
ブタジエンゴム(SBR)系などのゴム系加硫接着剤お
よびエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系などの樹脂系接
着剤、およびこれらの2種以上の合成接着剤等を使用す
ることが望ましい。これらは、ゴムホース2の熱可塑性
樹脂層との接着性に優れるためである。
【0025】なお、コーティング層4に、クロロスルホ
ン化ポリエチレンゴム(CSM)または塩素化ブチル系
ゴム(Cl−IIR)または臭素化ブチル系ゴム(Br
−IIR)等の未加硫ゴムを用いた場合には、ゴムの他
に、加硫剤、溶剤を含有する。さらに、充填剤、補強
剤、可塑剤、滑剤、老化防止剤等が通常配合されてお
り、また、加硫促進剤、軟化剤、粘着付与剤、老化防止
剤、しゃく解剤、分散剤、加工助剤等が配合されていて
も良い。
【0026】コーティング層4の形成方法は、有機溶剤
に溶融させセメント状にして金属ニップル1のジョイン
ト部の外周面全体に塗布して行う。ゴムをセメント状に
するには、トルエン、キシレン、MEK、酢酸エチル、
ヘキサン等の溶剤を用いる。濃度は作業できる範囲なら
いずれでも良いが、通常の濃度は5〜50重量%とする
のが良い。ゴムをセメント状にして塗布すると、均一な
薄膜形成が可能で微妙な厚さ調整が容易な点で優れてい
る。金属ニップル1とゴムホース2との間に被覆するコ
ーティング層4の膜厚は、10〜50μmが好ましい。
【0027】次に、金属ニップル1を、金属スリーブ3
の円環状部31の挿入孔33から差し込んで、金属スリ
ーブ3の円管状部32内に金属ニップル1のジョイント
部を挿入する。次に、金属スリーブ3の円環状部31を
金属ニップル1のジョイント部の外周面に形成された環
状溝12にかしめ等の手段を用いて嵌め合わせて、金属
スリーブ3を金属ニップル1に接続する。
【0028】次に、金属スリーブ3の円管状部32の開
口部側よりコーティング層4の外周と金属スリーブ3の
円管状部32の内周との間に、ゴムホース2のジョイン
ト部を挿入する(第2工程)。本実施例のゴムホース2
は、熱可塑性樹脂層、内管ゴム層(内面層)と繊維補強
層(補強層)と外管ゴム層(外面層)とからなる三層以
上の多層構造のホースが使用されている。
【0029】ここで、内管ゴム層は、ゴムホース2の最
内層となるものであって、コーティング層4との接着性
や水分不透過性やガス不透過性や柔軟性や耐油性の観点
から、ポリアミド樹脂(PA)またはエチレンビニルア
ルコール樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいはニトリルゴム
(NBR)またはクロロプレンゴム(CR)または塩素
化ブチル系ゴム(Cl−IIR)または臭素化ブチル系
ゴム(Br−IIR)またはエチレンプロピレンジエン
ゴム(EPDM)等の未加硫ゴムまたは半加硫ゴム、あ
るいはこれら2種以上の混合物を用いることが望まし
い。なお、内管ゴム層のゴム組成物には、上記のゴムの
他に、加硫剤、溶剤を含有する。さらに、充填剤、補強
剤、可塑剤、滑剤、老化防止剤等が通常配合されてお
り、また、加硫促進剤、軟化剤、粘着付与剤、老化防止
剤、しゃく解剤、分散剤、加工助剤等が配合されていて
も良い。
【0030】また、繊維補強層は、通常のゴムホースに
用いられるものがそのまま採用され、例えばポリエステ
ル繊維、アラミド繊維等の合成繊維を主体とする糸の、
ブレード編みやスパイラル編み等によって形成される。
さらに、外管ゴム層は、ゴムホース2の最外層となるも
のであって、耐熱性、耐透水性の観点から、エチレンプ
ロピレンジエン三元共重合体ゴム(EPDM)や塩素化
ブチル系ゴム(Cl−IIR)等のゴム材料を用いるこ
とが望ましい。
【0031】次に、コーティング層4の外周と金属スリ
ーブ3の内周との間にゴムホース2を挿入した状態で、
ゴムホース2およびコーティング層4に加熱処理を施す
(第3工程)。この加硫条件は、加硫温度が150℃〜
200℃で、加硫時間が30分間〜90分間が望まし
い。これにより、ゴムホース2の加硫処理工程とコーテ
ィング層4の加硫接着工程とを兼ねることができる。
【0032】次に、金属スリーブ3の円管状部32を外
周側からかしめてゴムホース2を金属ニップル1にかし
め接続する。このような方法で金属ニップル1とゴムホ
ース2とを締結することで、金属ニップル1のジョイン
ト部とゴムホース2のジョイント部と金属スリーブ3の
円管状部32とコーティング層4とを一体的に結合する
(第4工程)。
【0033】[実施形態の効果]本実施形態の金属ニッ
プル1とゴムホース2との結合方法においては、金属ニ
ップル1とゴムホース2との締結後に加硫処理を行わ
ず、金属ニップル1とゴムホース2との締結前に1回の
加熱処理によりゴムホース2およびコーティング層4に
加硫処理を施すことで、ゴムホース2の加硫処理工程と
コーティング層4の加硫接着工程とを兼ねることができ
る。これにより、加硫工程数を削減できるので、コスト
ダウンを図ることができる。
【0034】また、初期段階から高温、高圧条件下で使
用される冷凍サイクルの配管接続継手10においては、
図3のグラフに示したように、ゴムホース2の加硫処理
時のコーティング加硫接着処理後に金属スリーブ3を外
周側からかしめる等のスリーブ締結によるシール面圧付
加を行っているので、高温、高圧条件下においても、コ
ーティング層4による接着力とゴムホース2自身のゴム
面圧の相乗効果による高いシール力を長期間維持するこ
とができる。そして、各々のシール性を初期段階から最
大限に発揮でき、金属ニップル1とゴムホース2との間
に高いシール力を得ることができ、冷媒の漏れを防止す
ることができる。
【0035】ここで、金属ニップル1の外周面全体に形
成されるコーティング層4の種類、熱処理方法(コーテ
ィング接着方法)に関する実施例1、2および比較例1
〜3のシール効果を下記の表1に示す。この実験は、実
施例1、2および比較例1〜3のタイプのものを内圧を
かけた状態で放置した場合のシール効果を測定したもの
である。
【表1】
【0036】先ず、実施例1のコーティング層4の種類
は、ニトリルゴム系加硫接着剤で、また、実施例2のコ
ーティング層4の種類は、エポキシ樹脂系接着剤で、ま
た、比較例2、3のコーティング層4の種類は、ニトリ
ルゴム系加硫接着剤である。これらのコーティング層4
の膜厚は、10〜50μmである。また、実施例1、2
および比較例1〜3共に、金属ニップル1にはアルミニ
ウムパイプを使用し、ゴムホース2には、熱可塑性樹脂
層、内管ゴム層(内面層)と繊維補強層(補強層)と外
管ゴム層(外面層)とからなる三層以上の多層構造のホ
ースが使用されている。
【0037】上記の表1から、コーティング層を持た
ず、熱処理も無い比較例1のタイプの配管接続継手の場
合は、組付直後の初期段階のシール性は良好であるが、
雰囲気温度が90℃、内圧が3MPaで100h経過
(放置)すると、金属ニップル1のジョイント部(接続
継手部)とゴムホース2のジョイント部(接続継手部)
とのシール性が悪化することが分かる。
【0038】また、ニトリルゴム系加硫接着剤をコーテ
ィング層4に使用し、熱処理も無い比較例2のタイプの
配管接続継手の場合は、組付直後の初期段階のシール性
は良好であるが、雰囲気温度が120℃、内圧が10M
Paで24h経過(放置)すると、金属ニップル1のジ
ョイント部(接続継手部)とゴムホース2のジョイント
部(接続継手部)とのシール性が悪化することが分か
る。
【0039】さらに、ニトリルゴム系加硫接着剤をコー
ティング層4に使用し、ゴムホース2の接続継手部の締
結後に熱処理(加硫処理)を行う比較例3のタイプの配
管接続継手の場合は、組付直後の初期段階のシール性は
良好であるが、雰囲気温度が120℃、内圧が10MP
aで100h経過(放置)すると、金属ニップル1のジ
ョイント部(接続継手部)とゴムホース2のジョイント
部(接続継手部)とのシール性が悪化することが分か
る。
【0040】それらに対して、ニトリルゴム系加硫接着
剤をコーティング層4に使用し、ゴムホース2を金属ニ
ップル1に挿入した後にゴムホース2の加硫処理とコー
ティング層4の加硫接着処理を同時に処理する実施例1
のタイプの配管接続継手10の場合、また、エポキシ樹
脂系接着剤をコーティング層4に使用し、ゴムホース2
を金属ニップル1に挿入した後にゴムホース2の加硫処
理とコーティング層4の加硫接着処理を同時に処理する
実施例2のタイプの配管接続継手10の場合は、初期段
階から長期間熱くても、また、長期間高い内圧が加わっ
ても、金属ニップル1のジョイント部(接続継手部)と
ゴムホース2のジョイント部(接続継手部)とのシール
性が良好に保たれることが分かる。
【0041】したがって、本実施形態の金属ニップル1
とゴムホース2との結合方法においては、初期段階から
高温、高圧条件下で使用される冷凍サイクルの高圧配管
の配管接続継手10として、優れたシール効果を得るこ
とができるので、冷媒の漏れや、金属ニップル1からゴ
ムホース2が剥離する等の不具合を解消することができ
る。
【0042】[他の実施形態]本実施形態では、金属ス
リーブ3の締結形状を段カシメとしたが、図4に示した
ように、金属スリーブ3の締結形状を平カシメとしても
良い。また、本実施形態では、金属ニップル1の周溝1
1の溝形状を台形状としたが、金属ニップル1の周溝1
1の溝形状を鋸刃状または山形状等としても良い。さら
に、本実施形態では、管状のニップルとして、アルミニ
ウムパイプよりなる金属ニップル1を使用したが、管状
のニップルとして、熱硬化性樹脂パイプや銅パイプや鉄
パイプよりなる金属ニップルを使用しても良い。
【0043】本実施形態では、ゴムホース2を挿入する
前に、金属スリーブ3の円環状部31を金属ニップル1
のジョイント部の外周面に形成された環状溝12にかし
め等の手段を用いて嵌め合わせて金属スリーブ3を金属
ニップル1に接続したが、コーティング層4の外周にゴ
ムホース2を挿入した後に、金属スリーブ3の円環状部
31を金属ニップル1の環状溝12にかしめ等の手段を
用いて嵌め合わせて金属スリーブ3を金属ニップル1に
接続しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷凍サイクルの配管接続継手を示した断面図で
ある(実施形態)。
【図2】ゴムホースの接続継手部と金属ニップルの接続
継手部との結合方法を示した説明図である(実施形
態)。
【図3】使用時間に対するシール面圧と接着力との和お
よび各シール面圧、接着力の変化を示したグラフである
(実施形態)。
【図4】冷凍サイクルの配管接続継手を示した断面図で
ある(他の実施形態)。
【図5】金属ニップルの接続継手部とゴムホースの接続
継手部との結合方法を示した説明図である(従来の技
術)。
【図6】使用時間に対するシール面圧と接着力との和お
よび各シール面圧、接着力の変化を示したグラフである
(従来の技術)。
【図7】熱劣化時間に対する剥離力と圧縮永久歪の変化
を示したグラフである(従来の技術)。
【符号の説明】
1 金属ニップル 2 ゴムホース(可撓性ホース) 3 金属スリーブ(継手金具) 4 コーティング層 10 配管接続継手

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)管状のニップルの外周に、接着剤を
    塗布または接着してコーティング層を形成する第1工程
    と、 (b)前記コーティング層の外周に、管状の可撓性ホー
    スを装着する第2工程と、 (c)前記コーティング層および前記可撓性ホースに加
    熱処理を施す第3工程と、 (d)前記ニップルに接続された継手金具をかしめて前
    記可撓性ホースと前記コーティング層と前記ニップルと
    を一体的に結合する第4工程とを備えたニップルと可撓
    性ホースの結合方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のニップルと可撓性ホース
    の結合方法において、 前記可撓性ホースは、少なくともゴム層を含んで構成さ
    れる内面層、この内面層の外周を被覆する補強層、およ
    びこの補強層の外周を被覆する外面層を有する三層以上
    の多層構造のゴムホースであることを特徴とするニップ
    ルと可撓性ホースの結合方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のニップルと可撓性ホース
    の結合方法において、 前記ゴムホースの内面層は、柔軟性や冷媒不透過性に優
    れる、ポリアミド樹脂系またはエチレンビニルアルコー
    ル樹脂系等の熱可塑性樹脂、 あるいはニトリルゴムまたはクロロプレンゴムまたは塩
    素化ブチル系ゴムまたは臭素化ブチル系ゴムまたはエチ
    レンプロピレンジエンゴム等の未加硫ゴム、 あるいはニトリルゴムまたはクロロプレンゴムまたは塩
    素化ブチル系ゴムまたは臭素化ブチル系ゴムまたはエチ
    レンプロピレンジエンゴム等の半加硫ゴム、 あるいはこれら2種以上の混合物により構成されている
    ことを特徴とするニップルと可撓性ホースの結合方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のニップルと可撓性ホース
    の結合方法において、 前記ゴムホースの内面層は、前記コーティング層の外周
    に加硫接着される樹脂層と、この樹脂層の外周を被覆す
    る内管ゴム層とからなり、 前記樹脂層は、柔軟性や冷媒不透過性に優れる、ポリア
    ミド樹脂系またはエチレンビニルアルコール樹脂系等の
    熱可塑性樹脂により構成され、 前記内管ゴム層は、冷媒不透過性に優れる、ニトリルゴ
    ムまたはクロロプレンゴムまたは塩素化ブチル系ゴムま
    たは臭素化ブチル系ゴムまたはエチレンプロピレンジエ
    ンゴム等の未加硫ゴム、 あるいはニトリルゴムまたはクロロプレンゴムまたは塩
    素化ブチル系ゴムまたは臭素化ブチル系ゴムまたはエチ
    レンプロピレンジエンゴム等の半加硫ゴム、 あるいはこれら2種以上の混合物により構成されている
    ことを特徴とするニップルと可撓性ホースの結合方法。
  5. 【請求項5】請求項3または請求項4に記載のニップル
    と可撓性ホースの結合方法において、 前記接着剤は、前記ゴムホースの内面層との接着性に優
    れる、ニトリルゴム系またはクロロプレンゴム系または
    スチレンブタジエンゴム系等のゴム系加硫接着剤、 あるいはエポキシ樹脂系またはフェノール樹脂系等の樹
    脂系接着剤、 あるいはこれらの2種以上の合成接着剤により構成され
    ていることを特徴とするニップルと可撓性ホースの結合
    方法。
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