JP6918715B2 - 金属コネクタ一体型エアホースおよびその製造方法 - Google Patents

金属コネクタ一体型エアホースおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属コネクタ一体型エアホースおよびその製造方法に関するものであり、詳しくは、自動車等の輸送機におけるターボエアホース等のエア系ホースとして用いられる金属コネクタ一体型エアホースおよびその製造方法に関するものである。
従来から、自動車用ターボエアホース等といった耐熱性が要求されるエアホースの形成材料には、主に、耐熱性に優れるアクリル系ゴムが用いられている(特許文献1参照)。
また、近年、車両部品の耐熱要求や耐圧要求が厳しくなっている状況にあり、上記エアホースにおいても、実使用条件に耐えられるほどの厳しい耐熱性や耐圧性が要求されている。従来のアクリル系ゴムからなる最内層を備えたホースでは、上記要求に応えることは難しかったが、近年、上記要求に応えるべく、より高い耐熱性を備えたホースとして、エチレンアクリルゴムとフッ素ゴムとのアロイ材料からなる最内層を備えたエアホースも提案されている(特許文献2参照)。
上記のようなエアホースの末端には、エンジンルーム内の各装置への取付けを容易にするため、金属コネクタが取り付けられることがある。上記金属コネクタは、略筒状であり、通常、上記エアホースの端部開口に挿入した後、加締めることにより、上記エアホースと一体化される。
特開2012−207748号公報 特許第4936916号公報
しかしながら、上記のような加締めによるエアホースと金属コネクタの一体化では、使用時のエア圧力の上昇に伴い、金属コネクタからエアホースが抜け易くなる問題が生じる。
このような、金属コネクタからエアホースが抜け易くなる問題を解消するために、例えば、金属コネクタの加締め率を高めることが検討されている。しかしながら、特に、エアホース最内層が、エチレンアクリルゴムとフッ素ゴムとのアロイ材料からなる場合、上記加締め率を高くすると、局所的に高い歪が発生し、ホース切れが生じやすくなる問題がある。
また、上記エアホースの端部開口部の内周面に、フッ素ゴム接着剤やシランカップリング剤を塗布して、上記金属製コネクタとの接着を行うことも検討されている。しかしながら、上記のような最内層を有するエアホースに対し、このような接着手法を適用したのでは、高温条件下で長期間にわたって上記エアホースを使用した際に、金属製コネクタとの間で良好な接着性を確保することが難しい。そのため、上記接着箇所の補修・点検を定期的に行わなければならなくなり、昨今のメンテナンスフリーの要請に応えることが難しいといった問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐熱性等に優れたエアホースと金属製コネクタとが、ホース切れやホース抜け等を引き起こすことなく強固に一体化された、金属コネクタ一体型エアホース、およびその製造方法の提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、少なくとも1つの構成層を備えたエアホースと、金属製コネクタとが、上記エアホースの端部開口部の内周面に構成された接着剤層を介して接着一体化された、金属コネクタ一体型エアホースであって、
上記エアホースの最内層が、下記の(A)および(B)成分を必須成分とするゴム組成物からなり、
上記接着剤層が、下記の(a)〜(d)成分を必須成分とする接着剤組成物からなることを特徴とする金属コネクタ一体型エアホースを第一の要旨とする。
(A)フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料。
(B)パーオキサイド化合物。
(a)フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物。
(b)パーオキサイド化合物。
(c)シランカップリング剤。
(d)反応性有機樹脂。
また、本発明は、上記第一の要旨の金属コネクタ一体型エアホースの製造方法であって、下記の[I]〜[IV]に示す工程をこの順で備えていることを特徴とする金属コネクタ一体型エアホースの製造方法を第二の要旨とする。
[I]フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料(A)と、パーオキサイド化合物(B)とを必須成分とする最内層を備えたエアホースを、上記最内層の加硫状態が90%以下となるよう作製する工程。
[II]上記エアホースの端部開口部の内周面に、フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物(a)、パーオキサイド化合物(b)、フッ素ゴム、またはシランカップリング剤(c)、および反応性有機樹脂(d)を必須成分とする接着剤組成物を塗布する工程。
[III]上記接着剤組成物が塗布されたエアホースの端部開口部に金属製コネクタを嵌挿する工程。
[IV]上記金属製コネクタが嵌挿されたエアホースを加硫する工程。
すなわち、本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、本発明者は、エアホースの最内層を形成するためのゴム組成物に、フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料(A)と、パーオキサイド化合物(B)とを用いるとともに、上記最内層と金属製コネクタとを接着するための接着剤組成物に、フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物(a)と、パーオキサイド化合物(b)と、シランカップリング剤(c)と、反応性有機樹脂(d)とを配合することを検討した。その結果、上記最内層と金属製コネクタとの間に化学結合が形成され、双方が強固に接着一体化されるようになることを見いだし、本発明に到達した。
また、上記接着一体化を、ホース最内層の加硫状態が90%以下となるよう作製し、上記ホースの端部開口部の内周面に上記接着剤組成物を塗布した後、その端部開口部に金属製コネクタを嵌挿し、加硫を行うと、上記最内層と金属製コネクタとの双方が、より強固に接着一体化されるようになることを突き止めた。
以上のように、本発明の金属コネクタ一体型エアホースは、少なくとも1つの構成層を備えたエアホースと、金属製コネクタとが、上記エアホースの端部開口部の内周面に構成された接着剤層を介して接着一体化されたものであり、上記エアホースの最内層が、フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料(A)と、パーオキサイド化合物(B)を必須成分とするゴム組成物からなり、上記接着剤層が、フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物(a)、パーオキサイド化合物(b)、シランカップリング剤(c)および反応性有機樹脂(d)を必須成分とする接着剤組成物からなるものである。そのため、耐熱性等に優れたエアホースと金属製コネクタとが、ホース切れやホース抜け等を引き起こすことなく強固に一体化されている。よって、自動車用ターボエアホース等のような、熱や振動が発生するエンジンルーム内のような場所で使用するホースとして適している。
特に、上記接着剤組成物の必須成分である反応性有機樹脂(d)が、マレイミド基,エポキシ基,カルボニル基およびビニル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有する反応性有機樹脂であると、より強固な接着一体化がなされるようになる。
また、上記接着剤組成物の必須成分であるシランカップリング剤(c)が、アミノ基を有するシランカップリング剤であると、より強固な接着一体化がなされるようになる。
さらに、上記接着剤組成物の必須成分(a)における、フッ素ゴムとエチレンアクリルゴムとの比率が、重量比で、フッ素ゴム:エチレンアクリルゴム=10:0〜5:5の範囲であると、より強固な接着一体化がなされるようになる。
そして、上記接着剤組成物の必須成分(a)と(b)との比率が、重量比で、(a)/(b)=20〜100の範囲であると、より強固な接着一体化がなされるようになる。
さらに、上記接着剤組成物におけるシランカップリング剤(c)の含有量が、上記接着剤組成物の必須成分(a)100重量部に対して、1〜20重量部の範囲であると、より強固な接着一体化がなされるようになる。
また、上記接着剤組成物における反応性有機樹脂(d)の含有量が、上記接着剤組成物の必須成分(a)100重量部に対して、5〜30重量部の範囲であると、より強固な接着一体化がなされるようになる。
そして、下記の[I]〜[IV]に示す工程をこの順で行うと、より強固な接着一体化がなされた、本発明の金属コネクタ一体型エアホースを製造することができる。
[I]フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料(A)と、パーオキサイド化合物(B)とを必須成分とする最内層を備えたエアホースを、上記最内層の加硫状態が90%以下となるよう作製する工程。
[II]上記エアホースの端部開口部の内周面に、フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物(a)、パーオキサイド化合物(b)、シランカップリング剤(c)、および反応性有機樹脂(d)を必須成分とする接着剤組成物を塗布する工程。
[III]上記接着剤組成物が塗布されたエアホースの端部開口部に金属製コネクタを嵌挿する工程。
[IV]上記金属製コネクタが嵌挿されたエアホースを加硫する工程。
本発明の金属コネクタ一体型エアホースの断面形状の一例を示す模式図である。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の金属コネクタ一体型エアホースは、先に述べたように、少なくとも1つの構成層を備えたエアホースと、金属製コネクタとが、上記エアホースの端部開口部の内周面に構成された接着剤層を介して接着一体化されたものであり、上記エアホースの最内層が、フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料(A)と、パーオキサイド化合物(B)を必須成分とするゴム組成物からなり、上記接着剤層が、フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物(a)、パーオキサイド化合物(b)、シランカップリング剤(c)および反応性有機樹脂(d)を必須成分とする接着剤組成物からなるものである。
上記のように、エアホースとなるものは、単層構造であっても、2層以上の層が積層された多層構造であっても特に限定はないが、少なくとも、その最内層(単層構造の場合は、その層)が、フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料(A)と、パーオキサイド化合物(B)を必須成分とするゴム組成物からなるものである。
上記(A)成分である、フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料は、エチレンアクリルゴムとフッ素ゴムとを混合してなるものであり、その比率は、重量比で、フッ素ゴム:エチレンアクリルゴム=9:1〜5:5の範囲であることが、耐熱性の観点から好ましい。
上記フッ素ゴム(FKM)としては、過酸化物架橋するものが好ましく、例えば、ビニリデンフルオライド(VdF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系,VdF−テトラフルオロエチレン(TFE)−HFP系,VdF−クロロトリフルオロエチレン(CTFE)系等のVdF系フッ素ゴムや、TFE−プロピレン(Pr)系、HFP−エチレン系、VdF−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)系、TFE−PAVE系、フルオロシリコーンゴム、フルオロホスファゼンゴム、含フッ素熱可塑性エラストマー等があげられる。
また、上記エチレンアクリルゴム(AEM)としては、過酸化物架橋するものが好ましく、例えば、アクリルモノマーもしくはメタクリルモノマーの1種または2種以上を主成分とし、これにエチレンモノマーを導入したもの等があげられる。
上記アクリルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロピルアクリレート,n−ブチルアクリレート,n−オクチルアクリレート,メトキシメチルアクリレート,メトキシエチルアクリレート,エトキシエチルアクリレート等のアクリレートがあげられる。また、上記メタクリルモノマーとしては、上記アクリルモノマーに対応するメタクリレートがあげられる。
なお、上記エチレンアクリルゴム(AEM)には、上記アクリルモノマー(もしくはメタクリルモノマー)およびエチレンモノマー以外のモノマーを導入しても差し支えない。
上記特定のアロイ材料(A)とともに、エアホースの最内層形成材料の必須成分として用いられるパーオキサイド化合物(B)は、上記特定のアロイ材料(A)の架橋剤成分(過酸化物架橋剤)である。上記パーオキサイド化合物(B)としては、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルペルオキシヘキサン、n−ブチル−4,4’−ジ−t−ブチルペルオキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
エアホースの最内層形成材料における上記パーオキサイド化合物(B)の含有量は、前記特定のアロイ材料(A)100重量部に対して、1〜5重量部の範囲が好ましい。すなわち、上記パーオキサイド化合物の含有量が少なすぎると、架橋が不充分でホースの強度が劣る傾向がみられ、逆に上記パーオキサイド化合物の含有量が多すぎると、硬度が高く、ホースの柔軟性に劣る傾向がみられるからである。
エアホースの最内層形成材料には、前記特定のアロイ材料(A)、パーオキサイド化合物(B)の他に、共架橋剤、ステアリン酸等の滑剤、カーボンブラック、老化防止剤、無機充填材、着色剤、加工助剤等を適宜に配合しても差し支えない。
本発明の金属コネクタ一体型エアホースにおいて使用されるエアホースは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、前記最内層形成用のFKMとAEMとを所定の割合で配合し、これらを、ロール、ニーダー等の混練機により混練して、FKMとAEMとのアロイ材料を調製する。そして、それに、パーオキサイド化合物や、必要に応じてその他の材料を添加した後、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより、最内層形成用組成物を調製する。上記エアホースを複数の積層構造とする場合、その他の各層を形成するための組成物も併せて調製する。つぎに、押出成形機を用いて、各組成物を同時に押出成形した後(単層の場合、最内層形成用組成物のみを押出成形した後)、所定の条件で加熱架橋(例えば、160〜190℃で、10〜60分)する。このようにして、目的とするエアホースを得ることができる。
なお、上記エアホースを複数の積層構造とする場合、上記のように同時に押出成形せず、最内層から順に、各層ごと段階的に押出成形してもよい。そのように各層ごと形成する場合、その層間に接着剤を塗布して、層間接着性を高めるようにしてもよい。また、上記エアホースの層間に、あるいは最外層として、アラミド繊維,ポリアミド繊維,ポリエステル繊維等の合成繊維や、麻や綿等の天然素材の糸,ワイヤー等の金属製糸を用い、ブレード編みやスパイラル編み等によって形成される補強糸層を構成するようにしてもよい。
上記エアホースにおける最内層の厚みは、0.25〜20mmであることが好ましく、より好ましくは、0.5〜10mmである。また、上記エアホースの内径は、2〜100mmであることが好ましく、より好ましくは、5〜70mmである。
本発明の金属コネクタ一体型エアホースは、上記のようにして得られたエアホースと、金属製コネクタとが、上記エアホースの端部開口部の内周面に構成された接着剤層を介して接着一体化されたものである。図1は、上記金属コネクタ一体型エアホースの断面形状の一例を模式的に示したものであり、図において、1はゴムホース、1aは、その端部開口部を示し、2は金属製コネクタ、2aはその嵌挿部、2bは加締め部、3は接着剤層を示す。図示のゴムホース1は、単層構造であるため、先の最内層形成用組成物からなる単層構造のエアホースである。
そして、本発明の金属コネクタ一体型エアホースにおける上記接着剤層3が、フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物(a)、パーオキサイド化合物(b)、シランカップリング剤(c)および反応性有機樹脂(d)を必須成分とする接着剤組成物からなるものである。
上記接着剤組成物の必須成分(a)における、フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムとしては、先の最内層形成用組成物に配合されているフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムと同様のものが用いられる。そして、上記(a)におけるフッ素ゴムとエチレンアクリルゴムとの比率は、重量比で、フッ素ゴム:エチレンアクリルゴム=10:0〜5:5の範囲であることが好ましく、より好ましくは、フッ素ゴム:エチレンアクリルゴム=9:1〜5:5の範囲である。このようにすることにより、ゴムホース1と金属コネクタ2とがより強固に接着一体化されるようになる。なお、上記(a)がフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物の場合において、その混合物は、アロイ材料となっていても、アロイ材料となっていなくてもよい。
また、上記接着剤組成物におけるパーオキサイド化合物(b)としても、先の最内層形成用組成物に配合されているパーオキサイド化合物(B)と同様のものが用いられる。
さらに、より強固な接着性が得られる観点から、上記接着剤組成物の必須成分である(a)と(b)との比率が、重量比で、(a)/(b)=20〜100の範囲であることが好ましい。
また、上記接着剤組成物の必須成分であるシランカップリング剤(c)としては、本発明の金属コネクタ一体型エアホースにおいて、より強固な接着一体化がなされるようになる観点から、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。上記アミノ基を有するシランカップリング剤としては、具体的には、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、反応性有機樹脂(d)との化学結合形成の観点から、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
そして、上記接着剤組成物におけるシランカップリング剤(c)の含有量は、より強固な接着性が得られる観点から、上記接着剤組成物の必須成分(a)100重量部に対して、1〜20重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部の範囲である。
また、上記接着剤組成物の必須成分である反応性有機樹脂(d)としては、マレイミド基,エポキシ基,カルボニル基およびビニル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有する反応性有機樹脂が好ましく、より好ましくは、マレイミド基を有する反応性有機樹脂である。すなわち、このような反応性有機樹脂(d)を上記接着剤組成物の必須成分とすることにより、本発明の金属コネクタ一体型エアホースにおいて、より強固な接着一体化がなされるようになる。上記のような官能基を有する反応性有機樹脂(d)としては、具体的には、N,N’−ジフェニルメタンビスマレイミド(以下、「BMI」と略す)、ポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールアジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、シランカップリング剤(c)とゴムホースの両方と化学結合を形成する観点から、BMIが好ましい。
そして、上記接着剤組成物における反応性有機樹脂(d)の含有量は、より強固な接着性が得られる観点から、上記接着剤組成物の必須成分(a)100重量部に対して、5〜30重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜30重量部の範囲である。
さらに、より強固な接着性が得られる観点から、上記接着剤組成物の必須成分である、(a)と(d)との比率が、重量比で、(a)/(d)=4〜200の範囲であることが好ましく、より好ましくは(a)/(d)=5〜50の範囲である。
上記接着剤組成物は、上記(a)〜(d)の各成分をトルエン等の有機溶媒へ溶解させることにより、調製することができる。
そして、上記のように調製された接着剤組成物を用いた、本発明の金属コネクタ一体型エアホースの製造方法の一例を、図1を参照しながら説明する。すなわち、まず、ゴムホース1を、その加硫状態が90%以下(好ましくは70〜90%)となるよう作製する(工程[I])。ここで、上記加硫状態は、ゴムホース1に対し、加硫前後におけるホース中の過酸化物が、分解時に発生する発熱量を、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60A)により測定した値である。このような加硫状態とすることにより、上記ゴムホース1と金属製コネクタ2との間に化学結合がより良好に形成されるとともに、加締めときの上記ゴムホース1の追従性がより良好となる。
つぎに、上記ゴムホース1の端部開口部1aの内周面に(必要に応じ外周面にも)、先の接着剤組成物を塗布する(工程[II])。上記接着剤組成物は、刷毛塗り、ディッピング等により塗工した後、必要に応じ、40〜70℃で、2〜60分間の、接着剤組成物塗布面の乾燥を行うことが、接着性を高める観点から望ましい。
続いて、上記接着剤組成物が塗布されたゴムホース1の端部開口部1aに金属製コネクタ2の嵌挿部2aを嵌挿する(工程[III])。また、上記嵌挿を行った後、必要に応じ、上記嵌挿部2aの加締めを行い、加締め部2bとする。このように、上記工程[III]と下記の工程[IV]との間で、上記金属製コネクタ2の加締めを行うと、上記ゴムホース1の加硫が完結していないことから、その加締め形状に上記ゴムホース1が追従していき、ホース切れの問題を解消することができる。
なお、上記金属製コネクタ2は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄,鉄合金(SUS等),アルミニウム,アルミニウム合金,銅等からなる金属製のものがあげられる。
最後に、上記金属製コネクタ2の嵌挿部2aが嵌挿されたゴムホース1を加硫する(工程[IV])。このようにしてゴムホース1の加硫を最後に完結させることにより、より強固な接着一体化がなされるようになる。なお、上記加硫は、好ましくは、150〜250℃で4〜24時間加熱することにより行われる。
このようにして得られた本発明の金属コネクタ一体型エアホースは、耐熱性が要求されるホース全般に使用可能であるが、特に、ターボエアホース(過給機用エアホース)等のような、高温で高圧の空気が流れるエア系ホースとして好適に用いられる。また、上記金属コネクタ一体型エアホースは、DPFセンサーホース、ディーゼル用のバキュームブレーキホース等としても用いることができる。そして、上記金属コネクタ一体型エアホースは、自動車,トラクター,耕運機,船舶等の輸送機に、好適に用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示すホース用材料を準備した。
〔ホース用材料の調製〕
FKM(ソルベイ社製、テクノフロンP−457)70重量部と、エチレンアクリルゴム(デュポン社製、VAMAC−DP)30重量部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)20重量部とを配合し、これらを、混練機を用いて混練して、フッ素ゴムとエチレンアクリルゴムとのアロイ材料を調製した。そして、それに、パーオキサイド化合物(アルケマ社製、ルペロックスF)1重量部と、共架橋剤(サフィック アルカン社製、VULCOFAC TAIC−70)1重量部を加えた後、混練機を用いて混練し、ホース用材料を調製した。
また、実施例および比較例に先立ち、下記に示す接着剤組成物の各材料を準備した。
〔FKM〕
ソルベイ社製、テクノフロンP−457
〔AEM〕
デュポン社製、VAMAC−DP
〔パーオキサイド化合物〕
アルケマ社製、ルペロックスF
〔シランカップリング剤〕
東京化成工業社製、3−アミノプロピルトリエトキシシラン
〔反応性有機樹脂(i)〕
東京化成工業社製、N,N’−ジフェニルメタンビスマレイミド
〔反応性有機樹脂(ii)〕
m−フェニレンビスマレイミド
〔反応性有機樹脂(iii)〕
1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル
〔反応性有機樹脂(iv)〕
エチレングリコールジメタクリレート
[実施例1〜7、比較例1〜3]
上記接着剤組成物の各材料を、表1に示す割合でトルエンに溶解させることにより、各接着剤組成物を調製した。
つぎに、先に調製したホース用材料を、内径25mm、肉厚3mmとなるよう管状(円筒状)に押出成形し、160℃×45分間スチーム加硫を行い半加硫させることにより、ホースを作製した。このようにして得られた単層のホースに対し、上記半加硫前後におけるホース中の過酸化物の分解率を、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60A)により測定した結果、90%以下を示した。つぎに、上記半加硫後のホースにおける端部開口部の内周面に、上記各接着剤組成物のいずれかを刷毛塗りし、接着剤組成物塗布面の乾燥を行った後、そのホース端部の開口部に、SUS304製のコネクタを嵌挿(コネクタの嵌挿部外径:35mm)し、さらに、165℃×180分間加熱して、上記ホースの加硫を完結させることにより、金属コネクタ一体型エアホースを得た。
≪接着性≫
上記金属コネクタ一体型エアホースに対し、金属コネクタの強制的な引き抜きを行うことによる、金属コネクタとホースとの接着界面の剥離試験を行った。その結果、上記接着界面において、100%ゴム破壊がみられたものを「◎」と評価し、50%以上100%未満でゴム破壊がみられたものを「○」、50%以上で界面剥離がみられたものを「×」と評価した。
Figure 0006918715
Figure 0006918715
上記結果より、実施例における接着性評価は、非常に高いことがわかる。これに対し、比較例における接着性評価は、界面剥離がみられるほど低かったため、金属コネクタとエアホースとの一体化が強固になされないことがわかる。
本発明の金属コネクタ一体型エアホースは、特に、ターボエアホース(過給機用エアホース)等のような、高温の空気が流れるエア系ホースとして好適に用いられる。また、上記金属コネクタ一体型エアホースは、DPFセンサーホース、ディーゼル用のバキュームブレーキホース等としても用いることができる。そして、上記金属コネクタ一体型エアホースは、自動車,トラクター,耕運機,船舶等の輸送機に、好適に用いられる。
1 ゴムホース
1a 端部開口部
2 金属製コネクタ
2a 嵌挿部
2b 加締め部
3 接着剤層

Claims (9)

  1. 少なくとも1つの構成層を備えたエアホースと、金属製コネクタとが、上記エアホースの端部開口部の内周面に構成された接着剤層を介して接着一体化された、金属コネクタ一体型エアホースであって、
    上記エアホースの最内層が、下記の(A)および(B)成分を必須成分とするゴム組成物からなり、
    上記接着剤層が、下記の(a)〜(d)成分を必須成分とする接着剤組成物からなることを特徴とする金属コネクタ一体型エアホース。
    (A)フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料。
    (B)パーオキサイド化合物。
    (a)フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物。
    (b)パーオキサイド化合物。
    (c)シランカップリング剤。
    (d)反応性有機樹脂。
  2. 上記接着剤組成物の必須成分である反応性有機樹脂(d)が、マレイミド基,エポキシ基,カルボニル基およびビニル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有する反応性有機樹脂である、請求項1記載の金属コネクタ一体型エアホース。
  3. 上記接着剤組成物の必須成分である反応性有機樹脂(d)が、マレイミド基を有する反応性有機樹脂である、請求項1記載の金属コネクタ一体型エアホース。
  4. 上記接着剤組成物の必須成分であるシランカップリング剤(c)が、アミノ基を有するシランカップリング剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属コネクタ一体型エアホース。
  5. 上記接着剤組成物の必須成分(a)における、フッ素ゴムとエチレンアクリルゴムとの比率が、重量比で、フッ素ゴム:エチレンアクリルゴム=10:0〜5:5の範囲である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属コネクタ一体型エアホース。
  6. 上記接着剤組成物の必須成分(a)と(b)との比率が、重量比で、(a)/(b)=20〜100の範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属コネクタ一体型エアホース。
  7. 上記接着剤組成物におけるシランカップリング剤(c)の含有量が、上記接着剤組成物の必須成分(a)100重量部に対して、1〜20重量部の範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属コネクタ一体型エアホース。
  8. 上記接着剤組成物における反応性有機樹脂(d)の含有量が、上記接着剤組成物の必須成分(a)100重量部に対して、5〜30重量部の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属コネクタ一体型エアホース。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属コネクタ一体型エアホースの製造方法であって、下記の[I]〜[IV]に示す工程をこの順で備えていることを特徴とする金属コネクタ一体型エアホースの製造方法。
    [I]フッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムのアロイ材料(A)と、パーオキサイド化合物(B)とを必須成分とする最内層を備えたエアホースを、上記最内層の加硫状態が90%以下となるよう作製する工程。
    [II]上記エアホースの端部開口部の内周面に、フッ素ゴム、またはフッ素ゴムおよびエチレンアクリルゴムの混合物(a)、パーオキサイド化合物(b)、シランカップリング剤(c)、および反応性有機樹脂(d)を必須成分とする接着剤組成物を塗布する工程。
    [III]上記接着剤組成物が塗布されたエアホースの端部開口部に金属製コネクタを嵌挿する工程。
    [IV]上記金属製コネクタが嵌挿されたエアホースを加硫する工程。
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