JPH08238712A - ゴム被覆ステンレス鋼板 - Google Patents

ゴム被覆ステンレス鋼板

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JPH08238712A
JPH08238712A JP7044144A JP4414495A JPH08238712A JP H08238712 A JPH08238712 A JP H08238712A JP 7044144 A JP7044144 A JP 7044144A JP 4414495 A JP4414495 A JP 4414495A JP H08238712 A JPH08238712 A JP H08238712A
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JP
Japan
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stainless steel
steel plate
silica
resin
phosphoric acid
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Withdrawn
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JP7044144A
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English (en)
Inventor
Sumi Ito
寿美 伊藤
Keiji Yoshida
啓二 吉田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温、高圧、湿潤といった厳しい環境におい
ても、ステンレス鋼板と耐熱性ゴム層との密着性に優
れ、しかも低コストで製造可能なゴム被覆ステンレス鋼
板を提供する。 【構成】 表面に、リン酸とシリカ、クロム化合物とリ
ン酸とシリカ、またはクロム化合物とエマルジョン樹脂
とシリカからなる処理液を塗布し、乾燥して形成した化
成処理被膜層と、エポキシ系あるいはポリエステル系樹
脂を主成分とする樹脂を塗布し、焼付けして形成したプ
ライマー層と、耐熱性ゴム層とを順次設けたゴム被覆ス
テンレス鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設や自動車産業など
において、高温あるいは低温に曝される接合部の気体や
液体のシール材、例えば自動車エンジンのシリンダーガ
スケットなど、に使用されるゴム被覆ステンレス鋼板に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車エンジンのガスケット
材としては、アスベストをニトリルゴムやフェノール樹
脂などで固めた積層板が多く用いられていたが、アスベ
スト公害が明らかになるにつれて、ノンアスベスト化が
指向されている。また、一方では、エンジンの高性能化
に伴う高出力化による最高爆発圧、熱負荷の増大、
軽量化によるヘッドおよびシリンダーブロックなどの剛
性低下、小型化による締め付け荷重の軽減、などに対
応するには、従来のソフトガスケットでは充分なシール
性が得られなくなってきている。このような状況から、
金属を素材としたメタル積層タイプのガスケットが、近
年多用されるようになってきた。
【0003】ガスケット用金属素材としては、主にステ
ンレス鋼板や冷延鋼板が使用されているが、メタル製ガ
スケットは、他のノンアスベスト製品に比べて重いた
め、その構造を従来の5層から1〜3層にして、軽量化
が図られており、また、層数を減らすことでコスト的に
も有利になっている。2〜3層構造のものは、構造上、
過度の面圧が一点に集中するが、亀裂の発生を少なくす
るために、面圧調整板を用いて面圧を分散させている。
1層構造のものは、ステンレスバネ鋼にビート加工が施
されているので、ボルトの締め付け力を小さくしても、
流体シールを維持するに充分な締め付け圧を得ることが
できる。さらに、耐熱性、復元性、耐圧性などにも優
れ、エンジンの変形に対して高い追従性や耐へたり性を
備えている。メタル製ガスケットは、このように優れた
長所を有するが、ステンレス鋼板をそのままガスケット
に用いると、シリンダーヘッドやシリンダーブロックと
の接合面で充分な気密性が得られないため、その表面を
耐熱性ゴムで被覆して気密性を確保する手段が採られて
いる。
【0004】一般にステンレス鋼板と耐熱性ゴムとの密
着性はよくないが、ガスケットに使用される場合は、高
温、高圧下で、燃焼ガスや排気ガス、冷却水(不凍
液)、オイルなどに曝されるために、塗膜の劣化に伴う
密着性の低下が著しく、耐熱性ゴムで被覆されたステン
レス鋼板、いわゆるゴム被覆ステンレス鋼板の大きな問
題となっている。
【0005】そこで、その密着性を改善するために、以
下に示すような技術が提案されている。
【0006】従来技術1:ステンレス鋼板表面に機械的
に凹凸を形成後、耐熱性樹脂層を形成する方法。(特開
昭63ー264201号公報など) 従来技術2:ステンレス鋼板表面に薄い珪酸塩の被覆、
耐熱性ゴム層を順次形成する方法。(特開平1ー120
483号公報) 従来技術3:ステンレス鋼板表面に亜鉛メッキ層、耐熱
性ゴム層を順次形成する方法。(特開平1ー18266
9号公報) 従来技術4:ステンレス鋼板表面に亜鉛メッキ層、リン
酸亜鉛結晶被膜、接着層、耐熱性ゴム層を順次形成する
方法。(特開平1ー203763号公報) 従来技術5:ステンレス鋼板表面にクロメート被膜を形
成後、接着層、耐熱性ゴム層あるいは耐熱性ゴム層を順
次形成する方法。(特開平3ー227622号公報、特
開平3ー265764号公報など) 従来技術6:ステンレス鋼板表面にエポキシ系樹脂の下
塗り塗膜、ゴムとエポキシ系樹脂とを混合してなる中塗
り塗膜、ゴムの上塗り塗膜を順次形成する方法。(実公
平6ー27404号公報)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術には、それぞれに以下のような問題がある。従来
技術1の方法では、鋼板の疲労強度が低下したり、塗装
後にも凹凸が残存し気密性が確保し難い。従来技術2の
方法では、ステンレス鋼板と珪酸塩被膜との間で密着不
良が生じる。従来技術3、4の方法では、メッキ工程が
必要なため、製造コストが著しく高くなる。従来技術5
の方法では、塗布クロメートのみなので接着層との密着
性は十分でなく、加工時の応力により塗膜剥離が起こり
やすい。従来技術6の方法では、高温、高圧、湿潤とい
った厳しい環境では、塗膜が剥離する可能性がある。
【0008】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、、高温、高圧、湿潤といった厳しい環
境においても、ステンレス鋼板と耐熱性ゴム層との密着
性に優れ、しかも低コストで製造可能なゴム被覆ステン
レス鋼板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、表面に、リ
ン酸とシリカ、クロム化合物とリン酸とシリカ、または
クロム化合物とエマルジョン樹脂とシリカからなる処理
液を塗布し、乾燥して形成した化成処理被膜層と、エポ
キシ系あるいはポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂
を塗布し、焼付けして形成したプライマー層と、耐熱性
ゴム層とを順次設けたことを特徴とするゴム被覆ステン
レス鋼板によって解決される。
【0010】
【作用】ステンレス鋼板表面に、リン酸とシリカ、クロ
ム化合物とリン酸とシリカ、またはクロム化合物とエマ
ルジョン樹脂とシリカからなる処理液を塗布し、乾燥し
て形成した化成処理被膜層を設けると、ステンレス鋼板
とプライマー層の密着性が向上する。その原因は、必ず
しも明確ではないが、以下のように考えられる。
【0011】リン酸とシリカを処理液として用いた場合
は、リン酸によりステンレス鋼板表面がエッチングされ
微細な凹凸が生じることによるアンカー効果と、被膜層
にリン酸とシリカとの縮合反応により形成された強度の
高い化成被膜が、シラノール基(SiOH)やリン酸基
(POH)を介して、エッチングされたステンレス鋼板
表面に強固に結合する化学的効果の両方の効果によって
密着性が向上する。さらに、被膜層のシラノール基はス
テンレス鋼板とプライマー層の両方に化学結合するた
め、ステンレス鋼板とプライマー層との密着性がより向
上する。
【0012】クロム化合物とリン酸とシリカを処理液と
して用いた場合は、前記リン酸やシリカの効果に加え
て、ステンレス鋼板表面の不動態被膜が酸化クロム被膜
であるため、クロメートとのなじみがよく、より密着性
が向上する。
【0013】クロム化合物とエマルジョン樹脂とシリカ
を処理液として用いた場合は、前記クロメートの効果に
加え、アクリル樹脂などのエマルジョン樹脂が含まれて
いるので、プライマー層とのなじみがよく、水素結合な
どのファンデルワールス力による吸着はもちろんのこ
と、プライマー層の焼付け時にプライマー層との反応も
起こり、共有結合が生じて、より密着性が向上する。
【0014】こうした化成処理被膜層の上に、エポキシ
系あるいはポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂を塗
布し、焼付けして形成したプライマー層を設けると、ス
テンレス鋼板と耐熱性ゴム層との密着性が向上する。ま
た、このプライマー層によりプレス加工をした時の応力
緩和効果も期待できるので、耐熱性ゴム層の剥離や割れ
を防止できる。
【0015】
【実施例】厚さ0.2mmのSUS301ステンレス鋼
板表面(表面はBA仕上げ)に、表1に示すような条件
で化成処理被膜層、プライマー層、耐熱性ゴム層を順次
形成したゴム被覆ステンレス鋼板を作成した。
【0016】実施例1〜10は、リン酸とシリカからな
る化成処理液日本パーカライジング(株)社製CLーT
D247を、その塗布量が50mg/m2 になるように
塗布し、鋼板の温度が80℃になる条件で乾燥した後、
膜厚2μmまたは5μmの種々のプライマー層を塗布
し、それぞれの塗膜に適した温度で焼付け、その上にフ
ッ素ゴム金陽(株)社製パーフロンペイントM5000
を、膜厚が15μmになるように塗布し、200℃で2
0分の焼付け処理した試料である。
【0017】実施例11〜14は、クロム化合物とリン
酸とシリカからなる化成処理液日本パーカライジング
(株)社製ジンククロムR1415Aを、その塗布量が
50mg/m2 になるように塗布し、鋼板の温度が80
℃になる条件で乾燥して化成処理被膜層を設け、その上
に実施例1〜10と同様なプライマー層、耐熱性ゴム層
を順次設けた試料である。
【0018】実施例15〜18は、クロム化合物とエマ
ルジョン樹脂とシリカからなる化成処理液日本ペイント
(株)社製アロジンNRC300を、その塗布量が50
mg/m2 になるように塗布し、鋼板の温度が100℃
になる条件で乾燥して化成処理被膜層を設け、その上に
実施例1〜10と同様なプライマー層、耐熱性ゴム層を
順次設けた試料である。
【0019】また、比較として、同様な厚さ0.2mm
のSUS301ステンレス鋼板を用い、表1に示すよう
な条件で比較例1〜7の試料を作成した。
【0020】比較例1は、鋼板に直接、実施例1〜18
と同様な耐熱性ゴム層を設けた試料である。
【0021】比較例2は、実施例1と同様なリン酸とシ
リカ、比較例3は、実施例11と同様なクロム化合物と
リン酸とシリカ、比較例4は、実施例15と同様なクロ
ム化合物とエマルジョン樹脂とシリカからなる処理液を
用い、それぞれ対応する実施例と同一な条件で化成処理
被膜層を形成し、その上にプライマー層を設けずに、実
施例1、11、15と同様な耐熱性ゴム層を設けた試料
である。
【0022】比較例5は、化成処理被膜層を設けずに、
実施例2と同一なプライマー層、耐熱性ゴム層を設けた
試料である。
【0023】比較例6は、クロメート化成処理液を、そ
の塗布量が50mg/m2 になるように塗布し、鋼板の
温度が80℃になる条件で乾燥して化成処理被膜層を設
け、その上に実施例2と同一なプライマー層、耐熱性ゴ
ム層を設けた試料である。
【0024】比較例7は、珪酸ナトリウムとリン酸カル
シウムからなる(重量比20:7)化成処理液を、その
塗布量が500mg/m2 になるように塗布し、鋼板の
温度が220℃になる条件で乾燥して化成処理被膜層を
設け、その上に実施例2と同一なプライマー層、耐熱性
ゴム層を設けた試料である。
【0025】これらの試料について、平面部および加工
部における塗膜の2次密着性や破断密着性を、以下の試
験方法で調査した。
【0026】(1)平面部密着性 各試料について、鋭利なカッターでゴム層にステンレス
鋼板表面まで達する1mm角10×10マスの碁盤目傷
をつけ、沸騰水に55分、次いで20℃の水に5分浸漬
した。これを1サイクルとして冷熱サイクル試験を25
サイクル行った後、前記傷部を粘着テープで強制剥離
し、塗膜の剥離の程度を評価した。評価基準は、碁盤目
部の残存数が100の時◎、90から99を○、60〜
89を△、59以下を×とした。
【0027】(2)加工部密着性 各試料について、密着曲げ(5T曲げ、ただしTは試料
の板厚)を行った後に、前記(1)と同様な冷熱サイク
ル試験を行い、曲げ加工部を粘着テープで強制剥離し、
ゴム層の剥離の程度を評価した。評価基準は、前記
(1)の場合と同様である。
【0028】(3)破断密着性 各試料について、短冊型に切った2枚の板の一部分をス
リーボンド(株)社製木工用速硬化タイプ接着剤で張合
わせ、この両端をエアーチャックで挟み、オリエンテッ
ク(株)社製の500kgテンシロン引張り破断接着強
さ試験機で試料が破断するまで、引張り速度5mm/m
inで上下に引張り、このときの最大荷重から以下の式
で求めた耐破断力で評価した。
【0029】耐破断力=最大荷重/張合わせ部分の面積
(kgf/cm2 ) 結果を表1に示す。
【0030】本発明の実施例1〜18は、比較例1〜7
に比べ、いずれも平面部密着性および加工部密着性に優
れており、かつ耐破断力が大きく破断密着性にも優れ、
圧力変形がかかったときの横ずれにも強いことがわか
る。
【0031】また、実際にエンジンに組み込んで試験を
した結果、本発明の実施例1〜18の試料には、密着性
の劣化が全く認められなかった。
【0032】
【表1】
【0033】化成処理に際しては、アルカリや溶剤によ
る原板表面の脱脂後、必要に応じてアルカリや酸による
エッチングなどの前処理を施してもよい。
【0034】リン酸とシリカからなる化成処理液中のリ
ン酸とシリカの重量比は、5を越えるとリン酸含有量が
多過ぎて安定な化成処理被膜層ができ難くなり、1/1
0未満とリン酸含有量が少な過ぎると化成処理被膜層の
ステンレス鋼板表面に対する密着性が確保できなくなる
場合もあるため、1/10以上5以下であることが望ま
しい。化成処理液中のリン酸は、正リン酸、無水リン酸
あるいはこれらの水溶液のいずれのものでも使用でき
る。シリカは市販されているものでよく、好ましくは平
均粒径5〜100nmのシリカゾルが適当で、その製法
は乾式法でも湿式法でもよい。化成処理液は、化成処理
被膜の塗布量に応じて濃度を調節されたリン酸水溶液と
所定量のシリカとを混合、攪拌し、均一な溶液とするこ
とにより調製することができる。リン酸とシリカからな
る化成処理液から形成された化成処理被膜層の塗布量
は、10mg/m2 未満であると被膜が不均一になりや
すいため、被膜が付着しない部分が生じる場合があり、
200mg/m2 を越えると被膜内部で凝集破壊が起こ
りやすくなり、密着性を損なう場合もあるので、10m
g/m2 以上200mg/m2 以下の範囲内であること
が望ましい。
【0035】クロム化合物とリン酸とシリカおよびクロ
ム化合物とエマルジョン樹脂とシリカからなる化成処理
液から形成された化成処理被膜層の塗布量は、いずれも
10mg/m2 未満であると被膜が不均一になりやすい
ため、被膜が付着しない部分が生じる場合があり、10
0mg/m2 を越えると被膜内部で凝集破壊が起こりや
すくなり、密着性を損なう場合もあるので、10mg/
2 以上100mg/m2 以下の範囲内であることが望
ましい。
【0036】化成処理液の塗布には、スプレーの他にロ
ールコート、カーテンフローコート、浸漬、静電塗布な
どのいずれの方法を用いてもよい。その乾燥は水分を蒸
発させればよく、その温度は50〜150℃が適当であ
る。
【0037】エポキシ系プライマーに用いられる樹脂の
主成分としては、熱硬化型塗料に一般に使用されている
ビスフェノール型が挙げられる。分子の主鎖結合はエー
テル結合であり、エポキシ基や水酸基が適当に配置され
ているので、適当に架橋すれば可撓性のよい硬化樹脂が
得られ、素地への密着性がよく、硬化時に収縮性が少な
く、機械的強度が高く、耐摩耗性のよい塗膜が得られ
る。耐熱性、耐薬品性をより重視するならば、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂などを用いてもよい。硬化剤として、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹
脂などの熱硬化性樹脂を用いた場合には、170℃以上
の高温で焼付けを行うことが望ましい。アミン類、ポリ
アミドを硬化剤として、エポキシ基、あるいは水酸基と
アミノ基を反応させて硬化させる塗料は、二液型塗料と
して、常温あるいは80〜100℃の低温で焼付けを行
うことが望ましい。エポキシ樹脂を脂肪酸類でエステル
化したものを用いるときは、常温で、またアミノ樹脂な
どを併用した場合は、120〜140℃で焼付けを行う
ことが望ましい。粘度が低いため作業性に優れた環状脂
肪族系エポキシ樹脂を、酸無水物で硬化させた塗膜を用
いても、耐熱性、耐候性の優れたものが得られる。
【0038】ポリエステル系プライマーに用いられる樹
脂の主成分としては、飽和の塩基酸と多価アルコールか
らなる熱硬化ポリエステル樹脂が挙げられる。飽和の塩
基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、無水コハ
ク酸、無水トリメット酸などが、多価アルコールとして
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリトリット
などが挙げられるが、目的、用途によって、これらの原
料と配合量を適宜決めればよい。その他、樹脂で変性さ
れた種々のポリエステル樹脂塗料も用いることができ
る。例えば、フェノール変性ポリエステル樹脂は、硬
度、密着性、耐薬品性に優れており、また、エポキシ変
性ポリエステル樹脂は、密着性、耐薬品性に優れてい
る。プライマー層には、添加剤としてクロム酸鉛、クロ
ム酸ストロンチウムなどの防錆顔料、消泡剤、流れ性調
整剤などを適宜添加してもよい。
【0039】プライマー層の塗付方法は、ロールコート
の他にスプレー、カーテンフローコートなどの方法を用
いてもよい。その厚さは、高圧下のシール性が低下する
ことがあるので、8μm以下、好ましくは5μm以下に
するのが望ましい。
【0040】耐熱性ゴム層との密着性を高める目的で、
接着剤をプライマー層と耐熱性ゴム層との間に設けるこ
ともできる。接着剤としては、フェノール樹脂、有機シ
ラン系、塩素含有ゴム系などの通常使用されているもの
を用いることができる。
【0041】耐熱性ゴム層を構成する主成分としては、
フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリロニトリルブタジエ
ンゴム、エチレンプロピレンなどを用いることができ
る。フッ素ゴムとは、含フッ素オレフィンを単独または
共重合させて得られるゴム状物質であり、耐熱性、耐薬
品性、耐寒性に優れ、オイル、燃料などに強い抵抗力を
有する特殊用途のゴムである。具体的には、含フッ素ア
クリル酸エステル重合体、フッ化ビニリデン共重合体、
含フッ素ケイ素ゴム、含フッ素ポリエステルゴム、含フ
ッ素ジエン共重合体などである。ゴム層には、添加剤と
して通常使われているアミン系、イオウなどの加硫剤
や、カーボンブラック、タルクなどの顔料、老化防止
剤、活性剤などを適宜配合してもよい。
【0042】耐熱性ゴム層のコーティング法は、何ら制
限を要するものではなく、例えばラテックス化して塗布
する方法や高極性溶媒に溶解した塗料として塗布する方
法などを用いることができる。ゴム層の厚さは、5μm
未満だとシール性が劣ったり、200μmを超えると密
着性の低下を招く場合もあるので、5〜200μmにす
るのが好ましい。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、高温、高圧、湿潤といった厳しい環境におい
ても、ステンレス鋼板と耐熱性ゴム層との密着性に優
れ、しかもメッキ工程を必要としないため低コストで製
造可能なゴム被覆ステンレス鋼板を提供することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に、リン酸とシリカ、クロム化合物
    とリン酸とシリカ、またはクロム化合物とエマルジョン
    樹脂とシリカからなる処理液を塗布し、乾燥して形成し
    た化成処理被膜層と、エポキシ系あるいはポリエステル
    系樹脂を主成分とする樹脂を塗布し、焼付けして形成し
    たプライマー層と、耐熱性ゴム層とを順次設けたことを
    特徴とするゴム被覆ステンレス鋼板。
JP7044144A 1995-03-03 1995-03-03 ゴム被覆ステンレス鋼板 Withdrawn JPH08238712A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1705264A1 (en) * 2005-03-25 2006-09-27 Nichias Corporation Steel sheet coated with chemical conversion film and process for producing the same
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