JP3725328B2

JP3725328B2 - 白濁化粧料

Info

Publication number: JP3725328B2
Application number: JP10016198A
Authority: JP
Inventors: 正松井; 勝彦吉田; 雄一土屋
Original assignee: 株式会社カネボウ化粧品
Priority date: 1998-03-26
Filing date: 1998-03-26
Publication date: 2005-12-07
Anticipated expiration: 2018-03-26
Also published as: JPH11279043A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白濁度が良好でかつ保存安定性と使用感に優れた白濁化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、白濁化粧料としては、水相成分に油相成分および界面活性剤を加えて乳化分散させて得られるものや、エタノールに界面活性剤と油性物質を溶解しこの油相成分を水相成分に分散させて得られるものなどが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の白濁化粧料は、充分な白濁度を得ようとすれば界面活性剤の選択が難しく、保存安定性にも劣るという欠点を有していたので、しばしば、水溶性増粘剤を添加し、保存安定性を向上させる必要があり、使用感の点でべたつく、なじみが悪い等の問題点があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点のない化粧料を得るべく鋭意研究を重ねた結果、エタノールにトコフェロールまたはその誘導体、オリザノール等特定の油性物質および非イオン性界面活性剤を溶解した後、水と混合することで、白濁度が良好でかつ保存安定性と使用感に優れた白濁化粧料が得られることを見出だし、本発明を完成させた。
【０００５】
すなわち、本発明は、エタノールに、（１）トコフェロールまたはその誘導体の一種または二種以上と、（２）オリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫから選ばれる一種または二種以上と、（３）非イオン性界面活性剤を溶解した後、水と混合して得られることを特徴とする白濁化粧料であり、（２）オリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫから選ばれる一種または二種以上の配合量が、（１）トコフェロールまたはその誘導体の一種または二種以上の配合量に対し０．０５〜２倍量の範囲内であることを特徴とする白濁化粧料である。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を述べる。
本発明で使用されるエタノールは、本発明の白濁化粧料の全組成に対し通常１〜４０重量％（以下、単に％で示す）の範囲で配合するのが望ましい。エタノールの配合量が１％未満では溶解が困難となる場合があり、４０％を超える配合量では刺激等の安全性の観点から化粧料として好ましくないことがある。
【０００７】
本発明で使用されるトコフェロールまたはその誘導体は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール等のトコフェロールと、これらの酢酸エステル、コハク酸エステル、ニコチン酸エステル、高級脂肪酸エステル等の誘導体が挙げられ、これらは１種又は２種以上を組み合わせて使用され、本発明の白濁化粧料の全組成に対し通常０．０１〜１．０％の範囲で配合するのが望ましい。０．０１％未満では安定な白濁化粧料が得難く、１．０％を超える配合量では使用感が好まれなくなる場合がある。
【０００８】
本発明で使用されるオリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫは、γ−オリザノール、ビタミンＤ２、ビタミンＤ３、ビタミンＫ１、ビタミンＫ２等が挙げられ、これらは１種又は２種以上を組み合わせて使用され、本発明の白濁化粧料の全組成に対し通常０．０１〜１．０％の範囲で配合するのが望ましい。０．０１％未満でも１．０％を超える配合量でも安定な白濁化粧料が得難い場合がある。なお、これら油性物質の配合量は本発明で使用されるトコフェロールまたはその誘導体の配合量に対し０．０５〜２倍量の範囲が好ましい。０．０５倍未満でも２倍を超える場合でも安定な白濁化粧料が得難い場合がある。
【０００９】
本発明で使用される非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のうちそのＨＬＢ値が８以上となるものであり、本発明の白濁化粧料の全組成に対し通常０．０２〜４．０％の範囲で配合するのが望ましい。ＨＬＢ値が８未満または配合量が０．０２％未満では安定な白濁化粧料が得難く、４．０％を超える配合量では使用感が好まれなくなる場合がある。なお、本発明で使用される親水性界面活性剤の配合量は、本発明で使用されるトコフェロールまたはその誘導体およびオリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫから選ばれる油性物質の合計量に対し０．１〜１０倍量の範囲が好ましい。０．１倍未満では安定な白濁化粧料が得難く、１０倍を超える場合には透明な外観や使用感が好まれない場合がある。なお、非イオン性界面活性剤はエタノールに溶解させることが、本発明の白濁化粧料において必要である。
【００１０】
水分量は本発明の使用目的、適切な物性に応じて適宜選択し得る。
【００１１】
本発明では、さらに化粧料、医薬品等に通常使用される薬効剤、保湿成分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機粉体、香料、色素などを必要に応じて配合することができる。
【００１２】
【実施例】
次ぎに実施例を挙げて本発明を説明するが、それに先立ち評価方法を示す。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【００１３】
評価方法
（保存安定性）
２０℃および４０℃の恒温槽に試作品をいれ、１か月後に観察を行った。

【００１４】
（使用感）
女子２０人（パネラー）が１週間連続使用した後、使用感（べたつきのなさ、なじみ）の良否を下記の基準に従って評価した。

【００１５】
実施例１〜2、比較例１〜3（白濁保湿ローション）
表１に示す白濁保湿ローションは次の製造法により調製した。
（製造法）表中の（Ａ）各成分を均一に混合溶解する。表中の（Ｂ）各成分を均一に混合溶解する。（Ａ）に（Ｂ）を撹拌しながら加えて各白濁保湿ローションを得る。
これを試料として上記の評価方法に従って評価した。その結果を表１に示す。
【００１６】
【表１】

【００１７】
表１より本発明品は、べたつかず、なじみが良好で、さらに保存安全性にも優れていた。
【００１８】
実施例３（白濁老化防止ローション）
表２で示す組成にて、表１と同様に白濁老化防止ローションを調製した。
【００１９】
【表２】

【００２０】
この実施例３の白濁老化防止ローションは、保存安定性、使用時のべたつきのなさ・なじみの良さにも優れていた。
【００２１】
【発明の効果】
以上の記載の通り、本発明の白濁化粧料は、使用時にべたつかず、なじみが良好であるなど、優れた使用感を有し、かつ保存安定性に優れている。

Claims

エタノールに、（１）トコフェロールまたはその誘導体の一種または二種以上と、（２）オリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫから選ばれる一種または二種以上と、（３）非イオン性界面活性剤を溶解した後、水と混合して得られることを特徴とする白濁化粧料であり、（２）オリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫから選ばれる一種または二種以上の配合量が、（１）トコフェロールまたはその誘導体の一種または二種以上の配合量に対し０．０５〜２倍量の範囲内であることを特徴とする白濁化粧料。
エタノールに、（１）トコフェロールまたはその誘導体の一種または二種以上と、（２）オリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫから選ばれる一種または二種以上と、（３）非イオン性界面活性剤を溶解した後、水と混合することを特徴とし、且つ（２）オリザノール、ビタミンＤ、ビタミンＫから選ばれる一種または二種以上の配合量が、（１）トコフェロールまたはその誘導体の一種または二種以上の配合量に対し０．０５〜２倍量の範囲内であることを特徴とする白濁化粧料の製造方法。