JP4251737B2 - 外用ゲル状乳化組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用感と保湿性に優れた透明性を有する外用ゲル状乳化組成物、特にスキンケアクリーム剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキンケアクリーム剤としては、従来、クリーム剤及びゲル剤が繁用されてきた。
クリーム剤は、塗り心地がなめらかであり、また、皮膚へのなじみが良くしっとり感を与えるが、一方では、油脂が主成分である為、ベタツキ感、油性感及びぬめり感が強いという欠点があった。
一方、ゲル剤は、クリーム剤の欠点である塗布時のベタツキ感はなく、さっぱりとした使用感があり塗り心地もさわやかであるが、塗布時に皮膚になじみにくくうるおい不足を感じがちであった。さらに、塗布後にゲル剤中の水分が乾燥する直前に、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子に起因する極めて強いベタツキを生じることが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
使用感及び保湿性の両者に優れる外用製剤、特にスキンケアクリーム剤の開発が求められている。即ち、塗布時のベタツキ感がなく、また、塗布後の水分が乾燥する直前のベタツキもなくさわやかな使用感があると共に、皮膚へのなじみが良く高い保湿性の維持が可能である外用製剤が待ち望まれている。
また、特にスキンケアクリーム剤としては、爽快でさわやかな印象やイメージの付与が商品性にとって重要なファクターであり、透明感のある安定な外用製剤への期待が大きい。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カルボキシビニルポリマー、1種類の油脂若しくは2種類以上の油脂の混合物である油性物質、室温で固体若しくはペースト状であるポリエチレングリコール、保湿剤及び乳化剤を配合してなる外用ゲル状乳化組成物である。
本発明に係る外用ゲル状乳化組成物は、塗布時のベタツキ感・ぬめり感や塗布後の該組成物中の水分が乾燥する直前のベタツキ感もなくさわやかな使用感を有すると共に、皮膚になじみやすくしっとり感に優れるという極めて優れた特性を有する。特に、スキンケアクリーム剤の良好な使用感と保湿性の確保の両立を可能とするものであり、透明性を有し且つ経時的安定性に優れた外用ゲル状組成物とすることができる。
【0005】
本発明に係るカルボキシビニルポリマーの配合比率は、特に限定されないが、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.002〜0.01重量部であることが望ましい。
【0006】
ポリエチレングリコール(別名:マクロゴール)は、重合度の異なる種々の製品が市販されているが、本発明に係るポリエチレングリコールは、室温で固体若しくはペースト状であるものを用いる。室温で液状のポリエチレングリコールは、カルボキシビニルポリマーのベタツキ感を増幅させるからである。
ポリエチレングリコールは、その凝固点が、特に、35℃〜65℃であるグレードを用いることが望ましい。具体的なグレードとしては、重合度が1000以上であるものが望ましく、例えば、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール1540、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000等を挙げることができる。
また、本発明に係るポリエチレングリコールの配合比率は、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.005〜0.03重量部であることが望ましく、さらに望ましくは0.01〜0.03重量部である。この配合比率により、塗布時のさわやかな塗り心地とさらさら感を達成できる。尚、0.03重量部を超えて配合した場合は、塗布時に、手のひらに微粉を触ったかのような不快感が残るため、好ましくない。
【0007】
本発明に係る油性物質とは、1種類の油脂若しくは2種類以上の油脂の混合物を意味する。本発明に係る油性物質として使用する油脂の種類は限定されないが、1種類の油脂若しくは2種類以上の油脂の混合物としての油性物質は、室温で固体若しくはペースト状であることが望ましい。室温で固体若しくはペースト状である油性物質は、カルボキシビニルポリマーの欠点である「塗布後のゲル剤中の水分が乾燥する直前に生じる極めて強いベタツキ」を改善できる。
油脂としては、例えば、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、及び天然トリグリセライドなどが挙げられ、これらのうち1種類又は2種類以上を混合して使用してもよい。炭化水素とは、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ポリイソブテンが挙げられる。高級アルコールとは、例えば、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が、高級脂肪酸とは、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられるが、もちろんこれらに限定される訳ではない。
油脂の混合物としての油性物質は、融点が45℃以下であることが望ましく、さらに望ましくは40℃以下である。
また、本発明に係る油性物質の配合比率は、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.01〜0.06重量部であり、望ましくは0.01〜0.05重量部であり、さらに望ましくは0.01〜0.04重量部である。0.01重量部未満の配合時には、塗布時に皮膚になじみにくくうるおい不足を感じがちになる。また、0.08重量部より多量の配合時には、塗布時のベタツキ感や油性感が強くなると共に、外観上に於いても透明感のない白色の乳化組成物となる。
【0008】
本発明に係る保湿剤は、多価アルコールを使用することが望ましい。
多価アルコールとしては、例えば、グリコール類、糖類、グリセリン類、植物エキス成分、水溶性高分子、NMF成分(自然保湿成分)及び/又はビタミン類などが挙げられるが、特に、グリコール類及び/又は糖類が望ましい。
尚、グリコール類としては、例えば、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール及び/又は1,3ーブチレングリコールを、糖類としては、例えば、ソルビトール、還元麦芽糖水飴、キシリトール、エリスリトール、及び/又はムコ多糖類を配合することが望ましいが、もちろんこれらに限定されるわけではない。グリセリン類としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンが、植物エキス成分としては、例えば、アロエベラ、レンゲソウエキス、米発酵エキス、桃の葉エキスが、水溶性高分子としては、例えば、ヒアルロン酸、核酸が、NMF成分としては、例えば、尿素、乳酸ピロリドンカルボン酸塩、アミノ酸が、ビタミン類としては、例えば、ビタミンAパルミテート、酢酸dーαートコフェロール、アスコルビン酸マグネシウム等が挙げられる。多価アルコールとして、これらの成分を単独で使用してもよいし、2種類以上の成分を組み合わせて使用してもよい。
【0009】
本発明に係る乳化剤とは、1種類の界面活性剤もしくは2種類以上の界面活性剤の混合物である。界面活性剤は、いずれの種類を用いてもよく、例えば、親油性非イオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。乳化剤としては、これらの分類に属する界面活性剤のいずれか1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、爽快でさわやかな印象やイメージを有する透明感のある外用ゲル状乳化組成物、特に、透明性を有するスキンケアクリーム剤は、乳化剤のHLB(乳化剤のHLBとは、1種類の界面活性剤を用いる場合はその界面活性剤自体のHLBであり、2種類以上の界面活性剤を組み合わせて使用する場合には界面活性剤の混合物のHLBを意味する)が10以上であり、望ましくは10.5以上である。乳化剤のHLBは、例えば、HLBの低い親油性非イオン界面活性剤とHLBの高い親水性非イオン界面活性剤を混合することにより、任意に調整することが可能である。
また、乳化剤の配合比率は、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.01重量部以上である。
【0010】
本発明に係るゲル状乳化組成物には、薬効成分を配合しても良く、例えば、ビタミンE類(酢酸ーdーαートコフェロール等)、ビタミンA油、コレカルシフェロール等のビタミン剤、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、インドメタシン等の抗炎症剤、ジフェンヒドラミン又はその塩酸塩、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、プレドニゾロン等のステロイド剤、リドカイン等の局所麻酔剤、クロタミトン、尿素等の抗掻痒剤を配合してもよい。
また、本発明に係るゲル状乳化組成物には、非薬効成分として、防腐剤、抗酸化剤、キレート剤等を配合してもよい。防腐剤としては、例えば、パラベン類、安息香酸塩を、抗酸化剤は、例えば、トコフェロール(ビタミンE)、BHTを、キレート剤としては、例えば、EDTA又はそのアルカリ塩等が挙げられる。
【0011】
本発明に係る外用ゲル状乳化組成物、特にスキンケアクリーム剤は、塗布時のベタツキ感がなく、また、塗布後の水分が乾燥する直前のベタツキもなくさわやかな使用感を有する。また、皮膚へのなじみが良く、高い保湿性の維持が可能であり、透明感も有し且つ経時的安定性に優れるという際立って優れた物性を有している。
【0012】
本発明に係る外用液剤は通常用いられる方法により製造することができる。
例えば、油性物質として流動パラフィン100g、ステアリン酸57g、セトステアリルアルコール43g、乳化剤としてHLBの低い親油性モノステアリン酸グリセリン30gとHLBの高いモノステアリン酸ポリグリセリル150gを混合し加温溶解する(油相)。別に、ポリエチレングリコール150g、ジプロピレングリコール250g、還元麦芽糖水飴200gをアルカリを添加した精製水に加温溶解させる(水相1)。また、カルボキシビニルポリマー45gを精製水に分散させる(水相2)。約80℃に保たれた油相を高速撹拌しながら、水相1を添加し、乳化液を得る。該乳化液を高速撹拌しながら50〜55℃まで冷却した後に、水相2を添加し、十分に撹拌しながら35℃まで冷却することにより、スキンケアクリーム剤に適した外用ゲル状乳化組成物10000gを製造することができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によると、塗布時のベタツキ感がなく、また、塗布後の水分が乾燥する直前のベタツキもなくさわやかな使用感があると共に、皮膚へのなじみが良く高い保湿性の維持が可能な外用製剤とすることが可能である。さらに、爽快でさわやかな透明性を有するスキンケアクリーム剤とすることができる。
その効果例を以下に示す。
【0014】
実験例
(1)ゲル状乳化組成物中の油性物質の配合比率の効果
下記に示す実施例1〜4で得られた「油性物質(油脂である流動パラフィン、ステアリン酸及びセトステアリルアルコールの混合物)のゲル状乳化組成物の総量1重量部に対する配合比率」を変化させた外用ゲル状乳化組成物を、対照例1〜5の外用ゲル状乳化組成物と比較して、物性評価を行なった。
評価は、塗布使用時における使用感について、1)塗布使用感の官能評価(ベタツキ感、油性感、ぬめり感の有無)、及び、2)平均摩擦係数(MIU)と平均摩擦係数の変動(MMD)の測定により行なった。
尚、平均摩擦係数(MIU)及び平均摩擦係数の変動(MMD)は、クリーム剤等のすべりやすさ、伸び、なめらかさの指標のひとつであり、MIUは数値が小さいほどすべりが良く、MMDは数値が小さいほどなめらかさが大きいことを意味する。MIU及びMMDは、以下の方法により測定した。
(測定方法)
各実施例で得られた各ゲル状乳化組成物約50mgを3×8cm2の人工皮革上に一定方向に30回伸ばして均一に塗布した。塗布30分後に、摩擦感テスター(タイプ:KES−SE−DC、カトーテック(株)製)を用いて、摩擦子(シリコン製)の移動スピード1mm/秒、摩擦静荷重50gの測定条件により、MIU及びMMDを測定した。
結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
Figure 0004251737
【0016】
実施例1〜4と対照例1〜5の比較評価の結果、油性物質の配合比率が外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.01〜0.04重量部である実施例1〜4では、塗布時及び塗布後の官能評価において、ベタツキ感、油性感及びぬめり感がなく良好な使用感があり、MIUは0.271〜0.320、MMDは0.012〜0.014であった。一方、油性物質の配合比率が、0〜0.005重量部である対照例1〜3ではベタツキ感が強く、MIUは0.329〜0.557、MMDも0.015〜0.020と大きな値を示したが、油性物質の配合比率が0.06重量部以上である対照例4及び5では、油性感とぬめり感が強く、MIUは0.238以下、MMDも0.011以下と相対的には小さな値を示した。
以上から、本発明における油脂の混合物としての油性物質の配合効果は明らかであり、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.01〜0.06重量部を、望ましくは0.01〜0.05重量部を、さらに望ましくは0.01〜0.04重量部を配合することにより、使用感と保湿性の良好な外用ゲル状乳化組成物が得られることは明白である。
【0017】
(2)ゲル状乳化組成物中の油性物質の融点の効果
下記に示す実施例5〜7で得られた各々「種々の融点を有する油性物質(油脂である流動パラフィン、ステアリン酸及びセトステアリルアルコールの混合物)」を配合した外用ゲル状乳化組成物を、対照例6〜9の外用ゲル状乳化組成物と比較して、(1)と同様の方法により物性評価を行なった。尚、油性物質の融点は、油性物質中の油脂配合比(ステアリン酸及びセトステアリルアルコールの配合量/パラフィン配合量)を変化させることにより調整した。
結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
Figure 0004251737
【0019】
実施例5〜7と対照例6〜9の比較評価の結果、油性物質中の油脂配合比(ステアリン酸及びセトステアリルアルコールの配合量/流動パラフィン配合量)が、0/2、0.7/1.3、1.0/1.0である実施例5〜7では、油脂の混合物としての油性物質の融点は、各々、-15.0℃、34.2℃、37.7℃になり、これを配合した外用ゲル状乳化組成物は、その官能評価において、ベタツキ感、油性感及びぬめり感がなく良好な使用感であった。また、MIUは0.237〜0.269、MMDは0.010〜0.013であった。
一方、油性物質中の油脂配合比(ステアリン酸及びセトステアリルアルコールの配合量/固形パラフィン配合量)が、2/0、1.0/1.0、0.7/0.3、0/2(実施例13〜16)である対照例6〜9では、油性物質の融点は各々、46.2℃、56.0℃、58.2℃、61.0℃になり、油性感とぬめり感が強く、また、MIUは0.300〜0.587、MMDも0.014〜0.018と相対的には大きな値を示した。
以上から、本発明における油脂の混合物としての油性物質の融点が外用ゲル状乳化組成物の塗布使用感に及ぼす効果は明らかであり、融点が45℃以下、さらに望ましくは40℃以下の油性物質を配合することにより、使用感と保湿性の良好な外用ゲル状乳化組成物が得られることは明白である。
【0020】
(3)ゲル状乳化組成物中の乳化剤のHLBの効果
下記に示す実施例8〜10で得られた各々「種々のHLBを有する乳化剤(親油性モノステアリン酸グリセリンとモノステアリン酸ポリグリセリンの混合物)」を配合した外用ゲル状乳化組成物を、対照例10〜11の外用ゲル状乳化組成物と比較して、物性評価を行なった。尚、乳化剤の種々のHLBは、親油性モノステアリン酸グリセリン(HLB3.0)とモノステアリン酸ポリグリセリン(HLB12.5)の配合比率を変化させることにより、調整した。
評価は、目視による外観評価(製造初期、-25℃で24時間保存、60℃で7日間保存、-25℃と60℃(24時間ずつのサイクル))である。
結果を表3に示した。
【0021】
【表3】
Figure 0004251737
【0022】
実施例8〜10と対照例10〜11の比較評価の結果、乳化剤のHLBが各々10.5、10.9、11.4である実施例8〜10のいずれにおいても、目視による外観評価(製造初期、-25℃で24時間保存、60℃で7日間保存、-25℃と60℃(24時間ずつのサイクル)で10日間保存)では、均一で透明感のある良好な乳化状態が保たれていた。
一方、乳化剤のHLBが各々7.5、9.9である対照例10〜11では、苛酷試験において、透明感の消失等の外観変化が認められた。
以上から、本発明における乳化剤のHLBの外用ゲル状乳化組成物に及ぼす安定化効果は明らかであり、HLBが10以上の乳化剤を配合することにより、透明感を有する安定な外用ゲル状乳化組成物が得られることは明白である。
【0023】
(4)ゲル状乳化組成物中の乳化剤の配合比率の効果
下記に示す実施例11〜12で得られた「乳化剤(親油性モノステアリン酸グリセリンとモノステアリン酸ポリグリセリンの混合物)のゲル状乳化組成物の総量1重量部に対する配合比率」を変化させた外用ゲル状乳化剤を、対照例12〜13の外用ゲル状乳化組成物と比較して、(3)と同様の方法により物性評価を行なった。尚、乳化剤のHLBは、10.9に固定した。
結果を表4に示した。
【0024】
【表4】
Figure 0004251737
【0025】
実施例11〜12と対照例12〜13の比較評価の結果、ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対する乳化剤の配合比率が各々0.018、0.0215である実施例11〜12のいずれにおいても、目視による外観評価(製造初期、-25℃で24時間保存、60℃で7日間保存、-25℃と60℃(24時間ずつのサイクル)で10日間保存)では、均一で透明感のある良好な乳化状態が保たれていた。
一方、乳化剤の配合比率が各々0.0055、0.0085である対照例12〜13では、-25℃で24時間保存の苛酷試験において、透明感の消失等の外観変化が認められた。
以上から、本発明における乳化剤の配合比率の外用ゲル状乳化組成物に及ぼす安定化効果は明らかであり、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.01重量部以上の乳化剤を配合することにより、透明感を有する安定な外用ゲル状乳化組成物が得られることは明らかである。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるわけではない。
【0027】
実施例1〜4
油性物質として流動パラフィン65〜260g、ステアリン酸20〜80g、セトステアリルアルコール15〜60g、乳化剤としてHLBの低い親油性モノステアリン酸グリセリン(MGS−B)30gとHLBの高いモノステアリン酸ポリグリセリル(デカグリン1ーS)150g、薬効成分として酢酸dーαートコフェロール(EMA)30gを混合し加温溶解する(油相)。別に、ポリエチレングリコール4000(PEG4000)150g、ジプロピレングリコール(DPG)250g、還元麦芽糖水飴200g、薬効成分としてグリチルリチン酸ジカリウム(グリチル2K)10g、防腐剤としてメチルパラベン20g、pH調整剤としてL−アルギニンを適量の精製水に添加し加温溶解させる(水相1)。また別に、カルボキシビニルポリマー45gを適量の精製水に分散させる(水相2)。約80℃に保たれた油相を高速撹拌しながら、水相1を添加し、乳化液を得る。該乳化液を高速撹拌しながら50〜55℃まで冷却した後に、水相2を添加し、十分に撹拌しながら35℃まで冷却し、スキンケアクリーム剤に適した塗布時及び塗布後のベタツキ感、油性感及びぬめり感がなく、良好な使用感を有する外用ゲル状乳化組成物10000gを得た。
各処方は、先述した表1に示した。
【0028】
実施例5〜7
油性物質として流動パラフィン100〜200g、ステアリン酸40〜57g、セトステアリルアルコール30〜43g、乳化剤としてHLBの低い親油性モノステアリン酸グリセリン(MGS−B)30gとHLBの高いモノステアリン酸ポリグリセリル(デカグリン1ーS)150g、薬効成分として酢酸dーαートコフェロール(EMA)30gを混合し加温溶解する(油相)。別に、ポリエチレングリコール4000(PEG4000)150g、ジプロピレングリコール(DPG)250g、還元麦芽糖水飴200g、薬効成分としてグリチルリチン酸ジカリウム(グリチル2K)、防腐剤としてメチルパラベン20g、pH調整剤としてL−アルギニンを適量の精製水に添加し加温溶解させる(水相1)。また別に、カルボキシビニルポリマー45gを適量の精製水に分散させる(水相2)。約80℃に保たれた油相を高速撹拌しながら、水相1を添加し、乳化液を得る。該乳化液を高速撹拌しながら50〜55℃まで冷却した後に、水相2を添加し、十分に撹拌しながら35℃まで冷却し、スキンケアクリーム剤に適した塗布時及び塗布後のベタツキ感、油性感及びぬめり感がなく、良好な使用感を有する外用ゲル状乳化組成物10000gを得た。
各処方は、先述した表2に示した。
【0029】
実施例8〜10
油性物質として流動パラフィン30g、ステアリン酸130g、セトステアリルアルコール40g、乳化剤としてHLBの低い親油性モノステアリン酸グリセリン(MGS−B)20〜40gとHLBの高いモノステアリン酸ポリグリセリル(デカグリン1ーS)150g、薬効成分として酢酸dーαートコフェロール(EMA)30gを混合し加温溶解する(油相)。別に、ポリエチレングリコール4000(PEG4000)150g、ジプロピレングリコール(DPG)250g、還元麦芽糖水飴200g、薬効成分としてグリチルリチン酸ジカリウム(グリチル2K)、防腐剤としてメチルパラベン20g、pH調整剤としてL−アルギニンを適量の精製水に添加し加温溶解させる(水相1)。また別に、カルボキシビニルポリマー45gを適量の精製水に分散させる(水相2)。約80℃に保たれた油相を高速撹拌しながら、水相1を添加し、乳化液を得る。該乳化液を高速撹拌しながら50〜55℃まで冷却した後に、水相2を添加し、十分に撹拌しながら35℃まで冷却し、スキンケアクリーム剤に適した均一で透明感のある保存安定性に優れた外用ゲル状乳化組成物10000gを得た。
各処方は、先述した表3に示した。
【0030】
実施例11〜実施例12
油性物質として流動パラフィン30g、ステアリン酸130g、セトステアリルアルコール40g、乳化剤としてHLBの低い親油性モノステアリン酸グリセリン(MGS−B)30〜35.8gとHLBの高いモノステアリン酸ポリグリセリル(デカグリン1ーS)150〜179.2g、薬効成分として酢酸dーαートコフェロール(EMA)30gを混合し加温溶解する(油相)。別に、ポリエチレングリコール4000(PEG4000)150g、ジプロピレングリコール(DPG)250g、還元麦芽糖水飴200g、薬効成分としてグリチルリチン酸ジカリウム(グリチル2K)10g、防腐剤としてメチルパラベン20g、pH調整剤としてL−アルギニンを適量の精製水に添加し加温溶解させる(水相1)。また別に、カルボキシビニルポリマー45gを適量の精製水に分散させる(水相2)。約80℃に保たれた油相を高速撹拌しながら、水相1を添加し、乳化液を得る。該乳化液を高速撹拌しながら50〜55℃まで冷却した後に、水相2を添加し、十分に撹拌しながら35℃まで冷却し、スキンケアクリーム剤に適した均一で透明感のある保存安定性に優れた外用ゲル状乳化組成物10000gを得た。各処方は先述した表4に示した。

Claims (11)

  1. カルボキシビニルポリマー、油性物質、室温で固体若しくはペースト状であるポリエチレングリコール、保湿剤、及び乳化剤を配合してなる外用ゲル状乳化組成物であって、
    カルボキシビニルポリマーの配合比率が、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.002〜0.01重量部であり、
    油性物質の配合比率が、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.01〜0.0重量部であり、
    油性物質は、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、及び天然トリグリセライドから選択される1種類の油脂若しくは2種類以上の油脂の混合物である、外用ゲル状乳化組成物。
  2. ポリエチレングリコールの凝固点が、35℃〜65℃である請求項1記載の外用ゲル状乳化組成物。
  3. ポリエチレングリコールの配合比率が、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.005〜0.03重量部である請求項1記載の外用ゲル状乳化組成物。
  4. 油性物質が、45℃以下の融点を有することを特徴とする請求項1記載の外用ゲル状乳化組成物。
  5. 保湿剤が、多価アルコールである請求項1記載の外用ゲル状乳化組成物。
  6. 多価アルコールが、グリコール類及び/又は糖類である請求項5記載の外用ゲル状乳化組成物。
  7. グリコール類が、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール及び/又は1,3ーブチレングリコールである請求項6記載の外用ゲル状乳化組成物。
  8. 糖類が、ソルビトール、還元麦芽糖水飴、キシリトール及び/又はエリスリトールである請求項6記載の外用ゲル状乳化組成物。
  9. 乳化剤が、1種類の界面活性剤もしくは2種類以上の界面活性剤の混合物であり、そのHLBが10以上である請求項1記載の外用ゲル状乳化組成物。
  10. 乳化剤の配合比率が、外用ゲル状乳化組成物の総量1重量部に対して0.01重量部以上である請求項9記載の外用ゲル状乳化組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の外用ゲル状乳化組成物から成ることを特徴とするスキンケアクリーム剤。
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