JP5864134B2 - 液体化粧料 - Google Patents
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しかしながら、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールなど水溶性有機溶剤を使用すると、保湿性が不充分なため、塗布部の耐乾燥性が低下し、塗布跡のかすれを生じ、また、塗布部が乾燥した場合に、キャップをしておいても復元しにくい等の課題がある。また、保湿性の良いグリセリンを用いるか、または、上記の水溶性有機溶剤を充分に用い、塗布部の保湿性を向上させた場合、皮膚に塗布した状態での塗布跡乾燥性が悪く、例えば、アイライナーなどでは塗布跡の転写を起こすなどの課題がある。
しかしながら、上記特許文献1及び2の液状化粧料は、未だ十分な塗布部の耐乾燥性、塗布部の乾燥復元性、描線の固着性が得られていないのが現状であり、更なる改善が切望されている。
(1) 着色剤と、水と、皮膜形成剤を固形分換算で2〜9.45質量%未満と、下記A群〜G群に挙げられる化合物の還元物である糖類から選ばれる少なくとも1種類を2〜10質量%とを含有することを特徴とする液体化粧料。
A群:ガラクトース、フラクトース、マンノース、アラビノース、ラムノース、リボース、キシロース、ソルボース
B群:スクロース、メリビオース、トレハロース、ラクトース、ゲンチオビオース、ラミナリビオース、ラクチュロース、キシロビオース
C群:ラクトスクロース、ラフィノース、マルトトトリオース、イソマルトース、パラチノース、ケストース、ゲンチオシルセロビオース
D群:マルトテトラオース、ゲンチオシルセロトリオース、ニストース
E群:マルトペンタオース、マルトヘキサオース
F群:難消化性デキストリン、ポリデキストロース、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カードラン
G群:デンプン、タピオカデンプン、デキストリン、マルチトール、グリコーゲン、セルロース、キチン、カラギーナン、ヒアルロン酸、ペクチン
(2) 前記化合物の還元物である糖類が、上記G群に挙げられる中から選ばれることを特徴とする上記(1)に記載の液体化粧料。
(3) EMD型粘度計におけるずり速度76.8S-1の粘度(25℃)が2〜300mPa・sの範囲であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の液体化粧料。
(4) 筆穂、ペン芯、あるいは、ゴム、エラストマー、または復元性を有する独立気泡体から構成されるものから選ばれる塗布部を具備した液体塗布具に充填されることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の液体化粧料。
本発明の液体化粧料は、着色剤と、水と、皮膜形成剤と、還元物である糖類から選ばれる少なくとも1種類とを含有することを特徴とするものである。
着色剤の具体例を挙げると、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色201号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色205号、緑色3号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、だいだい色201号、だいだい色203号、だいだい色204号、だいだい色205号、だいだい色206号、だいだい色207号、かっ色201号、紫色201号、紫色401号、黒色401号などの染料または顔料が挙げられ、更に上記染料のうち赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色1号、青色2号、青色202号、青色205号、だいだい色205号、だいだい色207号、かっ色201号などレーキ化可能なもののバリウム、カルシウム、ジルコニウムもしくはアルミニウムレーキ顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カラミンなどの無機顔料およびカーボンブラックが使用できる。
この着色剤の含有量が1%未満では、発色が薄くて化粧料として不十分となり、一方、20%を超えると、粘度が高くなり過ぎて、液体塗布具の吐出性に影響がある。
この含有量が2%未満では、耐水性能が不十分となり、一方、20%を超えて含有すると液体塗布具の塗布部が乾燥して塗布不能になる不具合が発生する。
好ましくは、還元タピオカデンプン、還元デキストリン、還元マルチトールなどの使用が望ましい。
この糖類が0.5%未満では、液体塗布具のキャップ開放による塗布具の筆穂、もしくはペン芯の乾燥抑制効果が悪く、一方、10%を超えて含有しても、含有による向上は見られず経済的でない。さらに耐水性に劣り、充分な固着力を得ることができないことがある。
用いることができる分散剤としては、上記機能を有するものであれば、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸あるいはこれらのアルキルエステル又は誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドンの中の1種又は2種以上から選択されるものからなる共重合体や、ベタイン型アルキル酸系両性樹脂などが挙げられ、好ましくは、カーボンブラックなどの着色剤の更なる分散性能の点から、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステル又は誘導体中から選ばれる1種と酢酸ビニルとの共重合体、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステルの1種以上とオクチルアクリルアミドとの共重合体が望ましく、特に好ましくは、更なる分散性能、皮膜形成能の点から、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステルの1種以上とオクチルアクリルアミドとの共重合体である。
これらの分散剤の含有量は、液体化粧料全量に対して、0.5〜5%が好ましく、更に好ましくは、1〜4%である。なお、用いる分散剤も皮膜形成性樹脂からなるものであり、上記皮膜形成剤との相違は、エマルジョン樹脂と、可溶性樹脂の点で異なるものであり、エマルジョン樹脂はモノマーを重合溶媒としての水の中で乳化重合させて得られた水懸濁液である。本発明においては、着色剤、例えば、カーボンブラックの分散において、エマルジョン樹脂よりも可溶性樹脂の方が安定したカーボンブラックの分散液が得られる。これらの点で分別して使用するものである。
この粘度値が2mPa・s未満では、粘度が低いため、描線がにじみやすくなり、一方、300mPa・sを超えると、粘度が高いため、使用に際し、塗布手段として筆穂又はペン芯を用いる液体化粧料塗布具に充填される液体化粧料では液がスムーズに吐出されなくなり、好ましくない。なお、粘度測定条件(後述する実施例等も含む)は、具体的には、トキメック社製、EMD型粘度計標準コーンローター20rpmにおける温度25℃、ずり速度76.8(S−1)で測定した値を意味する。
また、本発明において、アイライナーとしての安全性の点から、液体化粧料のpHを6.5〜8.5となるものが望ましい。
用いることができる塗布部を具備した液体塗布具としては、特に限定されず、アイライナー用又はアイブロウ用である筆穂、ペン芯や、ゴム、エラストマー、または復元性を有する独立気泡体から構成される塗布部となる塗布体を具備し、液体化粧料を充填する容器を有する塗布具であれば、特に限定されないが、本発明の液体化粧料を内蔵する液体塗布具には、中綿に液体化粧料を保持させる中綿式容器からなる液体塗布具、もしくは枚葉体に液体化粧料を保持させるコレクター式容器からなる液体塗布具、もしくは回転繰出部より繰り出して、または、ノック式繰出操作により繰り出して液体化粧料を塗出される化粧容器からなる液体塗布具が挙げられる。
タンク部21からペン先23への液体化粧料の導出は、コレクター部材22の中心孔に付設されたインキ流路24を設けた中継芯25を介してタンク部21から液体化粧料20をペン先23に導出することにより行われる。
なお、図2中の26,27はホルダー部材であり、28はタンク部21の後部に固着される後部軸体であり、29はインナーキャップを有するキャップである。また、中継芯25を介在させることなく、ペン先23の後部をタンク部21内に直接配置して液体化粧料の導出を行ってもよいものである。この形態の液体化粧料塗布具Bでは、キャップ29を取り外すことにより使用に供されることとなる。
下記表1に示す配合処方の液体化粧料(配合単位:質量%、全量100質量%)を調製し、各成分を混合し、室温下、3時間撹拌して、表1に示す各液体化粧料を得た。
このようにして得た各液体化粧料について、下記測定方法により粘度、pHを測定すると共に、図1に準拠する筆穂を穂首として取り付けた液体塗布具に充填して試験用サンプルとして、下記各評価方法により、塗布部耐乾燥性、塗布部乾燥復元性、塗布描線の固着性及びpH安定性について評価した。
得られた各液体化粧料について、EMD型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃、標準コーンローター20rpm、ずり速度76.8s−1のときの粘度(初期粘度)を測定した。
(pHの測定方法)
得られた各液体化粧料について、ガラス形pH電極(HORIBA社製)を用いて、液体化粧料の初期pHと、50℃、3ヶ月保存後のpHを測定した。
25℃、65%環境下で液体塗布具のキャップを外して、横向きに放置し、5分後に塗布して、下記評価基準で塗布部耐乾燥性を評価した。
評価基準:
○:描きやすく、充分な濃度がある。
△:多少のかすれ、にじみがあるが、実用域と判断される。
×:かすれ、にじみがあり、不満を感じる。
25℃、65%環境下で液体塗布具のキャップを外した状態で6時間静置後、キャップを装着し、24時間経過後に、紙面に幅1〜2mm、長さ約5cmの線を3本引き、描き具合、描線濃度を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:描きやすく、充分な濃度がある。
△:多少のかすれ、にじみがあるが、実用域と判断される。
×:かすれ、にじみがあり、不満を感じる。
手の甲に塗布し、10分間乾燥させた後に、流水にあて、指のはらで擦過し、塗布物の落具合を目視にて下記評価基準で官能評価した。
評価基準:
○:良好(塗布部の剥がれが少なく良好)。
△:普通(部分的に塗布部の剥がれがある)。
×:不良(塗布部がほとんど剥がれてしまう)。
ガラス形pH電極(HORIBA社製)を用いて、液体化粧料の初期pHと、50℃、3ヶ月保存後のpHを測定し、経時安定性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:良好(pHの変化が少ない)。
×:不良(pHの変化が多い)。
比較例を個別的にみると、比較例1は、還元物である糖類を含有しない場合であり、比較例2は皮膜形成剤を含有しない場合であり、比較例3〜6は、還元物である糖類以外の糖類(タピオカデンプン、デキストリン、マルチトール、シクロデキストリン)を用いた場合であり、これらの場合、塗布部耐乾燥性、塗布部乾燥復元性、塗布描線の固着性、pH安定性の全てを満足することができないことが判明した。
10 化粧具本体
Claims (4)
- 着色剤と、水と、皮膜形成剤を固形分換算で2〜9.45質量%未満と、下記A群〜G群に挙げられる化合物の還元物である糖類から選ばれる少なくとも1種類を2〜10質量%とを含有することを特徴とする液体化粧料。
A群:ガラクトース、フラクトース、マンノース、アラビノース、ラムノース、リボース、キシロース、ソルボース
B群:スクロース、メリビオース、トレハロース、ラクトース、ゲンチオビオース、ラミナリビオース、ラクチュロース、キシロビオース
C群:ラクトスクロース、ラフィノース、マルトトトリオース、イソマルトース、パラチノース、ケストース、ゲンチオシルセロビオース
D群:マルトテトラオース、ゲンチオシルセロトリオース、ニストース
E群:マルトペンタオース、マルトヘキサオース
F群:難消化性デキストリン、ポリデキストロース、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カードラン
G群:デンプン、タピオカデンプン、デキストリン、マルチトール、グリコーゲン、セルロース、キチン、カラギーナン、ヒアルロン酸、ペクチン - 前記化合物の還元物である糖類が、上記G群に挙げられる中から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の液体化粧料。
- EMD型粘度計におけるずり速度76.8S−1の粘度(25℃)が2〜300mPa・sの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体化粧料。
- 筆穂、ペン芯、あるいは、ゴム、エラストマー、または復元性を有する独立気泡体から構成されるものから選ばれる塗布部を具備した液体塗布具に充填されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の液体化粧料。
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