JP5886020B2 - 水性美爪料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、爪を綺麗に見せる水性美爪料組成物に関し、ネイル用アートペン、特に、直液式のペン型容器に充填した板状顔料を含有する水系組成分の経時的なハードケーキ化を防止し、板状顔料の再分散性を向上させることができる水性美爪料組成物に関する。
近年、水性美爪料組成物は、有機溶剤系の美爪料組成物に較べ、爪や皮膚が荒れるという身体への影響も少なく、数多くの水性美爪料組成物が開発されてきている。
従来、光輝性の水性美爪料組成物として、光輝性を得るための顔料としてパール顔料、アルミニウム顔料などを用いた場合、最低でも粒子径3μm以上となることが必要である。このような大きい粒子径となる顔料を配合する水性美爪料組成物では顔料が沈降してハードケーキが発生し、その結果、水性美爪料塗布具において再分散のためのボールや棒などの撹拌部材を複数回撹拌する必要がある。
これらの光を反射させて光輝性を得るパール顔料等は、通常の有機顔料や無機顔料よりもその粒径は大きく、主に板状顔料から構成されるものであるため、これらの板状顔料を含有する水性美爪料組成物では、長期間の静置や温度変化の大きい環境での保管は、沈降した板状顔料が固いハードケーキを形成し、撹拌部材が動かなくなる現象やそれによる再分散性の悪化の問題が起こりやすい。これは、板状顔料が高比重大粒径であることから沈降しやすく、また、平板であるため沈降する際に平面側が向かい合って積み重なる層状構造になるため、顔料同士の接触面積が大きく、接触抵抗も大きくなり、さらに、顔料の分散剤が絡み合い、接触面の接着をより強固にするため、固い沈降(ハードケーキ)を作りやすいからである。
これらの課題を解決しようとした水性美爪料組成物等としては、1)少なくとも、水と、水溶性樹脂と、平板状顔料と、エマルジョン樹脂と、保湿剤と、防菌剤とを含む水系美爪料において、表面張力が33dyn/cm以下であって、更に結晶セルロースを含み、温度25℃でのコーンプレート型粘度計によるずり速度38.3s−1のときの粘度が10〜40mPa・s、ずり速度383s−1のときの粘度が5〜20mPa・sとなる水系美爪料組成物(例えば、本出願人による特許文献1参照)、2)微細結晶セルロースを酸化チタン、セリサイトなどの無機顔料や、レーキレッドなどの有機顔料、ナイロンパウダーなどの樹脂粉体の表面に付着または被覆してなる化粧料用顔料を含有してなることを特徴とする化粧料(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1では、経時前の平板状顔料の再分散性は良好となるものであるが、長期間の高温経時によって美爪料組成物の再分散性が悪くなることがあるなど若干の課題が未だあるのが現状である。
また、上記特許文献2の化粧料に用いる顔料は、本願発明の近接技術を開示するものであるが、水性美爪料に配合して初期及び経時後の再分散性が良好となることについては全く記載も示唆もされていない。また、球状あるいは塊状の顔料を処理して隙間なく処理されていることについての開示はあるが、板状顔料を処理したものについては開示されていない。実際には、当該特許文献2に基づく処理方法による処理顔料(製造実施例1)の状態を電子顕微鏡(×35000倍)でみると、図4に示すように、一部が露出した状態、具体的には、一部しか被覆されていない状態である。このため、水性の美爪料に配合し、低粘度の組成物とした際、ハードケークを生じ、再分散性が悪くなることが予想される。
WO2010/055838(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−146841号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、水性美爪料組成物として、板状顔料を含有した際の経時的なハードケーキ形成、これによる再分散性の悪化を解決し、優れた再分散性、終筆性、隠ぺい力に優れた水性美爪料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、板状粒子の密着を阻害しようと結晶セルロースの配合を試みたが、上記多糖類が板状粒子間をすり抜けて密着を阻害するに至らなかった。このようなさまざまな検討を行った結果、板状顔料が密着しないよう、顔料表面に立体障害となる物質を付着させることで粒子同士の密着を抑制し、再分散性等を良好にすることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の(1)〜()に存する。
(1) 少なくとも下記A群の高分子から選ばれる水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料を3〜20質量%と、アクリル酸アルキル共重合体を固形分換算で2〜10質量%と、下記B群から選ばれる中和剤と、更に下記A群の水不溶性物質とは別に結晶セルロースを0〜3質量%と、水を含有することを特徴とする水性美爪料組成物。
A群:セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、ラテックス
B群:2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、アンモニア水、水酸化ナトリウム
(2) 上記板状顔料が、パール顔料、アルミニウム粉顔料、金属または金属酸化物コーティングガラスフレーク、及びアルミコーティングポリエステルフィルムの1種以上から選択される顔料であることを特徴とする上記(1)に記載の水性美爪料組成物。
(3) 上記水不溶性物質は、上記板状顔料を表面被覆率0.1〜10%で覆うことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の水性美爪料組成物。
(4) ずり速度38.4s−1のときの粘度が4〜65mPa・s、ずり速度384s−1のときの粘度が4〜24mPa・sの範囲にある上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の水性美爪料組成物。
(5) 少なくとも下記A群の高分子から選ばれる水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料を3〜20質量%とアクリル酸アルキル共重合体を固形分換算で2〜10質量%と下記B群から選ばれる中和剤と更に下記A群の水不溶性物質とは別に結晶セルロースを0〜3質量%と水を配合し、該板状顔料を分散してなることを特徴とする水性美爪料組成物の製造方法。
A群:セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、ラテックス
B群:2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、アンモニア水、水酸化ナトリウム
(6) アクリル酸エステルを分子内に含有する樹脂及び/又は結晶セルロースを添加し、水性美爪料組成物を、ずり速度38.4s−1のときの粘度を4〜65mPa・s、ずり速度384s−1のときの粘度を4〜24mPa・sの範囲とする上記(5)に記載の水性美爪料組成物の製造方法。
(7) さらに、pH調整剤を添加し、水性美爪料組成物のpHを6〜9の範囲内とする上記(5)又は(6)に記載の水性美爪料組成物の製造方法。
本発明によれば、経時沈降安定性に優れ、板状顔料が沈降してもハードケイクを生じ難く、攪拌することで容易に再分散可能であり、使用性に優れ、爪の上で、美麗な線及び模様を簡単に描くことができる水性美爪料組成物及びその製造方法が提供される。
本発明の水性美爪料組成物を収容する美爪料塗布具の一例を示す部分縦面図である。 図1の美爪料塗布具に用いる塗布体の全体側面図である。 図2のI−I線に沿う塗布体の横断面図である。 従来例となる特許文献2(特開2003−146841号公報)に記載の製造実施例1の処理顔料の電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の水性美爪料組成物は、少なくとも水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料を3〜20質量%と、水を含有することを特徴とするものである。
本発明で用いる少なくとも水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料とは、水不溶性で、かつ板状顔料の面接触を立体的に阻害しうる物質であり、例えば、パール顔料、アルミニウム粉顔料、金属または金属酸化物コーティングガラスフレーク、及びアルミコーティングポリエステルフィルムなどの板状顔料に、少なくとも上記水不溶性物質を上記板状顔料の表面に被覆したものである。
本発明における水不溶性物質としては、高分子であるセルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、ラテックスやシリカ、アルミナ、シリコーンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
この水不溶性物質を上記板状顔料の表面に被覆する方法等としては、例えば、1)水不溶性物質と板状顔料を混合した水スラリー状物をスプレードライヤーにて噴霧乾燥させ、板状顔料表面に水不溶性物質を接着させる方法(以下、「製法1」という)、2)酸性、あるいは塩基性水溶液に可溶な物質をpH調整して水に溶かし、酸・あるいは塩基で不溶化の方向にpHを傾け、板状顔料表面に水不溶性物質を析出させる方法(以下、「製法2」という)により行うことができる。
この水不溶性物質の表面被覆量は、少なすぎるとハードケーキ抑制による再分散性の効果が得られず、一方、多すぎるとパール感が減少するだけでなく、パール表面が点接触にならず面接触になり再分散性の効果が得られなくなる。そのため、水不溶性物質の表面被覆量は、板状顔料の表面被覆率(表面処理時の質量%から算出)として、0.1〜10%とし、好ましくは、0.5〜8%、更に好ましくは、1〜7%の範囲とする。
本発明で用いる上記で得られる水不溶性物質で被覆された板状顔料は、電子顕微鏡(×35000倍)で観察した表面に上記高分子の結晶物を確認することができる。
なお、本発明における水不溶性物質を表面に被覆した板状顔料と、未被覆の板状顔料の区別の方法として、未被覆の板状顔料を配合した系では再分散性が得られないが、水不溶性物質を板状粒子の表面被覆に使用した系では良好な再分散性を得られることが確認できる。
本発明において、上記水不溶性物質に被覆された板状顔料の含有量は、組成物全量に対して、製品使用時に十分な光輝性と隠蔽力を得るため、3〜20質量%(以下、単に「%」という)を含有することが好ましく、更に好ましくは、6〜10%とすることが望ましい。
この被覆処理した板状顔料の含有量が3%未満であると、光輝性と隠ぺい力に乏しくなり、一方、20%を越えると、塗布具ペン芯内に板状顔料がつまり、筆記不良になりやすくなり、好ましくない。なお、未表面処理の板状顔料ではハードケーキ化が促進するものとなる。
本発明の水性美爪料組成物では、固着性と分散安定性の点から、更に、少なくともアクリル酸エステルを分子内に含む樹脂を含有することが好ましい。
特に好ましいものは、アクリル酸アルキルの共重合体が望ましい。なお、中和には、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、アンモニア水、水酸化ナトリウム等を用いることができ、特に好ましいものは、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールである。
市販品では、アクリル酸アルキル共重合体であるAMPHOMER HC(アクゾノーベル社製)、アクリル酸アルキル共重合体であるLuvimer 100P(BASF社製)、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンであるヨドゾール GH800F(アクゾノーベル社製)などを挙げることができる。
これらの樹脂の含有量は、固着性と分散安定性の点から、組成物全量に対して、固形分換算で、2〜10%を含有することが好ましく、更に好ましくは、3.5〜8.5%とすることが望ましい。
本発明の水性美爪料組成物では、顔料の沈降抑制の点から、更に、結晶セルロースを含有することが好ましい。
用いる結晶セルロースは、増粘剤として機能するだけでなく、顔料の固い沈降を防止する沈降抑制剤として機能するものであり、具体的には、セルロースを酸加水分解又はアルカリ酸化分解して得られる実質的に一定の重合度を有するセルロース結晶子集合物であり、従来の増粘多糖類等の水溶液と異なり、セルロース結晶体が水中で分散粒子となる特性を有するものである。
用いることができる結晶セルロースとしては、例えば、一次粒子の微細なセルロース結晶体の表面を水溶性高分子等を用いてコーティング処理したコロイダルグルードからなるものが挙げられ、具体例としては、セオラスRC−591、RC−N81、RC−591NF、CL−611、セオラスクリーム〔以上、旭化成(株)製〕などが挙げられる。
これらの結晶セルロースの含有量は、塗布具に使用可能な粘度範囲の点から、組成物全量に対して、0.5〜3.5%を含有することが好ましく、更に好ましくは、1.2〜2.0%とすることが望ましい。
本発明の水性美爪料組成物には、上記各成分の他、残部は溶媒となる水(精製水、イオン交換水、蒸留水、純水等)で調製される。
更に、本発明の水性美爪料組成物には、保湿剤、防菌剤、また、消泡剤、無機顔料や有機顔料、染料、界面活性剤、水溶性有機溶剤などを分散系に支障をもたらさず、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有せしめることができる。
用いることができる保湿剤としては、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の水に可溶なグリコール類が挙げられる。
これらの保湿剤の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、1〜30%、更に好ましくは、5〜20%の範囲で使用される。
用いることができる防菌剤としては、パラベン類、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノキシエタノールなどが挙げられる。なお、本発明の防菌剤には防腐剤を含むものであり、防腐剤であるパラベン類としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル等を適宜量用いることができる。
また、用いることができる消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(シメチコン)が挙げられる。このポリジメチルシロキサンは、末端がトリメチルシロキシ単位でブロックされメチル化された線状シロキサンポリマーの混合物からなるシリコーン油であり、市販品として、KS−66(信越シリコーン社製)などを適宜量用いることができる。
本発明において、更に鮮やかな発色を得るために、上記被覆処理板状顔料の他に、有機顔料、ALレーキ顔料、染料を配合せしめて、鮮やかな色調とすることができる。上記被覆処理をしていない板状顔料の場合、ALレーキ顔料、特に、染料の配合でハードケーキが悪化するが、上記水不溶性物質で表面処理した板状顔料であれば染料でもハードケーキは発生することがなく、また、ALレーキ顔料が上記被覆処理をしていない板状顔料配合時にハートケーキを悪化させる原因に、レーキした染料がALからはずれて(ブリード)染料化することが挙げられる。
本発明において、水性美爪料組成物のpHは、皮膚刺激抑制の点から、6〜9の範囲とすることが好ましい。なお、pHの調整は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、アンモニア水、水酸化ナトリウム等のpH調整剤を用いることができ、特に好ましいものは、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールによりpH調整することが望ましい。
また、本発明における水性美爪料組成物の粘度は、高すぎると直液式のペンから吐出せず、低すぎるとペンとして使用するため描線が太くなる。そのため、粘度は、25℃において、ずり速度38.4s−1のときの粘度が4〜65mPa・s、ずり速度384s−1のときの粘度が4〜24mPa・sの範囲とすることが望ましい。
上記所定のずり速度において、上記各粘度範囲内とすることにより、繊維を樹脂等で固めた、または、繊維同士を融着した、いわゆるペン芯で、本発明の美爪料組成物の流出が可能となり、マーカのような塗布が更に容易となり、細いブラシで塗布といった、力加減で、塗布面積の変動が少なく、ラインが描きやすく、塗りやすいものとなる。
また、上記粘度範囲の調整は、上記被覆処理板状顔料、水、更に、アクリル酸エステルを分子内に含有する樹脂及び/又は結晶セルロースなどを好適な含有量となるように組み合わせることにより調整することができる。
本発明の水性美爪料組成物は、上述した各成分を上記各範囲の含有量等で混合分散機、例えば、ビーズミル、ホモミキサー、ディスパー、アトライター、ボールミル、サンドグラインダー等で混合分散することで調製される。
具体的には、上述の少なくとも水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料を3〜15%と、水を配合し、該板状顔料を上記分散機等で、上記好ましい粘度範囲、pH範囲等となるように混合分散することで調製することができる。
このように構成される本発明の水性美爪料組成物は、本発明の美爪料組成物を収容したボトル(容器体)とキャップに付いた塗布体となるハケとから構成される美爪料塗布具や、少なくとも、美爪料組成物を収容する液体収容空間と、繊維を樹脂等で固めた、または、繊維同士を融着した、いわゆるペン芯タイプの塗布体とを備え、毛細管力によって前記液体収容空間から前記塗布体へ液体が輸送される塗布具の前記液体収容空間に収容される美爪料塗布具(ネイル用アートペン)に収容して好適に使用することができる。
用いることができる美爪料組成物塗布具としては、例えば、図1〜図3に示す、上記構成の水性美爪料組成物が内蔵される美爪料塗布具が挙げられる。
図1は、本発明の美爪料組成物を収容する美爪料塗布具の一例を示す部分縦面図、図2は、図1の美爪料塗布具に用いる塗布体の全体側面図、図3は、図2のI−I線に沿う塗布体の横断面図である。
この美爪料塗布具は、図1に示すように、上記構成の水性美爪料組成物を内部に収容する有底筒状の本体10の開口端12の内壁面側12iに弁機構14を設けものであって、前記弁機構14を覆うように本体10の開口端12の外壁面側12oとホルダー16がそれぞれに形成された雄ネジと雌ネジで互いにネジ嵌合となっている。それと共に、前記ホルダー16の内部には、ペン芯タイプの塗布体18を円筒状の弾性樹脂製多孔体20で外挿して保持し、かつ、塗布体18が摺動自在に設けられたものである。この場合、塗布体18の先端部となる塗布部18aを押圧することで塗布体18を移動させ、この塗布体18の移動で塗布体後端部18bにより弁棒24を押圧して弁機構14(弁棒24の斜面24bが弁座14aに離脱・当接して開・閉する)を開放し、水性美爪料組成物を塗布部18aに誘導する構造を有している。
詳細には、ホルダー16内において、塗布体18は弁棒24の先端24aに当接させており、図2に示すような、断面放射状の内部溝の美爪料通路26を軸線方向に連続形成して有するポリアセタール樹脂からなる塗布体18を配している。そして、この塗布体18は、図2に示すように、先端部となる塗布部18aがジェットコーン形状を呈した全体が概略砲弾形状に切削形成されており、さらに、水性美爪料組成物を塗布体内の美爪料通路26に導入する孔28a,28bを塗布体後端部18bと塗布体側面部18cとに形成するものである。ここで、ポリアセタール樹脂からなる塗布体18の構造は、水性美爪料組成物を塗布体内美爪料通路26に導入するひとつの美爪料導入孔28bは、塗布体18の後端面から1mm以上離した間隔を持って塗布体側面部18cに、その側面全周(一部でもよい)を断面台形形状で取り巻くように形成されている。また、前記塗布体側面部18cに形成する美爪料導入孔28bの形状が、美爪料導入孔28bの先端側面30aは軸線32との後方向きの開き角度αを鈍角とし、後端側面30bは軸線32との前方向きの開き角度βを直角もしくは鋭角としている。また、ポリアセタール樹脂からなる塗布体18の外径寸法が、2mm以上4mm以下である。また、弁棒24は、ホルダー16内で先方にスプリング34により付勢されて、常時に塗布体18に当接して塗布体18を押圧している。また、本体10内には成の水性美爪料組成物インキタンク内に撹拌ボール36を収容している。
塗布体18の製造は、例えば、ポリアセタール樹脂を溶融連続押出成形して、外径3.0mmで内部に美爪料流通溝のある長尺成形体を得て、その長尺体を500mmの長さに切断した後、さらに所望の長さに切断し、その後、塗布体先端部、後端部、側面の美爪料流出孔を研磨形成して所定の塗布体とした(図3参照)。
上記の製造手順で得られた塗布体を、上記構成の水性美爪料組成物を内部に有する有底筒状の本体の開口端の内壁面側に、弁機構を設けて、前記弁機構を覆う様に本体の開口端の外壁面側とホルダーの内壁がネジ嵌合している塗布具本体のホルダーの内部に装着した。そして、塗布体をプッシュして塗布体先端部まで水性美爪料組成物が到達した後に、塗布具を前後に振り、塗布体の抜ける迄の回数を10本測定し、その平均値を計算した。また、対照として、同じ種類のペン本体を用い、側面にインキ導入孔を設けないペン芯に変更した筆記具用のペン先を用い、同様の試験を行った。
その結果は、対照が10本の平均値として、10回未満でペン芯が抜けるのに対し、本実施例のペン芯では、全て200回以上になってからペン芯が抜けたので、明らかに有意差のある結果を得た。
更に、この水性美爪料組成物を充填した美爪料塗布具を用いて爪の上に塗布したところ、美麗な線及び模様を簡単に描くことができ、また、経時沈降安定性に優れ、板状顔料が沈降してもハードケイクを生じ難く、攪拌することで容易に再分散可能であり、使用性に優れたものとなることが確認できた。
このように構成される本発明では、少なくとも水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料を3〜20質量%と、水を含有することにより、経時沈降安定性に優れ、板状顔料が沈降してもハードケイクを生じ難く、攪拌することで容易に再分散可能であり、使用性に優れ、爪の上で、美麗な線及び模様を簡単に描くことができ、仕上がり性に優れた水性美爪料組成物及びその製造方法が得られるものとなる。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例等により制限されるものではない。
〔実施例1〜13及び比較例1〜9〕
下記表1に示す配合処方で、ホモミキサーあるいはディスパーで混合分散して、各水性美爪料組成物を調製した。
上記で得られた実施例1〜13及び比較例1〜9の各水性美爪料組成物について、下記方法により、pH(25℃)、ずり速度38.4(s−1)、384(s−1)における25℃の各粘度、ポンピング、終筆、隠ぺい力、50℃でのボール動きについて評価した。
これらの結果を下記表1及び表2に示す。
〔pHの測定方法〕
得られた各美爪料組成物について、温度25℃で、ガラス電極式pH測定装置(堀場製作所社製)を用いてpHを測定した。
〔粘度の測定方法〕
得られた各美爪料組成物について、温度25℃で、コーンプレート型粘度計(TV−30型粘度計のうち、EMD型粘度計、標準コーンプレート、トキメック社製)を用いて所定のずり速度における粘度を測定した。
〔ポンピング性の評価方法〕
各美爪料組成物を図1に示す塗布具に充填し、1秒間に1回の感覚でポンピングを行い、ポンピング性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:1〜15回でペン先に上記組成物液が到達。
△:16〜30回でペン先に上記組成物液が到達。
×:30回以上でペン先に上記組成物液が到達。
〔終筆性の評価方法〕
各美爪料組成物を図1に示す塗布具に充填し、紙面に筆記し、終筆性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:描線がカスレることなく、終筆。
△:描線がカスレたが、終筆。
×:描線がカスレ、終筆不能。
〔隠ぺい力の評価方法〕
各美爪料組成物によって筆記した描線の様子を観察し、隠ぺい力を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:描線は完全に下地を隠ぺい。
△:描線は不完全に下地を隠ぺいし、下地色がうっすらと確認可能。
×:描線は不完全に下地を隠ぺいし、下地色がはっきりと確認可能。
〔経時経過後の50℃でのボール動きの評価方法〕
各美爪料組成物を図1に示す塗布具に充填し、50℃でのボール動きを下記評価基準で評価した。
各美爪料組成物を図1に示す塗布具に充填し、50℃で1ケ月静置させる。これを手で振り、撹拌ボールの動きを観察し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:1〜3回の振りで撹拌ボールが動く。
△:4〜9回の振りで撹拌ボールが動く。
×:撹拌ボールが動くまで10回以上振らなければいけない。
上記表1及び2中の*1〜*12は、以下のとおりである。
*1:セオラスRC−N81、旭化成ケミカルズ社製
*2:AMPHOMER HC(粉体)、アクゾノーベル社製
*3:Luvimer 100P(粉体)、BASF社製
*4:ヨドゾールGH800F、アクゾノーベル社製、固形分45質量%
*5:板状顔料(MP−20、Merck社製)を製法1でセルロース処理。表面被覆率
2%
*6:板状顔料(MP−20、Merck社製)を製法2でキトサン処理。表面被覆率
2%
*7:KS−66、信越シリコーン社製
*8:MP−20、Merck社製
*9:Supersheen MP−1001、Merck社製
*10:MP−115、Merck社製
*11:Sparkle MP−47、Merck社製
*12:MP−149、Merck社製
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料と水とを含有する実施例1〜13の水性美爪料組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜8の水性美爪料組成物に較べ、ポンピング性、終筆性、隠ぺい力、50℃でのボール動きに優れ、再攪拌性に優れた水性美爪料組成物であることが判明した。
ネイル用アートペン、特に、直液式のペン型容器に充填する美爪料に好適な水性美爪料組成物となる。
10 本体
14 弁機構
18 ペン芯タイプの塗布体

Claims (7)

  1. 少なくとも下記A群の高分子から選ばれる水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料を3〜20質量%と、アクリル酸アルキル共重合体を固形分換算で2〜10質量%と、下記B群から選ばれる中和剤と、更に下記A群の水不溶性物質とは別に結晶セルロースを0〜3質量%と、水を含有することを特徴とする水性美爪料組成物。
    A群:セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、ラテックス
    B群:2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、アンモニア水、水酸化ナトリウム
  2. 上記板状顔料が、パール顔料、アルミニウム粉顔料、金属または金属酸化物コーティングガラスフレーク、及びアルミコーティングポリエステルフィルムの1種以上から選択される顔料であることを特徴とする請求項1に記載の水性美爪料組成物。
  3. 上記水不溶性物質は、上記板状顔料を表面被覆率0.1〜10%で覆うことを特徴とする請求項1又は2に記載の水性美爪料組成物。
  4. ずり速度38.4s−1のときの粘度が4〜65mPa・s、ずり速度384s−1のときの粘度が4〜24mPa・sの範囲にある請求項1〜の何れか一つに記載の水性美爪料組成物。
  5. 少なくとも下記A群の高分子から選ばれる水不溶性物質を表面に被覆された板状顔料を3〜20質量%とアクリル酸アルキル共重合体を固形分換算で2〜10質量%と下記B群から選ばれる中和剤と更に下記A群の水不溶性物質とは別に結晶セルロースを0〜3質量%と水を配合し、該板状顔料を分散してなることを特徴とする水性美爪料組成物の製造方法。
    A群:セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、ラテックス
    B群:2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、アンモニア水、水酸化ナトリウム
  6. アクリル酸エステルを分子内に含有する樹脂及び/又は結晶セルロースを添加し、水性美爪料組成物を、ずり速度38.4s−1のときの粘度を4〜65mPa・s、ずり速度384s−1のときの粘度を4〜24mPa・sの範囲とする請求項に記載の水性美爪料組成物の製造方法。
  7. さらに、pH調整剤を添加し、水性美爪料組成物のpHを6〜9の範囲内とする請求項又はに記載の水性美爪料組成物の製造方法。
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