JP3725297B2 - 油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフト等に用いられる油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に、従来例の油圧制御装置を示す。
ポンプPには、供給通路1を介して制御弁2を接続している。そして、この制御弁2は、センタリングスプリング3によって保たれる中立位置で、この供給通路1のポンプ吐出油を通過させている。
供給通路1の上流側には、シーケンス弁4を設けている。このシーケンス弁4は、供給通路1がタンクTに連通しているときでも、その上流側に圧力を発生させるものである。
【0003】
さらに、供給通路1には、シーケンス弁4の上流側にパイロット通路5を接続している。そして、このパイロット通路5に減圧弁6設けている。この減圧弁6は、シーケンス弁4の上流側の圧力を減圧して、パイロット通路5の一次パイロット圧を一定に保つものである。
パイロット通路5の一次パイロット圧は、制御弁2のパイロット室7a、7b側にそれぞれ導かれている。そして、この一次パイロット圧を比例電磁弁8a、8bで制御して、その二次パイロット圧を制御弁2のスプールに作用させるようにしている。
これら比例電磁弁8a、8bのソレノイドは、具体的には図示しないが、オペレータ室の操作レバーに接続している。そして、オペレータが操作レバーを操作すると、その操作方向及び操作量に応じて、いずれかのソレノイドが励磁される構成となっている。
【0004】
上記制御弁2は、単動式のシリンダSを制御するもので、そのシリンダポート9をシリンダSのボトム側室10に接続している。そして、これらシリンダポート9とボトム側室10との間には、バランスピストンタイプのポペット弁11を介在させている。
このポペット弁11は、スプリング12によってシリンダポート9とボトム側室10とを遮断している。このとき、その肩部13でボトム側室10の負荷圧を受けるとともに、その負荷圧をオリフィス14を介して背面の背圧室15に導いている。そして、その背圧室15を、負荷圧通路16を介して制御弁2の負荷圧ポート17に接続している。
なお、負荷圧通路16をコック18を介してタンクTに接続している。そして、このコック18は、緊急時のみ開くようにしている。
【0005】
次に、この従来例の油圧制御装置の作用を説明する。
いま、比例電磁弁8bのソレノイドを励磁すると、この比例電磁弁8bがパイロット通路5の一次パイロット圧を制御して、その二次パイロット圧をスプールに作用させる。したがって、制御弁2は、センタリングスプリング3に抗して、図面右側の上昇位置に切換わる。
【0006】
この状態では、供給通路1が接続する中立ポート27が遮断されるので、ポンプ吐出油はパラレル通路28に導かれ、ポンプポート19からシリンダポート9に供給される。
このとき、負荷圧ポート17は閉じられたままなので、オリフィス14には流れが発生せず、ポペット弁11の背圧室15にシリンダSの負荷圧が導かれる。したがって、ポンプ吐出圧が、その負荷圧よりも所定圧だけ高くなったときだけポペット弁11を開き、シリンダSのボトム側室10に導かれることになる。
このように、ポンプ吐出圧をシリンダSの負荷圧よりも高くしてボトム側室10に導くので、負荷にかかわらず、シリンダSを上昇させることができる。
【0007】
そして、シリンダSをある上昇位置に保持したいときは、制御弁2を再び中立位置に復帰させればよい。
この状態では、負荷圧ポート17が遮断され、背圧室15にシリンダSの負荷圧が導かれるので、ポペット弁11がシリンダポート9とボトム側室10とを遮断する。したがって、ボトム側室10の作動油がシリンダポート9からでリークするのを防止して、負荷をしっかりと保持することができる。
【0008】
一方、比例電磁弁8aのソレノイドを励磁すると、この比例電磁弁8aがパイロット通路5の一次パイロット圧を制御して、その二次パイロット圧をスプールに作用させる。したがって、制御弁2は、センタリングスプリング3に抗して、図面左側の下降側位置に切換わる。
【0009】
この状態では、供給通路1が中立ポート27を介して通過したまま、まず、負荷圧ポート16がタンクポート20に連通するので、ポペット弁11の背圧室15はタンク圧となる。したがって、シリンダSのボトム側室10の圧力が開弁圧に達すれば、ポペット弁11が開き、このボトム側室10の作動油がシリンダポート9に戻される。そして、制御弁2では、シリンダポート9がタンクポート20に連通し、その開度に応じてタンクTに戻す流量を制御することになる。
このように、ボトム側室10の作動油は、制御弁2で制御されながらタンクTに戻され、シリンダSが自重によって下降することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の油圧制御装置では、制御弁2を上昇・下降いずれの位置に切換えるときでも、ポンプ吐出圧から得た一次パイロット圧を制御して切換える構成となっている。
ところが、シリンダSを下降させる場合は、その自重で下降させるので、ポンプPが停止していることが多い。そのため、一次パイロット圧を得るためだけに、荷役用モータを回転させてポンプPを駆動させなければならず、その分エネルギーロスとなってしまう。
この発明は、ポンプを駆動させなくても制御弁を下降位置に切換えられ、エネルギーロスをなくすことのできる油圧制御装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポンプと、ポンプに接続する供給通路と、供給通路を介してポンプに接続する制御弁と、制御弁に接続するシリンダと、制御弁よりも上流側で供給通路に設けたシーケンス弁と、シーケンス弁の上流側で供給通路に接続するパイロット通路と、パイロット通路に設けた減圧弁とを備え、減圧弁の下流側の圧力をパイロット圧として利用し、上記制御弁を切換えるとともに、この制御弁は、上昇位置に切換わったとき、ポンプ吐出圧によってシリンダを上昇させ、また、下降位置に切換わったとき、シリンダを自重により下降させる構成にした油圧制御装置を前提とする。
そして、上記減圧弁の下流側あるいは上流側のパイロット通路には、切換弁とアキュムレータからなるアキュムレータ機構を接続し、上記切換弁は、通常はパイロット通路からアキュムレータへの流れのみを許容し、上記アキュムレータが圧力を蓄え、上記制御弁を下降位置に切換えるための操作をしたとき、切換弁が同時に切換わるとともに、アキュムレータが蓄えた圧力を上記制御弁のパイロット室へと供給する構成にした点に特徴を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明の油圧制御装置の一実施例を示す。ただし、以下では、上記従来例との相違点を中心に説明するとともに、同一の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1に示すように、パイロット通路5には、切換弁21を介してアキュムレータ22を接続している。
この切換弁21は、通常は、チェック弁23を内蔵したノーマル位置にあり、パイロット通路5からアキュムレータ22ヘの流れのみを許容している。そして、ソレノイド24を励磁したとき、スプリング25に抗して連通位置に切換わり、アキュムレータ22をパイロット通路5に連通させることになる。
【0013】
この切換弁21のソレノイド24は、比例電磁弁8aのソレノイドを励磁する操作レバーに電気的に連係している。そして、オペレータが、シリンダSを下降させようと操作レバーを操作したとき、同時に励磁されるようにしている。
また、パイロット通路5には、上記切換弁21の上流側に、ポンプPからアキュムレータ22ヘの流れのみを許容するチェック弁26を設けている。
【0014】
次に、この実施例の油圧制御装置の作用を説明する。ただし、以下では、シリンダSを下降させるときの作用を中心に説明することとする
既に説明したように、ポンプPが駆動していれば、パイロット通路5には一次パイロット圧が発生している。このとき、パイロット通路5からアキュムレータ22ヘの流れは許容されるので、その一次パイロット圧が加圧状態のままアキュムレータ22に蓄えられることになる。
【0015】
いま、シリンダSを下降させようと、オペレータが操作レバーを操作したとする。このとき、同時にソレノイド24が励磁されるので、切換弁21がスプリング25に抗して連通位置に切換わり、アキュムレータ22がパイロット通路5に連通する。したがって、パイロット通路5には、アキュムレータ22に蓄えられた一次パイロット圧が放出されることになる。
【0016】
このように、シリンダSを下降させるとき、ポンプPが停止していたとしても、パイロット通路5には一次パイロットを発生させることができる。したがって、ポンプPをわざわざ駆動させなくても、制御弁2を下降位置に切換えることができる。
なお、ポンプPが駆動していないとき、パイロット通路5の圧力の方が、ポンプP側の圧力よりも高くなってしまうことがある。しかし、チェック弁26を設けたので、パイロット通路5の一次パイロット圧がポンプP側に逆流してしまうことはない。
【0017】
以上述べた実施例の油圧制御装置によれば、シリンダSを下降させるときに、そのためのパイロット圧をアキュムレータ22に蓄えられた圧力から生成することができる。したがって、荷役用モータでポンプPをわざわざ駆動させる必要がなく、エネルギーロスをなくすことができる。
なお、この実施例では、減圧弁6の下流側に切換弁21及びアキュムレータ22を接続したが、減圧弁6の上流側に接続してもかまわない。そして、これら切換弁及びアキュムレータのさらに上流側に、チェック弁を設ければよい。
ただし、この場合、ポンプ吐出圧が高くなることもあるので、アキュムレータの耐圧性を高めなければならず、大型化してしまう。それに対して、上記実施例では、パイロット通路5の圧力が減圧弁6によって一定に決められるので、アキュムレータ22にさほど耐圧性は要求されず、小型化することができる。
【0018】
また、この実施例では、上記切換弁21、アキュムレータ22、ソレノイド24等が相まって、この発明でいうアキュムレータ機構を構成し、そのソレノイド24を操作レバーに電気的に連係させている。ただし、それ以外にも、操作レバーを操作したとき、切換弁21が機械的に切換わる構成にする等してもかまわない。いずれにしろ、オペレータが制御弁2を下降位置に切換えるための操作をしたとき、切換弁21が切換わって、アキュムレータ22に蓄えられた圧力を放出させる構成にすればよい。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、制御弁を下降位置に切換えるとき、そのためのパイロット圧を、アキュムレータ機構に蓄えられた圧力から生成することができる。したがって、荷役用モータ等でポンプをわざわざ駆動させる必要がなく、エネルギーロスをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の油圧制御装置を示す回路図である。
【図2】従来例の油圧制御装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1 供給通路
2 制御弁
4 シーケンス弁
5 パイロット通路
6 減圧弁
21 切換弁
22 アキュムレータ
24 ソレノイド
25 スプリング
26 チェック弁
Claims (1)
- ポンプと、ポンプに接続する供給通路と、供給通路を介してポンプに接続する制御弁と、制御弁に接続するシリンダと、制御弁よりも上流側で供給通路に設けたシーケンス弁と、シーケンス弁の上流側で供給通路に接続するパイロット通路と、パイロット通路に設けた減圧弁とを備え、減圧弁の下流側の圧力をパイロット圧として利用し、上記制御弁を切換えるとともに、この制御弁は、上昇位置に切換わったとき、ポンプ吐出圧によってシリンダを上昇させ、また、下降位置に切換わったとき、シリンダを自重により下降させる構成にした油圧制御装置において、上記減圧弁の下流側あるいは上流側のパイロット通路には、切換弁とアキュムレータからなるアキュムレータ機構を接続し、このアキュムレータ機構よりも上流側に設け、アキュムレータ機構からポンプへの逆流を防止するチェック弁とを備え、上記切換弁は、通常はパイロット通路からアキュムレータへの流れのみを許容し、上記アキュムレータが圧力を蓄え、上記制御弁を下降位置に切換えるための操作をしたとき、切換弁が同時に切換わるとともに、アキュムレータが蓄えた圧力を上記制御弁のパイロット室へと供給する構成にしたことを特徴とする油圧制御装置。
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