JP3712312B2 - 油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフト等に用いられる油圧制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
エネルギーロスを低減することのできる油圧制御システムとしては、例えば、本願出願人が特願平9−116438号として出願したものがある。
図5に示すように、ポンプPには、供給通路1を介して制御弁2を接続している。そして、この制御弁2は、センタリングスプリング3によって保たれる中立位置で、中立ポート4を介して供給通路1のポンプ吐出油を通過させている。
【0003】
供給通路1の上流側には、シーケンス弁5を設けている。このシーケンス弁5は、供給通路1がタンクTに連通しているときでも、ポンプPが駆動していれば、その上流側に圧力を発生させるものである。
また、供給通路1には、シーケンス弁5の上流側にメインパイロット通路6を接続し、このメインパイロット通路6に減圧弁7を設けている。この減圧弁7は、シーケンス弁5の上流側の圧力を減圧して、メインパイロット通路6の一次パイロット圧を一定に保つものである。
【0004】
上記制御弁2は、単動式のシリンダSを制御するもので、そのシリンダポート8をシリンダSのボトム側室9に接続している。そして、これらシリンダポート8とボトム側室9との間には、バランスピストンタイプのポペット弁10を介在させている。
このポペット弁10は、通常は、スプリング11によってシリンダポート8とボトム側室9とを遮断している。このとき、その肩部12で、シリンダSの負荷圧を受けるとともに、その負荷圧をオリフィス13を介して背圧室14に導いている。そして、その背圧室14を、負荷圧通路15を介して制御弁2の負荷圧ポート16に接続している。
【0005】
上記メインパイロット通路6は、制御弁2の上昇位置切換用のパイロット室17aや、図示しない他の制御弁のパイロット室に接続している。そして、メインパイロット通路6の一次パイロット圧を比例電磁弁18aで制御して、二次パイロット圧を制御弁2のスプールに作用させるようにしている。
ただし、制御弁2の下降位置切換用のパイロット室17bだけは、サブパイロット通路19を介して制御弁2の中継ポート20に接続している。
このサブパイロット通路19には、一定流量だけをパイロット室17bに供給する流量制御弁21を設けている。そして、比例電磁弁18bが非励磁状態にあれば、パイロット室17bはタンクに連通しているが、比例電磁弁18bを励磁していくと、パイロット室17bがタンクから遮断されていき、パイロット室17bにパイロット圧が発生することになる。
【0006】
また、ポペット弁10の背圧室14と制御弁2の負荷圧ポート16とを接続する負荷圧通路15には、ソレノイドバルブ23を介在させている。このソレノイドバルブ23は、そのノーマル位置で、背圧室14から負荷圧ポート16ヘの逆流を防止するチェック弁24を有し、そこでリークが発生するのを防止している。そして、ソレノイド25を励磁すると、連通位置に切換わって、背圧室14と負荷圧ポート16とを連通することになる。
【0007】
ここで、制御弁2を切換えるための比例電磁弁18a、18bのソレノイドは、具体的には図示しないが、オペレータ室の操作レバーに連係している。そして、オペレータが操作レバーを操作すると、その操作方向及び操作量に応じていずれかのソレノイド18a、18bが励磁される構成となっている。
また、ソレノイドバルブ23のソレノイド25は、上記操作レバーに電気的に連係している。そして、オペレータが操作レバーを下降方向に操作したとき、同時に励磁される構成となっている。
【0008】
次に、この従来例の油圧制御システムの作用を説明する。
比例電磁弁18aのソレノイドを励磁すると、この比例電磁弁18aがメインパイロット通路6の一次パイロット圧を制御して、二次パイロット圧をパイロット室17a側のスプールに作用させる。したがって、制御弁2は、センタリングスプリング3に抗して、図面右側の上昇位置に切換わることになる。
この上昇位置では、中立ポート4が遮断され、供給通路1のポンプ吐出油は、パラレル通路26→ポンプポート27を介してシリンダポート8に導かれる。
【0009】
このとき、負荷圧ポート16は閉じられているので、オリフィス13には流れが発生せず、ポペット弁10の背圧室14にはシリンダSの負荷圧が導かれる。したがって、ポンプ吐出圧は、シリンダSの負荷圧よりも高くなったときだけポペット弁10を開いて、シリンダSのボトム側室9に導かれることになる。このように、ポンプ吐出圧をシリンダSの負荷圧よりも高くしてボトム側室9に導くので、負荷にかかわらず、シリンダSを上昇させることができる。
【0010】
そして、シリンダSをある上昇位置に保持したいときは、制御弁2を再び中立位置に復帰させればよい。
この中立位置では、負荷圧ポート16が中継ポート20に連通するものの、ソレノイドバルブ23がノーマル位置にあり、チェック弁24が背圧室14から負荷圧ポート16ヘの逆流を防止するので、背圧室14にシリンダSの負荷圧が導かれる。したがって、ポペット弁10がシリンダポート8とボトム側室9とを遮することになり、ボトム側室9の作動油がシリンダポート8から制御弁2内でリークすることがなく、負荷をしっかりと保持することができる。
しかも、上記背圧室14に接続する負荷圧通路15も、ソレノイドバルブ23で遮断されるので、ボトム側室9の作動油が負荷圧ポート15から制御弁2内でリークすることがなく、負荷をしっかりと保持することができる。
【0011】
一方、比例電磁弁18bのソレノイドを励磁しようとオペレータが操作レバーを下降方向に操作すると、同時にソレノイド25が励磁される。したがって、ソレノイドバルブ23は連通位置に切換わり、背圧室14の負荷圧が負荷圧ポート16に導かれる。
そして、負荷圧ポート16は中継ポート20に連通しているので、流量制御弁21を介して一定流量がパイロット室17b側に供給される。このとき、それ以外の流量は、絞り22を介してタンクポート28に戻されることになる。
【0012】
このように、流量制御弁21から一定流量が供給されるので、オペレータが操作レバーをそのまま操作すれば、比例電磁弁18bが励磁され、パイロット室17bにパイロット圧を発生させて、制御弁2のスプールに作用させることができる。したがって、制御弁2は、センタリングスプリング3に抗して、図面左側の下降位置に切換わることになる。
この下降位置では、負荷圧ポート16が、絞り22を介してタンクポート28に連通している。したがって、シリンダSのボトム側室9の負荷圧が開弁圧に達すれば、ポペット弁10が開き、このボトム側室9の作動油がシリンダポート8に戻される。そして、制御弁2では、シリンダポート8をタンクポート28に連通し、その開度に応じてタンクTに戻す流量を制御して、シリンダSを自重により下降させることになる。
【0013】
以上述べた油圧制御装置では、ポンプPが駆動していなくとも、制御弁2を下降位置に切換えることができる。
つまり、シリンダSを下降させるときは、その自重で下降させるので、ポンプPが停止していることが多い。そのため、制御弁2を下降位置に切換えるときにもメインパイロット通路6の一次パイロット圧を利用する構成にすると、ポンプPを荷役用モータ等でわざわざ駆動させてこの一次パイロット圧を得なければならず、エネルギーロスとなってしまう。
それに対して、この油圧制御装置では、制御弁2を下降位置に切換えるためのパイロット圧を、シリンダSの負荷圧から得ることができる。したがって、ポンプPをわざわざ駆動させる必要もなく、エネルギーロスを低減させることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の油圧制御システムでは、制御弁2を下降位置に切換えるためのパイロット圧を、シリンダSの負荷圧から得る構成としている。
ところが、シリンダSの負荷圧が低い場合、その分パイロット室17bに発生するパイロット圧も低くなってしまう。そのため、パイロット圧不足となって、制御弁2のスプールをフルストロークさせられないことがあった。そして、制御弁2のスプールがフルストロークできなければ、シリンダSの下降スピードを十分に確保できなくなり、アクチュエータの操作性が悪くなってしまう。
この発明の目的は、制御弁を下降位置に切換えるためのパイロット圧をシリンダの負荷圧から得ることで、エネルギーロスを低減させることができ、しかも、その負荷圧が低い場合にも、制御弁のスプールをフルストロークさせるのに必要なパイロット圧を確保しうる油圧制御装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポンプと、ポンプに接続する供給通路と、供給通路に接続する制御弁と、制御弁に接続する単動式のシリンダと、制御弁のスプールを臨ませた上昇位置切換用のパイロット室と、制御弁のスプールを臨ませた下降位置切換用のパイロット室と、供給通路に接続したメインパイロット通路と、ポンプが駆動しているとき、メインパイロット通路に一定の圧力を発生させる圧力発生手段と、制御弁に設けた負荷圧ポートと、制御弁とシリンダとの間を負荷圧ポートに接続する負荷圧通路と、負荷圧通路の負荷圧ポートへの流れを遮断したり、負荷圧通路を連通したりする負荷圧通路切換手段と、制御弁に設け、制御弁が中立位置及び下降側位置にあるとき負荷圧ポートと連通する中継ポートと、この中継ポートを上記下降位置切換用のパイロット室に接続するサブパイロット通路と、このサブパイロット通路に設け、一定流量だけを下降位置切換用のパイロット室に供給する流量制御弁と、制御弁に設け、制御弁が中立位置及び下降側位置にあるとき負荷圧ポートと連通するタンクポートと、負荷圧ポートとタンクポートの間に設けた絞りとを備え、上記負荷圧通路切換手段は、通常は遮断位置にあり、上記制御弁を上昇位置に切換えるための操作をすると、上昇位置切換用のパイロット圧制御手段がメインパイロット通路の圧力を制御して、上昇位置切換用のパイロット室にパイロット圧を発生させ、また、上記制御弁を下降位置に切換えるための操作をすると、同時に負荷圧通路切換手段が連通位置に切換わるとともに、下降位置切換用のパイロット圧制御手段がサブパイロット通路の圧力を制御して、下降位置切換用のパイロット室にパイロット圧を発生させる構成にした油圧制御装置油圧制御装置を前提とする。
【0016】
そして、第1の発明は、下降位置切換用のパイロット圧制御手段は、サブパイロット通路だけでなく、メインパイロット通路の圧力も制御して、下降位置切換用のパイロット室にパイロット圧を発生させ、かつ、パイロット室に供給される一定流量以上の流量を、絞りを介してタンクに戻す構成にした点に特徴を有する。
第2の発明は、第1の発明において、下降位置切換用のパイロット室からメインパイロット通路側への逆流を防止するチェック弁と、下降位置切換用のパイロット室からサブパイロット通路側への逆流を防止するチェック弁とを備えた点に特徴を有する。
第3の発明は、第1、2の発明において、シリンダの負荷圧を検出する圧力センサを設け、制御弁を下降位置に切換えるための操作をしたとき、その負荷圧が設定圧より低ければ、ポンプを駆動させる構成にした点に特徴を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜3に、この発明の油圧制御装置の第1実施例を示す。ただし、以下では、上記従来例との相違点を中心に説明するとともに、同一の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1に示すように、パイロット室17bを、上記従来例と同じくサブパイロット通路19を介して中継ポート20に接続している。ただし、流量制御弁21にはチェック弁29を設け、中継ポート20からパイロット室17b側ヘの流れのみを許容することにしている。
【0018】
さらに、このパイロット室17bには、連絡通路30を介してメインパイロット通路6を接続している。そして、比例電磁弁18bがメインパイロット通路6の一次パイロット圧を制御して、二次パイロット圧をパイロット室17b側のスプールに作用させる構成にしている。ただし、連絡通路30にはチェック弁31を設け、メインパイロット通路6からパイロット室17b側ヘの流れのみを許容することにしている。
【0019】
一方、シリンダSのボトム側室9とポペット弁10との間には、シリンダSの負荷圧を検出する圧力センサ32を設けている。そして、オペレータが操作レバーを下降方向に操作しているときに、シリンダSの負荷圧が設定圧以下であれば、この圧力センサ32は図示しない荷役用モータに指令を出して、ポンプPを駆動させるようにしている。
なお、この圧力センサ32の設定圧は、シリンダSの負荷圧から得たパイロット圧によって、制御弁2のスプールをフルストロークさせられるかどうかを基準として設定している。
【0020】
次に、この第1実施例の油圧制御装置の作用を説明する。ただし、制御弁2が中立位置にある場合と、上昇位置に切換える場合とについては、上記従来例と全く同じなので、以下では、制御弁2を下降位置に切換える場合の作用について説明する。
比例電磁弁18bのソレノイドを励磁しようとオペレータが操作レバーを下降方向に操作すると、同時にソレノイド25が励磁される。したがって、ソレノイドバルブ23は連通位置に切換わり、背圧室14の負荷圧が負荷圧ポート16に導かれる。
そして、負荷圧ポート16が中継ポート20に連通しているので、流量制御弁21を介して一定流量がパイロット室17b側に供給される。このとき、それ以外の流量は、絞り22を介してタンクポート28に戻されることになる。
【0021】
ここで、上記圧力センサ32はシリンダSの負荷圧を検出し、その負荷圧が設定圧を超えていれば、ポンプPをそのままの状態、例えば、停止していればそのまま停止させた状態に保つ。
この場合、シリンダSの負荷圧が、制御弁2のスプールをフルストロークさせるのに十分な圧力となっている。したがって、オペレータが操作レバーをそのまま操作すれば、その操作量に応じてパイロット室17bにパイロット圧が発生し、制御弁2を図面左側の下降位置に切換えることができる。
そして、チェック弁31を設けたので、パイロット室17bのパイロット圧がメインパイロット通路6側へ逆流するのを防止することができる。
【0022】
それに対して、シリンダSの負荷圧が設定圧以下であれば、制御弁2のスプールをフルストロークさせるだけのパイロット圧を発生させることができない。そこで、圧力センサ32は図示しない荷役用モータに指令を出して、ポンプPを駆動させる。
この場合、ポンプPが駆動するので、シーケンス弁5及び減圧弁7によってメインパイロット通路6に一次パイロット圧が発生する。したがって、オペレータが操作レバーをそのまま操作すれば、その操作量に応じて比例電磁弁18bが一次パイロット圧を制御して、二次パイロット圧をパイロット室17b側のスプールに作用させることになり、制御弁2を図面左側の下降位置に切換えることができる。
そして、チェック弁29を設けたので、パイロット室17bのパイロット圧がサブパイロット通路19側へ逆流するのを防止することができる。
【0023】
図2、3に、この第1実施例の油圧制御装置の具体例を示す。
ボディ33には、その両側にタンクポート28を形成している。そして、図面左側のタンクポート28の内側にシリンダポート8を位置させ、また、図面右側のタンクポート28の内側に負荷圧ポート16を位置させている。さらに、シリンダポート8の内側にポンプポート27を形成するとともに、ボディ33の中央付近には、供給通路1が連通する中立ポート4を形成している。
【0024】
また、ボディ33に形成したスプール孔34には、スプール35を摺動自在に組み込んでいる。そして、このスプール35の両端を、それぞれキャップ36a、36b内に臨ませている。
上記キャップ36a内にはスプリング室37を形成し、そこに設けたセンタリングスプリング3のイニシャル荷重を、スプリングシート38を介してスプール35の両方向に作用させている。
【0025】
このキャップ36a内にはパイロット室17aが形成されるが、このパイロット室17aの圧力を、ボディ33内に組み込んだ比例電磁弁18aで制御している。
つまり、ボディ33の下端に、一次側ポート39と二次側ポート40とを形成したスリーブ41を組み込んでいる。そして、その一次側ポート39をメインパイロット通路6に接続し、また、二次側ポート40を上記パイロット室17aに接続している。
【0026】
このスリーブ41には、ソレノイド42aに連係させたスプール43を摺動自在に組み込んでいる。そして、ソレノイド42aが非励磁状態にあれば、二次側ポート40をドレンポート44に連通させている。それに対して、ソレノイド42aを励磁すれば、スプール43を図面右方向に移動させ、二次側ポート40をドレンポート44から遮断するとともに一次側ポート39に連通させる。
したがって、このスプール43の移動量に応じて、一次側ポート39の一次パイロット圧から二次側ポート40の二次パイロット圧が生成され、その二次パイロット圧がパイロット室17aに導かれる。なお、パイロット室17aヘの二次パイロット圧の出入りは、スプリング室37を介して行われるが、このスプリング室37に臨むスプール35の受圧面積は同じなので、その移動に影響を与えることはない。
【0027】
上記シリンダポート8は、通路45を介して、シリンダSのボトム側室9に接続するアクチュエータポート46に連通している。
この通路45の途中には、バランスピストンタイプのポペット弁10を組み込んでいる。
つまり、通路45にポペット47を組み込むとともに、このポペット47の背面の背圧室14にスプリング11を設けて、その弾性力によって、ポペット47の先端をシート面48に着座させている。
このとき、ポペット47の肩部12が、通路45のうちアクチュエータポート46側に臨むことになるが、その部分にオリフィス13を形成し、アクチュエータポート46を背圧室14に連通させている。そして、この背圧室14を、負荷圧通路15を介して上記負荷圧ポート16に連通させている。
【0028】
上記負荷圧通路15には、ケース49とソレノイド25とからなるソレノイドバルブ23を組み込んでいる。
ケース49内部では、具体的に図示しないが、スプリングによってポペットをシート面に着座させている。したがって、それがチェック弁24として機能して、負荷圧ポート16から背圧室14側への流れを許容し、逆方向への流れを防止している。そして、ソレノイド25を励磁したとき、このポペットがシート面から離れて、背圧室14と負荷圧ポート16とを連通するようにしている。
【0029】
上記スプール35には、流量制御弁21を組み込んでいる。
図3に示すように、キャップ36b内に形成されたパイロット室17bのスプール35端部には、軸方向孔50を形成している。そして、この軸方向孔50にピストン51を摺動自在に組み込んだ状態で、閉塞部材52で塞いでいる。このとき、ピストン51と閉塞部材52との間にスプリング53を設け、その弾性力をピストン51に作用させている。
【0030】
スプール35には、負荷圧ポート16を軸方向孔50に連通する第1連通孔54を形成している。この第1連通孔54は、スプール35が図2に示す中立位置、あるいは、下降位置である図面左方向に移動したとき、負荷圧ポート16に連通した状態にあるが、スプール35が上昇位置である図面右方向に移動したときに、負荷圧ポート16から遮断されていく。
上記第1連通孔54が負荷圧ポート16に連通した状態にあれば、ピストン51の環状溝55部分には、負荷圧ポート16の作動油が導かれる。そして、この作動油は、ピストン51内の第1、2貫通孔57、58を通過して、それぞれピストン51の両端側に導かれる。
【0031】
また、スプール35には、軸方向孔50を常にパイロット室17bに連通する第2連通孔56を形成している。
さらに、スプール35の外周面には、第1、2連通孔54、56に挟まれた位置に連通溝59を形成している。この連通溝59は、スプール35が図2に示す中立位置からラップ分だけ移動したとき、前述した絞り22としての絞り効果を発揮しながら負荷圧ポート16をタンクポート28に連通し、スプール35が下降位置である図面左方向にさらに移動したときにも、絞り22としての絞り効果を発揮する。ただし、スプール35が上昇位置である図面右方向に移動したとき、負荷圧ポート16をタンクポート28から遮断することになる。
【0032】
ここで、パイロット室17bの圧力を制御する比例電磁弁18bについて説明する。
図3に示すように、ボディ33の下端にはスリーブ61を組み込んでいる。このスリーブ61には、パイロット室17bに連通するポート60を形成している。また、このスリーブ61には、チェック弁31を介してメインパイロット通路6に接続するポート64を形成している。そして、このスリーブ61に、ソレノイド42bに連係させたスプール62を摺動自在に組み込んでいる。
ソレノイド42bが非励磁状態にあれば、ポート60をドレンポート63に連通させている。それに対して、ソレノイド42bを励磁すれば、スプール62が図面左方向に移動して、ポート60をドレンポート63から遮断していくとともに、ポート64に連通させていくことになる。
【0033】
以下では、シリンダSを下降させるときの作用について説明する。
シリンダSを下降させようと、オペレータが図示しない操作レバーを下降方向に操作すると、同時にソレノイド25が励磁されるので、背圧室14と負荷圧ポート16とが連通して、シリンダSの負荷圧が第1連通孔54を介して軸方向孔50に導かれる。
軸方向孔50に導かれた負荷圧は、第1、2貫通孔57、58を介してピストン51の両端に導かれる。そして、第2貫通孔58から導かれた負荷圧は、第2連通孔56を介してパイロット室17bに導かれる。ところが、パイロット室17bはポート60を介してドレンポート63に連通しているので、第2貫通孔58側のピストン51の端部にはタンク圧が作用する。
【0034】
したがって、ピストン51がスプリング53に抗して移動することになるが、負荷圧が低ければ、その移動量は小さく、第1連通孔54と環状溝55との開度は大きく保たれている。それに対して、負荷圧が高ければ、ピストン51がスプリング53に抗して大きく移動し、第1連通孔54と環状溝55との開度が小さくなっていく。
このように、ピストン51の両端の圧力差に応じて第1連通孔54と環状溝55との開度を調節して、オリフィスとしての第2貫通孔58とスプリング53とで決められる一定流量だけがパイロット室17bに導かれることになる。
【0035】
ここで、シリンダSの負荷圧が設定圧を超えていれば、制御弁2のスプール35をフルストロークさせるのに十分な圧力となっている。したがって、オペレータが操作レバーをそのまま操作すれば、比例電磁弁18bのスプール62が図面左方向に移動して、ポート60をドレンポート53から徐々に遮断し、パイロット室17bにパイロット圧を発生させる。そして、そのパイロット圧がスプール35に作用するので、操作レバーの操作量に応じて、スプール35を図面左方向に移動させることができる。
なお、比例電磁弁18bのスプール62が大きく移動すると、ポート60がポート64に連通する。ただし、図3には回路的に示しているが、チェック弁31を設けたので、パイロット室17bのパイロット圧がメインパイロット通路6側へ逆流することはない。
【0036】
それに対して、シリンダSの負荷圧が設定圧以下であれば、制御弁2のスプールをフルストロークさせるだけのパイロット圧を発生させることができない。そこで、圧力センサ32は図示しない荷役用モータに指令を出して、ポンプPを駆動させる。
ポンプPが駆動すれば、シーケンス弁5及び減圧弁7によって、メインパイロット通路6には一次パイロット圧が発生する。したがって、ポート64に導かれたこの一次パイロット圧はスプール62の移動量に応じて制御され、ポート60から二次パイロット圧としてパイロット室17bに導かれる。そして、その二次パイロット圧がスプール35に作用するので、操作レバーの操作量に応じて、スプール35を図面左方向に移動させることができる。
なお、図3に回路的に示しているが、第2貫通孔58内にチェック弁29を設けたので、パイロット室17bのパイロット圧がサブパイロット通路19側へ逆流するのを防止することができる。
【0037】
以上述べた第1実施例の油圧制御システムによれば、制御弁2を下降位置に切換えるときに、ポンプ吐出圧からではなく、シリンダSの負荷圧からパイロット圧を得る構成となっている。したがって、制御弁2を下降位置に切換えるために、ポンプPをわざわざ駆動させる必要がなく、エネルギーロスを低減することができる。
ただし、シリンダSの負荷圧が低いときには、圧力センサ32でそれを検知し、ポンプPを駆動させるので、メインパイロット通路6には一次パイロット圧が発生する。そして、その一次パイロット圧を制御して、二次パイロット圧を制御弁2のスプールに作用させるので、スプールをフルストロークさせるのに必要なパイロット圧を確保することができる。
【0038】
図4に示す第2実施例は、ポペット弁10をなくしたタイプの油圧制御装置である。ただし、それ以外の構成については、第1実施例と同じなので、同一の符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
この第2実施例では、ポペット弁10をなくしている。そして、ソレノイドバルブ23を、そのノーマル位置でシリンダS側と負荷圧ポート16とを完全に遮断する構成にしている。
いま、負荷圧センサ32が設定圧以下の負荷圧を検出したとき、ポンプPを駆動させてメインパイロット通路6に一次パイロット圧を発生させるので、シリンダSの負荷圧からパイロット圧を得る必要がなくなる。
したがって、ソレノイド25を非励磁状態にして、ソレノイドバルブ23をノーマル位置に復帰させてもかまわない。そして、このノーマル位置では、ソレノイドバルブ23がシリンダS側と負荷圧ポート16とを完全に遮断するので、チェック弁29がなくても、パイロット室17bのパイロット圧がサブパイロット通路19側に逆流するのを防止することができる。
【0039】
なお、以上述べた第1、2実施例では、シーケンス弁5及び減圧弁7が相まって、この発明でいう圧力発生手段を構成している。
また、ソレノイドバルブ23が、この発明でいう負荷圧通路切換手段を構成している。
さらに、比例電磁弁18a、18bが、この発明でいうパイロット圧制御手段を構成している。
【0040】
【発明の効果】
第1の発明によれば、制御弁を下降位置に切換えるときに、ポンプ吐出圧からではなく、シリンダの負荷圧からパイロット圧を得ることができるので、制御弁を下降位置に切換えるために、ポンプPをわざわざ駆動させる必要がなく、エネルギーロスを低減することができる。
そして、シリンダの負荷圧から制御弁のスプールをフルストロークさせるだけのパイロット圧を得られないようなとき、ポンプを駆動させれば、メインパイロット通路の圧力からパイロット圧を得ることができる。したがって、スプールをフルストロークさせるのに必要なパイロット圧を確保することができる。
第2の発明によれば、第1の発明において、シリンダの負荷圧から得たパイロット圧とメインパイロット通路から得たパイロット圧とのうち、高圧を選択して下降位置切換用のパイロット室に発生させることができ、そのパイロット圧がメインパイロット通路あるいはサブパイロット通路側に逆流するのを防止することができる。
第3の発明によれば、シリンダの負荷圧を圧力センサで検出し、その負荷圧が低いために、制御弁のスプールをフルストロークさせるだけのパイロット圧を得られないようなとき、ポンプを駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の油圧制御装置を示す回路図である。
【図2】図1に示した油圧制御装置の具体例を示した断面図である。
【図3】図2に示した油圧制御装置のIII部分の拡大図である。
【図4】この発明の第2実施例の油圧制御装置を示す回路図である。
【図5】従来例の油圧制御装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1 供給通路
2 制御弁
5 シーケンス弁
6 メインパイロット通路
7 減圧弁
15 負荷圧通路
16 負荷圧ポート
17a、17b パイロット室
18a、18b 比例電磁弁
19 サブパイロット通路
21 流量制御弁
23 ソレノイドバルブ
29、31 チェック弁
32 圧力センサ
Claims (3)
- ポンプと、ポンプに接続する供給通路と、供給通路に接続する制御弁と、制御弁に接続する単動式のシリンダと、制御弁のスプールを臨ませた上昇位置切換用のパイロット室と、制御弁のスプールを臨ませた下降位置切換用のパイロット室と、供給通路に接続したメインパイロット通路と、ポンプが駆動しているとき、メインパイロット通路に一定の圧力を発生させる圧力発生手段と、制御弁に設けた負荷圧ポートと、制御弁とシリンダとの間を負荷圧ポートに接続する負荷圧通路と、負荷圧通路の負荷圧ポートへの流れを遮断したり、負荷圧通路を連通したりする負荷圧通路切換手段と、制御弁に設け、制御弁が中立位置及び下降側位置にあるとき、負荷圧ポートと連通する中継ポートと、この中継ポートを上記下降位置切換用のパイロット室に接続するサブパイロット通路と、このサブパイロット通路に設け、一定流量だけを下降位置切換用のパイロット室に供給する流量制御弁と、制御弁に設け、制御弁が中立位置及び下降側位置にあるとき負荷圧ポートと連通するタンクポートと、負荷圧ポートとタンクポートの間に設けた絞りとを備え、上記負荷圧通路切換手段は、通常は遮断位置にあり、上記制御弁を上昇位置に切換えるための操作をすると、上昇位置切換用のパイロット圧制御手段がメインパイロット通路の圧力を制御して、上昇位置切換用のパイロット室にパイロット圧を発生させ、また、上記制御弁を下降位置に切換えるための操作をすると、同時に負荷圧通路切換手段が連通位置に切換わるとともに、下降位置切換用のパイロット圧制御手段がサブパイロット通路の圧力を制御して、下降位置切換用のパイロット室にパイロット圧を発生させる構成にした油圧制御装置において、下降位置切換用のパイロット圧制御手段は、サブパイロット通路だけでなく、メインパイロット通路の圧力も制御して、下降位置切換用のパイロット室にパイロット圧を発生させ、かつ、パイロット室に供給される一定流量以上の流量を、絞りを介してタンクに戻す構成にしたことを特徴とする油圧制御装置。
- 下降位置切換用のパイロット室からメインパイロット通路側への逆流を防止するチェック弁と、下降位置切換用のパイロット室からサブパイロット通路側への逆流を防止するチェック弁とを備えたことを特徴とする請求項1記載の油圧制御装置。
- シリンダの負荷圧を検出する圧力センサを設け、制御弁を下降位置に切換えるための操作をしたとき、その負荷圧が設定圧より低ければ、ポンプを駆動させる構成にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の油圧制御装置。
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