JP3724775B2 - 電力半導体の取り付け装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力半導体の取り付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、電力半導体の従来の取り付け装置SSを示す斜視図である。
【0003】
従来の取り付け装置SSは、電力半導体10の本体を挟む挟持部110と、この挟持部110に延出され、穴121を有する延出部120とを有する。また、電力半導体10を固定する放熱フィン130に、穴121に対応するタップ131が設けられている。
【0004】
上記取り付け装置SSによって電力半導体10を放熱フィン130に固定するには、まず、放熱フィン130と電力半導体10との間に絶縁シート60を設け、挟持部110によって電力半導体10の本体を挟み、演出部120の穴121にねじ50を挿通し、放熱フィン130のねじ穴131に上記ねじ50を螺合する。
【0005】
このようにすることによって、電力半導体10が放熱フィン130に固定される。また、ねじ50を締めるのみの作業によって、電力半導体10が放熱フィン130に固定されるので、電力半導体10の固定作業が容易である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の抑え具SSは、電力半導体10が放熱フィン130に固定された後に、放熱フィン130と電力半導体10とをプリント基板に実装する場合、延出部120がねじを中心に回動し、この延出部120の回動に伴って、挟持部110と電力半導体10とが回動するので、プリント基板に対する電力半導体10のリード線位置が不安定であるという問題がある。
【0007】
本発明は、電力半導体が放熱フィンに固定された後に、放熱フィンと電力半導体とをプリント基板に実装する場合、プリント基板に対する電力半導体のリード線位置を安定にすることができる電力半導体の取り付け装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電力半導体の取り付け位置を決める位置決め用穴と、ねじ固定用タップとを具備する放熱フィンと、上記位置決め用穴と嵌合する突起と、上記ねじが貫通する第1の穴と、第2の穴とを具備するL字形の抑え金具と、上記電力半導体の穴に挿入される第1の突起と、上記抑え金具の上記第2の穴に挿入される第2の突起と、上記第1の突起、上記第2の突起よりも太い胴部とを具備する絶縁スペーサとを有し、上記ねじの締めつけによって、上記突起が支点になり、上記第1の穴部分が力点になり、上記第2の穴部分が作用点になり、てこの原理によって上記電力半導体が上記放熱フィンに抑えつけられることを特徴とする電力半導体の取り付け装置である。
【0009】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の一実施例である電力半導体の取り付け装置SS1を示す分解斜視図である。
【0010】
電力半導体の取り付け装置SS1は、放熱フィン20と、L字形の抑え金具30と、絶縁スペーサ40と、ねじ50と、熱伝導性絶縁シート(サーマルシート)60とを有する。
【0011】
放熱フィン20は、電力半導体10の取り付け位置を決める位置決め用穴21と、ねじ固定用タップ22とを具備する。L字形の抑え金具30は、位置決め用穴21と嵌合する突起31と、ねじ50が貫通する第1の穴32と、第2の穴33とを具備する。
【0012】
絶縁スペーサ40は、耐熱樹脂製であり、電力半導体10の穴11に挿入される第1の突起41と、抑え金具30の第2の穴33に挿入される第2の突起42と、第1の突起41、第2の突起42よりも太い胴部43とを具備する。
【0013】
次に、電力半導体の取り付け装置SS1によって、放熱フィン20に電力半導体10を固定する動作について説明する。
【0014】
まず、放熱フィン20と電力用半導体10との間に熱伝導性絶縁シート60を挟み、絶縁スペーサス40の第1の突起41、第2の突起42をそれぞれ、電力半導体10の穴11、抑え金具30の第2の穴33に挿入し、抑え金具30の突起31を放熱フィン20の位置決め用穴21に挿入した状態で、抑え金具30の第1の穴32にねじ50を挿通し、ねじ固定用タップ22にねじ50を螺合する。ここで、ねじ50を強く締めつける直前に、電力半導体10のリード線位置を所定の方向に揃える。
【0015】
図2は、電力半導体の取り付け装置SS1によって電力半導体10が放熱フィン20に固定されている状態を示す斜視図である。
【0016】
上記実施例によれば、抑え金具30が、ねじ50によって放熱フィン20に固定されているときに、突起31によって、抑え金具30の回動が阻止され、したがって、抑え金具30が回動することによる電力半導体10の回動が阻止されるので、抑え金具30が放熱フィン20に締めつけられた後に、抑え金具30が回動することがない。
【0017】
また、上記実施例において、突起31が支点になり、第1の穴32部分が力点になり、第2の穴33部分が作用点になる。つまり、ねじ50を締めると、てこの原理によって電力半導体10が放熱フィン20に抑えつけられるので、電力半導体10が締めつけ後に回動することが非常に少ない。すなわち、電力半導体が放熱フィン20に固定された後に、放熱フィン20と電力半導体10とをプリント基板に実装する場合、そのプリント基板に対する電力半導体10のリード線位置を安定にすることができる。
【0018】
さらに、上記実施例によれば、絶縁スペーサ40によって、UL規格等の安全規格が適用されるスイッチング電源等絶縁耐圧を満足するだけでなく、抑え金具30と電力用半導体10との離隔距離を充分に確保することができる。
【0019】
図3は、本発明の他の実施例である電力半導体の取り付け装置SS2を示す斜視図である。
【0020】
電力半導体の取り付け装置SS2は、1つのL字形抑え金具に2つの電力半導体10を固定するものであり、放熱フィン20と、L字形の抑え金具30aと、2つの絶縁スペーサ40と、ねじ50と、熱伝導性絶縁シート(サーマルシート)60とを有する。
【0021】
L字形の抑え金具30aは、位置決め用穴21と嵌合する突起31と、ねじ50が貫通する第1の穴32と、第2の穴331 、332 とを具備する。
【0022】
ここで、L字形の抑え金具30aの第2の穴331 には、1つ目の絶縁スペーサ40の第2の突起42が挿入され、L字形の抑え金具30aの第2の穴332 には、2つ目の絶縁スペーサ40の第2の突起42が挿入される。そして、1つ目の絶縁スペーサ40の第1の突起41が1つ目の電力半導体10を抑え、2つ目の絶縁スペーサ40の第1の突起41が2つ目の電力半導体10を抑える。
【0023】
上記実施例であるL字形の抑え金具30aにおいては、電力半導体10が放熱フィン20に固定された後に、放熱フィン20と電力半導体10とをプリント基板に実装する場合、プリント基板に対する電力半導体10のリード線位置を安定にすることができる。特に、同一の放熱フィン20に複数の電力半導体10が取り付けられている場合等に有利である。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、電力半導体が放熱フィンに固定された後に、放熱フィンと電力半導体とをプリント基板に実装する場合、プリント基板に対する電力半導体のリード線位置を安定にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電力半導体の取り付け装置SS1を示す分解斜視図である。
【図2】電力半導体の取り付け装置SS1によって電力半導体10が放熱フィン20に固定されている状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例である電力半導体の取り付け装置SS2を示す斜視図である。
【図4】電力半導体の従来の取り付け装置SSを示す斜視図である。
【符号の説明】
SS1、SS2…電力半導体の取り付け装置、
10…電力半導体、
20…放熱フィン、
21…位置決め用穴、
22…ねじ固定用タップ、
30、30a…L字形の抑え金具、
31…突起、
32…第1の穴、
33、331 、332 …第2の穴、
40…絶縁スペーサ、
41…第1の突起、
42…第2の突起、
43…胴部、
50…ねじ、
60…絶縁シート。

Claims (2)

  1. 電力半導体の取り付け位置を決める位置決め用穴と、ねじ固定用タップとを具備する放熱フィンと;
    上記位置決め用穴と嵌合する突起と、上記ねじが貫通する第1の穴と、第2の穴とを具備するL字形の抑え金具と;
    上記電力半導体の穴に挿入される第1の突起と、上記抑え金具の上記第2の穴に挿入される第2の突起と、上記第1の突起、上記第2の突起よりも太い胴部とを具備する絶縁スペーサと;
    を有し、上記ねじの締めつけによって、上記突起が支点になり、上記第1の穴部分が力点になり、上記第2の穴部分が作用点になり、てこの原理によって上記電力半導体が上記放熱フィンに抑えつけられることを特徴とする電力半導体の取り付け装置。
  2. 請求項1において、
    1つの上記L字形の抑え金具に、上記第2の穴が複数設けられていることを特徴とする電力半導体の取り付け装置。
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