JP2005109385A - 電力半導体素子の固定装置 - Google Patents

電力半導体素子の固定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁スペーサ等を使用することなく必要な絶縁耐量を確保し、サージなどにより素子が破壊することが無い電力半導体素子の固定装置を提供する。
【解決手段】放熱フィン2と、電力半導体素子1と放熱フイン2との間に配置される絶縁シート4と、絶縁材料からなり放熱フイン2にねじ5で固定されると共に電力半導体素子1を放熱フィン2に固定する固定具3を設け、固定具3にねじ5と電力半導体素子1との間に位置する壁部3bを一体的に設けたもので、固定具3が絶縁材料で形成されているので、固定具3と電力半導体素子1との絶縁距離等を考慮する必要が無く、また万一雷サージがねじ5に印加されても壁部3bで遮断され、電力半導体素子1が破壊することがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器などに使用される電力半導体素子の固定装置に関するものである。
一般に電力半導体素子の固定装置は、電力半導体素子を放熱フィンに固定するために用いられる。以下に、従来の電力半導体素子の固定装置について、図8、9を用いて説明する。従来の電力半導体素子の固定装置は、放熱フイン2と、放熱フイン2に金属性のねじ5で固定されるとともに金属材料からなる固定具105と、電力半導体素子106と固定具105との間の絶縁距離を確保するための絶縁スペーサ110と、電力半導体素子1と放熱フィン2との間に介在される熱伝導性の絶縁シート4から構成されていた。
放熱フィン2は、電力半導体素子1の取り付け位置を決める位置決め用穴101と、ねじ5を固定するための固定用タップ6を備えている。固定具105は、L字形で、上記位置決め用穴101と嵌合する突起102と、ねじ5が貫通する第1の穴103と、第2の穴104とを備えている。絶縁スペーサ110は、電力半導体素子1に設けた穴106に挿入される第1の突起107を備え、他端に固定具105の第2の穴104に挿入される第2の突起108を備え、上記第1の突起107と上記第2の突起108よりも太い胴部109とを備えていた。
そして放熱フィン2に電力半導体素子1を取りつける時は、まず電力半導体素子1と放熱フイン2との間に絶縁シート4を介在させる。次に、絶縁スペーサ110の第1の突起107を電力半導体素子1に設けた穴106に挿入し、絶縁スペーサ110の第2の突起108を固定具105の第2の穴104に挿入し、固定具105の突起102を放熱フィン2の位置決め用穴101に挿入し、ねじ5を固定具5の第1の穴103に貫通させ、放熱フィン2の固定用タップ6にねじ止めすることで、取り付けが完了する(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−317586号公報
しかしながら、上記従来の電力半導体素子の固定装置では、ねじ5によって電力半導体素子1を固定するとき、放熱フィン2が外郭と絶縁されておらず、図9に示すような電力半導体素子1の背面の金属部1a、あるいは電力半導体素子1とねじ5との間に充分な絶縁距離が確保されないことがあった。
その場合、雷サージが印加されると、電力半導体素子1の背面の金属部1aあるいは電力半導体素子1とねじ5との間に電力半導体素子1の許容電圧を超える電圧が印加され、電力半導体素子1の破壊を引き起こすという課題を有していた。
また、上記従来の固定装置は、固定具105と電力半導体素子1間の絶縁を保つために絶縁スペーサ110が必要であるため、部品点数が多くまた組立工数が増加するという課題があった。
また、電力半導体素子1の上方にプリント基板(図示せず)が設置される場合は、絶縁スペーサ110の高さが制約を受け、場合によっては絶縁スペーサ110が設置困難となるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、絶縁構造が簡単で、雷サージなどによる電力半導体素子の破壊を防止することができる電力半導体素子の固定装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電力半導体素子の固定装置は、電力半導体素子で生じた熱を放熱する放熱フィンと、前記電力半導体素子と前記放熱フインとの間に配置される絶縁シートと、樹脂等の絶縁材料からなり前記放熱フインにねじで固定されると共に前記電力半導体素子を前記放熱フィンに固定する固定具を設け、前記固定具に、前記ねじと前記電力半導体素子との間に位置する壁部と、前記電力半導体素子の外周面と係合する抑え部とを一体的に設けたもので、固定具が絶縁材料で形成されていることにより、それと電力半導体素子との絶縁距離等は考慮する必要が無く、絶縁スペーサ等余分な部品が不用で、しかも万一雷サージがねじに印加されても壁部でそれが遮断されるので、電力半導体素子が破壊する事が無い。
本発明の電力半導体素子の固定装置は、絶縁スペーサ等を使用することなく電力半導体素子を放熱フィンに確実に固定するとともに必要な絶縁耐量を確保し、サージなどによる電力半導体素子の破壊を防ぐことができる。
第1の発明は、電力半導体素子で生じた熱を放熱する放熱フィンと、前記電力半導体素子と前記放熱フインとの間に配置される絶縁シートと、樹脂等の絶縁材料からなり前記放熱フインにねじで固定されると共に前記電力半導体素子を前記放熱フィンに固定する固定具を設け、前記固定具に、前記ねじと前記電力半導体素子との間に位置する壁部と、前記電力半導体素子の外周面と係合する抑え部とを一体的に設けたもので、固定具が絶縁材料で形成されていることにより、電力半導体素子との絶縁距離等を考慮する必要が無く、絶縁スペーサ等余分な部品が不用で、しかも万一雷サージがねじに印加されても壁部でそれが遮断されるので、電力半導体素子が破壊する事が無い。
第2の発明は、特に、第1の発明の固定具の形状を略階段状とし、その階段の一部を壁部としたもので、雷サージがねじに印加されても壁部でそれが遮断されるので、電力半導体素子が破壊する事が無い。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の固定具の抑え部が、電力半導体素子に設けられた穴と嵌合する突起で形成されたもので、突起が電力半導体素子の穴に嵌合することにより、組み立てが容易で、振動等で電力半導体素子が固定具との間で横ズレしたり、外れたりする事が無い。
第4の発明は、特に、第2又は第3の発明の略階段状に形成した固定具の少なくとも2つの祈点のうち1つを、放熱フィンと電力半導体素子とが接する点に接触させるもので、電力半導体素子を正確に位置決めすることができ、電力半導体素子をより確実に固定することができ、また作業性を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の固定具を一方に突出した略凸形状とし、前記固定具の山部と放熱フィンとで電力半導体素子を挟持するように、前記固定具の両側を前記放熱フインにねじ止めするもので、固定具が放熱フィンに確実に固定されるので、密着性が向上し、放熱効果も向上するものである。
第6の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の固定具を一方に突出した略凸形
状とし、前記固定具の山部と放熱フィンとで電力半導体素子を挟持するように、前記固定具の両側に設けたつめを前記放熱フインに設けた固定用穴に引っ掛けるもので、ねじなど用いることなく、つめを放熱フィンの固定用穴に引っ掛けるだけで固定具を固定することができるため作業が容易である。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の固定具に、複数の壁部と複数の抑え部とを設けるとともに、前記固定具で複数の電力半導体素子を同一放熱フィンに固定するもので、複数の電力半導体素子を使用する場合の組み立て性が著しく向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態の電力半導体素子の固定具を示す斜視組立図である。図2は同固定装置の正面図と側面図である。なお従来例と同一部分に付いては同一符号を付してその説明を省略する。
3は、電力半導体素子1を放熱フイン2に固定するための固定具で、樹脂等の絶縁材料から形成され、途中に壁部3bを有する略階段状に形成され、一方にねじ5が貫通するねじ穴7が形成され、他方に電力半導体素子1の横方向の移動を防ぐための抑え部3aが形成されている。
放熱フィン2には、ねじ5を固定するための固定用タップ6が設けられている。また、電力半導体素子1と放熱フィン2との間には、電力半導体素子1と放熱フィン2の間の絶縁性を確保しつつ、電力半導体素子1で生じた熱を放熱フィン2へ伝える熱伝導性の絶縁シート4が取りつけられている。
なお、抑え部3aは、ねじ5と電力半導体素子1および半導体素子1の金属部1aとの間の距離が絶縁に必要な距離Lとなる位置に設けることができる。
以下、放熱フィン2に電力半導体素子1を固定する方法について説明する。
放熱フィン2と電力半導体素子1との間に絶縁シート4を挟み、固定具3のねじ穴7にねじ5を挿入し、固定用タップ6にねじ5を螺合する。それにより、固定具3が放熱フイン2に固定されるとともに、電力半導体素子1が絶縁シート4とともに放熱フイン2と抑え部3aにて挟持・固定される。
上記実施の形態によれば、ねじ5と電力半導体素子1および電力半導体素子1の背面の金属部1aとの間の絶縁距離Lが確保されるとともに、万一雷サージ等の高電圧がねじ5に印加されても間に位置する壁部3bでそれが遮断されるので、電力半導体素子1の破壊を確実に防ぐことができる。
さらに上記実施の形態によれば、固定具3は絶縁材料で形成され抑え部3aで電力半導体素子1を直接押えつけるようにしているので、固定具3と電力半導体素子1との絶縁距離を考慮する必要が無く、絶縁スペーサも不要となり、部品点数および組立工数を削減することができる。
なお、上記説明の電力半導体素子としては、バイポーラトランジスタ、MOS―FET、IGBTなどが一般的に用いられている。
なお、上記実施の形態では、固定具3に絶縁材料を用いたが、十分な絶縁厚みの絶縁材料でコーティングされた金属材料であっても同様の効果を奏することは言うまでも無い。
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における電力半導体素子の固定装置を示す斜視組立図である。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、図3に示すように、固定具10は、第1の実施の形態と同様に階段状に形成され上方にねじ5の貫通用のねじ穴7を備え、抑え部3aを電力半導体素子1の穴8に嵌合する突起9におきかえたものである。
以下、放熱フィン2に電力半導体素子1を固定する方法について説明する。
まず、放熱フィン2と電力半導体素子1との間に絶縁シート4を挟み、固定具10に設けた突起9を電力半導体素子1の穴8に挿入し、固定具10のねじ穴7にねじ5を通して、固定用タップ6に螺合して、放熱フィン4に固定具10を固定する。
上記実施の形態によれば、電力半導体素子1の穴8を固定具10の突起9に引っ掛けると組み立て時に電力半導体素子1が仮保持され、組み立てが容易になるとともに、電力半導体素子1の穴8と突起9とで電力半導体素子1をより確実に固定することができるとともに、使用中に振動等でずれたり外れたりする事が無い。
なお、図4に示すように、固定具10の祈点10a、10bを電力半導体素子1と接触させて固定するようにすれば、ねじ5と電力半導体素子1および素子背面の金属部1aとの間の絶縁距離Lが確保され、しかも壁部3bにより雷サージなどによる素子の破壊を防ぐことができる。
また、固定具10の祈点10a、10bで電力半導体素子1を抑えることにより、正確に位置決めすることができるため、電力半導体素子1をより確実に固定することができ、作業性を向上することができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態における電力半導体素子の固定装置を示す斜視組立図である。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態における電力半導体素子1を放熱フイン2に固定する固定具11は、形状を略凸形(山形状)とし、その両側にねじ5が貫通するねじ穴7を設けると共に、放熱フイン2に上記二つのねじ穴7に対応して2つの固定用タップ6が設けられている。なお、ねじ穴7を、それと電力半導体素子1との絶縁距離Lが確保できる位置に設けても良い。
以下、放熱フィン2に電力半導体素子1を固定する方法について説明する。
まず、放熱フィン2と電力半導体素子1との間に絶縁シート4を挟み、固定具11の両端のねじ穴7にねじ5をそれぞれ挿入し、固定具11の山部11aと放熱フィン2とで電力半導体素子1を挟持するように、固定用タップ6に螺合する。
上記実施の形態によれば、ねじ5と電力半導体素子1および素子背面の金属部1aとの間の絶縁距離Lが確保され、壁部3bにより雷サージなどによる素子の破壊を防ぐことが
できる。さらに電力半導体素子1は、固定具11の両端のねじ5によって、放熱フィン2に確実に固定されるので、密着性が向上し、放熱効果も向上するものである。
上記実施の形態では、略凸形(山形状)状の固定具11の両端に放熱フイン4に固定するためのねじ穴を設けたが、図6に示すように、両側に固定用の爪12を設けた固定具13とし、放熱フィン4側に、その爪12が引っ掛けられる固定用穴14を設けるようにしても良い。
上記構成によれば、ねじなど用いることなく、固定具13のつめ12を放熱フィン4の固定用穴14に引っ掛けるだけで固定することができるため作業が容易であり、勿論壁部3bにより雷サージなどによる電力半導体素子1の破壊を防ぐことができる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態における電力半導体素子の固定装置を示す斜視組立図である。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態における電力半導体素子1を放熱フイン2に固定する固定具15は、略中央に配したねじ穴7と、1対の互いに対向する壁部3bと、1つの電力半導体素子1を固定する第1の突起16と、もう1つの電力半導体素子1を固定する第2の突起17とを具備している。なお、第1の突起16と第2の突起17との間隔は、二つの電力半導体素子1間の距離が、必要な絶縁距離Lの2倍以上になるように設定すると良い。
以下、固定具15によって、放熱フィン2に2つの電力半導体素子1を固定する方法について説明する。
まず、放熱フィン2と二つの電力半導体素子1との間に絶縁シート4を挟み、固定具15の第1の突起16を一方の電力半導体素子1の穴8に、第2の突起17をもう一方の電力半導体素子1の穴8に挿入する。そして、固定具15のねじ穴7にねじ5を挿入し、放熱フイン2に設けた固定用タップ6にねじ止めする。
上記実施の形態によれば、1つの固定具15で2つの電力半導体素子1を確実に固定でき、また電力半導体素子1が1つのときと同様に、ねじ5と電力半導体素子1および素子背面の金属部1aとの間の絶縁距離Lが確保され、1対の壁部3bにより雷サージなどによる素子の破壊を防ぐことができる。
以上のように、本発明にかかる電力半導体素子の固定装置は、十分な絶縁耐量を確保し、雷サージなどにより電力半導体素子が破壊する事が無いので、電力半導体素子を用いた各種電気機器や電源装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における電力半導体素子の固定装置の斜視組立図 (a)同固定装置の正面図(b)同固定装置の側面図 本発明の実施の形態2における電力半導体素子の固定装置の斜視組立図 同固定装置の他の例を示す斜視組立図 本発明の実施の形態3における電力半導体素子の固定装置の斜視組立図 同固定装置の他の例を示す斜視組立図 本発明の実施の形態4における電力半導体素子の固定装置の斜視組立図 従来の電力半導体素子の固定装置の斜視組立図 同電力半導体素子の背面図
符号の説明
1 電力半導体素子
1a 金属部
2 放熱フィン
3、10、11、13 固定具
3b 壁部
3a 抑え部
4 絶縁シート
5 ねじ
6 固定用タップ
7 ねじ穴
8 穴
9 突起
10a 祈点a
10b 祈点b
12 つめ
14 固定用穴

Claims (7)

  1. 電力半導体素子で生じた熱を放熱する放熱フィンと、前記電力半導体素子と前記放熱フインとの間に配置される絶縁シートと、樹脂等の絶縁材料からなり前記放熱フインにねじで固定されると共に前記電力半導体素子を前記放熱フィンに固定する固定具を設け、前記固定具に、前記ねじと前記電力半導体素子との間に位置する壁部と、前記電力半導体素子の外周面と係合する抑え部とを一体的に設けたことを特徴とする電力半導体素子の固定装置。
  2. 固定具の形状を略階段状とし、その階段の一部を壁部としたことを特徴とする請求項1記載の電力半導体素子の固定装置。
  3. 固定具の抑え部が、電力半導体素子に設けられた穴と嵌合する突起であることを特徴とする請求項1又は2記載の電力半導体素子の固定装置。
  4. 略階段状に形成した固定具の少なくとも2つの祈点のうち1つを、放熱フィンと電力半導体素子とが接する点に接触させることを特徴とする請求項2又3記載の電力半導体素子の固定装置。
  5. 固定具を一方に突出した略凸形状とし、前記固定具の山部と放熱フィンとで電力半導体素子を挟持するように、前記固定具の両側を前記放熱フインにねじ止めしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電力半導体素子の固定装置。
  6. 固定具を一方に突出した略凸形状とし、前記固定具の山部と放熱フィンとで電力半導体素子を挟持するように、前記固定具の両側に設けたつめを前記放熱フインに設けた固定用穴に引っ掛けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電力半導体素子の固定装置。
  7. 固定具に、複数の壁部と複数の抑え部とを設けるとともに、前記固定具で複数の電力半導体素子を同一放熱フィンに固定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電力半導体素子の固定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102306636A (zh) * 2011-08-31 2012-01-04 昆山锦泰电子器材有限公司 双向阶梯形散热片
CN102307450A (zh) * 2011-08-31 2012-01-04 昆山锦泰电子器材有限公司 一种散热片
JP2014203979A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 Tdk株式会社 電源装置

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