JP3724698B2 - 帳票類スキュー補正装置および補正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帳票類のスキューを修正する装置および修正する方法に関し、例えば搬送する機構を有する帳票類の発行装置や帳票類の印字を行う装置において、安定かつ高精度にスキューを補正し、種々の帳票類を取り扱うことが可能なスキュー補正装置および補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、帳票類の搬送を行う装置、例えば印刷装置、複写機、光学的文字読取装置においては、帳票類を高精度かつ安定的に搬送する必要がある。従来のスキュー補正機構としては、平行に配置された2組の搬送ローラにおいて2組のローラ間で帳票をたわませて、帳票先端を搬送ローラの噛み合わせ部に当接させ帳票の傾きを修正する特公昭62−38261号公報に記載されたスキュー防止方法や、2つの離間して配置された検出器により搬送された帳票類のスキュー量を測定する手段を持ち、別駆動源を持つ2つの離間したローラにより、そのローラ位置まで搬送された帳票類を左廻りまたは右廻りに回転させて帳票類の傾きを修正する特表平9−510409号公報に記載された整合機構付きプリンタのような方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の特公昭62−38261号に記載のスキュー防止方法は、傾き角が約1°程度のものを0.1°程度に傾きを修正できる優れた方式であって、先端がドライブローラを完全に通過した時点でドライブローラを逆転させ、紙葉の先端がドライブローラの噛み合わせ部を完全に通過するまで紙葉を逆送りして、ピックアップローラとドライブローラの噛み合わせ部に紙葉の先端を当接させ、その後にドライブローラを正転させて紙葉を送り出すものである。しかしながら、修正前の傾き角が大きいとローラ間でたわませた帳票の両端でたわみ量の差が大きくなり、たわみ量の小さい端面側では帳票先端がローラに沿ってめくれ上がりローラ噛み合わせ部に当接せずスキュー補正ができない場合がある。
【0004】
また、前述の特表平9−510409号に記載の整合機構付きプリンタでは、複数種の帳票類を取り扱う装置の場合、取り扱う帳票類の内搬送方向に対して最も幅の小さい帳票に合わせて2つの離間するローラを配置する必要があり、ここで例えば取り扱う帳票の最大幅と最小幅の差が2倍あると、最大幅の帳票でのスキュー補正精度(搬送方向に対して帳票先端の左右両端位置の差)は最小幅の帳票に対して約2倍劣ることとなる。更に、ローラの帳票保持ピッチが小さいため帳票のフリーとなるところが増すこととなり、搬送負荷の増大、ジャムの原因となり易くなる。また、前述のスキュー補正機構はスキュー補正時に帳票の保持力をスキュー補正ローラのみとする必要があり、帳票類の長さ方向で複数種取り扱う場合においては、スキュー補正ローラ以外の搬送ローラでも帳票を保持してしまうため、対応できない。
【0005】
そこで本発明の目的は、上記のような問題を解消し、多種サイズの帳票のスキュー補正が可能で、かつ大きいスキュー量であっても対応可能なスキュー補正装置および補正方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のスキュー量補正方法は、別駆動源を持つ左右離間した搬送ローラ(スキュー補正ローラ)軸のうち、片側の軸に複数のローラを設け、搬送されてきた帳票がスキュー補正ローラを通過後、搬送路内の読取センサにより帳票のスキュー量及び幅方向の大きさを認識し、該帳票類の搬送を一時停止させ、帳票幅に応じて同軸上の搬送ローラからスキュー補正を行うローラを選択し、その他の同軸上のローラは帳票の搬送力を解放する。またこの時、スキュー補正ローラと平行に設置されたその他搬送ローラの搬送力も解放する。次に、スキュー補正ローラの駆動制御(片側のローラを停止し、もう一方のローラを駆動する)により帳票スキューを修正する。
また、本発明のスキュー量補正装置は、別駆動源を備えた左右離間したスキュー補正用の複数の搬送ローラと、該搬送ローラの搬送方向のドライブローラの延長上に配置され、帳票の傾き量を検出するとともに、帳票幅の大きさを検出する複数のセンサと、スキュー量を測定した後、該帳票類の搬送を一時停止させ、該帳票類の幅方向の大きさに応じてスキュー補正を行うローラを選択して補正ローラの駆動を制御する手段とを具備する。
これにより、スキュー補正時に帳票幅の両端部を保持でき、安定・高精度にスキューを補正し、多種サイズの帳票類に対応することが可能なスキュー補正装置を実現することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例を示すスキュー補正装置の平面図,図2は側面図である。
先ず、図1,図2によりスキュー補正装置の構成について説明する。主に、ドライブローラ5とそれに対向するプレッシャローラ6、帳票のスキュー補正を行うために離間して設置されたドライブローラ11,12a,12b(12aと12bは同軸に固定されている)とそれに対向するプレッシャローラ13,14a,14b、帳票の傾き量を検出するセンサ7,8,9(7,8及び9のセンサは搬送方向でドライブローラ11,12a,12bの延長上に配置され、帳票幅の大きさについても検出する)、搬送路25、ドライブローラ11の駆動モータ3、ドライブローラ12a及び12bの駆動モータ4、プレッシャローラ6の押圧解放手段21により構成される。押圧解放手段21を動作させることによりプレッシャローラ6をドライブローラ5から持ち上げることが可能であり、その結果、帳票は搬送されなくなる。また、ドライブローラ5と11と12a(12b)はそれぞれ独立して駆動可能であり、且つ同期駆動が可能である。
【0008】
図3は、スキュー補正時のプレッシャローラとドライブローラの動作を説明するための斜視図である。
図1,図2,図3により、本発明の動作を説明する。帳票の幅は、センサ7の位置を基準に測定する。先ず、帳票1の幅が図1の実線で示す幅の場合、帳票1は7,8のセンサ位置まで搬送されてセンサ7,8により帳票1のスキュー量を測定して停止する。ここで、センサ9は帳票1を検出しないため、帳票1の幅はローラ12b(14b)位置より小さいことを認識する。この時、帳票1のスキュー量が設定した値(最終的にスキュー補正により要求される値)以下の場合は帳票1をそのまま排出方向に搬送する。スキュー量の設定値は、ATM、複写機、プリンタ等の各装置によって許容範囲が異なるが、スキュー量に換算したときに例えば1mm以下の場合には、補正することなくそのまま通過させる。スキュー量が設定値より大きい場合には、押圧解放手段21を動作させてプレッシャローラ6をドライブローラ5から持ち上げて帳票1のローラ保持を解放し、スキュー補正可能な状態とする。その後、帳票1の搬送方向に対して進んでいる方のドライブローラ11または12aを停止したまま、もう一方のドライブローラ12aまたは11を搬送方向に測定したスキュー量分駆動することでスキューを補正し、次に、ドライブローラ11とドライブローラ12aを同期駆動させて帳票1を排出方向に搬送する。
なお、スキューを補正した場合、再度センサ7,8によりスキュー量を確認し、前記スキュー補正動作を繰り返してもよい。この場合には、補正した後、ローラを逆転させて戻した後、再度センサ7,8によりスキュー量が設定値以下であるか否かを判断する。
【0009】
次に、帳票1の幅が図1の実線と破線を合わせた幅の場合、帳票1は7,8,9のセンサ位置まで搬送されて、センサ7,9により帳票1のスキュー量を測定して停止する。ここでセンサ9は帳票1を検出するため、帳票1はローラ12b(14b)によって保持されることを認識する。この時、帳票1のスキュー量が設定した値(最終的にスキュー補正により要求される値)以下の場合には、帳票1をそのまま排出方向に搬送する。スキュー量が設定値より大きい場合には、押圧解放手段21を動作させてプレッシャローラ6をドライブローラ5から持ち上げて帳票1のローラ保持を解放すると同時に、図3の破線で示すように押圧解放手段23を動作させて、プレッシャローラ14aをドライブローラ12aから持ち上げて、帳票1のローラ保持を解放する。これにより、両側のドライブローラ(11,12b)によるスキュー補正が可能となる。その後、帳票1の搬送方向に対して進んでいる方のドライブローラ11または12bを停止したまま、もう一方のドライブローラ12bまたは11を搬送方向に測定したスキュー量分駆動することでスキューを補正し、次に、ドライブローラ11と12bを同期駆動させて帳票1を排出方向に搬送する。
なお、スキューを補正した場合、再度センサ7,9によりスキュー量を確認し、前記スキュー補正動作を繰り返してもよい。この場合には、前述のようにローラを逆転させて帳票を戻した後に、再度センサ7,9によりスキュー量が設定値以下であることを確認する。
【0010】
図4は、本発明の一実施例を示すスキュー補正方法の動作フローチャートである。
帳票1を7,8,9のセンサ位置まで搬送した後、センサ7,8,9のいずれが帳票1を検知したかを判断し(ステップ121)、2つのセンサ7,8または7,9によりスキュー量を測定する(ステップ122)。次に、帳票1の搬送を停止し(ステップ123)、スキュー量が設定した基準値以下であるか否かを判断する(ステップ124)。基準値以下であれば、無視してよいので、帳票1を排出方向に搬送する(ステップ129)。一方、スキュー量が基準値を超えていれば(ステップ124)、押圧解放手段21をONにして帳票1の搬送を停止し(ステップ125)、次にセンサ9が帳標1を検知したか否かを判断する(ステップ126)。センサ9が検知していなければ、センサ8が検知しているので、モータ3または4を駆動して、ローラ12aまたは11のいずれか一方のみを回転させることで、スキューを補正する(ステップ128)。そして、ローラ12a,11を同期駆動することにより排出方向に搬送する(ステップ129)。
また、センサ9が検知していれば(ステップ126)、帳票1の幅が大きく、破線の部分まで範囲があるので、中間位置のプレッシャーローラ14aの押圧解放手段23をONにしてから(ステップ127)、モータ3または4を駆動してスキューを補正する(ステップ128)。
【0011】
図5は、本発明の一実施例を示すスキュー補正装置の制御系のブロック図である。
センサ7,8,9は、前述のようにスキュー量を測定するとともに、帳票1の幅方向の大きさを検知する。タイマ28は、センサ7,8,9の1つが帳票1を検知した時点でタイマONとし、次にセンサ7,8,9の他の1つが帳票1を検知した時点でタイマOFFとする。制御部30内の演算回路301がその時間からスキュー量を距離に換算する。搬送駆動部29は、帳票1を搬送するためのドライブローラ5を駆動する。補正用ドライブローラ駆動部3,4はドライブローラ駆動モータであって、スキュー補正用ドライブローラ11,12a,12bを駆動する。ローラ解放部21,23は、搬送用のプレッシャローラ6の解放手段21と補正用のプレッシャローラ14aの解放手段23の駆動部分である。メモリ31は、制御部30で使用するスキュー量の基準値を含むデータを記憶する。なお、センサ7,8,9で帳票1の幅方向の大きさを検知する場合、センサ7とセンサ8が検知して、センサ9が検知していないならば、制御部30はセンサ7,8から検知信号を受け取り、帳票1の幅は少なくともセンサ7からセンサ8までの大きさであると判断する。また、センサ7とセンサ8とセンサ9が検知した場合には、制御部30はセンサ7,8,9から検知信号を受け取り、帳票1の幅は少なくともセンサ7からセンサ9までの大きさであると判断する。
【0012】
図6は、本発明の他の実施例を示すスキュー補正装置の平面図である。
前述の通り、図1の実施例では同軸上にローラを2個(12a,12b)固定し、帳票幅によりスキュー補正を行うローラを選択する方法としているが、図6の実施例では、同軸上のローラ数及び帳票幅を認識するセンサ数を増やして、スキュー補正を行うローラを選択する機構としている。
すなわち、図6において、帳票1aの大きさであれば、補正用ローラ11と12aを用いて、いずれか一方の搬送を停止し、他方を搬送方向にスキュー量分だけ駆動させることにより、スキューを補正することができる。
しかし、図6において、帳票1bまたは1cの大きさの場合には、もし図1の機構のように同軸上の補正用ローラ12bしかなかったときには、上記の帳標1aと同じように、補正用ローラ11と12aを用いてスキューを補正しなければならない。しかし、このように、取り扱う帳票1の最大幅と最小幅の差が2倍以上あると、最大幅の帳票でのスキュー補正精度が劣ることになる。すなわち、搬送方向に対して帳票先端の左右両端位置の差は、帳標1b,1cの場合には帳票1aのときに比べて約2倍劣ることになる。その結果、高精度にスキュー補正ができなくなる。そこで、図6の12cで示すように、同軸上に設けられるローラ数を3個以上にするとともに、9a,9bで示すように、帳票幅を認識するセンサ数も増加してスキュー補正を行うローラを選択する機構とする。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スキュー補正時に帳票の種類に応じて帳票の両端部を保持できるので、安定・高精度にスキューを補正することができ、かつ種々の帳票類の取り扱いに対応可能なスキュー補正装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスキュー補正装置の平面図である。
【図2】同じく図1の実施例の側面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すスキュー補正時の各ローラの動作説明図である。
【図4】本発明の一実施例を示すスキュー補正動作のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例を示すスキュー補正装置の制御系のブロック図である。
【図6】本発明の他の実施例を示すスキュー補正装置の平面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c…帳票、3,4…補正用ドライブローラ駆動モータ、
5…搬送用ドライブローラ、6…搬送用プレッシャローラ、
7,8,9,9a,9b…センサ、
11,12a,12b,12c…スキュー補正用ドライブローラ、
13,14a,14b,14c…スキュー補正用プレッシャローラ、
28…タイマ、29…搬送駆動部、30…制御部、31…メモリ、
15,16…駆動ベルト、21,23…プレッシャローラ解放手段、
25…搬送路、26,27・・・フレーム、301…演算回路。
Claims (3)
- 帳票類の搬送を行う装置の帳票類スキュー補正装置であって、
各々別駆動源を持って左右に離間し、同軸上に複数個配置されたスキュー補正用搬送ローラと、
該スキュー補正用搬送ローラに対応して配置され、該帳票類の幅方向の大きさを認識するセンサと、
該帳票類のスキュー量を測定する手段と、
スキュー量を測定した後、該帳票類の搬送を一時停止させ、該帳票類の幅方向の大きさに応じてスキュー補正を行うローラを選択し、該ローラの駆動を制御する制御手段と
を有することを特徴とする帳票類スキュー補正装置。 - 請求項1に記載の帳票類スキュー補正装置において、
前記各手段に加えて、帳票類のスキュー補正時に、選択されたスキュー補正用搬送ローラ以外の搬送ローラの帳票搬送力を解放する機構を持つことを特徴とする帳票類スキュー補正装置。 - 搬送されてきた帳票類のスキューを補正する帳票類スキュー補正方法であって、
複数個のセンサのうち、いずれのセンサが帳票を検知したかを判断するステップと、
検知した2つのセンサによりスキュー量を測定するステップと、
帳票の搬送を一時停止させ、測定されたスキュー量が予め設定した基準値以下であるか否かを判断するステップと、
スキュー量が該基準値以下であれば、該帳票を排出方向に搬送するが、スキュー量が基準値を超えていれば、スキュー補正以外の搬送ローラの押圧解放手段をONにするステップと、
該帳票の幅方向の大きさを検知し、大きい幅であれば、同軸上に配置された中間位置のスキュー補正用搬送ローラの押圧解放手段をONにし、小さい幅であれば、そのままの状態で、別駆動源の左または右の一方の駆動モータを駆動して、該帳票のスキューを補正するステップと、
左右に離間したスキュー補正用搬送ローラを同期駆動することにより、排出方向に搬送するステップと
を有することを特徴とする帳票類スキュー補正方法。
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