JPH08268600A - 帳票の傾き修正機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きく傾斜して搬送された帳票に対し、高精
度の傾き修正を安定に行う。 【構成】 帳票３の傾きをセンサ１２、１３で測定し、
測定結果に基づき、幅寄せローラ９を駆動後、ドライブ
ローラ１７ａ、１７ｂ間で帳票３を撓ませ、帳票３の先
端をプレッシャローラ１８ｂ、ドライブローラ１７ｂの
噛み合わせ部に当接し、帳票３の傾きを修正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばＯＣＲ、イメー
ジリーダ等、帳票を正確な位置に搬送する必要のある装
置における帳票の傾き修正機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、帳票の傾き修正機構としては、特
公昭６２−３８２６１号公報に記載されているように、
平行に配置された２本のドライブローラにおいて、搬送
方向側のドライブローラを当該紙葉の先端が通過後、搬
送方向に対し逆回転させ、同時に後側ドライブローラを
停止させ、２本のローラ間で紙葉を撓ませ、紙葉先端を
ドライブローラの噛み合わせ部に当接させ、紙葉の傾き
を修正する方式が知られている。上記方式は、簡単な構
成で帳票の傾きを修正可能であるが、搬送された帳票の
傾き角が大きい場合には修正しきれず、帳票に皺等を発
生させるという問題があった。また、帳票の搬送方向と
直角方向の位置決めを行うことについては配慮がなされ
ていなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、帳票
の傾き角が約１度程度のものを０．１度程度へ傾きを修
正可能な優れた方式であるが、修正前破傾き角が大きい
と、ローラ間で撓ませた帳票の両端で撓み量の差が大き
くなり、撓み量の小さい端部側では帳票先端がローラ噛
み合わせ部に当接せず補正が不可能となってしまう。そ
のため、従来方式による傾き修正の前に帳票の傾きを一
定量以下にすることが必要である。一方、傾き修正の他
の方式として、幅寄せローラで帳票側面を基準面に押し
当てる方式が知られており、この方式を前述の方式の前
に行うことが考えられる。この２方式を併用すると、帳
票の横方向の位置決めも可能になる。この方式におい
て、ローラで帳票を基準面に押し当てる場合、扱う帳票
が一種類の場合はローラの位置を帳票の中央にし、基準
面に直角に押し当てることが可能であるが、多種類の大
きさ、厚さの帳票を扱う場合、帳票の重心位置、搬送抵
抗がそれぞれ異なるため、同一条件で幅寄せを行うと、
傾きを増大させたり、帳票を左端に押し当て過ぎてジャ
ムを発生させたりするという問題がある。本発明の目的
は、このような問題点を改善し、傾き量の大きい帳票に
対しても安定な傾き修正機構を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の帳票の傾き修正機構は、幅寄せローラ（図
１の９）の角度を任意に設定可能とし、搬送された帳票
の傾きをセンサ（図１の１１ａ、１１ｂ、１２、１３）
にて測定し、測定値により幅寄せローラの角度と回転方
向と回転量を制御し、幅寄せローラによる帳票の搬送路
側端への移動および傾き修正を行った後、さらに２本の
ドライブローラ（図１の１７ａ、１７ｂ）間で帳票を撓
ませ、その先端をドライブローラの噛み合わせ部に当接
させて傾き修正するように構成したことに特徴がある。

【０００５】

【作用】本発明においては、センサにて、搬送された帳
票の傾きを測定し、その測定値に従い幅寄せローラの回
転方向と角度と回転量を制御し、２本のドライブローラ
間での傾き修正を行う前に、幅寄せローラにて帳票の傾
きと左右方向位置を一定範囲内にする。これにより、傾
きの大きい帳票を安定に傾き修正することができる。ま
た、幅寄せローラの駆動を側端に寄せる動作と傾きを修
正する動作を分けて駆動することにより、確実に帳票を
左右方向の位置決めを実施し、大きな帳票の傾き修正が
実施でき、安定な傾き修正が可能となる。なお、幅寄せ
ローラにより帳票を側端に寄せるとき、側端を検出する
センサを設け、側端を検出するまで幅寄せローラを帳票
搬送方向に直角に駆動することにより、基準ガイド（あ
るいは搬送路側端）に押し付けた場合に発生する危険の
ある帳票側端部の折れ等の不具合を防止できる。この幅
寄せローラは、帳票搬送方向および帳票搬送方向と直角
方向の少くとも二つの角度に設定可能とし、平行に配置
したドライブローラ間に設ける。また、センサにて、搬
送された帳票の長さを検出し、帳票の長さの中央の箇所
で幅寄せローラを帳票搬送方向に直角に設定し、帳票側
端を基準面に押し当てた後、帳票の傾き量を測定し、そ
の測定値に従って幅寄せローラの角度と回転方向と回転
量を決めて帳票を移動させた後、２本のドライブローラ
間で帳票の傾き修正を行う。これにより、異なるサイズ
の帳票に対応することが可能である。また、幅寄せロー
ラの設定角度と回転方向と回転量は、搬送される帳票ご
とに設定する。あるいは、幅寄せローラにより帳票を動
かした後、再度帳票の傾きを測定し、幅寄せローラによ
る移動前後の帳票傾き量を計算し、計算結果に従って、
幅寄せローラの角度と回転量の設定値を修正する。これ
により、多種類の帳票に対応でき、常に適正な傾き修正
を行うことが可能である。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図１は、本発明の第１の実施例における帳票の傾き
修正機構を示す平面図、図２はその側面図である。まず
構成について説明する。本実施例の機構は、ドライブロ
ーラ１７ａ、１７ｂと、それに対向するプレッシャロー
ラ１８ａ、１８ｂと、幅寄せローラ９と、帳票の傾き量
を検出するセンサ１２、１３と、用紙ガイド１ａ、１
ｂ、２、３ａ、３ｂと、帳票の左端を検出するセンサ１
１ａ、１１ｂより構成される。プレッシャローラ１８
ａ、１８ｂは、それぞれ押圧解除手段（図示せず）によ
りドライブローラ１７ａ、１７ｂから持ち上げることが
できる。また、ドライブローラ１７ａ、１７ｂは、モー
タ等の駆動手段（図示せず）により独立駆動可能に構成
されている。幅寄せローラ９は、前記ローラ１７ａ、１
７ｂ、１８ａ、１８ｂとは独立に駆動し、幅寄せローラ
上下駆動機構（図示せず）により搬送面に圧接させるこ
とができ、また、幅寄せローラ回転機構（図示せず）に
より帳票搬送方向に対して回転可能に構成されている。

【０００７】次に、本実施例の動作について説明する。
本実施例では、帳票３をセンサ１２、１３位置まで搬送
し、センサ１２、１３により帳票３の傾き量を測定す
る。そのとき、帳票３の左端が左端検出センサ１１ａ、
１１ｂの間にあり、傾き量が設定値（最終的に傾き修正
により要求される値）以下の場合は、帳票をそのまま搬
送する。また、傾き量が２本のドライブローラ間で帳票
を撓ませて傾きの修正が可能な範囲（予め設定した値）
なら、幅寄せローラを動作させずに、帳票３を一定量逆
送した後、ドライブローラ１７ａを停止させ、ドライブ
ローラ１７ｂを逆転させることにより、ドライブローラ
１７ａ、１７ｂ間で帳票３を撓ませ、帳票先端をドライ
ブローラ１７ｂとプレッシャローラ１８ｂの噛み合わせ
部に当接させて、傾き修正を行う。その後、帳票３を搬
送する。このとき、さらにセンサ１２、１３により傾き
量を測定し、設定された傾き量より大きい場合、帳票３
の撓ませ動作を一定回数リトライしてもよい。また、搬
送された帳票３が左端検出センサ１１ａ、１１ｂ間にな
い場合、または、傾き量が上記よりも大きい場合には、
幅寄せローラ９を帳票搬送方向に対して一定角度の傾き
に設定し、帳票３に圧接し、帳票３が左端検出センサ１
１ａ、１１ｂ間に至るまで搬送する。この時の幅寄せロ
ーラ９の設定角度は帳票３の傾きに対して予め設定され
た角度であり、帳票３の傾き量を小さくする角度に設定
される。この動作により、傾きの大きい帳票は一定角度
以下にすることができ、この後、２本のドライブローラ
間で前記と同様に傾き修正を実施する。

【０００８】図３、図４は、本発明の第２の実施例にお
ける帳票の傾き修正機構の平面図および側面図である。
第１の実施例では、左端側への幅寄せ位置決めをセンサ
にて行ったが、本実施例では、図３に示す左端基準面２
０を設け、左端基準面２０に帳票３を押し付けて幅寄せ
ローラ９による傾き修正を行ってもよい。また、幅寄せ
ローラ９による傾き修正時、まず、幅寄せローラ９を帳
票搬送方向と直角方向にして左端基準面２０に押し当て
た後、センサ１２、１３で帳票３の傾き量を測定し、予
め設定した傾き量以上であれば、幅寄せローラ９を帳票
搬送方向と平行方向に回転し、傾きに応じて傾き量が小
さくなる方向に幅寄せローラ９を設定量回転させた後、
２本のドライブローラ間で傾きの修正を実施する。左端
基準面２０に帳票３を押し当てる場合、帳票３の長さを
検出し、幅寄せローラ９が帳票長さの中央で圧接し搬送
することにより、幅寄せ時の傾き発生を小さくすること
が可能である。

【０００９】なお、上記実施例において、帳票３の傾き
を修正するための幅寄せローラ９の角度と回転量は、帳
票の大きさ、厚さ等の物理的条件により変わるため、帳
票の種類により設定を行えば、常に適正な傾き修正が可
能となる。具体的には、本機構を組込む装置は、複数の
ホッパから選択的に自動給紙を行う装置であるため、ホ
ッパ毎にその帳票の傾きに対する幅寄せローラ９の角度
と回転量を登録しておけばよい。この登録した値を図５
に示すフローチャートに従って修正することにより、常
に適正な幅寄せローラ９の駆動条件が得られる。つま
り、幅寄せローラ９による幅寄せを行った後、再度セン
サ１２、１３により帳票３の傾き量を測定し（ステップ
５０１〜５０３）、傾き量が基準値に入っていない場合
には（ステップ５０４のＮＯ）、現在の幅寄せローラの
駆動条件に、新しく測定した傾き量を修正するのに相当
する幅寄せローラの回転量、角度を加えたものを新しい
幅寄せローラの駆動条件とする（ステップ５０４）。

【００１０】

【発明の効果】本発明によれば、大きな傾きで搬送され
た帳票に対し高精度の傾き修正を安定に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における帳票の傾き修正
機構の平面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】本発明の第２の実施例における帳票の傾き修正
機構の平面図である。

【図４】図３の側面図である。

【図５】本発明の一実施例における幅寄せローラの駆動
条件修正方法を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ａ、１ｂ、２、３ａ、３ｂ：用紙ガイド、３：帳票、
９：幅寄せローラ、１１ａ，１１ｂ，１２，１３：セン
サ、１７ａ，１７ｂ：ドライブローラ、１８ａ，１８
ｂ：プレッシャローラ、２０：左端基準面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行に配置された、独立駆動可能な２本
   のドライブローラと、各該ドライブローラに対向して配
   置された、２本のプレッシャローラと、前記ドライブロ
   ーラとは独立に駆動され、帳票搬送面に対し任意の角度
   で圧接／解除可能な幅寄せローラと、搬送された帳票の
   傾き量を測定する手段とを備え、 該測定手段により測定された帳票の傾き量に応じて、前
   記幅寄せローラの角度と回転方向と回転量を決め、該幅
   寄せローラにより帳票を搬送路側端に移動させ傾きを所
   定量以下に修正した後、前記２本のドライブローラ間で
   帳票を撓ませ、該帳票の先端側のドライブローラの噛み
   合わせ部に該帳票先端を当接させて該帳票の傾きを修正
   するように構成したことを特徴とする帳票の傾き修正機
   構。