JP3724350B2 - 防振装置およびこの防振装置の設置方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの物体間に介在された皿ばねが弾性変形して、これら物体間の振動伝播(伝達)を防止する防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2つの物体間、例えば上方構造体と下方構造体との間に介在され、下方構造体の支持部材上に載置される皿ばねの弾性力によって上方構造体を支持し、上下構造体間の振動伝播を防止する防振装置が知られている。
【0003】
この防振装置にあっては、上記皿ばねに上記上方構造体の重量が加えられて設置されている。そして、地震等によって下方構造体が上下方向に変位することによってその荷重が変化すると、上記防振装置の皿ばねは上記荷重の変化に対応して、その傾斜角度や下端部の直径が拡径または縮径するように弾性変形し、下方構造体の上方構造体に対する相対変位を吸収して上方構造体に振動が伝播されることを防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の防振装置にあっては、それを構成する皿ばねの端部と支持部材とが接触する状態で設置されている。このため、皿ばねが上記荷重の変化によって、皿ばねの下端部の直径が拡径または縮径するように弾性変形する際には、皿ばねの端部とそれと接触する支持部材の接触面との間で上記皿ばねの弾性変形を抑止する静止摩擦力が発生する。
【0005】
よって、荷重の変化による皿ばねを変形させる力が、上記皿ばねの端部と支持部材の接触面との間の最大静止摩擦力より小さい場合には、この静止摩擦力が皿ばねの弾性変形を抑止して、皿ばね本来の剛性より硬い状態にて上方構造体を支持している。
【0006】
即ち、上記防振装置では、荷重の変化による皿ばねを変形させる力が上記皿ばねと支持部材との最大摩擦力より小さい振動が下方構造体に入力されても、皿ばねが弾性変形しないため防振効果が得られないという課題があった。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、皿ばねと物体との間に働く皿ばねの弾性変形を抑止する力を低減し、入力された振動に対して応答性良く振動を防止する防振装置を提供すること目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1に示す防振装置は、2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、上記変形荷重低減部材は弾性材でなることを特徴とする。
即ち、一方の物体に入力された振動によって皿ばねにかかる荷重が変化し、皿ばねにその端部の直径が拡縮する方向に変形する力が働く。このとき、変形荷重低減部材は、皿ばねと物体との静止摩擦力より小さな力で皿ばねの弾性変形を生じさせるので、皿ばねは直接物体と接触する場合より容易に弾性変形することができる。したがって、両物体間に入力される荷重が小さい場合であっても、皿ばねは拘束されずに容易に弾性変形するので、入力された荷重に対して応答性良く振動を防止することができる。さらに、上記変形荷重低減部材は弾性材でなるから、皿ばねと物体との間に弾性材を介設させるだけで入力された荷重に対して応答性が良い防振装置を容易に形成することができる。
【0010】
請求項2では、2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、上記変形荷重低減部材は粘弾性材でなることを特徴とする。
即ち、一方の物体に入力された振動によって皿ばねにかかる荷重が変化し、皿ばねにその端部の直径が拡縮する方向に変形する力が働く。このとき、変形荷重低減部材は、皿ばねと物体との静止摩擦力より小さな力で皿ばねの弾性変形を生じさせるので、皿ばねは直接物体と接触する場合より容易に弾性変形することができる。したがって、両物体間に入力される荷重が小さい場合であっても、皿ばねは拘束されずに容易に弾性変形するので、入力された荷重に対して応答性良く振動を防止することができる。さらに、上記変形荷重低減部材は粘弾性材でなるから、振動等による皿ばねの弾性変形にともなって粘弾性材が剪断変形し、この粘弾性材が備える粘性によって振動エネルギーも吸収されるため、上記弾性材を介在させた場合の作用に加えて、粘性による減衰性能をも得ることができる。
【0011】
また、請求項3では、上記皿ばねと上記変形荷重低減部材との間には、皿ばねの弾性変形にともなって変位可能に設けられ、皿ばねから変形荷重低減部材に入力される荷重を分散させるべく当該変形荷重低減部材と接触する支持部材を備えたことを特徴とする。
即ち、皿ばねと変形荷重低減部材との間に支持部材を介在させたので、皿ばねは支持部材を介して変形荷重低減部材と接触し皿ばねから入力される荷重が分散されるため、皿ばね端部が直接変形荷重低減部材と接する場合のように荷重が集中しない。したがって、変形荷重低減部材が低剛性であっても皿ばねはその端部が変形荷重低減部材に噛み込むことはない。よって、低剛性な変形荷重低減部材を用いることによって、さらに小さな荷重で皿ばねを弾性変形させることができる。
【0012】
また、請求項4では、2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、上記変形荷重低減部材は、上記皿ばねの周方向に沿って設けられる積層ゴムでなることを特徴とする。
即ち、一方の物体に入力された振動によって皿ばねにかかる荷重が変化し、皿ばねにその端部の直径が拡縮する方向に変形する力が働く。このとき、変形荷重低減部材は、皿ばねと物体との静止摩擦力より小さな力で皿ばねの弾性変形を生じさせるので、皿ばねは直接物体と接触する場合より容易に弾性変形することができる。したがって、両物体間に入力される荷重が小さい場合であっても、皿ばねは拘束されずに容易に弾性変形するので、入力された荷重に対して応答性良く振動を防止することができる。さらに、上記変形荷重低減部材は、上記皿ばねの周方向に沿って設けられる積層ゴムでなるから、皿ばねの直径が拡縮する方向に変形する力によって、積層ゴムが剪断変形し、皿ばねは容易に弾性変形することができる。さらに皿ばねによる物体間の変位方向と直交する方向に対する積層ゴムの防振効果をも得られるので、三次元の防振効果を得ることができる。
【0013】
また、請求項5では、2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、上記皿ばねはその大径端部同士若しくは小径端部同士を互いに突き合わせつつ重ね合わせて上記2つの物体間に複数介在されるとともに、上記変形荷重低減部材はこれら皿ばねの端部間のいずれかに介在されていることを特徴とする。
即ち、一方の物体に入力された振動によって皿ばねにかかる荷重が変化し、皿ばねにその端部の直径が拡縮する方向に変形する力が働く。このとき、変形荷重低減部材は、皿ばねと物体との静止摩擦力より小さな力で皿ばねの弾性変形を生じさせるので、皿ばねは直接物体と接触する場合より容易に弾性変形することができる。したがって、両物体間に入力される荷重が小さい場合であっても、皿ばねは拘束されずに容易に弾性変形するので、入力された荷重に対して応答性良く振動を防止することができる。
さらに、上記皿ばねはその大径端部同士若しくは小径端部同士を互いに突き合わせつつ重ね合わせて上記2つの物体間に複数介在されるとともに、上記変形荷重低減部材はこれら皿ばねの端部間のいずれかに介在されているから、複数の皿ばねの大径端部同士若しくは小径端部同士を互いに突き合わせつつ重ね合わせて上下方向の変位ストロークを全体として大きくした場合であっても、それら皿ばねの端部間に変形荷重低減部材を介在させたので、その変形荷重低減部材と接触する皿ばねは小さな荷重で容易に弾性変形することができ、応答性の良い防振装置を構成できる。また、皿ばね間に変形荷重低減部材が介在されている箇所と介在されていない箇所を設けることにより、弾性変形しやすい皿ばねと所定の荷重が入力されるまで弾性変形しない皿ばねとの弾性特性の相違を利用し、それらの割合によって防振装置全体として所望の防振性能を得ることができる。
【0014】
また、請求項6に示す防振装置の設置方法は、2つの物体間に介在され、初期荷重が導入される皿ばねと、この皿ばねとそれら物体との間に介在されそれらの静止摩擦力より小さな防振対象荷重で上記皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材と、この変形荷重低減部材と上記皿ばねとの間に介在され、この皿ばねの弾性変形にともなって変位し、この変位を上記変形荷重低減部材に伝達する支持部材とを備え、上記皿ばねが弾性変形して上記物体間の振動伝播を防止する防振装置の設置方法であって、初期荷重の導入による皿ばねの初期変形を許容しつつ上記支持部材を拘束してその変位を妨げ、この皿ばねの初期変形後に、上記支持部材の拘束を解除することを特徴とする。
【0015】
即ち、上記防振装置が物体間に介装されて初期荷重が導入されると、防振装置の皿ばねはその端部が拡径または縮径方向に変位するように初期変形する。このとき、皿ばねと接触する支持部材は拘束されてその変位が妨げられているので、上記皿ばねと支持部材との間で滑りが生じ皿ばねの初期変形は吸収され、上記支持部材および変形荷重低減部材は初期荷重の影響を受けない。
よって、上記支持部材の拘束が解除された後には、上記変形荷重低減部材本来の機能が十分に発揮され、この変形荷重低減部材によって皿ばねは容易に弾性変形することができる。即ち、防振装置の良好な応答性を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の防振装置を免震台に適用した第1実施形態を示す構造図、図2は図1のA部詳細図、図3は本実施形態に用いる支持部材の配置と作用とを示す概略平面図である。
【0017】
この防振装置10は、上方に位置する載置台12とその下方に位置する基台14との二つの物体間に介在されている。
上記防振装置10は、基台14上に載置され弾性材でなる環状のゴムシート16と、このゴムシート16上にその円周に沿って複数配置され支持部材をなす鋼板18と、その鋼板18上に載置される皿ばね20とで構成されている。
詳述すると、上記皿ばね20は、その大径端部20aが下方に向けられ、小径端部20bが載置台12の下面に当接されて配置されている。
【0018】
一方、基台14の上面には、その上に皿ばね20が載置される上記ゴムシート16が設置されている。このゴムシート16は皿ばね20が載置された状態でその大径端部20aの内側および外側に所定の幅を有している。
【0019】
さらに、上記皿ばね20の大径端部20aと、ゴムシート16との間には、このゴムシート16と面接触し、皿ばね20の円周方向に互いに間隔を隔てて配置される複数の鋼板18が介在されている。この鋼板18は、その上面中央付近に上記皿ばね20の大径端部20aが当接され、この皿ばね20を通して加えられる上方からの荷重に対し変形しない十分な剛性を備えている。よって、皿ばね20からゴムシート16に入力される荷重はこのゴムシート16と面接触する鋼板18で分散されるため集中せず、皿ばね20の大径端部20aはゴムシート16に噛み込まない。
【0020】
即ち、上記皿ばね20は、上記載置台12およびその上に載置される展示物等の重量が初期荷重として加えられ、初期変形した状態で設置されている。
そして、地震等により基台14に入力される防振対象荷重は、その基台14を上下方向に変位させ、皿ばね20にかかる荷重を変化させる。この荷重の変化に対応して皿ばね20両端部の直径が拡縮するように弾性変形する。
【0021】
このとき、皿ばね20の小径端部20bは載置台12の下面と直接接しているのでこれらの間には静止摩擦力が働き、大径端部20aと鋼板18との間にも静止摩擦力が働く。他方、この鋼板18と基台14との間にはゴムシート16が介在されているので、その弾性によって上記鋼板18は変位することができる。よって、上記皿ばね20はゴムシート16の弾性によって、その円周方向に配置された複数の鋼板18とともに大径端部20aが放射方向に変位し弾性変形する。
【0022】
即ち、皿ばね20はその大径端部20aにかかる静止摩擦力に影響されることなく弾性変形し得るので、上記防振装置10は小さな振動をも吸収することができ、入力された振動に対して応答性良く防振することができる。
そして、鋼板18と基台14との間にゴムシート16を介設させるだけで上記防振装置10を容易に形成することができる。
【0023】
また、上記ゴムシート16に代えて皿ばね20と基台14との間にシート状をなす粘弾性材を介在させた場合には、皿ばね20の弾性変形にともなって粘弾性材が剪断変形し、この粘弾性材の粘性によって振動エネルギーも吸収することができる。このため、上記ゴムシート16を介在させた場合の作用に加えて、粘性による減衰性能をも得ることができる。
【0024】
本実施形態では、ゴムシート16およびシート状の粘弾性材を環状としたが、ゴムシート16およびシート状の粘弾性材は上記鋼板18と同様に大径端部20aに沿って複数配置してもよい。
【0025】
また、本実施形態においては、説明の便宜上一枚の皿ばね20を用いた防振装置10を示したが、皿ばね20と鋼板18とゴムシート16とを1つのユニットとして、複数のユニットを基台14と載置台12との間に並設してもよい。
【0026】
図4は、上記第1実施形態の防振装置を設置する際に用いる設置治具の一例ととそれを用いた設置方法を示す説明図であり(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【0027】
この設置治具30は、たとえば上記各鋼板18をその外側から囲繞するような環状をなし、直径方向に分割されて2つの半円形状の枠体30aで形成されている。その枠体30aの各端部には、その外方に突出させてフランジ部30bがそれぞれ設けられている。そして、2つの枠体30aは、それらのフランジ部30b同士を互いに対向させ、そのフランジ部30bに設けられた各孔部にねじが貫通されナットで固定されて環状をなしている。
【0028】
そして、上記設置治具30を用いた防振装置10の設置方法は、2つの枠体30aが環状に固定された設置治具30を、基台14上に載置されたゴムシート16または粘弾性材の上に載置する。この設置治具30の内側には複数の鋼板18を、ゴムシート16および粘弾性材の上に配置する。このとき、各鋼板18の一端部をそれぞれ設置治具30内周面に当接させて、各鋼板18を拡径方向に変位しないように拘束する。
【0029】
そして、この鋼板18上に上記設置治具30と大径端部20aとが同心になるように皿ばね20を配置する。
最後にそれらの上に載置台12および展示物等を載置する。このとき、皿ばね20に初期荷重が導入され、皿ばね20は初期変形する。
その後、設置治具30のボルト・ナットを外して設置治具30を取り外し、鋼板18の拘束を解除して、防振装置10の設置を終了する。
【0030】
即ち、皿ばね20に初期荷重が導入されると、皿ばね20の大径端部20aと鋼板18との間に働く静止摩擦力によって、鋼板18にはこれを拡径方向に変位させる力が働く。一方、各鋼板18は、拡径方向に変位しないように設置治具30によって外側から拘束されているため変位しない。よって、皿ばね20はその大径端部20aと鋼板18との間で滑りを生じ、その拡径方向の初期変形は吸収されるので、ゴムシート16には初期荷重の影響が及ばない。また、この状態で皿ばね20の弾性力と載置台12等の重量による初期荷重とがつり合っている。
【0031】
よって、設置治具30が取り外され鋼板18の拘束が解除された後には、ゴムシート16本来の機能を十分に発揮させることができ、このゴムシート16により皿ばね20は拘束されずに容易に弾性変形することができる。したがって、防振装置10の良好な応答性を確保することができる。
【0032】
本実施形態において設置治具30は、鋼板18をその外側から囲繞することによって拘束する形態を示したが、各鋼板18を着脱自在な連結部材で互いに連結して一体の環状とすることで拘束しても構わない。
【0033】
図5は本発明の第2実施形態を示す構成図であり、以下、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。第2実施形態の防振装置は、皿ばね20が、その円周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置された積層ゴム32上に載置されている。
【0034】
この実施形態によれば、皿ばね20の大径端部20aが拡縮する方向に変形する力によって、積層ゴム32が剪断変形し、皿ばね20は容易に弾性変形することができる。さらに積層ゴム32が備える水平方向の免震効果をも得られるので、三次元の防振効果を得ることができる。
【0035】
図6は、本発明の第3実施形態を示す構成図であり、この第3実施形態の防振装置は、基台14と載置台12との間に2枚の皿ばね20を介在させ、それらの大径端部20a同士を互いに突き合わせて上下に配置したものである。この形態は、各皿ばね20の弾性変形能力を合算し、上下方向の変位ストロークを全体として大きくすることを目的とするものである。
【0036】
そして、その各大径端部20aの間にゴムシート16を介在させるとともに、各大径端部20aとゴムシート16との間にそれぞれ鋼板18を介在させて皿ばねユニット34とする。さらに、この皿ばねユニット34は、基台14上に載置されたゴムシート16の上に、その円周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置された鋼板18を介して載置されている。
【0037】
この実施形態によれば、特に上下方向の変位ストロークを大きく必要とする場合でも、上記実施形態と同様な作用効果を奏することができる。
【0038】
また、重ね合わせる皿ばね20または皿ばねユニット34の数を増やし、それら皿ばね20間にゴムシート16が介在されている箇所と、介在されていない箇所とを設けることにより、弾性変形しやすい皿ばねと所定の荷重が入力されるまで弾性変形しない皿ばねとの弾性特性の相違を利用し、防振装置全体として所望の防振性能を得ることができる。
【0039】
本実施形態では、皿ばね間に介在させる変形荷重低減部材をゴムシートとしたが、シート状の粘弾性材を用いると、粘性によって振動エネルギーを吸収できるので粘性による振動減衰効果をも得ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の防振装置にあっては、皿ばねと各物体との間の少なくともいずれか一方は変形荷重低減部材が介在されているので、両物体間に入力される荷重が小さい場合であっても、皿ばねは容易に弾性変形し振動を防止することができる。
【0041】
また、上記変形荷重低減部材を弾性材とすると、皿ばねと物体との間に弾性材を介設させるだけで入力された荷重に対して応答性が良い防振装置を容易に形成することができる。
【0042】
また、上記変形荷重低減部材を粘弾性材とすると、上記弾性材を介在させた場合の作用に加えて、粘性による減衰性能をも得ることができる。
【0043】
また、皿ばねと変形荷重低減部材との間に変形荷重低減部材と接触する支持部材を介在させたので、皿ばねはその端部が変形荷重低減部材に噛み込むことはない。
【0044】
また、上記皿ばねの周方向に沿って積層ゴムを備えると、積層ゴムが剪断変形し、皿ばねは容易に弾性変形することができる。さらに皿ばねによる物体間の変位方向と直交する方向に対する積層ゴムの防振効果をも得られるので、三次元の防振効果を得ることができる。
【0045】
また、大径端部同士若しくは小径端部同士を互いに突き合わせつつ重ね合わせて上下方向の変位ストロークを全体として大きくした場合であっても、応答性の良い防振装置を構成できる。また、皿ばね間に変形荷重低減部材が介在されている箇所と介在されていない箇所を設けることにより、その弾性特性の相違を利用し、防振装置全体として所望の防振性能を得ることができる。
【0046】
また、本発明の防振装置の設置方法にあっては、皿ばねに初期荷重が導入された後に支持部材の拘束が解除されるので、変形荷重低減部材には初期荷重が影響しない。よって、上記支持部材の拘束が解除された後には、上記変形荷重低減部材本来の機能を十分に発揮させることができ、防振装置の良好な応答性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振装置を免震台に適用した第1実施形態を示す構造図である。
【図2】図1のA部詳細図である。
【図3】図1に示す支持部材の配置と作用とを示す概略平面図である。
【図4】設置治具とその設置方法を示す説明図であり(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す構造図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示す構造図である。
【符号の説明】
12 載置台(物体)
14 基台(物体)
16 ゴムシート(弾性材、変形荷重低減部材)
18 鋼板(支持部材)
20 皿ばね
20a 大径端部
20b 小径端部
26a 皿ばね
Claims (6)
- 2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、
上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、
上記変形荷重低減部材は弾性材でなることを特徴とする防振装置。 - 2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、
上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、
上記変形荷重低減部材は粘弾性材でなることを特徴とする防振装置。 - 上記皿ばねと上記変形荷重低減部材との間には、皿ばねの弾性変形にともなって変位可能に設けられ、皿ばねから変形荷重低減部材に入力される荷重を分散させるべく当該変形荷重低減部材と接触する支持部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防振装置。
- 2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、
上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、
上記変形荷重低減部材は、上記皿ばねの周方向に沿って設けられる積層ゴムでなることを特徴とする防振装置。 - 2つの物体間に介在され、それら物体との静止摩擦力を超える荷重が入力されて弾性変形し始める皿ばねによって、これら物体間の振動伝播を防止する防振装置において、
上記皿ばねと少なくともいずれか一方の物体との間に、上記荷重より小さな荷重で皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材を介在し、
上記皿ばねはその大径端部同士若しくは小径端部同士を互いに突き合わせつつ重ね合わせて上記2つの物体間に複数介在されるとともに、上記変形荷重低減部材はこれら皿ばねの端部間のいずれかに介在されていることを特徴とする防振装置。 - 2つの物体間に介在され、初期荷重が導入される皿ばねと、この皿ばねとそれら物体との間に介在されそれらの静止摩擦力より小さな防振対象荷重で上記皿ばねの弾性変形を生じさせる変形荷重低減部材と、この変形荷重低減部材と上記皿ばねとの間に介在され、この皿ばねの弾性変形にともなって変位し、この変位を上記変形荷重低減部材に伝達する支持部材とを備え、上記皿ばねが弾性変形して上記物体間の振動伝播を防止する防振装置の設置方法であって、
初期荷重の導入による皿ばねの初期変形を許容しつつ上記支持部材を拘束してその変位を妨げ、この皿ばねの初期変形後に、上記支持部材の拘束を解除することを特徴とする防振装置の設置方法。
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