JP3723647B2 - ガスコンロ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスコンロに関し、詳しくは、簡単な改良により、バーナの近傍の天板部分の温度上昇を抑制し、バーナの近傍の天板部分が温度上昇する場合の種々の問題を回避しようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
図9に示すような金属製またはガラス製の天板5の開口部4にバーナ1が臨むガスコンロにおいては、バーナ1の炎口部と天板5との間の寸法が比較的小さくなっていて、例えば、ガラス製の天板5では、バーナ1近傍の天板5部分の温度が230℃〜250℃程度にまで加熱されるものである。このために天板5の材料などに耐熱性が要求されるなどの制約がある他に、天板5上にこぼれた煮汁がこびりつき易いものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、天板5の温度が高くなり、上述の如くガラス製の天板5ではバーナ1近傍の天板5の温度が230℃〜250℃程度まで加熱されるため、耐熱性が高い結晶化ガラスなどを使わなければならず、コスト高になるものである。また、金属製の天板5でも、天板材料やその表面処理、およびバーナ1と天板5の開口部4との間のシール材を、耐熱性のあるものにする必要がある。また、天板5上にこぼれた煮汁がこびりつき易く、お手入れ性が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、天板が薄板鋼板、アルミニウム板もしくはガラス製であっても、これら天板のバーナの近傍部分の温度上昇を抑制し、バーナと天板間のシールも容易におこなえ、天板を薄板鋼板やアルミニウム板にする場合にも充分に良さを出しながら、天板をガラス製にする場合には、金属製の天板のものに比べて、商品価値を高めながら、高価な結晶化ガラスの使用を回避し、強化ガラスの使用を可能にして、コストを低減し、煮こぼれが天板に強くこびり着くのを抑制し、手入れ性、安全性及び耐久性を高めることができるガスコンロを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明においては、ガラス製の天板5の開口部4にバーナ1が臨むガスコンロであって、金属製のバーナ1の外周部にバーナ1と一連となる円環状の延出部2が一体に形成され、延出部2の外周部に天板受部3が形成され、天板受部3に天板5の開口部4の縁部をシール材9を介装して載置され、延出部2が天板5に対して若干高くされていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項1の構成においては、バーナ1に一連となってバーナ1の外周部に形成されている延出部2によって、バーナ1の火炎からの熱を延出部2にて受けてバーナ本体17に熱伝導させることで、バーナ1の近傍の天板部分の温度上昇を抑制することができ、ガラス製の天板5のバーナ1の近傍部分の温度上昇を抑制でき、煮こぼれが天板5に強くこびり着くのを抑制でき、加えて、天板5の温度上昇を抑制することができて、天板5の開口部4とバーナ1との間の隙間に充填するシール材9に高い耐熱性が要求されることがなく、比較的低い耐熱性のものの使用が可能となり、天板5上にこぼれた煮汁などがコンロのケーシング内に浸入するのを抑制でき、ケーシングの内部を汚すことがなく、手入れ性、安全性及び耐久性を高めることができる。
【0008】
また、請求項1の構成においては、バーナ1と一連となっている延出部2と天板5間の水密性を高めることができ、ガスコンロの内部に煮汁などが流入するのを阻止するのを阻止でき、商品価値を高め、しかも、シール材9の耐熱温度を下げることができ、比較的低い耐熱性のものの使用が可能となるものである。
また、請求項1の構成においては、天板5はガラス製であるので、金属製の天板に比べて外観を高め、商品価値を高めることができる。
【0009】
また、請求項1の構成においては、天板5よりも若干高くなり、天板5よりもバーナ1に近接している延出部2にてバーナ1の火炎からの熱を受けてバーナ本体17に熱伝導させることで、延出部2、及び天板5の温度上昇を抑制でき、また、円環状の延出部2の外周に形成された天板受部3の周方向における温度を略等しくでき、ガラス製の天板5を載設支持するのに、最も温度差が生じる天板5の開口部4の周部の温度を略等しくでき、温度差に起因する例えばガラス製の天板5の亀裂や割れが生じることがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づいて詳述する。
図1は本発明のガスコンロの概略断面図を示し、図2は部分拡大断面図を示し、図3(a)は概略平面図、同図(b)は正面図を示している。
ケーシング6の上部にはアルミニウム製もしくはガラス製の天板5の周部がシール部材28を介して載設されて、必要ならば接着材にて接着されて固定されている。天板5をガラス製にする場合には、天板5の奥縁が図3(a)の想像線Lの位置になるのであり、そして、天板5をアルミニウム板にする場合には、コンロ上面の略全面を覆う大きさになるものである。天板5には例えば3箇所にわたって開口部4が形成されている。この開口部4にバーナ1を臨ませ、バーナ1はケーシング6に固定している取付台11に取付手段を介して取付けられている。バーナ1には混合管12が連結されている。バーナ1と天板5の開口部4との間には例えば、合成樹脂製のシール材9が介装されて、開口部4における通気性を阻止するとともに、天板5の上にこぼれた煮汁などが開口部4を通ってケーシング6の内部に浸入するのを阻止するようにしてある。図中13は点火用突起で、点火プラグ(図示せず)が対向して配設され、バーナ1に形成された点火室14において点火を図るものである。また、天板5の開口部4の近傍で、バーナ1の周部には五徳8が配設されている。図中15はカウンター、16はグリル排気口である。このようなガスコンロAの構成は種々設計変更することができる。
【0011】
バーナ1はバーナ本体17と、このバーナ本体17の上に載置されるバーナキャップ18とから構成され、バーナ本体17及びバーナキャップ18は共にアルミダイキャスト製である。図1に示すように、バーナ本体17の上部外周部には、円環状の延出部2が一連となって形成されている。円環状の延出部2の更に外周部に段差が形成されて天板受部3が形成されされている。この天板受部3にシリコーン樹脂製(シリコーンゴム)のシール材9が装着され、シール材9を介して天板5の開口部4の周部が載置されている〔図2(a)参照〕。天板5の外周部はシール材9と同質材料にて成形されたシール部材28を介してカウンター15に載置され、必要に応じて接着剤にて接着される。
【0012】
しかして、バーナ1に一連となってバーナ1の周部に形成されている円環状の延出部2によって、バーナ1の火炎からの熱を延出部2にて受けてバーナ本体17に熱伝導させることで、バーナ1の近傍の天板部分の温度上昇を抑制するのである。したがって、天板5を薄板鋼板やアルミニウム板にする場合に、防熱・断熱のための構成を必要とすることなく、熱膨張による変形を少なくでき、薄板鋼板やアルミニウム板の表面にフッ素コーティグ等の処理をおこなった場合でも、天板5の温度上昇を抑制でき、コーティング層の耐久性を向上させることができる。そして、天板5をガラス製にする場合には、高価な結晶化ガラスを使用しなくてもよく、一般の強化ガラスを使用でき、コストを低減できる。また、煮こぼれが天板5に強くこびり着くのを抑制することができる。
【0013】
更に、天板5及び延出部2の外周部分の温度上昇を抑制することができ、天板5の開口部4とバーナ1との間に介装するシール材9に高い耐熱性が要求されることがなく、比較的低い耐熱性のものの使用が可能となるのであり、天板5上にこぼれた煮汁などがコンロのケーシング6内に浸入するのを確実に抑制でき、ケーシング6の内部を汚すのを回避でき、手入れ性、安全性及び耐久性を高めることができるのである。
【0014】
そして、図1に示すように、天板5は円環状の延出部2に対して略面一、具体的には、天板5が円環状の延出部2よりも若干下方に位置し、外観を高めるとともに、円環状の延出部2は天板5よりも若干高くなり、天板5よりもバーナ1に近接している円環状の延出部2にて吸熱を図り、バーナ1から天板5への熱伝導を効果的に抑制している。また、円環状の延出部2の外周に形成された天板受部3の周方向における温度を略等しくして、温度差に起因して、例えば、ガラス製の天板5に亀裂や割れが生じるのを回避するのである。以上の実施の形態においては、五徳8は天板5上に載せられている。
【0015】
図4乃至図7は他の実施の形態を示していて、円環状の延出部2の外周部の上面に環状溝19を形成し、環状溝19の溝底部に周方向に間隔を隔ててビス孔20を形成し、環状溝19に嵌入される押さえリング21につば部22が延出され、環状溝19に押さえリング21を嵌入し、ビス23を押さえリング21の通孔に挿通し、ビス孔20にねじ込むことで、天板受部3の上に載せた天板5の開口部4の周部をつば部22にて押さえて固定するのである。押さえリング22はバーナ本体17と同材質である。円環状の延出部2の外周部の天板受部3に凹溝29が形成され、凹溝29にシール材9が充填されている。
【0016】
五徳8は金属製であり、円環状の中央板25に略コ字型の五徳片26を放射状に溶接したものであり、五徳片26の下端には位置決め片27が延出され、この位置決め片27を、押さえリング21に形成された通孔の座ぐり部分24に挿入して、五徳8の位置決めがおこなわれている。図中30は鍋底温度を検出するセンサーであって、鍋底の温度を検出し、この検出結果にてガス供給を遮断するものである。
【0017】
図8は混合管12の他の実施の形態を示していて、混合管12の長さ方向に間隔を隔てて放熱フィン34を多数個形成し、放熱フィン34…による放熱によって、混合管12の温度上昇を抑制し、混合管12がバーナ1からの熱伝導にて温度上昇し、放熱することによって、上面の延出部2及び天板5部分の加熱を回避するようにしている。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明においては、ガラス製の天板の開口部にバーナが臨むガスコンロであって、金属製のバーナの外周部にバーナと一連となる円環状の延出部が一体に形成され、延出部の外周部に天板受部が形成され、天板受部に天板の開口部の縁部をシール材を介装して載置され、延出部が天板に対して若干高くされているから、バーナに一連となってバーナの外周部に形成されている延出部によって、バーナの火炎からの熱を延出部にて受けてバーナ本体に熱伝導させることで、バーナの近傍の天板部分の温度上昇を抑制することができ、ガラス製の天板のバーナの近傍部分の温度上昇を抑制でき、煮こぼれが天板に強くこびり着くのを抑制でき、加えて、天板の温度上昇を抑制することができて、天板の開口部とバーナとの間の隙間に充填するシール材に高い耐熱性が要求されることがなく、比較的低い耐熱性のものの使用が可能となり、天板上にこぼれた煮汁などがコンロのケーシング内に浸入するのを抑制でき、ケーシングの内部を汚すことがなく、手入れ性、安全性及び耐久性を高めることができるという利点がある。
【0019】
また、請求項1の発明においては、延出部の外周部と天板の開口部間にシール材が介装されているから、バーナと一連となっている延出部と天板間の水密性を高めることができ、ガスコンロの内部に煮汁などが流入するのを阻止するのを阻止でき、商品価値を高め、しかも、延出部が存在することによって、シール材の耐熱温度を下げることができ、比較的低い耐熱性のものの使用が可能となるものである。
【0020】
また、請求項1の発明においては、天板はガラス製であるので、金属製の天板に比べて外観を高め、商品価値を高めることができる。
【0021】
また、請求項1の発明においては、延出部は円環状に形成されているとともに天板に対して若干高くなり、延出部の外周部に天板受部が形成され、天板受部に天板の開口部の縁部が載置されているから、天板よりも若干高くなり、天板よりもバーナに近接している延出部にてバーナの火炎からの熱を受けてバーナ本体に熱伝導させることで、延出部、及び天板の温度上昇を抑制でき、また、円環状の延出部の外周に形成された天板受部の周方向における温度を略等しくでき、例えば、ガラス製の天板を載設支持するのに、最も温度差が生じる天板の開口部の周部の温度を略等しくでき、温度差に起因して例えばガラス製の天板に亀裂や割れが生じるのを回避できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す概略断面図である。
【図2】部分拡大概略断面図である。
【図3】(a)は概略平面図、(b)は正面図である。
【図4】他の実施の形態を示し、(a)はバーナ部分の斜視図、(b)は部分拡大断面図である。
【図5】バーナ本体の斜視図である。
【図6】(a)(b)は押さえリングの斜視図である。
【図7】五徳の斜視図である。
【図8】混合管の他の実施の形態を示し、(a)は一部破断した正面図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
【図9】従来例を示し、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図である。
【符号の説明】
1 バーナ
2 延出部
3 天板受部
4 開口部
5 天板
9 シール材

Claims (1)

  1. ガラス製の天板の開口部にバーナが臨むガスコンロであって、金属製のバーナの外周部にバーナと一連となる円環状の延出部が一体に形成され、延出部の外周部に天板受部が形成され、天板受部に天板の開口部の縁部をシール材を介装して載置され、延出部が天板に対して若干高くされて成ることを特徴とするガスコンロ。
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