JP3723425B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレームおよび樹脂からなるパッケージを用いた半導体レーザ装置は価格、量産性に優れ、注目されている。しかし、従来広く用いられている金属製のキャンパッケージに比較すると放熱性が悪く、現在は温度特性の良い赤外レーザに使用されているのみであり、DVD用などの赤色レーザには用いられていない。また、放熱性を改善するためにレーザ素子を配置する部分を厚くし、底面から露出させる構造が提案されている(特開平11−307871)。
【0003】
上記のようにフレームの厚くした部分を裏面樹脂から突出させるため、フレーム裏側に配置する樹脂の厚さは、前記フレームの厚肉部分の突出を妨げないように薄くしなければならず、フレーム固定強度を高めることが困難である。また、フレームを樹脂裏側に突出させるために厚肉部の段差をかなり大きくとらなければならない上、厚肉部の面積が狭いために、半導体レーザ装置裏面の平坦性が良くない。そのため、半導体レーザ装置の取り扱いやセッティング時の安定性に問題が有る。また、フレームパッケージタイプの半導体レーザ装置を例えば光ピックアップに用いる場合、実際には底面を光ピックアップのボディに接触させて放熱することはほとんどない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、放熱特性および強度を改善することを課題の1つとする。また底面の平坦性を良くすることを課題の1つとする。また、簡単な構造で量産性に優れたフレームパッケージを提供することを課題の1つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体レーザ装置は、請求項1に記載のように、半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子を配置する肉厚の素子配置部および薄肉のリード部を有するフレームと、前記フレームに密着する樹脂を備え、前記フレームは裏面に段差を有し、前記樹脂は前記段差部分を含めて前記フレームの一部を覆って裏面に所定の支持平面を形成し、前記支持平面は、前記素子配置部よりも大きな面積である半導体レーザ装置であって、前記フレームは前記樹脂の外側に翼部を備え、この翼部は、前記リード部よりも厚肉であることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載のように、前記支持平面は、樹脂のべた平面、もしくは一部にくぼみを有する樹脂枠によって形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1に半導体レーザ装置1の斜視図を、図2に正面図を、図3に背面図を、図4にレーザ光の出射方向Xに沿った断面図を示す。
【0008】
この実施形態の半導体レーザ装置1は、フレーム2の上面にサブマウント3を配置固定し、このサブマウント3の上面に半導体レーザ素子4を配置固定し、フレーム2は密着した樹脂5で固定されている。
【0009】
フレーム2は、熱伝導性、導電性が良い金属製で、銅や鉄やその合金などを加工して板状に形成している。また、フレーム2は半導体レーザ素子を搭載する主フレーム6とこのフレーム6とは独立した配線用の副フレーム7,8の複数のフレームからなり、これらを前記絶縁性の樹脂5によって一体化することによりフレームパッケージを構成している。
【0010】
主フレーム6は、素子配置部6aと電流通路となるリード部6bと放熱用もしくは位置決め用となる左右の翼部6c、6dを一体に備えている。そして、主フレーム6の厚さは、半導体レーザ素子3を搭載する素子配置部6a及び翼部6c,6dの一部が厚く、翼部6c,6dの一部とリード部6bが薄くなっている。この例では、リード部6bの付根部分、すなわち素子配置部6aとリード部6baの接続部分近傍を境界として、その境界線よりも前方を厚肉部6e、後方を薄肉部6fとしている。副フレーム7,8は、リード部6bと同様に薄肉に構成されているので、フレームをプレス加工によって打ち抜いて形成する際の微細加工を容易に行なうことができる。そのため、リード部分の間隔を狭く保って装置の小型化を図ることができる。
【0011】
このように、レーザ光の出射方向X(光軸X)に沿ってフレーム2の厚さが変化しており、それに伴って、レーザの出射方向と直交する方向に段差9が形成される。この段差9は、半導体レーザ素子4が搭載されている面とは反対側のフレーム裏面にあるが、素子4を搭載する面と同じ側の面に形成することもできる。
【0012】
主フレーム6の厚肉部6eは、素子配置部6aと左右翼部6c,6dに跨って主フレーム6の全幅に亙って形成されているので、フレーム2の放熱特性向上と強度増加を図ることができる。
【0013】
樹脂5は、フレーム2の表側の面に出射窓5aが開いたU字状の枠5bを形成している。この枠5bによって囲まれた領域において、主フレーム6の素子配置部6a、副フレーム7,8の表面が露出している。そして、この露出した素子配置部6aの上に、サブマウント3を介在して半導体レーザ素子4が配置固定される。その後、前記半導体レーザ素子4、サブマウント3、副フレーム7,8の間でワイヤーボンド線などによる配線が施される。
【0014】
前記段差9を含む主フレーム6並びに副フレーム7.8の裏側の一部は、樹脂5の薄膜状の樹脂裏面5dが覆っている。レーザ装置1の裏面を構成するこの樹脂裏面5dは、厚肉の素子配置部6aよりも広面積な支持平面となっているので、レーザ装置1を所定の平面に配置する場合の安定性を高めることができる。尚、樹脂裏面5dは、前記のように支持平面を形成するために、べた平面とすることが好ましいが、支持平面を維持できれば、べた平面の一部に素子配置部6aの裏面を露出させるくぼみを形成することもできる。樹脂5のフレーム2の上に位置する部分は、図2に示すように、その前端部の幅Aが後端部の幅Bに比べて狭くなっており、所望の位置に差し込みやすい形状としている。樹脂5のフレーム2の下に位置する部分は、その前端部の幅Aと後端部の幅Bを同じ幅に設定することができるが、図3に示すように、フレーム2の上に位置する部分と同様に、幅Aを幅Bよりも狭くして、所望の位置に差し込みやすい形状としている。
【0015】
サブマウント3はSiを母材とした受光素子であり、半導体レーザ素子4の後面出射光をモニタすることができる。その他にも、例えばAlN、SiC、Cuなど、熱伝導性の優れたセラミック、金属材料等をサブマウント3に用いることができる。受光素子をサブマウント3に内蔵できない場合は、別に受光素子を搭載する。サブマウント3は、Au−Sn、Pb−Sn等の半田材やAgペースト等を用いてフレーム2に固定される。
【0016】
半導体レーザ素子3は、Au−Sn、Pb−Sn等の半田材やAgペースト等を用いてサブマウント3の所定の位置に固定される。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、フレームパッケージタイプの半導体レーザ装置において、フレームに段差が有るものを用いる場合においても、支持平面を広くして安定性を高めることができる。また、フレームの厚肉構造によって放熱特性および強度を改善することができる。また、簡単な構造で量産性に優れたフレームパッケージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】同実施形態の正面図である。
【図3】同実施形態の背面図である。
【図4】同実施形態の断面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ装置
2 フレーム
4 半導体レーザ素子
5 樹脂
6 主フレーム
7 副フレーム
8 副フレーム
9 段差
Claims (2)
- 半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子を配置する肉厚の素子配置部および薄肉のリード部を有するフレームと、前記フレームに密着する樹脂を備え、前記フレームは裏面に段差を有し、前記樹脂は前記段差部分を含めて前記フレームの一部を覆って裏面に所定の支持平面を形成し、前記支持平面は、前記素子配置部よりも大きな面積である半導体レーザ装置であって、前記フレームは前記樹脂の外側に翼部を備え、この翼部は、前記リード部よりも厚肉であることを特徴とする半導体レーザ装置。
- 前記支持平面は、樹脂のべた平面、もしくは一部にくぼみを有する樹脂枠によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
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