JP3722688B2 - 固形物の連続加圧加熱処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形物の連続加圧加熱処理装置、さらに詳しくは、リテーナーに収容した固形物を管状のリテーナー搬送体内で搬送しながら処理して排出する固形物の連続加圧加熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1) 容器に食品を充填し、密封した後加圧加熱殺菌を施したレトルト製品が上市されている。かかる製品は、食品が容器内に密封された状態で加圧加熱処理されるため、容器内に、加熱臭がこもり、食品の味覚が低下するという問題があった。
【0003】
(2)この問題を解決するために、一容器に充填した食品を、容器を密封することなく加圧加熱殺菌し、その後に、無菌包装するという新規な無菌包装製品の開発が進められている。このような無菌包装製品の製造装置として、例えば特開平9−84567号公報に開示されているように、固形食品材料物をカップに充填し、カップを複数個づつカセットに収納した後、このカセットを殺菌機に投入して固形物を蒸気で直接殺菌し、殺菌後、クリーンブース内でカセットからカップを取り出して、固形物を調味液とともに容器に充填して密封包装するバッチ処理の固形物含有食品の殺菌装置が提案されている。
【0004】
しかしながら、前記特開平9−84567号公報に開示されているようなバッチ処理装置では、殺菌処理の生産性を高めるために、加圧と殺菌と減圧を制御するための制御機構を備えた殺菌釜を準備する必要性があり、バッチ処理装置の設備サイズが大きくなり、設備費用が膨大のものになる問題があった。
また、このようなバッチ処理装置においては、殺菌処理を施した食品を直ちにリテーナーから製品用容器に移し替えることができず、すなわち製品用容器への移し替えを待機するリテーナーを存在させなければならない。この待機のために、食品を殺菌後無菌包装する装置内は、事前に装置滅菌され、無菌環境に保持されている。しかし、万一、当該滅菌処理が不十分な箇所があった場合には、このような移し替え待機中のリテーナーにおいても、食品の菌汚染が発生するおそれが高いという問題があった。
【0005】
(3)特開平7−67595号公報には、加圧加熱殺菌を連続的に行う装置として、それぞれ上流側に入口、下流側に出口を有する食品供給部、直線筒加熱器、直線筒冷却器、排出部からなり、それぞれの出口と入口とを密閉ゲートを介して、互いに平行あるいは直角に接続した食品殺菌装置を開示している。前記食品供給部等の各部の入口ゲートの上流側に剛性の容器を押し込むための押し込み装置を設けている。
【0006】
前記特開平7−67595号公報に開示されているような連続処理装置においては、加圧加熱装置(殺菌釜)に固形食品材料を充填したリテーナーを搬入する場合、殺菌された固形食品材料を収容したリテーナーを殺菌釜から搬出する場合、常圧状態から加圧状態への圧力の制御と、加圧状態から常圧状態へ減圧させる制御とが必要であった。
このような処理装置では、具体的には、殺菌釜の上流側及び下流側にそれぞれ設けた調圧室の2つの遮断扉(バルブ)を、リテーナーを搬入するときと、リテーナーを搬出するときに、交互に開閉しなければならなかった。このため、処理装置の操作が煩雑であり、さらに操作に一定の時間を必要とする問題があった。
【0007】
(4) また、密閉ゲートを設けることなく連続的に加圧加熱処理する装置としては、特開昭52−64470号に連続蒸米装置が開示されている。この装置は、無端式に連続させたコンベヤベルトに走行方向において一定間隔をおいて仕切板を設け、また前記コンベヤベルトの側方には側板を配置して複数の連続した収容室を形成している。前記コンベヤベルトの走行路の一部は蒸気加熱室を通過し、前記蒸気加熱室のコンベヤベルトの入口部及び出口部は前記仕切板が微小の隙間を保つ寸法のゲートを形成している。
【0008】
この連続蒸米装置においては、コンベヤベルトの構造が複雑になり、特にその洗浄が困難である問題がある。また、コンベヤベルトは非常に長いものが必要になり、連続蒸米装置が大型になることに加えて、コンベヤベルトの熱膨張による撓みによる操作制御の困難化やメンテナンスの困難化が避けられない。さらに、蒸気加熱室の外部にコンベヤベルトの駆動部を設けなければならず、連続蒸米装置の無菌性を維持することが困難である。さらにまた、収容室は連続しているため、各収容室において加圧加熱処理した米等を収容室毎に製品容器に移し替えることが困難であり、利用できる被処理物が限定されてしまう。
【0009】
(5)搬送中に各種の処理をする装置において、設備全体を小型化するために、被搬送物の搬送路に進行方向を変更させる折返し部等を設け、限られたスペース内に各種装置を配置する工夫がなされている。被処理物が液体である場合には、液体を搬送する配管自体をそのまま折返すことにより比較的容易に搬送路の方向修正を行うことができる。しかし、搬送物が固形物である場合には、特別な折返し機構の設置が必要となる。
搬送物の姿勢を変えることなく移載する折返し機構としては、例えば特開昭55−161718号公報に開示されいる。反対方向に移動する2つの平行隣接する各コンベヤの端部に対向させコンベヤ搬送路と直交する面内で回転する回転盤を設け、該回転盤の支軸及び回転盤に取り付けられた複数の受台の各支軸に設けたスプロケットにチェーンを掛け渡し、回転盤の回転に伴って受台を水平に保持し、被搬送物(瓦)を水平に維持して移載する装置が知られている。
【0010】
しかしながら、前記特開昭55−161718号公報に開示されているような折返し機構は、受台を水平に保持するためにスプロケット、チェーン等の設備が必要になるため、装置の構造が複雑になる。そのため、例えば食品装置等、菌汚染の問題が生じないようにシンプルな構造が求められる装置において、当該複雑な機構を備えた折返し機構を採用することは好ましくない。
【0011】
【発明の目的】
発明の目的は、従来のこのような課題を解決するために、加圧加熱殺菌室のような圧力制御室内への固形物の搬入、及び圧力制御室内で殺菌処理などを施された固形物の圧力制御室からの搬出を、加減圧の操作工程の複雑な制御機構を必要とせず、単純な工程で連続的に行うことが可能で、かつシンプルな機構でまた設備の小型化が可能な連続加圧加熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、処理に要する水蒸気や熱エネルギーの損失を極めて少なくして効率的に使用し、かつ処理後の被処理物について迅速に次の処理を開始することができる連続加圧加熱処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決する手段】
本発明は、
温度及び圧力を制御した水蒸気を入れる水蒸気供給部を設けた複数本の管状搬送体と、
前記管状搬送体においてリテーナーの移動方向に関し前記圧力制御部の上流側及び下流側の少なくとも一方にラビリンスシールを形成するように前記管状搬送体の断面積よりも僅かに小さい面積を有するラビリンスプレートを設けた前記リテーナーと、
前記管状搬送体内において前記リテーナーを移動させるリテーナー搬送装置と
を備えた固形物の連続加熱加圧処理装置であって、
略平行に配置した複数本の前記管状搬送体のうちの一本の前記管状搬送体の終端部と他の一本の前記管状搬送体の始端部を、前記リテーナーの移動方向が反対方向になるようにリテーナー折返部を介して接続し、前記管状搬送体の少なくとも一本を一定の角度で傾斜させ、かつ前記管状搬送体を多段に設置したことを特徴とする固形物の連続加熱加圧処理装置である。
【0013】
ここで、ラビリンスシールとは、一般的には、多数の絞り片を配置して狭い流路を形成し、狭い流路と広い空間を所定の区間において交互に形成して圧力が段階的に上昇又は低下する区間を設け、該区間において実質的に圧力の遮断を行うシールであり、より具体的には、圧力制御処理室の搬入路及び搬出路の内壁部と被処理物の搬送部との間に、極めて狭い絞り流路を間隔を置いて形成し、流体のもれを実質上防止する構成である。
【0014】
本発明の実施態様は、以下のとおりである。前記リテーナー折返部が、支軸に吊設された複数のリテーナー支持部材を備え、水平軸を中心として回転する回転体を有し、
前記回転体の回転により、前記リテーナー支持部材を下方から上昇させ、前記リテーナー支持部材の上昇領域にある前記管状搬送体の終端部の延長線上に設置されたリテーナー受取り部に配置されたリテーナーを持ち上げ、
前記リテーナー支持部材に載置されたリテーナーを水平状態に維持させたまま移動させ、
前記リテーナー支持部材の下降領域にある他の管状搬送体の始端部の延長線上に設置されたリテーナー送出し部に移載させることを特徴とする。
【0015】
前記リテーナー折返部が、リテーナーを磁力によって間欠的に搬送し、リテーナーの磁性部材とリテーナー折返部の搬送部の磁性部材の所定吸着関係が成立したときに該搬送部が搬送を開始することを特徴とする。
前記リテーナー折返部の回転体が間欠的に回転することを特徴とする。
前記リテーナー搬送装置が、リテーナーを磁力によって搬送することを特徴とする。
前記リテーナー搬送装置が、間欠搬送を行い、リテーナーの磁性部材とリテーナー搬送装置の磁性部材の所定吸着関係が成立したときに搬送を開始することを特徴とする。
前記管状搬送体が、1度ないし5度傾斜していることを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、加圧加熱殺菌室のような圧力制御室内への固形物の搬入、圧力制制御内で殺菌処理等を施された固形物の圧力制制御からの搬出すなわち加減圧の操作工程を複雑な制御機構を必要とせず、単純な工程で連続的に行うことができ、かつ複数の管状搬送体を一定の角度で傾斜させ、管状搬送体の折返し設置しているため、限られたスペース内に全設備を設置することができる効果を有する。
また、本発明の連続加圧加熱処理装置は、複数の管状搬送体から構成されるため、被処理物の性質に応じて、加圧加熱殺菌処理などを施す圧力制御部の領域を任意に設定することができる。
【0017】
また、本発明の連続加圧加熱処理装置において管状搬送体に蒸気を供給して加圧加熱殺菌処理を施す場合、管状搬送体を一定の角度で傾斜させているため、蒸気により生じるドレンの排出が容易になり、ドレンによる管状搬送体内の菌汚染の発生を防止することができる効果を有する。また、装置洗浄後の水抜きを容易に行うことができる効果を有する。傾斜が1度より小さいとドレンを効率的に排出できず、また5度より大きいとリテーナーの搬送に要する力が大きくなり、大きな搬送駆動源を備えなければならない。
【0018】
また、本発明の連続加圧加熱処理装置において折返し部の構造により、リテーナーを支軸に吊設しているため、折返し部の構造をシンプルにすることができ、装置内の無菌性を高めることができる効果を有する。
また、本発明の連続加圧加熱処理装置における折返し部の構造により、リテーナーを水平状態に維持させたまま移動させるリテーナー支持部材が下降した位置にある時、リテーナーRをリテーナー送出し部に正確に移載(位置決め)させることができる。そのため、当該リテーナーを、リテーナーに設けた絞り片との間に僅かのすき間しか形成されない管状搬送体内に確実に送り出すことができる効果を有する。
また、本発明によれば、処理に要する水蒸気や熱エネルギーの損失を極めて少なくして効率的に使用し、かつ処理後の被処理物について迅速に次の処理を開始することができる効果を有する。
また、本発明は、リテーナー搬送装置を磁力搬送するように構成することにより、リテーナー搬送機構の駆動部を管状搬送体の外部に配置することができ、連続加圧加熱処理装置の無菌性を容易に確実に維持することができる。このリテーナー搬送装置はまた磁力吸着を確実に行うことができ、駆動部とリテーナーの位置ずれを有効に防止してリテーナーを確実に搬送できる効果を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態である連続処理装置の全体を示す平面図である。図2は、図1に示す連続処理装置の搬送パイプ及び折返部の正面図である。図3は、図2に示す連続処理装置の搬送パイプ及びそれに接続された複数の折返部の右側面図である。図4は、リテーナーの斜視図である。図5は、搬送パイプに取り付けられたリテーナー搬送駆動系の断面図である。図6は、搬送折返部の側面一部断面図である。図7は、図6の搬送折返部の正面図である。図8は、搬送折返部のリテーナー支持部に設けた支持方向安定部の側面説明図である。図9は、搬送折返部のリテーナー支持部に設けた支持方向安定部の正面説明図である。図10は、図6の水平断面図である。図11は、容器供給部及び容器被せ部の垂直断面図である。図12は、リテーナ容器反転部の水平断面図である。図13は、図12の線XIII一XIIIに沿った垂直断面図である。図14は、当て止め部及び容器取出部の垂直断面図である。図15は、リテーナー回転防止ローラーの斜視図である。図16は、リテーナー支持部の斜視図である。図17は、ラチェット機構の説明図である。
【0020】
連続処理装置1は、図1ないし図3に示すように、リテーナーRを搬送する管状搬送体すなわち断面が円形の搬送パイプ14をエンドレスに連結した搬送路に、洗浄された固形物を充填したリテーナーRを供給するリテーナー供給部10、リテーナーRを搬送し加圧蒸気によってリテーナーR内の固形物を殺菌する搬送処理部16、搬送処理部16内で搬送路を折返しさせる複数の折返部20、容器Cを容器供給部21から受け取りリテーナーRに被せる容器被せ部22、容器Cを被せたリテーナーRを反転させ、リテーナーR内の殺菌済固形物を容器Cに移し替えるリテーナー容器反転部24、容器Cを被せたリテーナーRの内壁に付着したままの殺菌済固形物の残留物をリテーナーRに衝撃を与えることによって容器C内へ落下させる当て止め部28、及び容器取出部30を、リテーナー搬送方向に沿って順次配置してなる。
【0021】
容器Cを容器供給部21から受け取りリテーナーRに被せる容器被せ部22、容器Cを被せたリテーナーRを反転させ、リテーナーR内の殺菌済固形物を容器Cに移し替えるリテーナー容器反転部24、容器Cを被せたリテーナーRの内壁に付着したままの殺菌済固形物の残留物をリテーナーRに衝撃を与えることによって容器C内へ落下させる当て止め部28、容器取出部30、及び後述する容器シール部710は、エアシャワー32を備えたクリーンルーム34内に配置されている。
連続処理装置1は、図1ないし図3に示すように、搬送パイプ14Aないし14Hを順次折返すように連結してなる。すなわち、連結された搬送パイプ14Aは、固形物を常圧で予備加熱する。連結された搬送パイプ14Bは、段階的に圧力が上昇するラビリンスシールを形成してその下流側の加圧状態を保持する。搬送パイプ14Bの下流側に連結された搬送パイプ14Cないし14Gは、蒸気供給部を適宜配置することにより所望の加熱加圧状態を形成して固形物を殺菌する。14Hは、段階的に圧力が下降するラビリンスシールを形成してその上流側の加圧状態を保持する。
【0022】
リテーナー供給部10は、所定に大きさに切断され洗浄された固形物を充填したリテーナーRを順次供給する。
【0023】
リテーナーRは、図4に示すように、水平に延びたリテーナーフレーム100の前後にラビリンスシールを形成するための絞り片すなわち円盤状ラビリンスプレート102を取り付けてなる。リテーナーフレーム100の左右の各縁部には適当な間隔をおいて5個のリテーナー永久磁石104がN極、S極を交互にして埋め込まれている。リテーナーフレーム100は保持板106を取り外し可能に保持し、該保持板106は中央部に楕円開口108が形成され、該楕円開口108にリテーナーバスケット109が配置されている。
リテーナーバスケット109は、概ね楕円筒形の収容部110を有し、底部112に複数の蒸気通過孔116を設け、外側にリテーナーフレーム100に係合するフランジ120が設けられている。
リテーナーバスケット109の上方部はフランジ120の上面より上方に突出している。容器被せ部22において、容器Cをリテーナーバスケット109に被せると、リテーナーバスケットの上方に突出した部分が、容器の側壁の上方内側面に接触した状態で、すなわちリテーナーと容器の間に隙間がない状態で、両者が嵌合される。又、上記リテーナーバスケットの上方に突出した部分は、容器を被せた時に、容器の底部コーナー部が、搬送パイプ、すなわち筒状搬送体の内壁部にほぼ接触した状態になるよう形成される。これにより、リテーナーと容器が密着した状態で、これらを反転させることができる。
【0024】
ラビリンスプレート102には、リテーナーフレーム100を取り付けるための2本のネジ130、ラビリンスプレート102を互いに固定するために支柱部材を取付ける3本のネジ141、及び保持板106をリテーナーフレーム100に固定するための固定ハンドル131が取り付けられている。ラビリンスプレート102にはさらに、前後のリテーナーRに対し一定の間隔を保持するための突き当て部材132、ラビリンスプレート102を搬送パイプ14の内面に対し均一な間隔を保持して摺動させるための複数の合成樹脂製のスケート部材140Aないし140E、及びリテーナーRの位置を検出させるためのリテーナー検出用永久磁石144が設けられている。スケート部材140Aないし140Eは、ラビリンスプレート102の頂上部のスケート部材140A,リテーナー永久磁石144を避けた左右位置のスケート部材140B、140C、下方の2位置のスケート部材140D、140Eである。頂上部に配置したスケート部材140AはリテーナーRが搬送パイプ14内で上下反転したときにも安定して搬送するために有効であり、また左右位置に配置したスケート部材140B、140CはリテーナーRが一方のみの駆動チエーン210の駆動永久磁石202によって安定して搬送するために有効である。スケート部材のラビリンスプレート102への取付けは、スケート部材におけるねじ等による取付位置と搬送パイプ14内面への接触面との距離が小さい程、スケート部材の熱膨張の影響を小さくでき、好ましい。
【0025】
リテーナー検出用永久磁石144は、前後のラビリンスプレート102のそれぞれに、それらを前方、後方から見たときに同じ位置になるような位置(すなわち、リテーナー水平断面の対角位置)に配置される。リテーナー検出用永久磁石144をこのように配置することによって、後述する搬入リテーナーセンサー355、搬出リテーナーセンサー381を搬送パイプ14等の一方の側のみに配置した構成においても、リテーナーRを前後方向入れ替えた使用を可能にし、またリテーナーRの上下反転状態を容易に検出できる利点を有する。
ラビリンスプレート102は、3本の支柱部材141によって固定されているので、高い圧力負荷がかかった場合においても、ラビリンスプレート102は強固に互いに平行に保たれ、ラビリンスシールを確実に形成することができる。
【0026】
搬送処理部16は、図5に示すように、搬送パイプ14が架台200によって支持されている。搬送パイプ14の端部は、折返部20に連結されている。
搬送パイプ14は、ステンレス製で、内面を滑らかな円筒面に仕上げてなる。複数の直線状の搬送パイプ14は、図1の平面図において互いに平行に、図2の正面図において傾斜又は水平であるように配置されている。1度ないし5度、例えば1.5度傾斜した搬送パイプ14においては、蒸気によるドレインが重力により容易に一方向に流出し、搬送パイプ14内が菌汚染されるおそれが少ない。又、例えば図14に示すように搬送パイプ14のラビリンスシールを形成する部分の圧力制御領域を除く領域の内面に、リテーナーRの搬送方向に沿って延びた複数の溝14Aを設ける.これにより、搬送パイプ内に圧力差が生じ、これにより搬送パイプ内においてリテーナーが所定の位置からズレることが防止できる。又、ドレンの排出をより効率的に行うことができる。
【0027】
搬送パイプ14にはまた、リテーナーRがラビリンスシールを形成した部分における圧力差によって搬送方向と逆の方向の走行を阻止するために、図17に示すように、リテーナーRが所定搬送方向には走行可能であるが、反対方向の走行を機械的に阻止するラチェット機構15を適所に設け、リテーナーRの飛び出しや逆走行による事故を未然に防いでいる。特に、段階的に圧力が上昇するラビリンスシールを形成している搬送パイプ14Bの始端側に設置することが望ましい。
一方、搬送パイプ14には、複数箇所で温度及び圧力を制御された水蒸気が入れられ、この蒸気の温度、圧力、によって固形物が殺菌等の処理が行われる。上述したように、搬送パイプ14への水蒸気の供給位置を選択することによって、処理領域の長さ(大きさ)や位置を任意に選択することができる。
【0028】
搬送パイプ14の両側には、駆動チエーン210が平行して配置され、駆動チエーン210にはリテーナー永久磁石104と同じ間隔で駆動永久磁石202が取り付けられている。両側の駆動チエーン210は、駆動モータ211、可撓性駆動力伝達系212によって同速で駆動される。駆動チエーン210の近傍には、駆動チエーン210の走行を検出するための光電式の駆動チエーン走行センサー(図示せず)が設けられている。駆動チエーン走行センサー(図示せず)の出力によって駆動チエーン210の間欠走行を制御するように構成されている。これにより、例えば、駆動チエーン210の駆動永久磁石202の磁極SNSNSと、リテイナー永久磁石104の磁極NSNSNとの強力な磁力吸着関係を成立させ、駆動チエーン210はリテイナーRを強力な吸着力によって搬送パイプ14内で搬送する。
【0029】
駆動チエーン210は、図5に示すように、駆動永久磁石202を保持する磁石ホルダー230の上下端部にガイドローラー232が取り付けられ、ガイドローラー232はガイドレール236内を走行する。このガイドローラー232及びガイドレール236の構成によって、走行中の駆動永久磁石202と搬送パイプ14の間隔、すなわち駆動永久磁石202とリテーナー永久磁石104の間隔を高精度に一定に保つことができる。
駆動チエーン210はまた、駆動永久磁石202の上方あるいは下方に磁力線を遮断する金属板(図示せず)を配置して、後述する搬入リテーナーセンサー355、搬出リテーナーセンサー381等の磁力線センサーの誤検出を防止している。このような金属板は、同様の目的で後述するリテーナー永久磁石104、折返搬入永久磁石362,364、390、折返搬出永久磁石374,375、900,376に設けることが望ましい。
【0030】
駆動チエーン210のない部分、例えばリテーナー供給部10、駆動チエーン210の間のリテーナー引渡し部、折返部20へのリテーナー引渡し部及び受け取り部等にリテーナー回転防止ローラー250が配置されている。リテーナー回転防止ローラー250は、図15に示すように、回転自在の回転軸252に支持されたデスク254の周縁に、リテーナーフレーム100の縁部に埋め込まれた5個のリテーナー永久磁石104の間隔にほぼ等しい間隔でN極、S極を交互に位置するように複数の永久磁石260を埋め込んで構成されている。従って、リテーナー回転防止ローラー250の近傍をリテーナーRが通過すると、そのリテーナー永久磁石104とリテーナー回転防止ローラー250の永久磁石260が吸着し合い、リテーナーRは永久磁石260によって定められる所定の吸着方向に維持されて搬送される。これにより、駆動チエーンのない部分において、リテーナーRが搬送パイプ14の中心軸を中心として回転してしまうことを防止することができる。
【0031】
折返部20は、図6ないし図10に示すように、底部300を有する円筒形ハウジング302を横向きに配置し、該円筒形ハウジング302の開口部を、凸構造の蓋部材304によって開閉可能に密閉してなる。蓋部材304には、前方(図6及び図10の左側方向)の左右端部に、搬送パイプ14に連通された搬入円筒部材310及び他の搬送パイプ14に連通された搬出円筒部材312が固着されている。円筒形ハウジング302内の搬入円筒部材312の先端部には、後述するリテーナー支持部330の2本の支持部材340が両側を通過することができる幅と長さの樋状支持部材357が設けられている。
【0032】
底部300の内部中心には、図7に示すように、十字型アーム部材320の各アーム322によって支持されたリング部材321が回転可能に取り付けられている。リング部材321には、8個のリテーナー支持部330が等間隔を置いて揺動可能に吊設されている。
リテーナー支持部330は、図16に示すように、軸部332、軸部332から軸部332の軸線に直交する方向に延び略三角形を形成する半径部336、半径部336の先端部から軸部332の軸線と平行に前方へ延びた2本の支持部材340からなる。
搬入円筒部材310から搬入されたリテーナーRは、樋状支持部材357によって支持されるまで搬送される。樋状支持部材357によって支持されたリテーナーRは、そこへ回転移動してきた2本の支持部材340によって持ち上げられ、円軌道で搬送される。
【0033】
円筒形ハウジング302の底部300の後側すなわち外側には、図6に示すように、十字型アーム部材320を間欠的に回転させるためのモータ350及び駆動軸352が配置されている。折返部20の調整や洗浄のために、円筒形ハウジング302は、固定の蓋部304から分離して図6に一点鎖線によって示す位置へ移動可能である。角度範囲180°を円軌道で搬送されたリテーナーは、反対側に設けられた樋状支持部材357の両側を支持部材が上方から通過する時に、該樋状支持部材357上に載置され、そこから搬出円筒部材312に搬出される。これによって、支持部材340は樋状支持部材357との正しい位置関係で確実にリテーナーRを受け渡しをすることができる。
【0034】
円筒形ハウジング302の底部300の内側には、支持部材340を揺動させることなく水平状態を保持したままリテーナーRを円軌道に沿って搬送するために、図6に示すように、永久磁石のN極を円周に沿って隙間なく並べた磁気レール800が配置されている。円形の延びた他磁気レール800の直径はリテーナー支持部330の軸部332を設けた円周の直径に等しく、磁気レール800の中心は、十字型アーム部材の中心から垂直下方向にリテーナー支持部材330の中心より後述する揺動アーム812の軸間長さlずれた点に位置する。
リテーナー支持部330の後方すなわちリング部材321の後側には、図6に示すように、軸部332と軸線を同じくして一体の揺動軸部810が設けられている。揺動軸部810には、図8及び図9に示すように、軸間長さlの揺動アーム812が固着され、揺動アーム812の下端に磁石板814が軸支されている。磁気レール800の近傍でこれに対面する磁石板814は、図8に示すように、軸点817を中心とする点対称形であって、その後面を縦横3等分して、後面の中心に縦に永久磁石のS極が3個並び、その両側にN極が3個づつ並ぶように配置してある。
【0035】
このような構成によって、磁気レール800のN極と磁気板814のS極の吸着及び磁気レール800のN極とN極との反力によって、磁石板814は磁気レール800の位置に対応した回転姿勢に位置し、磁気板814のS極の列は常に磁気レール800の上にある。そして、磁気レール800とリテーナー支持部材330の軸部332の軸線との距離が揺動アーム812の軸間長さlに等しいから、揺動アーム812は常に垂直であり、リテーナーRはリテーナー支持部340によって傾くことなく支持される。特に、リテーナーが載置される樋状支持部材の位置において揺動する支持部材の揺動幅を最も小さくすることができるため、リテーナーの載置を確実に行うことができる。
【0036】
搬入円筒部材310及び搬出円筒部材312内において、搬送パイプ14内の圧力と折返部20内の圧力の差やリテーナーRの慣性力によって、リテーナーRが所定位置に停止せず又所定位置から移動することを防ぎ、かつ所定時機にリテーナーRをリテーナー支持部330へ送るために、搬入円筒部材310及び搬出円筒部材312の左右外側には、図10に示すように、リテーナーRをリテーナー受け取り部332へ送るための折返搬入部354及びリテーナー送り出し部333からリテーナーRを取り出して搬送パイプ14へ送るための折返搬出部356を有する。
【0037】
折返搬入部354は、搬送方向に摺動可能な搬入フレーム360に、搬送方向においてリテーナーRの長さより少し長い中心間隔をおいて配置された一対の折返搬入永久磁石362,364と、搬入フレーム360を搬送方向に沿って往復移動させる搬入エアシリンダ366を取り付けてなる。折返搬入永久磁石362、364は、これらをリテーナー永久磁石104への吸着位置と非吸着位置に移動させるための搬入磁石エアシリンダ368,370を介して搬入フレーム360に支持されている。
【0038】
折返搬入部354にはまた、図10に示すように、位置(イ)にあるリテーナーRが折返搬入永久磁石362、364によって吸着されていないときのみリテーナーRを磁力によって吸着する折返搬入保持磁石390が配置されている。折返搬入保持磁石390は、保持磁石シリンダー392によってリテーナーRの吸着位置と非吸着位置に変位可能に支持されている。折返搬入保持磁石390は、リテーナーRを磁気吸着して、リテーナーRが搬送パイプ14内の圧力と円筒形ハウジング302内の圧力の差によって移動することを阻止する。
【0039】
折返搬入部354にはさらに、搬送パイプ14内の圧力と円筒形ハウジング302内の圧力の差が生じることがあり、これによって位置(ア)及び(イ)にあるリテーナーRが移動することを減少させるために、図10に示すように、搬送パイプ14と円筒形ハウジング302内を結ぶバイパス管377を設けている。折返搬入部354はまた、搬入円筒部材310の外側にリテーナーRの存在を検出するためにリテーナーRのリテーナー検出用永久磁石144を検出する搬入リテーナーセンサー355が設けられている。
【0040】
折返搬出部356は、図10に示すように、搬出フレーム372に、搬送方向においてリテーナーRの長さより少し長い中心間隔をおいて配置された一対の折返搬出永久磁石374、375と、搬出フレーム372を搬送方向に沿って往復移動させる搬出エアシリンダ380を取り付けてなる。折返搬出永久磁石374、375は、これらをリテーナー永久磁石104への吸着位置と非吸着位置に移動させるための搬出磁石エアシリンダ394,396を介して支持されている。
【0041】
折返搬出部356にはまた、位置(キ)にあるリテーナーRが折返搬出永久磁石374、375によって吸着されていないときのみリテーナーRを磁力によって吸着して移動を阻止する折返搬出固定磁石376が配置されている。折返搬出固定磁石376は、保持磁石シリンダー378によってリテーナーRの吸着位置と非吸着位置に変位可能に支持されている。折返搬出固定磁石376は、リテーナーRを吸着して、リテーナーRが搬送パイプ14内の圧力と円筒形ハウジング302内の圧力の差によって移動することを阻止する。
【0042】
折返搬出部356にはさらに、位置(カ)及び(キ)にあるリテーナーRが搬送パイプ14内の圧力と円筒形ハウジング302内の圧力の差によって移動することを阻止するために、図6及び図10に示すように、搬送パイプ14と円筒形ハウジング302内を結ぶバイパス管377を設けている。
折返搬出部356にもまた、搬出円筒部材312の外側にリテーナーRの走行を検出するための搬出リテーナーセンサー381が設けられている。搬出リテーナーセンサー381は、折返搬入部354の搬入リテーナーセンサー355と同じ構成である。
折返搬出部356にはさらに、折返搬出部356のリテーナーRの搬送力を高めるために、補助搬出フレーム377Aに、補助折返搬出永久磁石900と、補助搬出フレーム377Aを搬送方向に沿って往復移動させる補助搬出エアシリンダ902を取り付けている。補助折返搬出永久磁石900は、これらをリテーナー永久磁石104への吸着位置と非吸着位置に移動させるための補助搬出磁石エアシリンダ910を介して支持されている。
【0043】
折返部20の作動は以下のとおりである。折返搬入部354においては、搬入リテーナーセンサー355によってリテーナーRが搬入円筒部材310の位置(ア)に存在することが検出されると、駆動チエーン210の走行を停止させ、前後のリテーナーRが相互衝突することを防止している。一方、リテーナーRが搬送パイプ14から押出されて上述した構成の搬入円筒部材310の位置(ア)に到着したことが検出されると、搬入磁石シリンダ368、370が伸長して折返搬入永久磁石362、364がリテーナー永久磁石104を吸着する。
【0044】
次に、搬入エアシリンダ366を作動させて既に位置(イ)に搬送されていて折返搬入永久磁石364によって吸着されているリテーナーRを前進させて樋状支持部材357へ搬送する。これと同時に位置(ア)にあって折返搬入永久磁石362によって吸着されているリテーナーRは、位置(イ)へ移動させられる。一方、モータ350を作動させて、十字型アーム部材320が回転して何も支持していない空のリテーナー支持部330が樋状支持部材357によって支持されていたリテーナーRを下から掬い上げる。
これらのリテーナーRの搬入作動の間、折返搬入保持磁石390は、保持磁石シリダー392によってリテーナーRの非吸着位置に保持されている。
【0045】
続いて、モータ350が作動して、十字型アーム部材320を45°づつ間欠的に回転させ180°回転させた時点において、前記リテーナーRを搬出円筒部材312に対向した位置に移動させ、支持部材340によって支持されていたリテーナーRを折返搬出部356の樋状支持部357に載せる。
この十字型アーム部材320の回転作動と並行して、折返搬入部354が次の搬入の準備作動を行う。すなわち、保持磁石シリダー392が作動して搬入保持磁石390がリテーナーRを吸着してその位置に保持する。この状態で、搬入磁石エアシリンダ368,370が短縮し、折返搬入永久磁石362、364がリテーナーRを吸着しなくなり、次に搬入エアシリンダ366が短縮する。その後、搬入磁石エアシリンダ368,370が伸長して折返搬入永久磁石362、364がリテーナーRを吸着し、一方保持磁石シリダー392が作動して搬入保持磁石390がリテーナーRを吸着しなくなり、図10に示す状態に戻る。
【0046】
折返搬出部356においては、折返搬出永久磁石374、375がリテーナー永久磁石104を吸着していない状態で搬出エアシリンダ380を伸長作動させて搬出フレーム372を円筒形ハウジング302の側方まで移動させ、搬出磁石エアシリンダ394,396を作動させて折返搬出永久磁石374、375が位置(カ)にあるリテーナー支持部330から樋状支持部材357に乗り移ったリテーナーRのリテーナー永久磁石104を吸着するようにする。
次に、搬出エアシリンダ380を縮小作動させ、位置(カ)にあるリテーナー受け部357に載っているリテーナーRを搬出円筒部材312の位置(キ)へ移動させる。これと同時に、位置(キ)にあったリテーナーRは、これを吸着している折返搬出永久磁石374の搬出エアシリンダ380と補助折返搬出永久磁石900の補助搬出エアシリンダ902の両方の伸長によって、位置(ク)へ搬送される。位置(ク)にあったリテーナーRは、位置(ク)に移動させられたリテーナーRによって搬送パイプ14の位置(ケ)へ押出される。位置(ケ)にリテーナーが押し出されるまでは、駆動チエーン210の走行は停止しており、駆動チエーン210の停止位置は駆動チエーン210の駆動永久磁石202が上述した押出されるリテーナーRのリテーナー永久磁石104と所定の吸着関係となるように決められている。そして、リテーナーが位置(ケ)に押し出されたときに、上記駆動チエーンが走行を開始する。
【0047】
その後、保持磁石シリダー378が伸長して搬出保持磁石376がリテーナーRを吸着してその位置に保持する。この状態で、搬出磁石エアシリンダ394、396が短縮し、折返搬出永久磁石374、375がリテーナーRを吸着しなくなり、次に搬出エアシリンダ380が伸長する。同様に、補助折返搬出エアシリンダ810が短縮して、補助折返搬出永久磁石800がリテーナーRを吸着しなくなり、補助搬出エアシリンダ802が短縮して、補助搬送フレーム377Aが図10に示すもとの位置に戻る。
【0048】
容器供給部21は、図11に示すように、堆積された容器Cを一個ずつ搬送殺菌部400に送る。搬送殺菌部400は、搬送ベルト401がエンドレスに移動して容器Cを連続的あるいは間欠的に搬送する。搬送殺菌部400は、搬送ベルト401による搬送路が低くなって凹部を形成している部分であって、該凹部においてその上流側の無菌空気供給口402から供給され、無菌空気供給口402の上流側及び下流端側に配置された排気口404,406から排気される無菌空気に曝すこと、及び搬送路の上下に配置されたUVランプ410によって紫外線照射することによって容器Cを殺菌する。搬送ベルト401を凹部を形成しかつ殺菌部400よりも上方に排気口404を設けることによって、搬送パイプ14から流れる蒸気の界面403を排気口404の位置に安定させることができる。このように構成することによって殺菌部400内に蒸気やそのドレンが流れ込むことがなく、確実かつ安定した殺菌処理を行うことができる。
【0049】
容器被せ部22は、図11に示すように、殺菌された容器Cを容器吸着器420によって吸着し、容器吸着器420を支持する搬送油圧シリンダ422によって吸着した容器Cを、搬送パイプ14内の所定位置へ搬送されてきたリテーナーRに被せる。容器CをリテーナーRに被せると、容器Cの底部コーナー部が搬送パイプ14の内壁部にほぼ接触した状態になることが望ましい。また、リテーナーRの開口部周縁には、容器Cの側壁の上方内側面に嵌合する嵌合部を設けることが望ましい。
【0050】
リテーナー容器反転部24は、図12及び図13に示すように、搬送パイプ14の周囲に、モータ500によって回転させられる反転ドラム510と、搬送エアシリンダ512によって搬送方向に往復移動する搬送枠514を有する。反転ドラム510には、1対の吸着エアシリンダ520によってリテーナー永久磁石104との吸着位置及び非吸着位置へ移動可能な1対の反転永久磁石522が載置されている。搬送枠514には、2対の吸着エアシリンダ530、532によってリテーナーRのリテーナー永久磁石104との吸着位置、非吸着位置へ移動可能な2対の反転搬送永久磁石534,538が載置されている。
【0051】
このように構成されたリテーナー容器反転部24は、容器Cを被せられたリテーナーRが図12の位置(サ)まで押されて搬送されると、吸着エアシリンダ520によって反転永久磁石522がリテーナー永久磁石104の吸着位置へ移動させられる。次に、モータ500が作動して反転ドラム510を180°回転させ、反転ドラム510の回転に伴って容器Cを被せられたリテーナーRが180°回転させられ、容器CをリテーナーRの下側で上向きにする。このようにして、リテーナーR内の殺菌済固形物が容器Cに移し替えられる。
【0052】
続いて、吸着エアシリンダ530、532を作動させて非吸着位置にあった反転搬送永久磁石534,538をリテーナー永久磁石104の吸着位置へ移動させる。次に、搬送エアシリンダ512を作動させて位置(サ)にあった転搬送永久磁石534及びこれによって吸着されているリテーナー永久磁石104を有するリテーナーRを反転搬送永久磁石538によって吸着されているリテーナーRの位置(シ)へ搬送させる。反転搬送永久磁石538によって吸着されて位置(シ)にあったリテーナーRは、当て止め部28へ搬送される。
【0053】
当て止め部28は、反転させたリテーナーR内に付着して残留している殺菌済固形物を容器Cに取出すために、図14に示すように、搬送パイプ14における長さがリテーナーRの長さに等しく下側180°に広がる領域が落下開口600として抜けており、ここに上面の中央部が高く前後方向が徐々に下がり、さらに前後方向にドレン溝650を設けた円筒面受け部材612が打ち当てのシリンダ610よって昇降自在に配置されている。
このように構成された当て止め部28は、リテーナー検出装置(図示せず)によってリテーナーRが所定位置に到着したことが検出されると、シリンダ610が短縮してリテーナーRが載った容器Cを載置している円筒面受け部材612と一体の部材652が、高さ位置調整可能な突き当て部材654に衝突して、急停止する。
【0054】
この急停止による衝撃によって、リテーナー容器反転部245において容器Cが被せられたリテーナーRが反転させられて下向きになったにもかかわらずリテーナーRの底部等に付着したままであった殺菌済の固形物が落下して、上向きの容器Cに移し替えられる。その後、シリンダ610が伸長して円筒面受け部材612が搬送パイプ14の内面と一致した位置に戻り、容器C及びリテーナーRが搬送できるようになる。
【0055】
容器取出部30においては、図1に示すように、リテーナーRと容器Cとを分離する。リテーナーRは搬送パイプ14を介してリテーナー洗浄部700に搬送される。容器Cは、容器シール部710においてシールされて、梱包装置(図示せず)へ続く製品コンベヤ720へ送られる。
リテーナー洗浄部700で洗浄されたリテーナーRは、リテーナーコンベアでリテーナー供給部10に搬送される。
【0056】
上述した構成においてさらに、リテーナー追跡装置を設けることによってリテーナー搬送の異常を早期に検知して、装置の大きな破損を防いだり、被処理物の無駄を最小限に抑えることができる。リテーナー追跡装置は、折返部20、容器被せ部22、リテーナー容器反転部24、当て止め部28等において、リテーナーRのあるべき規定位置と、リテーナー検出用永久磁石144を利用して検出したリテーナーRの位置とを比較してリテーナーRが所定の移動を行っているか否かを判断する。リテーナー検出用永久磁石144を検出するためのセンサー、例えば搬入リテーナーセンサー355、搬出リテーナーセンサー381を配置することが構造上困難な場合には、このセンサーに替えてリテーナー永久磁石104を検出するリテーナー永久磁石検出センサー(図示せず)を備え、該リテーナー永久磁石検出センサー(図示せず)の出力を利用してリテーナー追跡や折返部20を制御することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施態様である連続加圧加熱処理装置の全体を示す平面図である。
【図2】 図2は、図1に示す連続加圧加熱処理装置の正面図である。
【図3】 図3は、図1に示す連続加圧加熱処理装置の右側面図である。
【図4】 図4は、リテーナーRの斜視図である。
【図5】 図5は、搬送パイプに取り付けられたリテーナー搬送駆動系の断面図である。
【図6】 図6は、搬送折返部の正面図である。図7は、図6の搬送折返部の側面図である。
【図7】 図7は、図6の搬送折返部の側面図である。
【図8】 図8は、搬送折返部のリテーナー支持部に設けた支持方向安定部の正面説明図である。
【図9】 図9は、搬送折返部のリテーナー支持部に設けた支持方向安定部の側面説明図である。
【図10】 図10は、図6の線X−Xに沿った垂直断面図である。
【図11】 図11は、容器供給部及び容器被せ部の垂直断面図である。
【図12】 図12は、リテーナー容器反転部の水平断面図である。
【図13】 図13は、図12の線XIII一XIIIに沿った垂直断面図である。
【図14】 図14は、当て止め移替部及び容器取出部の垂直断面図である。
【図15】 図15は、リテーナー回転防止ローラーの斜視図である。
【図16】 図16は、リテーナー支持部の斜視図である。
【図17】 図17は、ラチェット機構の説明図である。
【符号の説明】
R リテーナー
C 容器
1 連続加圧加熱処理装置
14 搬送パイプ
10 リテーナー供給部
12 固形物供給部
16 搬送調理部
20 折返部
21 容器供給部
22 容器被せ部
24 リテーナー容器反転部
28 当て止め移替部
30 容器取出シール部
32 エアシャワー
34 クリーンルーム
100 リテーナーフレーム
102 円盤状ラビリンスプレート
104 リテーナー永久磁石
109 リテーナーバスケット
140 スケート部材
144 リテーナー検出用永久磁石
210 駆動チエーン
300 底部
302 円筒形ハウジング
304 蓋部材
310 搬入円筒部材
312 搬出円筒部材
320 十字型アーム部材
330 リテーナー支持部
332 折返搬入部
354 折返搬入部
356 折返搬出部
510 反転ドラム
520 吸着エアシリンダ
522 反転永久磁石
612 円筒面受け部材
700 リテーナー洗浄部

Claims (7)

  1. 温度及び圧力を制御した水蒸気を入れる水蒸気供給部を設けた複数本の管状搬送体と、
    前記管状搬送体においてリテーナーの移動方向に関し前記圧力制御部の上流側及び下流側の少なくとも一方にラビリンスシールを形成するように前記管状搬送体の断面積よりも僅かに小さい面積を有するラビリンスプレートを設けた前記リテーナーと、
    前記管状搬送体内において前記リテーナーを移動させるリテーナー搬送装置と
    を備えた固形物の連続加熱加圧処理装置であって、
    略平行に配置した複数本の前記管状搬送体のうちの一本の前記管状搬送体の終端部と他の一本の前記管状搬送体の始端部を、前記リテーナーの移動方向が反対方向になるようにリテーナー折返部を介して接続し、前記管状搬送体の少なくとも一本を一定の角度で傾斜させ、かつ前記管状搬送体を多段に設置したことを特徴とする固形物の連続加熱加圧処理装置。
  2. 前記リテーナー折返部が、支軸に吊設された複数のリテーナー支持部材を備え、水平軸を中心として回転する回転体を有し、
    前記回転体の回転により、前記リテーナー支持部材を下方から上昇させ、前記リテーナー支持部材の上昇領域にある前記管状搬送体の終端部の延長線上に設置されたリテーナー受取り部に配置されたリテーナーを持ち上げ、
    前記リテーナー支持部材に載置されたリテーナーを水平状態に維持させたまま移動させ、
    前記リテーナー支持部材の下降領域にある他の管状搬送体の始端部の延長線上に設置されたリテーナー送出し部に移載させることを特徴とする請求項1に記載の固形物の連続加熱加圧処理装置。
  3. 前記リテーナー折返部の搬送部が、リテーナーを磁力によって間欠的に搬送し、リテーナーの磁性部材とリテーナー折返部の搬送部の磁性部材の所定吸着関係が成立したときに該搬送部が搬送を開始することを特徴とする請求項2に記載の固形物の連続加熱加圧処理装置。
  4. 前記リテーナー折返部の回転体が間欠的に回転することを特徴とする請求項3に記載の固形物の連続加熱加圧処理装置。
  5. 前記リテーナー搬送装置が、リテーナーを磁力によって搬送することを特徴とする請求項1に記載の固形物の連続加熱加圧処理装置。
  6. 前記リテーナー搬送装置が、間欠搬送を行い、リテーナーの磁性部材とリテーナー搬送装置の磁性部材の所定吸着関係が成立したときに搬送を開始することを特徴とする請求項5に記載の固形物の連続加熱加圧処理装置。
  7. 前記管状搬送体が、1度ないし5度傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の固形物の連続加熱加圧処理装置。
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