JP3722299B2 - ホログラムカラーフィルターの評価方式 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ホログラムカラーフィルターの評価方式に関し、特に、ホログラムカラーフィルターの分光特性をシミュレーションし、その結果を用いて最適なホログラムカラーフィルターを得る方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置用のカラーフィルターとして、従来の波長吸収型のものと比較して、バックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セルへ入射でき、バックライトの利用効率を大幅に向上させるものとして、本出願人は、特願平5−12170号等において、ホログラムカラーフィルターを提案した。その構成は、偏心したフレネルゾーンプレート状の微小ホログラムアレーからなるものである。以下、簡単にこのホログラムカラーフィルターについて説明する。
【0003】
図10の断面図を参照にしてこのホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置について説明する。同図において、規則的に液晶セル6′(画素)に区切られた液晶表示素子6のバックライト3入射側にこのホログラムカラーフィルターを構成するホログラムアレー5が離間して配置される。液晶表示素子6背面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック・マトリックス4が配置される。以上の他、図示しない偏光板が液晶表示素子6の両側に配置される。なお、ブラック・マトリックス4の間には、従来のカラー液晶表示装置と同様に、R、G、Bの分色画素に対応した色の光を通過する吸収型のカラーフィルターを付加的に配置するようにしてもよい。
【0004】
ホログラムアレー5は、R、G、Bの分色画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配置された微小ホログラム5′からなり、微小ホログラム5′は液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′各組に整列して各々1個ずつ配置されており、各微小ホログラム5′は、ホログラムアレー5の法線に対して角度θをなして入射するバックライト3の中の緑色の成分の光を、その微小ホログラム5′に対応する3つの分色画素R、G、Bの中心の液晶セルG上に集光するようにフレネルゾーンプレート状に形成されているものである。そして、微小ホログラム5′は、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。ここで、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないとは、リップマンホログラムのように、特定の波長だけを回折し、他の波長は回折しないタイプのものではなく、1つの回折格子で何れの波長も回折するものを意味し、この回折効率の波長依存性が少ない回折格子は、波長に応じて異なる回折角で回折する。
【0005】
このような構成であるので、ホログラムアレー5の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対して角度θをなして入射する白色のバックライト3を入射させると、波長に依存して微小ホログラム5′による回折角は異なり、各波長に対する集光位置はホログラムアレー5面に平行な方向に分散される。その中の、赤の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の成分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青を表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するように、ホログラムアレー5を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほとんど減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する位置の液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことができる。
【0006】
このように、ホログラムアレー5をカラーフィルターとして用いることにより、従来のカラーフィルター用バックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セル6′へ入射させることができるため、その利用効率を大幅に向上させることができる。
【0007】
このようなホログラムカラーフィルター5は、計算機ホログラムレンズアレーを作製し、それを複製することによって製作している。すなわち、微小ホログラム5′のホログラム干渉縞を計算機によって計算し、例えばクロムを成膜したガラス基板上に塗布した電子線レジストへ電子ビームによってその干渉縞を描画し、現像して、レリーフ型の計算機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)アレーのクロムパターンをまず作製する。次に、このクロムパターンをマスクとしてガラス基板をイオンエッチングしてCGHアレー原版を作製する。次いで、このようにして作製したCGHアレーのレリーフ面上にホログラム感材を密着させるか若干ギャップをおいて重ね合わせ、CGHアレー側から図10のバックライト3に相当する角度θでレーザ光を入射させ、CGHアレーの各CGHによって生じる収束回折光と直進透過光とをホログラム感材中で干渉させて、CGHアレーを複製する。この複製されたホログラムが図10のホログラムアレー5として用いられる。さらに、この複製されたホログラムを原版として再度複製したものをホログラムアレー5として用いてもよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなホログラムカラーフィルター5で分光され、ブラック・マトリックス4を透過した各色の輝度(明るさ)と色再現性に関して、従来は、実際に作製したCGHにバックライト3に相当する光を入射させ、実際にブラック・マトリックス4を透過した光を測定して各色の輝度(明るさ)と色再現性を見る外はなかった。
【0009】
しかしながら、この方法は、実際にCGHを作って評価するという試行錯誤が必要であり、非常に時間とコストがかかるものあり、ホログラムカラーフィルター開発と商品化を阻害する要因となっていた。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、計算上得られたホログラムカラーフィルターの分光特性を計算によりシミュレーションして、その結果を用いて最適なホログラムカラーフィルターを得る方式を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のホログラムカラーフィルターの評価方式は、集光性の要素ホログラムを周期的に配置したアレーからなり、各要素ホログラムが記録面の法線に対して角度をなして入射する白色光を記録面に沿う方向に波長分散させて分光するホログラムカラーフィルターの評価方式において、ホログラムのパラメータが与えられた要素ホログラムの各微小領域に、微小波長間隔毎で所定の入射角の中心光線の周りで照明光の平行度内での微小角度毎に入射させる光線を計算上生成する手段と、その計算上生成された各光線毎に回折光の方向と回折効率を算出する手段と、全ての回折光を回折効率の重み付けをして総和を取ることにより通過波長特性を算出する手段と、算出された通過波長特性に基づいて、色度、輝度の少なくとも一方を算出する手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0012】
この場合、ホログラムカラーフィルターは分光された光を各色毎に分ける開口部材を備え、前記の通過波長特性を算出する手段は、前記開口部材の各開口毎に通過波長特性を算出するように構成され、前記の色度、輝度の少なくとも一方を算出する手段は、前記開口部材の各開口の色度、輝度の少なくとも一方を算出するように構成されていることが望ましい。
【0013】
また、前記の通過波長特性を算出する手段は、照明光の波長分布と、前記要素ホログラムの材料吸収率と、前記要素ホログラムの表面反射率の少なくも1つを考慮して総和を取るように構成されていることが望ましい。
【0014】
【作用】
本発明においては、ホログラムのパラメータが与えられた要素ホログラムの各微小領域に、微小波長間隔毎で所定の入射角の中心光線の周りで照明光の平行度内での微小角度毎に入射させる光線を計算上生成する手段と、その計算上生成された各光線毎に回折光の方向と回折効率を算出する手段と、全ての回折光を回折効率の重み付けをして総和を取ることにより通過波長特性を算出する手段と、算出された通過波長特性に基づいて、色度、輝度の少なくとも一方を算出する手段とを備えているので、実際にCGHを作って照明光を入射させて評価する時間とコストが非常にかかる試行錯誤が必要でなくなり、計算上得られたホログラムカラーフィルターの分光特性を計算によりシミュレーションして、その結果を用いて最適なホログラムカラーフィルターを得ることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明のホログラムカラーフィルターの評価方式の原理を図面を参照にして説明する。
図1(a)は、ホログラムカラーフィルター5を構成する1個の微小ホログラム5′とそれに対応する3つの分色画素R、G、Bの前面に設けられたブラック・マトリックス4との組み合わせを示しており、間隔d(通常は、微小ホログラム5′の焦点距離)をおいて相互に整列して配置されている。微小ホログラム5′とブラック・マトリックス4の間にガラス板7(屈折率nG )が配置されている。そして、光源10から出たバックライト3がホログラムカラーフィルター5に入射し、そこで回折されてブラック・マトリックス4に入射し、ブラック・マトリックス4の開口を通過した光線だけがカラー液晶表示に寄与する。
【0016】
本発明においては、微小ホログラム5′を微小な領域A1 〜AM に分割(例えば、縦横各々20等分)し、そのおのおのの領域Am (m=1〜M)に、入射角θの中心光線の周りでバックライトの平行度を表す図のr方向(半径方向)に微小角度おき(例えば、平行度が±5°の場合、0°から1°おきに5°まで)で、かつ、図のψ方向(円周周方向)に一定角度おき(例えば、0〜359°の範囲で22.5°おき)にそれぞれ1本の光線、全体でN(n=1〜N)本の光線(以上の例では、1(中心光線)+5×16=81本)を、光源10からの波長λを微小波長間隔(例えば、400nm〜700nmの間を10nmおきに)で変化させて、順に全ての領域Am (m=1〜M)に入射させ(以上の例では、全体で81×20×20×31=N×M×31=1,004,400本(回))、その各々について、微小ホログラム5′の各領域Am が有している干渉縞により、後記の回折の式に従って回折させて回折光線の方向を算出し、また、ホログラムの回折効率を表す後記のコーゲルニクの式、及び、スネルの屈折式に従ってその回折光線の回折効率η(n,m)を算出する。そして、各回折光線がブラック・マトリックス4を通過する場合を1、そこで遮断される場合を0として、それを表す関数P(1/0)として、最終的に波長に依存した通過特性を表す以下の式(1)を算出する。
【0017】
式(1)において、L(λ)は図1(b)に波長特性を例示したように、光源10の波長分布を表す量であり、cosθはバックライト3が入射角θでホログラムカラーフィルター5に斜めに入射することを補正する量であり、(材料吸収率)、(1−表面反射率)は、それぞれホログラムカラーフィルター5の材料吸収、表面反射により通過強度が低下することを補正する量である。
【0018】
以上のような演算を行うことにより、ブラック・マトリックス4の3つの分色画素R、G、Bに対応する開口を通過する分光光の波長特性は、式(1)を波長λに対してプロットすることにより、図2に模式的に示したようなグラフが得られる。
【0019】
ところで、微小ホログラム5′の各領域Am の干渉縞は、図3に示すように、その撮影条件で表現される。ホログラム記録感材11の表面法線ベクトルを〈n〉、物体光の進行方向を表す単位ベクトルを〈rO 〉、参照光の進行方向を表す単位ベクトルを〈rR 〉、参照光、物体光の波長をλO とすると、微小ホログラム5′の各領域Am の干渉縞は、〈n〉,〈rO 〉,〈rR 〉,λO の組で表される。そして、このようにして記録されたホログラム記録感材11を現像して得られたホログラム11′を、図4に示すように、進行方向を表す単位ベクトルが〈rC 〉、波長がλC の再生照明光で照明して再生するときの回折光の進行方向を表す単位ベクトルを〈rI 〉とすると、回折の式は、
〈n〉×(〈rC 〉−〈rI 〉)=mλO /λC ・〈n〉×(〈rO 〉−〈rR 〉)・・・(2)
となり、バックライト3はこの式(2)に従って回折される。ここで、mは回折次数を表す。
【0020】
さらに、このように回折の式に従って回折された回折光線の回折効率ηは、コーゲルニクの式(H.Kogelnik"Coupled Wave Theory for Thick Hologram Gratings"Bell Syst. Tech.,J.48,2909(1969) )より、
η= sin2 ν ・・・(3)
となる。ただし、νについては、S偏光についての値νS は、
νS =πΔnδ/{λ( cosθ cosθS )1/2 } ・・・(4)
P偏光についての値νP は、
νP =νS cos{2(φ−θ)} ・・・(5)
となる(例えば、“SPIE”vol.1507,pp.426-434(1991) 参照)。ここで、記号は図5に示すように、δはホログラムの干渉縞が記録されている有効厚、λは入射光の波長(図4の再生照明光の波長λC に等しい。)、Δnはホログラム媒質の平均屈折率nに対する干渉縞の屈折率変調、φは干渉縞の法線Kのホログラムの法線(図4の〈n〉)に対する角、θはホログラムの法線に対して干渉縞への入射光のなすホログラム内部での角(図1(a)のバックライト3の入射角θとは異なる。)、θS は干渉縞によりブラッグ回折された1次光のホログラム内部でのホログラムの法線に対する角である。
【0021】
また、ホログラムの干渉縞の格子ベクトルの方向φとθ、θS の間には、一般的に、
φ=(θ+θS )/2±π/2(複合は、場合に応じて一方のみ)
2φ=θ+θS ±π ・・・(6)
も成り立つ。
【0022】
また、ホログラムの入射側に屈折率n1 の媒質I、射出側に屈折率n2 の媒質IIが密着して充填されている場合、θ1 をホログラム内部でホログラムの法線に対して角θをなす入射光が媒質Iからホログラム媒質へ入射するときのホログラムの法線に対する角、θ2 を干渉縞によりブラッグ回折された1次光の媒質IIへ出たときのホログラムの法線に対する角とすると、スネルの屈折式より、
n1sinθ1 =n sinθ ・・・(7)
n sinθS =n2 sinθ2 ・・・(8)
の関係が成り立っている。
【0023】
ここで、上記入射角θ1 、射出角θ2 は、それぞれ図4における再生照明光ののベクトル〈rC 〉の方向、回折光のベクトル〈rI 〉の方向と一致する。また、干渉縞の法線Kは、図3の物体光のベクトル〈rO 〉及び参照光のベクトル〈rR 〉がスネルの屈折式(7)、(8)に従ってホログラム媒質内で屈折して生成される2つのベクトルの2等分線に垂直でこの2つのベクトルを含む平面内に含まれる方向である。
【0024】
さて、次に、図2に示したよう波長分布のブラック・マトリックス4の3つの開口R、G、Bを通過した光の色を色度図上に表示する。そのために、まず、良く知れた3刺激値X,Y,Zを次のように計算する。
【0025】
X=k∫E(λ)x’(λ)dλ ・・・(9)
Y=k∫E(λ)y’(λ)dλ ・・・(10)
Z=k∫E(λ)z’(λ)dλ ・・・(11)
ここで、x’(λ),y’(λ),z’(λ)はスペクトル3刺激値である。次いで、X,Y,Zから色度座標x,yを次の関係から求める。
【0026】
x=X/(X+Y+Z),y=Y/(X+Y+Z) ・・・(12)
こうして得られた各開口R、G、Bを通過した光の色度座標x,yを図6に示すような色度図にプロトすることにより、図1の微小ホログラム5′をアレー状に並べたホログラムカラーフィルター5の色特性を評価することができる。
【0027】
また、各開口R、G、Bを通過した光のE(λ)(図2)に図7に示すような比視感度特性(この図は、明所視)を掛けることにより、図8のような実際に感じられる波長特性が得られる。そして、図8のR、G、B毎の値を積分することにより、それぞれの色の輝度を求めることができる。
【0028】
このようにして、ホログラムカラーフィルター5の色特性、明るさ(輝度)を評価することができる。
【0029】
なお、従来の吸収型のカラーフィルターとの特性を比較するためには、吸収型のカラーフィルターのE(λ)(式(1))をシミュレーションあるいは実測により求め、上記と同様にして色度座標x,y及びR、G、Bそれぞれの色の輝度を求め、ホログラムカラーフィルター5の色特性及び輝度と対比すればよい。輝度については、R、G、B毎に数値で出るので、両者の比を求めることができる。
【0030】
以上の本発明のホログラムカラーフィルターの評価方式をフローチャートに描くと、図9のようになる。すなわち、ステップ1において、これから評価しよとするホログラムのパラメータを入力する。具体的には、ホログラム5′の縦横寸法、図3のその撮影時の物体光の進行方向を表す単位ベクトル〈rO 〉、参照光の進行方向を表す単位ベクトル〈rR 〉、参照光、物体光の波長λO 、ホログラム5′の干渉縞が記録されている有効厚δ、ホログラム媒質の平均屈折率n、その屈折率変調Δn、ホログラム5′とブラック・マトリックス4の間隔d、ガラス板7の屈折率nG 、ホログラム5′の材料吸収率、ホログラム5′の表面反射率、ブラック・マトリックス4の形状を表すパラメータ等である。次いで、ステップ2において、バックライト3に関するパラメータを入力する。具体的には、その中心光線の入射角θ、バックライト3の平行度、光源10の波長分布L(λ)である。なお、ステップ1と2は逆の順序あるいは同時に行ってもよい。
【0031】
次に、ステップ3において、図1との関連で説明したように、光源10からの光について微小波長間隔毎に、また、入射角θの中心光線の周りでバックライト3の平行度内での微小角度毎に、そして、ホログラム5′を分割した各領域Am に入射させる光線を生成する。そして、ステップ4において、このようにして生成した各光線毎に、前記の回折の式(2)に従ってその光線の回折方向を算出する。また、ステップ5において、前記の式(3)〜(6)のコーゲルニクの式と式(7)〜(8)のスネルの屈折式に従ってその回折光線の回折効率η(n,m)を算出する。さらに、ステップ6において、そのような光線がブラック・マトリックス4を通過するか否かP(1/0)を算出する。
【0032】
次いで、ステップ7において、ステップ3で生成した光線全てについて、ステップ4〜6の算出を行ったか否かを判断し、算出漏れがある場合にはこれを完了するまで行い、次いで、ステップ8で前記のホログラムカラーフィルターの通過波長特性を表す式(1)に従ってR、G、Bの各開口毎のE(λ)の算出を行う。その後、ステップ9で、前記の式(9)〜(12)に基づいて色度座標x,yを求め、また、ステップ10で、E(λ)に比視感度特性を掛け、各色毎に積分して各色の輝度を算出する。
【0033】
次に、本評価方式を用いて最適化したホログラムカラーフィルターの1例を示す。ホログラム及びブラック・マトリックスの外形は100×180μmであり、ホログラム、ブラック・マトリックス間の距離は1.1mmで、その間に屈折率1.54のガラズ板が介している。ブラック・マトリックスの3つの各開口の寸法は55×35μmで、開口のピッチは60μmである。ホログラム記録時の波長は514nmで、焦点距離1.1mm、ホログラム中心に入射角40°で入射したときその法線方向に回折する波長は545nmである。ホログラム媒質の平均屈折率は1.52、その屈折率変調は0.035、ホログラムの干渉縞が記録されている有効厚は6.0μmである。ホログラムの材料吸収率は0.02746、表面反射率は入射角40°でのフレネル反射係数から算出した。また、照明光源としてシャープ(株)製プロジェクターXV−P1(平行度±5°)の光源を入射角40°で用いた。
【0034】
その結果、R、G、Bの開口の通過特性は次のようになった。
【0035】
次に、このホログラムカラーフィルターの色度は、R:x=0.548,y=0.451,G:x=0.352,y=0.605,B:x=0.146,y=0.075であり、従来の吸収型カラーフィルタに比較した輝度比は、R:2.8,G:2.3,B:2.1であった。
【0036】
以上、本発明のホログラムカラーフィルターの評価方式の原理と実施例を説明してきたが、本発明はこれらに限定されず種々の変形が可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のホログラムカラーフィルターの評価方式によると、ホログラムのパラメータが与えられた要素ホログラムの各微小領域に、微小波長間隔毎で所定の入射角の中心光線の周りで照明光の平行度内での微小角度毎に入射させる光線を計算上生成する手段と、その計算上生成された各光線毎に回折光の方向と回折効率を算出する手段と、全ての回折光を回折効率の重み付けをして総和を取ることにより通過波長特性を算出する手段と、算出された通過波長特性に基づいて、色度、輝度の少なくとも一方を算出する手段とを備えているので、実際にCGHを作って照明光を入射させて評価する時間とコストが非常にかかる試行錯誤が必要でなくなり、計算上得られたホログラムカラーフィルターの分光特性を計算によりシミュレーションして、その結果を用いて最適なホログラムカラーフィルターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくホログラムカラーフィルターの評価方式の原理を説明するための図である。
【図2】ホログラムカラーフィルターの通過特性を模式的に示す図である。
【図3】ホログラムの干渉縞を表現する撮影時のベクトルを示す図である。
【図4】ホログラムの再生時のベクトルを示す図である。
【図5】コーゲルニクの式を説明するための図である。
【図6】色度座標をプロットした色度図である。
【図7】比視感度特性を示す図である。
【図8】比視感度特性を掛けて得られた視感度特性を示す図である。
【図9】本発明のホログラムカラーフィルターの評価方式の手順の1例を示すフローチャートである。
【図10】ホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
3…バックライト
4…ブラック・マトリックス
5…ホログラムアレー(ホログラムカラーフィルター)
5′…微小ホログラム
6…液晶表示素子
6′…液晶セル
7…ガラス板
10…光源
A1 〜Am 〜AM …微小ホログラムの分割領域
Claims (3)
- 集光性の要素ホログラムを周期的に配置したアレーからなり、各要素ホログラムが記録面の法線に対して角度をなして入射する白色光を記録面に沿う方向に波長分散させて分光するホログラムカラーフィルターの評価方式において、ホログラムのパラメータが与えられた要素ホログラムの各微小領域に、微小波長間隔毎で所定の入射角の中心光線の周りで照明光の平行度内での微小角度毎に入射させる光線を計算上生成する手段と、その計算上生成された各光線毎に回折光の方向と回折効率を算出する手段と、全ての回折光を回折効率の重み付けをして総和を取ることにより通過波長特性を算出する手段と、算出された通過波長特性に基づいて、色度、輝度の少なくとも一方を算出する手段とを備えていることを特徴とするホログラムカラーフィルターの評価方式。
- 前記ホログラムカラーフィルターは分光された光を各色毎に分ける開口部材を備え、前記の通過波長特性を算出する手段は、前記開口部材の各開口毎に通過波長特性を算出するように構成され、前記の色度、輝度の少なくとも一方を算出する手段は、前記開口部材の各開口の色度、輝度の少なくとも一方を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のホログラムカラーフィルターの評価方式。
- 前記の通過波長特性を算出する手段は、照明光の波長分布と、前記要素ホログラムの材料吸収率と、前記要素ホログラムの表面反射率の少なくも1つを考慮して総和を取るように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラムカラーフィルターの評価方式。
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