JP3042416B2 - 光拡散体 - Google Patents

光拡散体

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JP3042416B2
JP3042416B2 JP8237683A JP23768396A JP3042416B2 JP 3042416 B2 JP3042416 B2 JP 3042416B2 JP 8237683 A JP8237683 A JP 8237683A JP 23768396 A JP23768396 A JP 23768396A JP 3042416 B2 JP3042416 B2 JP 3042416B2
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毅 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射光を拡散して
出射する光拡散体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術による光拡散体の例を図7に示
す。図7において、一定の方向から入射する入射光2を
予め定められた範囲内の方向に拡散させる光拡散体とし
ては、例えば、透明な板状媒体の片側の表面に凹凸を形
成する表面凹凸形光拡散体6が知られている。この表面
凹凸形光拡散体6の表面は、様々な方向に傾斜した微小
領域6a〜6gが集合して形成されている。
【0003】かかる構成により、表面凹凸形光拡散体6
に入射する入射光2(21a〜21d)は、凹凸表面6a〜6gで屈
折され、表面の微小領域6a〜6g毎に異なる方向に偏向さ
れ、光拡散体6全体としては入射光2を予め定められた
範囲内の様々な方向に拡散させることができる。図8
は、表面凹凸形光拡散体6に入射する入射光2の入射方
向を変えたときの表面凹凸形光拡散体6から出射する拡
散光8を図示したものである。即ち、図8の(A) は、表
面凹凸形光拡散体6の表面凹凸がない他方の面と垂直な
方向(以下、この方向を光軸という)に入射する入射光
(21a〜21d)が凹凸表面6a〜6gで屈折され、拡散光 81a〜
81f が出射される。同様に、図8の(B) および図8の
(C) は、光軸に対して斜めに入射する入射光(22a〜22
d)、(23a〜23d)が凹凸表面6a〜6gで屈折され、出射角が
異なる拡散光(82a〜82f)、(83a〜83f)が出射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の光拡散体
は、屈折現象を利用して光の偏向を行っているため、入
射光の入射角に応じて出射される出射光の屈折角が変化
する。従って、図8の (A)〜(C) に図示する様に、光拡
散体への入射方向が異なると、それに応じて光拡散体か
らの出射する拡散光の拡散範囲も変わってしまう。この
ため、一定の拡散方向が必要な用途、例えば、液晶ディ
スプレイのバックライトに用いる場合では、光源から光
拡散体へ入射する入射光の方向を一定にしなければなら
ない、と言う課題がある。
【0005】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
のであり、その目的は前記した課題を解決して、出射さ
れる拡散光の角度分布が入射光の入射方向に依存しない
拡散特性を備える光拡散体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、面内の微小領域毎に互いに格子
ベクトルの異なる体積型ホログラムを形成する薄膜状の
光拡散層を、複数層に積層するものとする。かかる構成
により、入射角に依存しない光拡散特性を得ることがで
きる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明の一実施例と
しての光拡散体の構成と拡散原理を説明する説明図、図
4は光拡散体の拡散特性を説明する説明図、図5は光拡
散体の製作方法を説明する説明図、図6は光拡散体の種
類を説明する説明図を示し、図7、図8に対応する同一
機能部材には同じ符号が付してある。
【0008】図1において、光拡散体1は、面内の微小
領域毎に互いに向きの異なる体積型ホログラム(11a〜11
e), (12a〜11c), (13a〜13d), (14a〜14c), (15a〜15e)
を形成する薄膜状の光拡散層11,12,13,14,15を、複数層
に積層して構成される。各々の微小ホログラム(11a〜11
e), (12a〜11c), (13a〜13d), (14a〜14c), (15a〜15e)
は、透明な媒質の屈折率を周期的に変化させて形成され
ている。
【0009】かかる構成により、体積型ホログラムに
は、特定の波長と方向で入射する光を強く回折する性質
があり、その入射光の条件はブラッグ条件と呼ばれ、
(1) 式で表される。
【0010】
【数1】κd =κi +β …………(1) ここで、κi とκd は、それぞれ入射光ベクトルと回折
光ベクトルであり、その方向はそれぞれホログラムへの
入射光とホログラムからの回折光の伝播方向に等しく、
その大きさは入射光の波長をλとして2π/λである。
【0011】βは、格子ベクトルであり、その方向はホ
ログラムの等屈折率面の法線に等しく、その大きさは屈
折率変化の1周期の長さをpとして2π/pである。従
って、各々のホログラムに対して、そのホログラムのブ
ラッグ条件を満たす入射方向と回折方向との組合せが1
対1に対応する。ここでは媒質が透明なので、ある微小
ホログラムに入射するブラッグ条件からはずれた入射光
は、ほとんど回折されずにその微小ホログラムを透過す
る。場所ごとに向きの異なる数多くの微小な体積型ホロ
グラム(11a〜11e), (12a〜11c),(13a〜13d), (14a〜14
c), (15a〜15e)を備える薄膜状の光拡散層11,12,13,14,
15を多数積層して構成される光拡散体1への入射光2
(図1の図示例では 21a〜21c)は、光拡散体1の各層1
1,12,13,14,15を順次通過し、その内のブラッグ条件を
満たす微小ホログラム(14a,11c,15d) で回折される。多
数の微小ホログラム(14a,11c,15d) からの回折光は全体
として入射光2を拡散させた光となって出射される。光
拡散体1への入射方向が異なる入射光2(図2の図示例
では 22a〜22c)、(図3の図示例では 23a〜23c)は、そ
の方向に対応する別の微小ホログラム(13a,15b,11e),(1
1a,13b,15e) で回折される。
【0012】ここで用いられる光拡散体1は、拡散体1
への入射角と拡散体1からの出射角とが,いずれも予め
定められた角度より小さくなるような入射方向と回折方
向とのあらゆる組合せに対応する格子ベクトルを持つ微
小ホログラムが含まれているものとする。従って、この
光拡散体1に上述の予め定められた角度より小さい入射
角となる入射光は、予め定められた出射角の範囲内のあ
らゆる方向に拡散して出射することができる。
【0013】
【実施例1】図1〜図3に、光拡散体1が入射角の異な
る光をどのように拡散させるかを図示する。図1に入射
光2が光軸と平行な場合を示す。入射光21a は、微小ホ
ログラム12a,13a ではブラッグ条件を満たさないため、
そのまま透過する。透過した入射光21a は、微小ホログ
ラム14a で初めてブラッグ条件を満たして回折され、拡
散光31a となる。同様にして、他の場所に入射する入射
光21b,21c は、それぞれ微小ホログラム11c,15d におい
て初めてブラッグ条件を満たして回折され、それぞれ拡
散光31a,31c となる。
【0014】図2に入射光2が光軸に対して角度を持つ
て入射した場合を示す。この場合も同様にして、入射光
22a,22b,22c は、それぞれ微小ホログラム13a,15b,11e
において初めてブラッグ条件を満たして回折され、それ
ぞれ拡散光32a,32b,32c となる。同様に、図3に入射光
2が光軸に対して他の角度を持つて入射した場合を示
す。入射光23a,23b,23c は、それぞれ微小ホログラム11
a,13b,15e において初めてブラッグ条件を満たして回折
され、それぞれ拡散光33a,33b,33c となるこの様な光拡
散体1の拡散作用は、巨視的に見ると図4に図示する様
になる。図4の(A) において、入射光21が光軸と平行な
場合は、入射光21は光軸を中心とした拡散光 41a〜41e
となる。また、図4の(B) に図示する様に入射光22が光
軸に対して角度を持つ場合でも、入射光22は光軸を中心
とした拡散光 42a〜42e となる。図4の(C) の場合も同
様に入射光23は光軸を中心とした拡散光 43a〜43eとな
る。
【0015】
【実施例2】次に、図5により図1に図示する光拡散体
1を構成する一層ごとの体積型ホログラム(11a〜11e),
(12a〜11c), (13a〜13d), (14a〜14c), (15a〜15e)に対
応する体積型ホログラムの製作方法を説明する。図5に
おいて、光拡散体1を構成する一層ごとの体積型ホログ
ラム(干渉縞7a〜71d で図示)は、フォトポリマなどの
感光性ホログラム記録材料7(以下、ここでは簡単のた
め感光性ホログラム記録材料を感光材と略称する)にコ
ヒーレントな拡散光8a〜8hを照射して露光することによ
って製作することができる。この露光光(拡散光)8a〜
8hとしては、例えば、図5に図示する様に平行光 21a〜
21d を表面凹凸型ホログラム6に通すことによって発生
させたコヒーレントな拡散光8a〜8hを用いる。
【0016】交差する2つの光束(8a,8b),(8c,8d),(8e,
8f),(8g,8h) が感光材7の内部につくる干渉縞7a,7b,7
c,7d に対応して生じる光の空間的な強度分布が、その
まま感光材中に屈折率変化として記録されてホログラム
となる。そして、このホログラムのブラッグ条件を満た
す入射光と回折光との組み合わせは、このホログラムを
露光した2つの光束の組み合わせと一致する。
【0017】以上、図1から図5までの説明は、光拡散
層として入射光2を透過して拡散させて出射するホログ
ラムを用いた光拡散体1を説明したが、この透過形ホロ
グラムに代えて図6に図示する様に、入射光2を反射し
て拡散させるホログラム9を用いてもこの発明を構成す
ることができる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、光拡
散体は、面内の微小領域毎に互いに格子ベクトルの異な
る体積型ホログラムを形成する薄膜状の光拡散層を複数
層に積層することにより、光拡散体への入射角が予め定
められた範囲内にあれば、光拡散体から出射される拡散
光の角度分布が入射光の入射方向に依存しない拡散特性
を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての光拡散体の構成と拡
散原理を説明する説明図
【図2】入射光の角度を変えた光拡散体の構成と拡散原
理を説明する説明図
【図3】入射光の角度を変えた光拡散体の構成と拡散原
理を説明する説明図
【図4】光拡散体の拡散特性を説明する説明図
【図5】光拡散体の製作方法を説明する説明図
【図6】光拡散体の種類を説明する説明図
【図7】従来技術による光拡散体の構成と拡散原理を説
明する説明図
【図8】従来技術による光拡散体の拡散特性を説明する
説明図
【符号の説明】
1 光拡散体 11〜15 薄膜状の光拡散体 11a〜11e, 12a〜12c, 13a〜13d, 14a〜14c, 15a〜15e
ホログラム 1A,1B 端面 2,21a〜21c, 22a〜22c, 23a〜23c 入射光 3,31a〜31c, 32a〜32c, 33a〜33c 出射光 41a〜41e, 42a〜42e, 43a〜43e, 51a〜51e,8 拡散
光 6 表面凹凸形光拡散体 7 感光材 7a〜7d 干渉縞
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03H 1/02 G02B 5/02 G02B 5/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】面内の微小領域毎に互いに格子ベクトルの
    異なる体積型ホログラムを形成する薄膜状の光拡散層
    を、複数層に積層する、 ことを特徴とする光拡散体。
JP8237683A 1996-09-09 1996-09-09 光拡散体 Expired - Lifetime JP3042416B2 (ja)

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DE1997138327 DE19738327A1 (de) 1996-09-09 1997-09-02 Lichtstreuelement

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