JP3859261B2 - 体積型回折格子を用いたカラーフィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、体積型回折格子を用いたカラーフィルターに係わり、特に、可視域中に回折効率のピークを複数持つ体積型回折格子を用いた液晶表示装置等用のカラーフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置用のカラーフィルターとして、従来の波長吸収型のものと比較して、バックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セルへ入射でき、バックライトの利用効率を大幅に向上させるものとして、本出願人は、特願平5−12170号等において、ホログラムカラーフィルターを提案した。その構成には2つのタイプがあり、第1のタイプは、偏心したフレネルゾーンプレート状の微小ホログラムアレーからなるものである。第2のタイプは、平行で一様な干渉縞からなるホログラム又は回折格子とそれに重畳したマイクロレンズアレーとからなるものである。以下、簡単にこれらのホログラムカラーフィルターについて説明する。
【0003】
図5の断面図を参照にして第1のタイプのホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置について説明する。同図において、規則的に液晶セル6′(画素)に区切られた液晶表示素子6のバックライト3入射側にこのホログラムカラーフィルターを構成するホログラムアレー5が離間して配置される。液晶表示素子6背面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック・マトリックス4が配置される。以上の他、図示しない偏光板が液晶表示素子6の両側に配置される。なお、ブラック・マトリックス4の間には、従来のカラー液晶表示装置と同様に、R、G、Bの分色画素に対応した色の光を通過する吸収型のカラーフィルターを付加的に配置するようにしてもよい。
【0004】
ホログラムアレー5は、R、G、Bの分色画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配置された微小ホログラム5′からなり、微小ホログラム5′は液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′各組に整列して各々1個ずつ配置されており、各微小ホログラム5′は、ホログラムアレー5の法線に対して角度θをなして入射するバックライト3の中の緑色の成分の光を、その微小ホログラム5′に対応する3つの分色画素R、G、Bの中心の液晶セルG上に集光するようにフレネルゾーンプレート状に形成されているものである。そして、微小ホログラム5′は、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。ここで、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないとは、リップマンホログラムのように、特定の波長だけを回折し、他の波長はほとんど回折しないタイプのものではなく、1つの回折格子で何れの波長も回折するものを意味し、この回折効率の波長依存性が少ない回折格子は、波長に応じて異なる回折角で回折する。
【0005】
このような構成であるので、ホログラムアレー5の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対して角度θをなして入射する白色のバックライト3を入射させると、波長に依存して微小ホログラム5′による回折角は異なり、各波長に対する集光位置はホログラムアレー5面に略平行な方向に分散される。その中の、赤の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の成分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青を表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するように、ホログラムアレー5を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほとんど減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する位置の液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことができる。
【0006】
このように、ホログラムアレー5をカラーフィルターとして用いることにより、従来のカラーフィルター用バックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セル6′へ入射させることができるため、その利用効率を大幅に向上させることができる。
【0007】
図6の断面図を参照にして第2のタイプのホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置について説明する。同図において、第2のタイプのホログラムカラーフィルター10は、ホログラム7と集光性マイクロレンズアレー8とからなり、マイクロレンズアレー8を構成するマイクロレンズ8′は、R、G、Bの分色画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配置されている。また、ホログラム7は、回折格子の作用をする平行で一様な干渉縞からなり、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。液晶表示素子6背面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック・マトリックス4が配置される。以上の他、図示しない偏光板が液晶表示素子6の両側に配置される。なお、ブラック・マトリックス4の間には、従来のカラー液晶表示装置と同様に、R、G、Bの分色画素に対応した色の光を通過する吸収型のカラーフィルターを付加的に配置するようにしてもよい。
【0008】
このような構成であるので、ホログラム7の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対して角度θをなしてバックライト3を入射させると、波長に依存して異なる角度で回折され、ホログラム7の射出側に分散される。ホログラム7の入射側又は出射側に配置されたマイクロレンズ8′により、この分散された光は、その焦点面に波長毎に分離されて集光する。その中の、赤の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の成分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青を表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するように、カラーフィルター10を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほとんど減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する位置の液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことができる。
【0009】
このような配置において、ホログラム7として、集光性でなく一様な干渉縞からなる回折効率の波長依存性が少ない透過型ホログラムを用いることができるため、ホログラム7をマイクロレンズアレー8の各マイクロレンズ8′と位置合わせする必要がない点、及び、マイクロレンズアレー8のピッチが各液晶セル6′各々に対応して1個のマイクロレンズを配置する従来の場合の3倍になり、作りやすくかつ整列しやすい点に特長がある。
【0010】
なお、図6の変形として、図7に示すように、マイクロレンズアレー8及び液晶表示素子6の配置を図6の通りとし、回折格子の作用をする平行で一様な干渉縞からなるホログラム7をマイクロレンズアレー8から分離してバックライト3中にその進行方向に対して略垂直になるように配置しても、同様にバックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セル6′へ入射させることができ、その利用効率を大幅に向上させたカラーフィルターを実現することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の本出願人の提案に係るホログラムカラーフィルターは、本質的に回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないホログラムあるいは回折格子を用いるものであったが、回折効率の波長依存性がある体積型ホログラムあるいは体積型回折格子1枚を用いて同様のものを実現することはできなかった。
【0012】
本発明は従来技術のこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新規な原理に基づいて可視域中に回折効率のピークを複数持つ体積型回折格子を用いた液晶表示装置等に用いる明るいカラーフィルターを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の体積型回折格子を用いたカラーフィルターは、平面状の干渉縞からなりそのピッチが面内で等しく、厚さが面内で一定のシート形状を有する体積型回折格子からなり、前記体積型回折格子は、所定の入射角の光に対してそれぞれ青波長域及び赤波長域に回折効率のピークを有すると共に、両ピーク間の緑波長域に回折効率の底を有し、両ピークの波長でのシート法線からの回折角並びに両ピーク間の回折効率の底の波長の透過光のシート法線からの角度が相互に異なり、前記両ピーク近傍で回折された青波長域の光及び赤波長域の光と、前記両ピーク間の底近傍の透過光の緑波長域の光とを分光された色成分として用いることを特徴とするものである。
【0016】
この場合、体積型回折格子の入射側又は回折側に集光性レンズアレーを備え、集光性レンズアレーの各要素レンズにより屈折され体積型回折格子で回折された成分及び回折されないで透過した成分を集光性レンズアレーの面に沿う方向にそれぞれ異なる位置に集光するか、あるいは、体積型回折格子で回折された成分及び回折されないで透過した成分を集光性レンズアレーの各要素レンズにより集光性レンズアレーの面に沿う方向にそれぞれ異なる位置に集光するようにすることが望ましい。
【0017】
なお、これらのカラーフィルターはカラー液晶表示装置用のカラーフィルターとして用いることが望ましい。
【0018】
本発明においては、体積型回折格子として、シート形状を有し、所定の入射角の光に対して可視域中に少なくとも2つの回折効率のピークを有すると共に、それらピーク間に回折効率の底を有するように干渉縞のピッチと厚さが設定されている全く新規な作用を持つものを提供することができる。この体積型回折格子は、例えば液晶表示装置用のバックライト利用効率が高く明るいカラーフィルターとして利用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の体積型回折格子の原理とそれを用いたカラーフィルターの実施例について説明する。
本発明においては、体積位相型のホログラムであって干渉縞が平面状であり、そのピッチが一定のもので外形がシート(膜)状のものを体積型回折格子と呼ぶ。体積型回折格子の入射角と回折角の関係及び回折効率は次のように書ける(例えば、西原他共著「光集積回路」第86〜90頁、"The Bell System Technical
Journal”48(9)1969,pp.2909-2947)。
【0020】
ただし、Λは干渉縞(格子面)のピッチ、φは干渉縞の法線の膜の法線に対する角度(スラント角)、λは波長、λ1 は特定の波長、λ2 はλ1 とは異なる別の波長、θi は波長λ、λ1 、λ2 の光の膜の法線に対する媒質内での入射角、θd は波長λの光の膜の法線に対する媒質内での回折角、θd1は波長λ1 の光の膜の法線に対する媒質内での回折角、θd2は波長λ2 の光の膜の法線に対する媒質内での回折角、Δnはホログラム記録膜の媒質の屈折率変調、Tはその膜の厚さ、βi =βd =2πn/λ、nは媒質の屈折率である。
【0021】
体積型回折格子を構成する体積位相型ホログラムの回折効率は上記(3)式により与えられるが、その干渉縞のピッチΛと厚さTを制御することによって、ある入射角θi に対して様々な回折効率の波長依存性を持ったものが得られる。一般に、透過型の体積型回折格子(体積位相型ホログラム)はブラグ回折角でその波長の回折効率が最大となる適切な膜厚が存在する。その膜厚をより厚くして行くと、その回折効率のピークが長波長側にずれ、2つめのピークが短波長側に現れ、これを続けるとピーク間の周期が短くなり、可視域中に2つの回折効率のピークが存在することになる。
【0022】
図2は、屈折率n=1.52で膜厚T=36μmのフォトポリマーに、波長514.5nmの2つの光束を入射角6°と17.7°で入射させ、干渉縞のピッチΛ=2588μm、スラント角φ=86.3°、Q値(=2πλT/nΛ2 )=8.887〜15.55(400nm〜700nm)の体積位相型ホログラムを記録してなる本発明の1実施例の体積型回折格子の回折効率特性を示す。図2から明らかなように、可視域に460nm近傍の青色領域と630nm近傍の赤色領域中に回折効率が略100%の2つのピークを有し、530nmの緑色領域中に回折効率が略0%の底を有するものとなっている。
【0023】
そして、このピーク波長近傍の波長470nm、620nmの垂直入射(θi =0°)での回折角は、上記(1)、(2)式により得られ、それぞれ10.4°、13.8°となる。また、底近傍の波長545nmでは垂直入射ではほとんど回折されずに透過する。
【0024】
上記実施例から、図1のような特性の本発明の体積型回折格子が得られる。すなわち、本発明による体積型回折格子1に所定の入射角で入射した白色光2の中、緑波長域の光13Gは大部分そのまま回折されずに直通し、青波長域の光13B及び赤波長域の光13Rは緑波長域の光13Gに対して同じ側で異なる回折角で大部分回折される。
【0025】
以上の具体的な数値の実施例は1実施例であり、入射光1の入射角は0°以外に種々設定でき、また、ピーク波長及びそれらの波長近傍の波長の回折角も種々設定できる。
【0026】
このように、本発明による体積型回折格子は、所定の入射角の光に対して、可視域中に2つの回折効率のピークを有するのが基本であり、さらに望ましくは、その2つのピーク波長で回折角が相互に異なるものである。そして、さらに望ましくは、一方のピーク波長は青波長域に位置し、他方のピーク波長は赤波長域に位置し、2つのピーク波長間の底の波長は緑波長域に位置することである。
【0027】
さて、このような特性を有する本発明による体積型回折格子をカラー液晶表示装置等のためのカラーフィルターとして用いることを考える。図3は本発明による体積型回折格子をカラーフィルターとして用いた液晶表示装置の要部断面図であり、全体の構成は、不図示の白色照明光源からの略平行なバックライト3に対して略垂直に配置された本発明による体積型回折格子1と、その射出側に体積型回折格子1と平行に配置された液晶表示素子21と、液晶表示素子21のバックライト3入射側の何れかの位置に配置された入射側偏光板28と、液晶表示素子21の観察側に配置された観察側偏光板29と、体積型回折格子1と液晶表示素子21の間であって入射側偏光板28の入射側あるは射出側(図の場合は入射側)に体積型回折格子1と平行に配置され、各微小凸レンズ8′が液晶表示素子21のRBG3つの分色画素からなる組各々に対応して配置されているマイクロレンズアレー8とからなっている。
【0028】
液晶表示素子21は、例えば、2枚のガラス基板22、23の間に挟持されたツイストネマチック等の液晶層27からなり、バックライト側のガラス基板22の内表面には、ブラック・マトリックス24と一様な透明対向電極25が設けられ、表示面側のガラス基板23の内表面には画素R、B、G毎に独立に透明画素電極26と不図示のTFTが設けられている。また、電極25、26の液晶層27側には不図示の配向層も設けられて構成されている。また、入射側偏光板28と観察側偏光板29とは、例えばそれらの透過軸は相互に直交するように配置されている。なお、観察側偏光板29はガラス基板23の外表面に貼り付けてもよく、入射側偏光板28は、体積型回折格子1とマイクロレンズアレー8の間に挟持して一体に貼り合わせてもよく、あるいは、体積型回折格子1のバックライト3入射側に接着あるいは離して配置してもよい。さらに、マイクロレンズアレー8は液晶表示素子21の一方のガラス基板22と一体に貼り合わせてもよい。
【0029】
そして、マイクロレンズアレー8とブラック・マトリックス24の間の距離は、マイクロレンズアレー8を構成する微小凸レンズ8′の焦点距離(ガラス基板22の屈折率も考慮して)と略等しく設定されており、したがって、体積型回折格子1で分光された平行光13G、13B、13Rが微小凸レンズ8′によって集光される位置はブラック・マトリックス24の開口の位置となる。なお、マイクロレンズアレー8を構成する微小凸レンズ8′は、RBGの分色画素の繰り返し周期の各周期毎、すなわち、液晶表示素子21の紙面内の方向に隣接する3つの画素の組各々に対応して配置されている。
【0030】
なお、ブラック・マトリックス7の開口には、色純度を上げるため、従来のカラー液晶表示装置と同様に、R、B、Gの分色画素に対応した色の光を通過する吸収型のカラーフィルターを付加的に配置するようにしてもよい。
【0031】
以上のような構成であるので、体積型回折格子1の液晶表示素子21と反対側の面から略垂直に白色バックライト3を入射させると、その中の緑波長域の成分の光13Gは大部分そのまま回折されずに直通し、マイクロレンズアレー8の各微小凸レンズ8′により緑の波長成分12Gは緑を表示する画素Gの位置に集光され、青波長域の成分の光13B及び赤波長域の成分の光13Rは緑波長域の成分の光13Gに対して同じ側で異なる回折角で回折され、それぞれマイクロレンズアレー8の各微小凸レンズ8′により青を表示する画素Bの位置、赤を表示する画素Rの位置に集光される。したがって、液晶表示素子21の画素毎に透明画素電極26と透明対向電極25間に印加する電圧を制御してその透過状態を変化させることにより、RBG分色画素の組み合わせにより所望のカラー表示を行うことができる。
【0032】
このような構成において、分光要素として本発明の体積型回折格子1を用いることができるため、製作が容易でありコストが安い。また、体積型回折格子1の青波長域及び赤波長域での回折効率が高く、緑波長域での透過効率が高いので、バックライト3の利用効率が高い。さらに、体積型回折格子1をマイクロレンズアレー8の各微小凸レンズ8′と位置合わせする必要がなく、マイクロレンズアレー8のピッチが各画素各々に対応して1個のマイクロレンズを配置する従来の場合の3倍になり、作りやすくかつ整列しやすい等の特長がある。
【0033】
なお、図3のような配置において、青を表示する画素Bには、図2の底の530nmの緑色領域の波長からピークの630nm近傍の赤色領域の波長に到る波長領域の画素Bに対応する分散位置の波長の光が迷光として入射する恐れがある。これを防止するには、その迷光になる恐れのある波長の成分を含まないバックライト3の光源を用いるか、あるいは、バックライト3光路中等観察者に到る何れかの位置にこの迷光になる恐れのある波長成分をカットするバンド阻止フィルターを挿入することが望ましい。
【0034】
図3に示したような構成の本発明の体積型回折格子をカラーフィルターとして用いた液晶表示装置をそのまま用いて直視型の液晶表示装置として、あるいは、投影表示用の空間光変調素子として利用して液晶投影表示装置として用いることができる。直視型の液晶表示装置として用いるには、液晶表示素子21の観察側に拡散層を設けることが望ましい。液晶投影表示装置として用いるには、例えば図4に示すような配置にする。図4は図3の液晶表示装置を液晶投影表示装置として構成する場合の断面図であり、図3のカラー液晶表示装置30は、例えばメタルハライドランプ33と放物面鏡34の組み合わせからなる照明装置32からの白色の平行なバックライト3によって照明するようにする。そして、カラー液晶表示装置30で変調された表示像は、液晶表示装置30の近傍に配置されたフィールドレンズ35を経て、投影レンズ36により拡大されてスクリーン37上に拡大結像され、明るいカラー投影像を得ることができる。なお、図4中には、液晶表示装置30を通過した各原色成分の光路をR、B、Gで示してある。
【0035】
以上、本発明の体積型回折格子とそれを用いたカラーフィルターを実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。また、体積型回折格子とそれを用いたカラーフィルターの用途も表示装置のカラーフィルターだけに限らず他のものにも適用可能である。さらに、本発明のカラーフィルターを用いる表示装置としては、例えば、液晶表示素子の代わりに他の透過型空間光変調器を用いてもよい。また、体積型回折格子1、マイクロレンズアレー8等の構成要素である光学素子の表面に反射防止膜等を設けることが望ましい。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の体積型回折格子とそれを用いたカラーフィルターによると、体積型回折格子として、シート形状を有し、所定の入射角の光に対して可視域中に少なくとも2つの回折効率のピークを有すると共に、それらピーク間に回折効率の底を有するように干渉縞のピッチと厚さが設定されている全く新規な作用を持つものを提供することができる。この体積型回折格子は、例えば液晶表示装置用のバックライト利用効率が高く明るいカラーフィルターとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による1実施例の体積型回折格子の作用を説明するための図である。
【図2】図1の実施例の体積型回折格子の回折効率特性を示す図である。
【図3】本発明による体積型回折格子をカラーフィルターとして用いた液晶表示装置の要部断面図である。
【図4】図3の液晶表示装置を液晶投影表示装置として構成したものの断面図である。
【図5】従来の第1のタイプのホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置の断面図である。
【図6】従来の第2のタイプのホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置の断面図である。
【図7】図6の変形例を示す液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1…体積型回折格子
2…白色光
3…バックライト
8…マイクロレンズアレー
8′…微小凸レンズ
13G…緑波長域の光
13B…青波長域の光
13R…赤波長域の光
21…液晶表示素子
22、23…ガラス基板
24…ブラック・マトリックス
25…透明対向電極
26…透明画素電極
27…液晶層
28…入射側偏光板
29…観察側偏光板
30…カラー液晶表示装置
32…照明装置
33…メタルハライドランプ
34…放物面鏡
35…フィールドレンズ
36…投影レンズ
37…スクリーン
R、B、G…分色画素
Claims (3)
- 平面状の干渉縞からなりそのピッチが面内で等しく、厚さが面内で一定のシート形状を有する体積型回折格子からなり、前記体積型回折格子は、所定の入射角の光に対してそれぞれ青波長域及び赤波長域に回折効率のピークを有すると共に、両ピーク間の緑波長域に回折効率の底を有し、両ピークの波長でのシート法線からの回折角並びに両ピーク間の回折効率の底の波長の透過光のシート法線からの角度が相互に異なり、前記両ピーク近傍で回折された青波長域の光及び赤波長域の光と、前記両ピーク間の底近傍の透過光の緑波長域の光とを分光された色成分として用いることを特徴とするカラーフィルター。
- 前記体積型回折格子の入射側又は回折側に集光性レンズアレーを備え、前記集光性レンズアレーの各要素レンズにより屈折され前記体積型回折格子で回折された成分及び回折されないで透過した成分を前記集光性レンズアレーの面に沿う方向にそれぞれ異なる位置に集光するか、あるいは、前記体積型回折格子で回折された成分及び回折されないで透過した成分を前記集光性レンズアレーの各要素レンズにより前記集光性レンズアレーの面に沿う方向にそれぞれ異なる位置に集光することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルター。
- カラー液晶表示装置用のカラーフィルターとして用いられていることを特徴とする請求項1又は2記載のカラーフィルター。
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