JP3666674B2 - ホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置 - Google Patents

ホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置に関し、特に、照明光の利用効率を大幅に向上させ、色ムラ等がなく色再現性が良く、忠実にカラー映像を表示できる液晶投影表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、顔料、染料等による吸収カラーフィルターを用いたカラー液晶表示装置においては、表示のためにバックライトは必要不可欠なものである。しかしながら、カラー液晶表示装置の背後から白色光をそのまま照射しただけでは、その利用効率は非常に低い。その原因として、主に下記に示す理由があげられる。
【0003】
▲1▼各色のセル以外のブラック・マトリックスが占める面積が広く、そこに当たった光は無駄になる。
▲2▼各画素へ入射する白色光の中、R(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルターを透過する色成分が制限されてしまうので、その他の補色成分は無駄となってしまう。
▲3▼カラーフィルターでの吸収による損失が伴う。
【0004】
このような問題を解決すべく、図8に示すように、例えばマイクロレンズアレー2をカラーフィルター1の前面に設置し、白色光のバックライト3をそれぞれカラーフィルターセルR、G、Bへ集光させるようにすることにより、バックライト3の利用効率を上げる方法が従来より知られている。なお、図8において、符号4はカラーフィルターセルR、G、B間に設けられたブラック・マトリックスを示す。
【0005】
しかしながら、この方法でも、白色光3を各カラーフィルターセルR、G、Bへ分光して照射することはできないために、上記▲2▼に示す問題の解決はできない。
【0006】
さらに、このようなカラーフィルターを用いずに、ダイクロイックミラー3枚とマイクロレンズアレーを用いて、光の利用効率を向上させた液晶プロジェクターが特開平4−60538号において提案されている。この場合、上記のような顔料、染料等による吸収カラーフィルターが不要になり、上記の▲1▼〜▲3▼の問題が解決され、カラー映像の輝度は向上するが、3枚のダイクロイックミラーを必要とするため、光学系・装置が大きくなり嵩張ってしまう。また、コストも高いものになってしまう問題がある。
【0007】
このような状況に鑑み、本出願人は、特願平5−12170号等において、液晶表示用バックライト等の利用効率を大幅に向上させるために、ホログラムを利用したカラーフィルターを用いた液晶表示装置を提案した。
【0008】
さらに、このようなホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置を投影型に変更して、スクリーン上で明るいカラー映像を表示する液晶投影表示装置も、特願平5−242292号等において提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置を投影装置用として用いた場合、ホログラムカラーフィルターで回折された光の一部が、対応する色を表示する液晶セルでなく、それに隣接する別の色を表示すべき液晶セルに入射してしまい、液晶表示装置に表示されるカラー映像が忠実に色再現されて投影されないおそれがあることが発見された。
【0010】
また、ホログラムカラーフィルターで回折分光された光は、波長毎に異なる角度で液晶表示装置に入射し、異なる角度で液晶表示装置から射出するため、これを単に投影レンズで投影すると、スクリーン上で左右の周辺部に異なった色が付いてしまう問題も発生することが見出された。
【0011】
さらに、このようなホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置に色再現性良くカラー表示するために求められるバックライトの平行度の条件、画像を明瞭で忠実に再現するためのホログラムカラーフィルターと液晶表示装置の偏光板との配置関係、さらには、バックライト利用効率のより高い一様な干渉縞からなるホログラムの構造等についての検討も行われるべきである。
【0012】
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明光の利用効率を大幅に向上させ、色ムラ等がなく色再現性が良く、忠実にカラー映像を表示できるホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置は、カラー液晶表示装置に表示した画像を投影光学系によりスクリーン上に拡大投影して表示する液晶投影表示装置において、前記カラー液晶表示装置のカラーフィルターとして入射光を回折分光して所定の空間的な周期で異なる波長域の光を射出するホログラムを用い、光源からスクリーンに至る光路中に、前記ホログラムで分光された赤色、緑色、青色の光が隣接する分色画素に入射することにより起こるクロストークによって赤色、緑色、青色の少なくとも1色を濁らせる波長域の透過率が5%以下のカットフィルターを配置し、かつ、前記カラー液晶表示装置の出射側近傍にフィールドレンズを配置したことを特徴とするものである。
【0014】
この場合、ホログラムの分散角が±15°以下であることが望ましい。
【0016】
また、フィールドレンズは、フレネルレンズからなることが望ましい。
【0017】
さらに、光源からスクリーンに至る光路中に、430nm以下の波長の透過率が5%以下の短波長カットフィルター、660nm以上の波長の透過率が5%以下の長波長カットフィルター、波長490nm〜510nmの間の波長の透過率が5%以下の帯域カットフィルター、あるいは、波長570nm〜590nmの間の波長の透過率が5%以下の帯域カットフィルターの何れかを配置することが望ましい。なお、帯域カットフィルターとしては、ホログラム型の反射フィルターを用いることができる。
【0018】
また、ホログラムをカラー液晶表示装置の入射側の偏光板より光源側に配置することが望ましい。
【0019】
さらに、ホログラムの照明光の平行度は、その進行方向に対して±6°以内の成分が80%以上であることが望ましい。
【0020】
【作用】
本発明においては、カラー液晶表示装置のカラーフィルターとして入射光を回折分光して所定の空間的な周期で異なる波長域の光を射出するホログラムを用い、光源からスクリーンに至る光路中に、そのホログラムで分光された赤色、緑色、青色の光が隣接する分色画素に入射することにより起こるクロストークによって赤色、緑色、青色の少なくとも1色を濁らせる波長域の透過率が5%以下のカットフィルターを配置し、かつ、カラー液晶表示装置の出射側近傍にフィールドレンズを配置したので、投影装置の照明光の利用効率を大幅に向上させ、色ムラ、クロストーク等がなく、色再現性が良く、忠実にカラー映像を投影表示することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置を実施例に基づいて説明する。
まず、図1の断面図を参照にして本発明において用いる第1の液晶表示装置について説明する。同図において、規則的に液晶セル6′(画素)に区切られた液晶表示素子6のバックライト3入射側に第1の形態のカラーフィルターを構成するホログラムアレー5が離間して配置される。液晶表示素子6背面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック・マトリックス4が配置される。以上の他、図示しない偏光板が液晶表示素子6の両側に配置される。
【0022】
ホログラムアレー5は、R、G、Bの分色画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配置された微小ホログラム5′からなり、微小ホログラム5′は液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′各組に整列して各々1個ずつ配置されており、各微小ホログラム5′は、ホログラムアレー5の法線に対して角度θをなして入射するバックライト3の中の緑色の成分の光を、その微小ホログラム5′に対応する3つの分色画素R、G、Bの中心の液晶セルG上に集光するようにフレネルゾーンプレート状に形成されているものである。そして、微小ホログラム5′は、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。ここで、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないとは、リップマンホログラムのように、特定の波長だけを回折し、他の波長は回折しないタイプのものではなく、1つの回折格子で何れの波長も回折するものを意味し、この回折効率の波長依存性が少ない回折格子は、波長に応じて異なる回折角で回折する。
【0023】
このような構成であるので、ホログラムアレー5の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対して角度θをなして入射する白色のバックライト3を入射させると、波長に依存して微小ホログラム5′による回折角は異なり、各波長に対する集光位置はホログラムアレー5面に平行な方向に分散される。その中の、赤の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の成分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青を表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するように、ホログラムアレー5を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほとんど減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する位置の液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことができる。なお、ホログラムアレー5へのバックライト3の入射角度θは、ホログラム記録条件、ホログラムアレー5の厚み、ホログラムアレー5と液晶表示素子6との距離等の種々の条件により定まるものである。
【0024】
このように、ホログラムアレー5をカラーフィルターとして用いることにより、従来のカラーフィルター用バックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セル6′へ入射させることができるため、その利用効率を大幅に向上させることができる。
【0025】
次に、図2の同様の断面図を参照にして本発明において用いる第2の液晶表示装置について説明する。同図において、規則的に液晶セル6′(画素)に区切られた液晶表示素子6のバックライト3入射側に第2の形態のカラーフィルター10が離間して配置される。液晶表示素子6背面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック・マトリックス4が配置される。以上の他、図示しない偏光板が液晶表示素子6の両側に配置される。
【0026】
第2形態のカラーフィルター10は、ホログラム7とマイクロレンズアレー8とからなり、マイクロレンズアレー8を構成するマイクロレンズ8′は、R、G、Bの分色画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配置されている。また、ホログラム7は、回折格子の作用をする一様な干渉縞からなり、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。
【0027】
このような構成であるので、ホログラム7の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対して角度θをなしてバックライト3を入射させると、波長に依存して異なる角度で回折され、ホログラム7の射出側に分散される。ホログラム7の入射側又は出射側に配置されたマイクロレンズ8′により、この分散された光は、その焦点面に波長毎に分離されて集光する。その中の、赤の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の成分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青を表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するように、カラーフィルター10を構成配置することにより、それぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほとんど減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する位置の液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことができる。なお、ホログラム7へのバックライト3の入射角度θは、ホログラム記録条件、ホログラム7の厚み、ホログラム7と液晶表示素子6との距離等の種々の条件により定まるものである。
【0028】
このような配置において、ホログラム7として、集光性でなく一様な干渉縞からなる回折効率の波長依存性が少ない透過型ホログラムを用いることができるため、ホログラム7をマイクロレンズアレー8の各マイクロレンズ8′と位置合わせする必要がない点、及び、マイクロレンズアレー8のピッチが図8の従来の場合の3倍になり、作りやすくかつ整列しやすい点に特長がある。
【0029】
さて、本発明においては、図1又は図2に示したような構成のホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置を、投影表示用の空間光変調素子として利用する。図3は、本発明に基づき、この空間光変調素子として図1の構成のカラー液晶表示装置11を用いて液晶投影表示装置を構成する場合の断面図であり、図2の液晶表示装置を用いる場合も同様に構成できる。なお、この図においては、液晶表示素子6の両側に近接して配置される液晶表示装置用の偏光板12、13が図示されており、その入射側の偏光板12は、ホログラムアレー5と液晶表示素子6との間に配置されている。そして、このカラー液晶表示装置11は、例えばメタルハライドランプ15と放物面鏡16の組み合わせからなる照明装置14からの白色の平行なバックライト3によって照明され、カラー液晶表示装置11で変調された表示像は、液晶表示装置11の近傍に配置されたフィールドレンズ17を経て、投影レンズ18により拡大されてスクリーン19上に拡大結像され、明るい投影像を得ることができる。
【0030】
ここで、液晶表示装置用の入射側の偏光板12は、理論的にはホログラムアレー5の入射側に配置してもよいが、実際には、ホログラムアレー5にはその材料(フォトポリマー等)に起因する複屈折性があるため、偏光板12、ホログラムアレー5を順に経た照明光は、直線偏光でなく楕円偏光になってしまうため、ツイストネマチック液晶等を透明電極で挟んでなる液晶表示素子6を透過して偏光板13を透過した後の状態において、所望の変調を与えることができなくなるおそれがある。したがって、図3のように、偏光板12は、ホログラムアレー5と液晶表示素子6の間に配置するのが望ましい。
【0031】
また、フィールドレンズ17を液晶表示装置11出射側近傍に配置するのは、次のような理由による。すなわち、ホログラムアレー5で分光され、液晶表示素子6を透過したR、G、Bの光は、図3に破線で示すような方向に出射する。ホログラムアレー5により回折分光される光の分散角(図1のα)は±15°以下程度であるので、図から明らかなように、フィールドレンズ17を配置しない場合、液晶表示素子6の上端近傍から出たBの光は投影レンズ18に入射せず、液晶表示装置11の表示像のスクリーン19上での結像に寄与しない。一方、液晶表示素子6の下端近傍から出たRの光も投影レンズ18に入射せず、同様に液晶表示装置11の表示像の結像に寄与しない。したがって、スクリーン19の上端近傍での投影像は青味をおび、スクリーン19の下端近傍での投影像は赤味をおびることになってしまい、色ムラにより忠実なカラー映像の再現ができないおそれが生じる。これに対して、図3に示すように、フィールドレンズ17を液晶表示装置11出射側直後に配置すると、図3に破線で示す方向に出射したR、G、Bの光はそれぞれ実線で示したようにフィールドレンズ17で光軸方向に曲げられ、液晶表示素子6の上端近傍から出たBの光、その下端近傍から出たRの光も全て投影レンズ18に入射して投影像の結像に寄与するようになるため、スクリーン19の上下端近傍でも投影像が青味、赤味をおびることはなくなり、色ムラは生じない。また、フィールドレンズ17を配置したことにより、投影像の結像に寄与する光量も増加するので、照明光の利用効率がさらに向上する。
【0032】
なお、フィールドレンズ17としては、少なくともホログラムアレー5による回折方向すなわち図3の紙面内に正屈折力を有するシリンドリカルレンズ、図3の紙面内の正屈折力が紙面に垂直方向の正屈折力より大きいトーリックレンズ、軸対称正レンズ、これらの何れかの機能を有するフレネルレンズの何れを用いてもよい。また、ホログラムアレー5により回折分光される光の分散角αが±15°程度以上であると、その分散された光を全て投影レンズ18に入射させるようにするには、過大に大きな開口数のフィールドレンズ17が必要になるため、現実的ではない。したがって、ホログラムアレー5の分散角を±15°以下に設定することが重要である。
なお、図3の液晶表示装置11として図2に示すカラー液晶表示装置を用いてもよいことはもちろんである。
【0033】
ところで、図1の液晶表示素子6を背面側から見ると画素の並びは図4のようになっている。ただし、図4は1列の画素の並びのみを示してある。画素開口20は、例えば縦65μm、横240μmの寸法を有し、縦方向に35μm、横方向に60μmのブラック・マトリックス4を挟んで縦横方向に例えば碁盤目状に規則的に並んでいる。それらの画素開口20は、図示のように、分光方向に赤を表示すべき分色画素R、緑を表示すべき分色画素G、青を表示すべき分色画素Bの順で繰り返し規則的に並んでいる。そして、ホログラムアレー5により分光されたRの光21、Gの光22、Bの光23もそれぞれ対応する色の分色画素R、G、Bの画素開口20上の縦長領域に集光するが、図のように、例えばBの光23が、青を表示すべき分色画素Bのみでなく、隣接する赤を表示すべき分色画素Rの画素開口20に達する場合がある。これは、ホログラムアレー5の分光特性自身に原因がある場合と、バックライト3の平行度に原因がある場合とがある。すなわち、ホログラムアレー5の分光特性から、分光光21〜23の分布が必然的に図4のようになる場合と、バックライト3の平行度が悪く、分光光21〜23の分布が理論値より広がり、隣接する対応しない色の分色画素に入射してしまう場合とである。何れにしてもこのような表示色のクロストークがあると、表示色が濁ってしまい、忠実なカラー映像表示ができない。
【0034】
例えば、図5は図4の場合に、赤を表示すべき分色画素R、緑を表示すべき分色画素G、青を表示すべき分色画素Bにそれぞれ入射する光R、G、Bの波長分布を示したものである。図から明らかなように、赤を表示すべき分色画素Rに入射する光Rの波長分布は、赤の波長のみならず、青の波長帯に小さなピークを有する。このピークは分光されたBの光23がこの分色画素Rに入射したことによる。そこで、この例の場合、図6に示すように、430nm以下の波長の透過率が5%以下の短波長カットフィルターを、図3のランプ15からスクリーン19に至る光路の何れかの位置に挿入することにより、このような本来青を表示すべき分色画素Bに入射すべき光が隣接する分色画素Rに入射することにより起こる色のクロストークを防止し、忠実なカラー映像表示が可能になる。
【0035】
なお、以上は、青を表示すべき分色画素Bに入射すべき光が隣接する分色画素Rに入射することにより起こる青色と赤色のクロストーク防止のために、430nm以下の波長の透過率が5%以下の短波長カットフィルターを用いたが、同様の理由で、赤を表示すべき分色画素Rに入射すべき光が隣接する分色画素Bに入射することにより、青色と赤色のクロストークが起こり得る。このクロストークを防止するためには、660nm以上の波長の透過率が5%以下の長波長カットフィルターを図3のランプ15からスクリーン19に至る光路の何れかの位置に挿入するようにすればよい。
【0036】
さらに、図4の場合、同様の理由で、分色画素BとGの間、GとRの間で相互の色のクロストークが起こる可能性もある。BとGのクロストークを防止するには、波長490nm〜510nmの間の光をカットする帯域カットフィルターを図3のランプ15からスクリーン19に至る光路の何れかの位置に挿入するようにすればよく、また、GとRのクロストークを防止するには、波長570nm〜590nmの間の光をカットする帯域カットフィルターを図3のランプ15からスクリーン19に至る光路の何れかの位置に挿入するようにすればよい。なお、このような所望の帯域の光をカットするフィルターとしては、例えば、リップマンホログラム(体積ホログラム)によるホログラム型の反射フィルターを用いることができる。このフィルターは、フォトポリマー等の体積型ホログラム記録媒体中に反対方向から可干渉光を入射させて一定間隔のブラグ格子を記録してなるもので、その格子間隔で決まる所定波長の光のみを反射して入射光からその波長の光を取り除くものである。
【0037】
また、以上の短波長カットフィルター、長波長カットフィルター、帯域カットフィルターの2つ以上を組み合わせて用いると、さらに色再現性が良くなる。
【0038】
なお、以上のような各種フィルターを用いる場合でも、バックライト3の平行度が悪化してその進行方向に対して±6°以内の成分が80%以下になると、ホログラムアレー5で回折された光の方向が大きく乱れ、色のクロストークをこれらフィルターで十分に防止できなくなる。したがって、バックライト3の平行度としては、その進行方向に対して±6°以内の成分が80%以上あることが必要である。
【0039】
さて、カラー液晶表示装置11に用いるカラーフィルターとして、図2のような一様な干渉縞からなり回折効率の波長依存性がないかもしくは少ない透過型ホログラム7とマイクロレンズアレー8とからなるカラーフィルター10を用いる場合、ホログラム7として、図7に示すように、ブレーズド・ホログラフィック回折格子7′に構成されたレリーフ型ホログラムを用いると、特定の次数、例えば+1次にのみ回折光を集中させることができるので、より明るいカラー投影像を形成することができる。
【0040】
なお、このようなブレーズド・ホログラフィック回折格子7′を作成するには、例えば特公昭55−40846号に記載の方法により、ホログラフィックにフォトレジスト表面にレリーフ回折格子を形成し、その格子に垂直で回折格子面に斜めの方向からイオンビームを入射させ、反応性イオンビームエッチングによりレリーフ格子の畝の片面を平らにカットすることによりマスターを作成し、それを射出成形等により複製して製作すればよい。
【0041】
以上、本発明のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置によると、カラー液晶表示装置のカラーフィルターとして入射光を回折分光して所定の空間的な周期で異なる波長域の光を射出するホログラムを用い、光源からスクリーンに至る光路中に、そのホログラムで分光された赤色、緑色、青色の光が隣接する分色画素に入射することにより起こるクロストークによって赤色、緑色、青色の少なくとも1色を濁らせる波長域の透過率が5%以下のカットフィルターを配置し、かつ、カラー液晶表示装置の出射側近傍にフィールドレンズを配置したので、投影装置の照明光の利用効率を大幅に向上させ、色ムラ、クロストーク等がなく、色再現性が良く、忠実にカラー映像を投影表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1形態のホログラムカラーフィルターを組み込んだ液晶表示装置の断面図である。
【図2】第2形態のホログラムカラーフィルターを組み込んだ液晶表示装置の断面図である。
【図3】本発明による液晶投影表示装置の構成を示す断面図である。
【図4】画素の並びを示すために図1の液晶表示素子を背面側から見た図である。
【図5】各分色画素に入射する光の波長分布の一例を示す図である。
【図6】短波長カットフィルターの透過率特性の一例を示す図である。
【図7】図2のホログラムとしてブレーズド・ホログラフィック回折格子を用いたもの要部断面図である。
【図8】従来の液晶表示装置の照明方法を説明するための図である。
【符号の説明】
3…バックライト
4…ブラック・マトリックス
5…ホログラムアレー(カラーフィルター)
5′…微小ホログラム
6…液晶表示素子
6′…液晶セル(画素)
7…ホログラム
7′…ブレーズド・ホログラフィック回折格子
8…マイクロレンズアレー
8′…マイクロレンズ
10…カラーフィルター
11…カラー液晶表示装置
12、13…偏光板
14…照明装置
15…メタルハライドランプ
16…放物面鏡
17…フィールドレンズ
18…投影レンズ
19…スクリーン
20…画素開口
21…Rの光
22…Gの光
23…Bの光

Claims (10)

  1. カラー液晶表示装置に表示した画像を投影光学系によりスクリーン上に拡大投影して表示する液晶投影表示装置において、前記カラー液晶表示装置のカラーフィルターとして入射光を回折分光して所定の空間的な周期で異なる波長域の光を射出するホログラムを用い、光源からスクリーンに至る光路中に、前記ホログラムで分光された赤色、緑色、青色の光が隣接する分色画素に入射することにより起こるクロストークによって赤色、緑色、青色の少なくとも1色を濁らせる波長域の透過率が5%以下のカットフィルターを配置し、かつ、前記カラー液晶表示装置の出射側近傍にフィールドレンズを配置したことを特徴とするホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  2. 前記ホログラムの分散角が±15°以下であることを特徴とする請求項1記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  3. 前記フィールドレンズが、フレネルレンズからなることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  4. 光源からスクリーンに至る光路中に、430nm以下の波長の透過率が5%以下の短波長カットフィルターを配置したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  5. 光源からスクリーンに至る光路中に、660nm以上の波長の透過率が5%以下の長波長カットフィルターを配置したことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  6. 光源からスクリーンに至る光路中に、波長490nm〜510nmの間の波長の透過率が5%以下の帯域カットフィルターを配置したことを特徴とする請求項4又は5記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  7. 光源からスクリーンに至る光路中に、波長570nm〜590nmの間の波長の透過率が5%以下の帯域カットフィルターを配置したことを特徴とする請求項4から6の何れか1項記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  8. 前記帯域カットフィルターが、ホログラム型の反射フィルターであることを特徴とする請求項6又は7記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  9. 前記ホログラムを前記カラー液晶表示装置の入射側の偏光板より光源側に配置したことを特徴とする請求項1からの何れか1項記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
  10. 前記ホログラムの照明光の平行度が、その進行方向に対して±6°以内の成分が80%以上であることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載のホログラムカラーフィルターを用いた液晶投影表示装置。
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