JPH08146419A - ホログラムを用いた液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】カラーフィルター１のバックライト２入射側
に、液晶表示装置の１画素を構成する３色のカラーフィ
ルターセルＲ、Ｇ、Ｂの組各々に対応して、各色対応の
単位ホログラム３Ｒ、３Ｇ、３Ｂから構成された透過型
ホログラム３を、この単位ホログラムの一組がカラーフ
ィルター１の画素ピッチと同じピッチで周期的に配され
るように配置した液晶表示装置。 【効果】バックライトをより効率的に利用して、表示装
置としての表示輝度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置に関する
ものであり、特に、ホログラムを用いてバックライトの
利用効率を改善し、表示輝度の向上を図ったカラー液晶
表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、液晶表示装置においては、表示の
ためにバックライトを用いることが多く、さらにカラー
表示にはカラーフィルターを用いている。しかしなが
ら、カラー液晶表示素子の背後から白色光をそのまま照
射しただけでは、各画素へ入射する白色光のうち、Ｒ
（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）のカラーフィルターを透過
する色成分が制限されてしまうので、その他の補色成分
は無駄となってしまい、その利用効率は非常に低い。

【０００３】このため、図２に示すように、例えばマイ
クロレンズアレー４をカラーフィルター１の前面に設置
し、白色光のバックライト２をそれぞれカラーフィルタ
ーセルＲ、Ｇ、Ｂへ集光させるようにすることにより、
バックライト２の利用効率を上げる方法が従来より知ら
れている。

【０００４】しかしながら、上記方法では、バックライ
ト２を各カラーフィルターセルＲ、Ｇ、Ｂへ集光するも
のであるため、補色成分を有効に使用しておらず、上記
の問題の解決はできない。また、マイクロレンズアレー
は高価であり、表示装置全体の厚みが増すという問題点
があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、特開平６−２
２２３６１号公報や特開平６−２２２３６２号公報に、
カラーフィルターとバックライトとの間にホログラムを
介し、ホログラムによってバックライトからの白色光を
分光して、各カラーフィルターセルに効率よく光を照射
させることが提案されている。

【０００６】ところが、これらの公報に開示されている
手段では、バックライトの波長成分を無駄なく利用して
はいるものの、各カラーフィルターセルによって入射す
る光の角度がまちまちで、バックライトの利用の仕方は
必ずしも効率的とはいえなかった。

【０００７】本発明の目的は、上記の点に鑑みて、バッ
クライトをより効率的に利用して、表示装置としての表
示輝度を向上させることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のホログラムを用いた液晶表示装置は、隣接する液晶
セルに対して異なる色のカラーフィルターセルを周期的
に配置し、背後からホログラムを介してバックライトを
照射してカラー表示を行う液晶表示装置において、前記
ホログラムは、各カラーフィルターセルに対向するよう
に隣接して配された、各カラーフィルターセルに対応す
る単位ホログラムからなっていて、該単位ホログラム
は、対向するカラーフィルターセルに隣接したカラーフ
ィルターセルに対応する色の波長成分の光を、この隣接
カラーフィルターセルに向けて回折することを特徴とす
るものである。

【０００９】また、本発明のホログラムを用いた液晶表
示装置は、前記単位ホログラムを、前記カラーフィルタ
ーの各色のセルに対応した周期で配することが好まし
い。

【００１０】さらに、本発明のホログラムを用いた液晶
表示装置は、前記単位ホログラムを、対向するカラーフ
ィルターセルに対応する色の波長成分の光をこのカラー
フィルターに向けて垂直透過させ、対向するカラーフィ
ルターに隣接するカラーフィルターセルに向けてこのカ
ラーフィルターセルに対応する色の波長成分の光を回折
するホログラムとすることが好ましい。

【００１１】

【作用】本発明におけるホログラムは、各カラーフィル
ターセル毎に各々対応した単位ホログラムからなってい
る。そして本発明によれば、各単位ホログラムによっ
て、バックライトを分光して、バックライトの各波長成
分の光をそれぞれその波長成分に対応したカラーフィル
ターセルに入射させることができる。

【００１２】さらに、各カラーフィルターセル毎に対応
する波長成分の光を垂直に透過する、すなわち回折しな
い（０°の回折）単位ホログラムを対向させ、この単位
ホログラムを上記の対向するカラーフィルターセルに隣
接するカラーフィルターセルに向けて、この隣接カラー
フィルターセルに対応した波長成分の光を回折すること
によって、よりバックライトの利用効率が向上する。

【００１３】光の利用効率が高い要件として、カラーフ
ィルターに入射する光が垂直入射する点が挙げられる。
上記のように、各カラーフィルターセル毎に、各々対応
した単位ホログラムを対向配置することによって、その
対応する波長成分の光を垂直透過させて、もっとも利用
効率のよい状態で、カラーフィルターセルに対応した波
長成分の光を各カラーフィルターセルに照射させること
ができる。この際、対向カラーフィルターセルに対応し
ない波長成分の光は、この単位ホログラムによって隣接
カラーフィルターセルに向けて回折されるため、光の利
用に無駄がない。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１５】図１は、本発明における液晶表示装置の一
例を示す概略部分拡大図である。液晶表示装置のカラー
フィルター１のバックライト２入射側に透過型ホログラ
ム３を配置する。透過型ホログラム３は、液晶表示装置
の１画素を構成する３色のカラーフィルターセルＲ、
Ｇ、Ｂの組各々に対応して、各色対応の単位ホログラム
３Ｒ、３Ｇ、３Ｂから構成されており、この単位ホログ
ラムの一組はカラーフィルター１の画素ピッチと同じピ
ッチで周期的に構成されている。

【００１６】なお、図示しないが通常の液晶表示装置と
同様に、液晶セルはカラーフィルター１に近接して配さ
れている。一般には、この液晶セルはカラーフィルター
１のバックライト２の入射側と反対側に配されるもので
あるが、ほとんどカラーフィルター１に接するように配
される場合等には、この逆側に配されることもある。

【００１７】ここで、バックライト２の白色入射光は単
位ホログラム３Ｇにより赤の波長成分はθ１で、青の波
長成分はθ２で回折し、他の補色成分は透過する。その
ため、バックライト２の白色入射光の赤の波長成分はカ
ラーフィルターセルＲの方向に、青の成分はカラーフィ
ルターセルＢの方向にそれぞれ回折され、緑の成分を含
む補色成分はカラーフィルターセルＧに入射する。同様
に、バックライト２の白色入射光は単位ホログラム３Ｒ
では青の波長成分はθ１で、緑の波長成分はθ２で回折
し、他の補色成分は透過する。よって、バックライト２
の白色入射光の青の波長成分はカラーフィルターセルＢ
の方向に、緑の成分はカラーフィルターセルＧの方向に
それぞれ回折され、赤の成分を含む補色成分はカラーフ
ィルターセルＲに入射する。さらに、バックライト２の
白色入射光は単位ホログラム３Ｂにより緑の波長成分は
θ１で、赤の波長成分はθ２で回折し、他の補色成分は
透過する。

【００１８】そのため、バックライト２の白色入射光の
緑の波長成分はカラーフィルターセルＧの方向に、赤の
成分はカラーフィルターセルＲの方向にそれぞれ回折さ
れ、青の成分を含む補色成分はカラーフィルターセルＢ
に入射する。このようにして、対応する方向の液晶セル
の状態に応じた色表示を行う。

【００１９】このように、本発明においては、ホログラ
ム３に構成された単位ホログラム３Ｒ、３Ｇ、３Ｂによ
り、ホログラム３の背後に配置したカラーフィルター１
の各色セルＲ、Ｇ、Ｂへ対応する波長成分が入射するよ
うにし、これにより、従来のカラーフィルター用バック
ライトの各波長成分を無駄なく各色セルへ入射させるこ
とができ、しかも、もっとも効率のよい垂直透過光も充
分に利用することができる。

【００２０】本実施例では各色セルＲ、Ｇ、Ｂはそれぞ
れ１００μｍで、これら一組で一画素を構成し、周期的
に配置されているストライプタイプのカラーフィルター
を用い、カラーフィルター１とホログラム３の間隔を
１．１ｍｍ、回折角は法線に対してθ１＝θ２＝５．２
°とした。よって、ホログラム３に構成される単位ホロ
グラム３Ｒ、３Ｇ、３Ｂも上記カラーフィルター１に対
応して、それぞれ１００μｍで、周期的に配置されてい
る。

【００２１】ここで、単位ホログラム３Ｒはホログラム
３に対してほぼ平行光で垂直に照射したバックライト２
の青（４５０ｎｍ）をθ１で回折し、緑（５４５ｎｍ）
をθ２で回折する。同様に、単位ホログラム３Ｇはバッ
クライト２の赤（６１０ｎｍ）をθ１で、青（４５０ｎ
ｍ）をθ２で回折する。さらに、単位ホログラム３Ｂは
バックライト２の緑（５４５ｎｍ）をθ１で回折し、赤
（６１０ｎｍ）をθ２で回折する。

【００２２】ホログラム３は、感光材料としてフォトポ
リマーの膜厚９μｍ、屈折率差Δｎ０．０４のものを用
い、光源として、アルゴンレーザー、クリプトンレーザ
ー、色素レーザーを用いた。

【００２３】ホログラム３を作製にあたっては、幅１０
０μｍ長さ１５０ｍｍの開口が３００μｍの周期で構成
されているクロム蒸着マスクをフォトポリマーたる感光
材料に密接配置し、カラーフィルター１のＧに対応する
単位ホログラム３Ｇを作製するときには青、赤２色の平
行なレーザー光２光束２組で同時露光し、次にマスクを
カラーフィルター１のセルの幅分である１００μｍ動か
して、カラーフィルター１のＢに対応する単位ホログラ
ム３Ｂを作製するため、緑、赤２色の平行なレーザー光
２光束２組で同時露光し、さらにマスクを１００μｍ動
かして、カラーフィルター１のＲに対応する単位ホログ
ラム３Ｒを作製するため、緑、青２色の平行なレーザー
光２光束２組で同時露光した。

【００２４】本実施例におけるホログラム３としては、
アクリル系のフォトポリマーであり、リップマンタイプ
の体積・位相型のホログラムを用いた。ホログラム材料
としては、上記の他にポリビニルカルバゾール系などの
フォトポリマー、重クロム酸ゼラチン、光レジスト、銀
塩など公知のホログラム感光材料を用いることができ、
ホログラムとしては、リップマンタイプ等の体積・位相
型のホログラムが高い回折効率を得られるという点で望
ましい。また、２光束干渉によって記録したものに限ら
ず、所望のホログラム干渉縞を計算機によって計算し、
電子ビーム等によって描画して作製する計算機ホログラ
ム（ＣＧＨ：Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｇｅｎｅｒａｔｅｄ
Ｈｏｌｏｇｒａｍ）を用いてもよい。

【００２５】以上の実施例では、ストライプタイプのカ
ラーフィルターを用いたがこれに捕らわれず、デルタタ
イプ、モザイクタイプのカラーフィルターにも応用可能
である。また、バックライトの種類、波長特性により回
折波長を変更することも可能であり、本発明はこれら実
施例に限定されず種々の変形が可能である。

【００２６】

【発明の効果】上記のように、本発明のホログラムを用
いた液晶表示装置によると、隣接する液晶セルに対して
異なる色のカラーフィルターセルを周期的に配置し、背
後からバックライトを照射してカラー表示を行う液晶表
示装置において、カラーフィルターとバックライトの間
にホログラムを配置し、該ホログラムは前記カラーフィ
ルターの各色のセルに対応した単位ホログラムからな
り、該単位ホログラムは隣接したカラーフィルターのセ
ルに対応する色の波長成分を回折するようにしたので、
バックライトの各波長成分を無駄なく各色セルへ入射さ
せることができるため、その利用効率を改善し、表示輝
度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における液晶表示装置の一例を示す概略
部分拡大図

【図２】従来の液晶表示装置の構成の一例を示す概略部
分拡大図

【符号の説明】

１：カラーフィルター ２：バックライト ３：透過型ホログラム ３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ：単位ホログラム ４：ブラックマトリックス ５：マイクロレンズ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】隣接する液晶セルに対して異なる色のカラ
   ーフィルターセルを周期的に配置し、背後からホログラ
   ムを介してバックライトを照射してカラー表示を行う液
   晶表示装置において、前記ホログラムは、各カラーフィ
   ルターセルに対向するように隣接して配された、各カラ
   ーフィルターセルに対応する単位ホログラムからなって
   いて、該単位ホログラムは、対向するカラーフィルター
   セルに隣接したカラーフィルターセルに対応する色の波
   長成分の光を、この隣接カラーフィルターセルに向けて
   回折することを特徴とするホログラムを用いた液晶表示
   装置。
2. 【請求項２】前記単位ホログラムは前記カラーフィルタ
   ーの各色のセルに対応した周期で配されていることを特
   徴とする請求項１のホログラムを用いた液晶表示装置。
3. 【請求項３】前記単位ホログラムは、対向するカラーフ
   ィルターセルに対応する色の波長成分の光をこのカラー
   フィルターに向けて垂直透過させ、対向するカラーフィ
   ルターに隣接するカラーフィルターセルに向けてこのカ
   ラーフィルターセルに対応する色の波長成分の光を回折
   することを特徴とする請求項１または２のホログラムを
   用いた液晶表示装置。