JP3722159B2 - ディーゼル機関用制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディーゼル機関の始動性を向上させるグローシステムをマイクロコンピュータにより制御するようにしたディーゼル機関用制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディーゼル機関に用いられるグローシステムは、ディーゼル機関の副燃焼室にグロープラグを取り付けて、始動前に燃焼室内をグロープラグにより予熱して燃料の着火を容易にすると共に、運転者へ予熱中である事をしらせるため、運転席のインストルメントパネルに設けられたグローランプを点灯させるようにしている。従って、ディーゼル機関を始動させる場合には、運転者は、イグニッションスイッチのオン後に点灯したグローランプが消灯するのを待って、スタータへの通電を行うようにしている。
【0003】
従来のグローシステム制御回路の一例を図7及び図8に基づいて説明する。イグニッションスイッチ11がオンされると、メインリレー駆動回路12に通電されてメインリレー13がオンし、バッテリ14の電力が電源回路15を介してマイクロコンピュータ16に供給される(以下「パワーオン」という)。これにより、マイクロコンピュータ16が起動し、グローランプ駆動回路18に駆動信号を出力してグローランプ19を点灯させると共に、グロープラグリレー駆動回路20に駆動信号を出力して、グロープラグリレー21をオンさせ、グロープラグ22に通電して燃焼室内を予熱する。所定時間経過後、マイクロコンピュータ16は、グローランプ19を消灯し、運転者へ始動可能であることを知らせる。その後、所定時間経過後、グロープラグ22への通電を終了する。
【0004】
上記マイクロコンピュータ16は、イグニッションスイッチ11の信号をイグニッションスイッチ入力回路17を介して読み込むイグニッションスイッチポートI1 と、パワーオン判定ポートI2 を備えている。イグニッションスイッチポートI1 は、イグニッションスイッチ11のオン/オフの判定に使用され、メインリレー13の制御のために用いられる。メインリレー13の制御は、イグニッションスイッチ11がオン状態からオフ(パワーオフ)されたときに、マイクロコンピュータ16への電力供給を所定時間自己保持するための制御である。
【0005】
一方、パワーオン判定ポートI2 は、グローランプ19の誤点灯を防止するためのポートであり、電源回路15の出力側に直列接続されたパワーオン判定回路23の出力を読み込み、パワーオンによりマイクロコンピュータ16が起動されたか、それとも、パワーオン以外の理由(例えばエンジン始動時の一時的な電源電圧の低下)によりマイクロコンピュータ16にリセットがかかったかを判別するために使用される。このパワーオン判定ポートI2 の入力レベル(パワーオン判定回路23の出力レベル)は、図8に示すように、パワーオンと同時にハイレベルに反転し、その後、マイクロコンピュータ16の正常動作中にマイクロコンピュータ16からウォッチドッグ回路24に出力されるウォッチドッグクリア信号がハイレベルからローレベルに反転すると、パワーオン判定回路23の出力レベル(パワーオン判定ポートI2 の入力レベル)はローレベルに反転し、以後、イグニッションスイッチ11のオン中はローレベル状態に維持される。従って、パワーオン判定ポートI2 の入力レベルがローレベル状態のときには、たとえ、一時的な電源電圧の低下等によりマイクロコンピュータ16にリセットがかかったとしても、パワーオンとは判定せず、グローランプ22を消灯状態に保ち、グローランプ22の誤点灯を防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の車両では、消費者ニーズの多様化に応じて種々の仕様が追加され、それに伴ってマイクロコンピュータ16の必要な入出力ポート数も増加する傾向にある。しかし、ポート数の増加は、マイクロコンピュータ16の仕様変更や高価格化を招くため、なるべくポート数を増加させずに多機能化することが要求されている。この要求を満たすには、従来より少ないポート数で従来と同じグロー制御を行わせる必要がある。
【0007】
上述した従来の制御回路では、パワーオフ後もマイクロコンピュータ16への電力供給を所定時間自己保持するために用いられるイグニッションスイッチポートI1 と、グローランプ19の誤点灯を防止するために用いられるパワーオン判定ポートI2 との2つの入力ポートが必要となるが、これら2つの機能を1つのポートで実現できれば、余ったポートを使用して新たな機能を追加することができ、ポート数を増加させずに多機能化することが可能となる。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、従来より少ないポート数で従来と同じグロー制御を行わせることができて、ポート数を増加させずに多機能化することができ、低コスト化と多機能化とを両立させることができるディーゼル機関用制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のディーゼル機関用制御装置は、バッテリからメインリレーを介して電力が供給されるマイクロコンピュータを備え、このマイクロコンピュータによって、イグニッションスイッチのオフからオンへの切替を検出してグローシステムを制御すると共に、前記イグニッションスイッチのオンからオフへの切替を検出してその切替時点から所定時間だけ自身への電力供給を継続させるように前記メインリレーを自己保持するものにおいて、前記イグニッションスイッチに直列接続され、該イグニッションスイッチのオフからオンへの切替によりパワーオン信号を発生するイグニッションスイッチ入力回路と、前記イグニッションスイッチ入力回路の出力端子と前記マイクロコンピュータの所定の入力ポートとの間に直列接続され、前記イグニッションスイッチ入力回路から出力されるパワーオン信号により出力信号が第2レベルになり、その後前記マイクロコンピュータの出力信号により前記第2レベルから第1レベルに反転するパワーオン判定回路とを備え、前記マイクロコンピュータは、前記パワーオン判定回路の出力信号に基づいて前記グローシステム及び前記メインリレーを制御するように構成されている。
【0010】
具体的には、請求項2のように、前記マイクロコンピュータは、電源投入直後に実行するイニシャル処理により前記パワーオン判定回路の出力信号に基づいて前記イグニッションスイッチのオフからオンへの切替を判定し、前記マイクロコンピュータの出力信号により前記パワーオン判定回路の出力信号が前記第2レベルから前記第1レベルに反転した後は、イニシャル処理後に起動されるルーチンにより前記パワーオン判定回路の出力信号の前記第2レベルへの反転を監視することで前記イグニッションスイッチのオンからオフへの切替を判定するようにすれば良い。
【0011】
【作用】
ところで、図7に示す従来の制御回路において、イグニッションスイッチポートI1 とパワーオン判定ポートI2 は、いずれもパワーオンとパワーオフに関連する情報をマイクロコンピュータ16に入力するポートであり、両ポートI1 ,I2 は使用するタイミングが異なる。この点に着目して、本発明は、イグニッションスイッチポートI1 とパワーオン判定ポートI2 とを共通化し、1つのポートで、パワーオンとパワーオン以外の理由によるリセットとを判別する情報と、パワーオフ時にマイクロコンピュータ16への電力供給を所定時間自己保持するための情報の双方を取り込めるようにしたものである。
【0012】
即ち、請求項1では、イグニッションスイッチに直列接続されたイグニッションスイッチ入力回路の出力端子とマイクロコンピュータの所定の入力ポートとの間にパワーオン判定回路を直列接続した構成となっている。この構成では、イグニッションスイッチがオンされると、イグニッションスイッチ入力回路からパワーオン判定回路にパワーオン信号が出力され、それに伴ってパワーオン判定回路の出力信号が第1レベルから第2レベルに反転する。マイクロコンピュータは、この信号レベルを監視してイグニッションスイッチのオフからオンへの切替(パワーオン)を判定し、グローシステムを制御する。その後、マイクロコンピュータの正常動作中に出力される信号によりパワーオン判定回路の出力信号は第2レベルから第1レベルに復帰し、以後、イグニッションスイッチがオン状態からオフ(パワーオフ)に切り替えられるまで第1レベルに保持される。その後、パワーオフされると、パワーオン判定回路の出力信号が再び第1レベルから第2レベルに反転する。マイクロコンピュータは、この信号レベルの反転を監視してパワーオフを判定し、パワーオフ後にメインリレーを所定時間自己保持させる。
【0013】
ところで、本発明では、パワーオン判定回路の出力信号が第2レベルになるタイミングは、パワーオン当初とパワーオフ時の2通り存在するため、これらを区別する必要がある。この場合、パワーオンの判定は、パワーオン当初に1回行うだけで良く、また、パワーオン後にマイクロコンピュータの正常動作中に出力される信号によりパワーオン判定回路の出力信号が第2レベルから第1レベルに復帰するため、パワーオンの判定が遅れると、パワーオンを誤判定するおそれがある。
【0014】
このような事情を考慮し、請求項2では、マイクロコンピュータは、電源投入直後に実行するイニシャル処理によりパワーオンを判定する。イニシャル処理は電源投入直後に1回実行されるだけであるので、電源投入直後にパワーオンを正確に判定することができる。そして、マイクロコンピュータの正常動作中に出力される信号によりパワーオン判定回路の出力信号が第2レベルから第1レベルに復帰した後は、イニシャル処理後に起動されるルーチンによりパワーオン判定回路の出力信号の第2レベルへの反転を監視することでパワーオフを判定する。このように、パワーオンの判定を電源投入直後に実行されるイニシャル処理により行い、パワーオフの判定をイニシャル処理後に起動されるルーチンにより行うことで、パワーオンとパワーオフとの判別を正確に行うことができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。バッテリ31の正端子側にイグニッションスイッチ32が接続され、このイグニッションスイッチ32がグローシステムの制御回路33に内蔵されたイグニッションスイッチ入力回路34に接続されている。また、イグニッションスイッチ32には、OR回路35とメインリレー駆動回路36を介してメインリレー37のコイル37aが接続されている。このメインリレー駆動回路36によって駆動されるメインリレー37のスイッチ37bは、バッテリ31の正端子と制御回路33内の電源回路38との間に接続され、メインリレー37のスイッチ37bがオンすると、バッテリ31の電圧(14V)が電源回路38で5Vの直流電圧VCに変換されてマイクロコンピュータ39に電源として供給される。
【0016】
また、制御回路33内には、マイクロコンピュータ39の動作を監視するウォッチドッグ回路40が内蔵されている。このウォッチドッグ回路40は、マイクロコンピュータ39の正常動作中にマイクロコンピュータ39から出力されるウォッチドッグクリア信号に基づいてマイクロコンピュータ39の正常/異常を判定し、異常時にはマイクロコンピュータ39にリセット信号を出力する。
【0017】
マイクロコンピュータ39の出力ポートP1 は、グローランプ駆動回路41に接続されている。このグローランプ駆動回路41は、PNP型トランジスタ42のコレクタにNPN型トランジスタ43のベースを接続して構成され、NPN型トランジスタ43のコレクタと電源端子14Vとの間にグローランプ44が接続されている。また、マイクロコンピュータ39の出力ポートP2 は、グロープラグリレー駆動回路45に接続されている。このグロープラグリレー駆動回路45は、保護回路46にPNP型トランジスタ47のベースを接続して構成され、PNP型トランジスタ47のコレクタにグロープラグリレー48のコイル48aが接続されている。このグロープラグリレー48のスイッチ48bにはグロープラグ49が接続され、バッテリ31からこのスイッチ48bを介してグロープラグ49に通電されるようになっている。また、マイクロコンピュータ39の出力ポートP3 は、OR回路35の一方の入力端子に接続されている。この出力ポートP3 は、パワーオン後にハイレベルに反転し、パワーオフ後も所定時間(例えば2秒間)だけハイレベルに維持される。
【0018】
一方、イグニッションスイッチ32に直列接続されたイグニッションスイッチ入力回路34は、ダイオード50に2つの抵抗51,52を介してバッファ53を直列接続して構成され、前段の抵抗51とグランド端子との間にプルダウン抵抗54とチャタリングノイズ吸収用の小容量のコンデンサ55とが並列接続されている。上記バッファ53は、マイクロコンピュータ39がリセットされるような低電圧でも動作できるように構成され、イグニッションスイッチ32のオン時は、バッファ53の内部の出力トランジスタ(図示せず)がオフ状態となり、バッファ53の内部のプルアップ抵抗(図示せず)によりバッファ53の出力がハイレベルとなるように構成されている。この構成により、イグニッションスイッチ32がオンされると同時にイグニッションスイッチ入力回路34のバッファ53からハイレベルのパワーオン信号が出力される。
【0019】
このイグニッションスイッチ入力回路34の出力端子とマイクロコンピュータ39の共用ポートIとの間にパワーオン判定回路56が直列接続されている。このパワーオン判定回路56は、CR積分回路57とRSフリップフロップ58とから構成されている。CR積分回路57は、イグニッションスイッチ入力回路34の出力端子とグランド端子との間に抵抗59とコンデンサ60とを直列接続して構成され、イグニッションスイッチ入力回路34から入力されるパワーオン信号をディレイさせてRSフリップフロップ58のセット端子に入力させる役割を果たす。このようなCR積分回路57によるパワーオン信号のディレイは、パワーオン時にRSフリップフロップ58の出力をハイレベルに確定するために必要となる。また、RSフリップフロップ58は、2つのNAND回路61,62を接続して構成され、マイクロコンピュータ39がリセットされるような低電圧でもデータ保持可能なように例えばCMOS論理回路で構成されている。このRSフリップフロップ58のリセット端子にはマイクロコンピュータ39からウォッチドッグクリア信号が入力され、該RSフリップフロップ58の出力端子はマイクロコンピュータ39の共用ポートIに接続されている。
【0020】
以上のように構成されたグローシステムの制御回路33の作動について、図2に示すタイムチャートと図3〜図6のフローチャートも用いて説明する。イグニッションスイッチ32がオンされると、OR回路35の出力がハイレベルになってメインリレー駆動回路36が作動し、メインリレー37のスイッチ37bがオンして、電源回路38から電源電圧VC(5V)がマイクロコンピュータ39に供給され、マイクロコンピュータ39が起動される。更に、イグニッションスイッチ32がオンされて、イグニッションスイッチ入力回路34にバッテリ31の電圧が印加されると、イグニッションスイッチ入力回路34からパワーオン判定回路56へパワーオン信号が出力される。このパワーオン判定回路56では、入力されるパワーオン信号をCR積分回路57でディレイさせてRSフリップフロップ58のセット端子に入力し、RSフリップフロップ58の出力レベルをハイレベルに反転させ、マイクロコンピュータ39の共用ポートIの入力レベルをハイレベルに反転させる。
【0021】
上述したマイクロコンピュータ39への電源投入直後(パワーオン直後)に、マイクロコンピュータ39は、まず、図3及び図5に示すイニシャル処理を実行する。図3はグローランプ44の誤点灯防止のためのイニシャル処理であり、まず、ステップ101で、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)を判定し、ハイレベル(H)であれば、イグニッションスイッチ32のオフからオンへの切替(パワーオン)と判定して、ステップ102に進み、フラグを「1」にセットする。このフラグは、後述する処理でグローランプ44の点灯時間を計算するか否かを判定するために用いられる。一方、ステップ101で、共用ポートIの入力レベルがローレベル(L)の場合には、パワーオン以外と判定し、ステップ103に進み、フラグを「0」にセットする。このようにして、ステップ102又は103で、フラグを「1」又は「0」にセットした後、ステップ104に進み、ウォッチドッグクリア信号をハイレベルからローレベルに反転させて、パワーオン判定回路56の出力レベルをハイレベルからローレベルに反転させる。
【0022】
一方、図5はメインリレー37の制御のためのイニシャル処理であり、ステップ201で、出力ポートP3 からOR回路35にメインリレーオン信号(ハイレベル信号)を出力する。
【0023】
以上説明したイニシャル処理では、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)は、パワーオンを判定するために用いられるが、イニシャル処理終了後は、イグニッションスイッチ32のオンからオフへの切替(パワーオフ)を判定するために用いられる。即ち、イニシャル処理終了後は、共用ポートIの入力レベルがローレベルであると、イグニッションスイッチ32がオン状態であると判定され、共用ポートIの入力レベルがハイレベルに反転すると、イグニッションスイッチ32がオフ(パワーオフ)に切り替えられたと判定される。
【0024】
イニシャル処理終了後、図4のグローランプ制御ルーチンが周期的に起動される。このルーチンでは、まず、ステップ111で、フラグが「1」か「0」かを判定し、「1」の場合、つまりパワーオンの場合には、ステップ112に進み、エンジン冷却水温に応じてグローランプ44の点灯時間を計算し、その値をカウンタにストアした後、ステップ113に進み、フラグを「0」にリセットする。一方、ステップ111で、フラグが「0」の場合、つまり、グローランプ44の点灯時間の計算終了後に本ルーチンが再び起動された場合には、ステップ114に進み、カウンタのカウント値が0か否かを判定し、0でなければ、ステップ115に進んでグローランプ44を点灯し若しくは点灯を継続し、ステップ116に進んで、カウンタのカウント値を1デクリメントする。その後、グローランプ44の点灯時間が上述したステップ112で計算した時間に達すると、カウンタのカウント値が0になり、ステップ114からステップ117へ進んで、グローランプ44を消灯する。
【0025】
マイクロコンピュータ39は、前述したようにイニシャル処理のステップ104で、ウォッチドッグクリア信号をハイレベルからローレベルに反転させることにより、パワーオン判定回路56の出力レベルをハイレベルからローレベルに反転させるので、イニシャル処理終了後は図2に示すように共用ポートIの入力レベルはローレベルに維持される。
【0026】
そして、グローランプ44の消灯後に、例えばスタータオン等による一時的な電源電圧の低下によりマイクロコンピュータ16にリセットがかかると、再度イニシャル処理が行われるが、この場合には、共用ポートIの入力レベルはローレベルに維持されているので、パワーオンとは判定されず、ステップ103で、フラグが「0」にセットされる。このため、スタータオン等によるリセットがあっても、図4のグローランプ制御ルーチンでは、ステップ111からステップ114へと進み、グローランプ44の点灯中のリセットであれば、そのまま点灯を継続するが(ステップ115,116)、消灯後のリセットであれば、ステップ114からステップ117へと進み、消灯状態を維持して、誤点灯を防ぐ。
【0027】
以上、グローランプ44の誤点灯防止について説明したが、エンジンの始動補助に使用されるグロープラグ49の制御についても同様の処理により誤通電を防止するようにプログラムされている。
【0028】
一方、図6に示すメインリレー制御ルーチンも、イニシャル処理終了後に周期的に起動される。このルーチンでは、まず、ステップ211で、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)を判定し、ローレベルの場合はイグニッションスイッチ32がオン状態であると判定され、ステップ213に進んで、メインリレー37をオン状態に保持する。その後、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)がハイレベルに反転すると、イグニッションスイッチ32がオン状態からオフ(パワーオフ)に切り替えられたと判定され、ステップ211からステップ212に進み、イグニッションスイッチ32のオフ後、例えば2秒経過したか否かを判定し、2秒経過していなければ、ステップ213に進み、引き続き出力ポートP3 の出力レベルをハイレベルに維持してOR回路35の出力レベルをハイレベルに維持し、メインリレー37をオン状態に保持する。その後、2秒経過した時点で、ステップ212からステップ214に進み、出力ポートP3 の出力レベルをローレベルに反転させて、OR回路35の出力レベルをローレベルに反転させ、メインリレー37をオフさせる。
【0029】
尚、パワーオフ後のメインリレー37のオン保持期間中に、イグニッションスイッチ32がオフからオンに切り替えられた場合には、グローランプ44を点灯すると共に、グロープラグ49に通電して始動を補助するようにするようにプログラムされている。
【0030】
以上説明した実施例では、イグニッションスイッチ32のオン直後にパワーオン判定回路56の出力レベルがローレベル(第1レベル)からハイレベル(第2レベル)に反転し、その後、ウォッチドッグクリア信号によりハイレベル(第2レベル)からローレベル(第1レベル)に反転するようになっているが、これとはハイ/ローの関係を反対にした回路構成(例えばRSフリップフロップ58のNAND回路62の出力端子を共用ポートIに接続した構成)にしても良い。また、ウォッチドッグクリア信号の代わりに他の信号を使用しても良い。
【0031】
その他、本発明は、パワーオフ後のメインリレー37のオン保持時間についても2秒に限定されず、これを適宜の時間に設定しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1の構成によれば、イグニッションスイッチ入力回路の出力側にパワーオン判定回路を直列接続することで、従来のイグニッションスイッチポートとパワーオン判定ポートとを共通化し、1つの共用ポートで、パワーオンとパワーオン以外の理由によるリセットとを判別する情報と、パワーオフ時にマイクロコンピュータへの電力供給を所定時間自己保持するための情報の双方を取り込めるようにしたので、従来よりも1つ少ないポート数で従来と同じグロー制御を実現することができ、余ったポートを使用して新たな機能を追加することができて、ポート数を増加させずに多機能化することが可能となり、低コスト化と多機能化とを両立させることができる。
【0033】
しかも、請求項2では、パワーオンの判定を電源投入直後に実行されるイニシャル処理により行い、パワーオフの判定をイニシャル処理後に起動されるルーチンにより行うようにしたので、1つの共用ポートから取り込む情報によってパワーオンとパワーオフとの判別を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すグローシステムの制御回路の電気回路図
【図2】制御回路の各部の出力波形を示すタイムチャート
【図3】グローランプ制御のイニシャル処理を示すフローチャート
【図4】グローランプ制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】メインリレー制御のイニシャル処理を示すフローチャート
【図6】メインリレー制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図7】従来のグローシステムの制御回路の電気回路図
【図8】従来の制御回路の各部の出力波形を示すタイムチャート
【符号の説明】
31…バッテリ、32…イグニッションスイッチ、33…制御回路、34…イグニッションスイッチ入力回路、37…メインリレー、38…電源回路、39…マイクロコンピュータ、40…ウォッチドッグ回路、44…グローランプ、49…グロープラグ、56…パワーオン判定回路、57…CR積分回路、58…RSフリップフロップ。
【産業上の利用分野】
本発明は、ディーゼル機関の始動性を向上させるグローシステムをマイクロコンピュータにより制御するようにしたディーゼル機関用制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディーゼル機関に用いられるグローシステムは、ディーゼル機関の副燃焼室にグロープラグを取り付けて、始動前に燃焼室内をグロープラグにより予熱して燃料の着火を容易にすると共に、運転者へ予熱中である事をしらせるため、運転席のインストルメントパネルに設けられたグローランプを点灯させるようにしている。従って、ディーゼル機関を始動させる場合には、運転者は、イグニッションスイッチのオン後に点灯したグローランプが消灯するのを待って、スタータへの通電を行うようにしている。
【0003】
従来のグローシステム制御回路の一例を図7及び図8に基づいて説明する。イグニッションスイッチ11がオンされると、メインリレー駆動回路12に通電されてメインリレー13がオンし、バッテリ14の電力が電源回路15を介してマイクロコンピュータ16に供給される(以下「パワーオン」という)。これにより、マイクロコンピュータ16が起動し、グローランプ駆動回路18に駆動信号を出力してグローランプ19を点灯させると共に、グロープラグリレー駆動回路20に駆動信号を出力して、グロープラグリレー21をオンさせ、グロープラグ22に通電して燃焼室内を予熱する。所定時間経過後、マイクロコンピュータ16は、グローランプ19を消灯し、運転者へ始動可能であることを知らせる。その後、所定時間経過後、グロープラグ22への通電を終了する。
【0004】
上記マイクロコンピュータ16は、イグニッションスイッチ11の信号をイグニッションスイッチ入力回路17を介して読み込むイグニッションスイッチポートI1 と、パワーオン判定ポートI2 を備えている。イグニッションスイッチポートI1 は、イグニッションスイッチ11のオン/オフの判定に使用され、メインリレー13の制御のために用いられる。メインリレー13の制御は、イグニッションスイッチ11がオン状態からオフ(パワーオフ)されたときに、マイクロコンピュータ16への電力供給を所定時間自己保持するための制御である。
【0005】
一方、パワーオン判定ポートI2 は、グローランプ19の誤点灯を防止するためのポートであり、電源回路15の出力側に直列接続されたパワーオン判定回路23の出力を読み込み、パワーオンによりマイクロコンピュータ16が起動されたか、それとも、パワーオン以外の理由(例えばエンジン始動時の一時的な電源電圧の低下)によりマイクロコンピュータ16にリセットがかかったかを判別するために使用される。このパワーオン判定ポートI2 の入力レベル(パワーオン判定回路23の出力レベル)は、図8に示すように、パワーオンと同時にハイレベルに反転し、その後、マイクロコンピュータ16の正常動作中にマイクロコンピュータ16からウォッチドッグ回路24に出力されるウォッチドッグクリア信号がハイレベルからローレベルに反転すると、パワーオン判定回路23の出力レベル(パワーオン判定ポートI2 の入力レベル)はローレベルに反転し、以後、イグニッションスイッチ11のオン中はローレベル状態に維持される。従って、パワーオン判定ポートI2 の入力レベルがローレベル状態のときには、たとえ、一時的な電源電圧の低下等によりマイクロコンピュータ16にリセットがかかったとしても、パワーオンとは判定せず、グローランプ22を消灯状態に保ち、グローランプ22の誤点灯を防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の車両では、消費者ニーズの多様化に応じて種々の仕様が追加され、それに伴ってマイクロコンピュータ16の必要な入出力ポート数も増加する傾向にある。しかし、ポート数の増加は、マイクロコンピュータ16の仕様変更や高価格化を招くため、なるべくポート数を増加させずに多機能化することが要求されている。この要求を満たすには、従来より少ないポート数で従来と同じグロー制御を行わせる必要がある。
【0007】
上述した従来の制御回路では、パワーオフ後もマイクロコンピュータ16への電力供給を所定時間自己保持するために用いられるイグニッションスイッチポートI1 と、グローランプ19の誤点灯を防止するために用いられるパワーオン判定ポートI2 との2つの入力ポートが必要となるが、これら2つの機能を1つのポートで実現できれば、余ったポートを使用して新たな機能を追加することができ、ポート数を増加させずに多機能化することが可能となる。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、従来より少ないポート数で従来と同じグロー制御を行わせることができて、ポート数を増加させずに多機能化することができ、低コスト化と多機能化とを両立させることができるディーゼル機関用制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のディーゼル機関用制御装置は、バッテリからメインリレーを介して電力が供給されるマイクロコンピュータを備え、このマイクロコンピュータによって、イグニッションスイッチのオフからオンへの切替を検出してグローシステムを制御すると共に、前記イグニッションスイッチのオンからオフへの切替を検出してその切替時点から所定時間だけ自身への電力供給を継続させるように前記メインリレーを自己保持するものにおいて、前記イグニッションスイッチに直列接続され、該イグニッションスイッチのオフからオンへの切替によりパワーオン信号を発生するイグニッションスイッチ入力回路と、前記イグニッションスイッチ入力回路の出力端子と前記マイクロコンピュータの所定の入力ポートとの間に直列接続され、前記イグニッションスイッチ入力回路から出力されるパワーオン信号により出力信号が第2レベルになり、その後前記マイクロコンピュータの出力信号により前記第2レベルから第1レベルに反転するパワーオン判定回路とを備え、前記マイクロコンピュータは、前記パワーオン判定回路の出力信号に基づいて前記グローシステム及び前記メインリレーを制御するように構成されている。
【0010】
具体的には、請求項2のように、前記マイクロコンピュータは、電源投入直後に実行するイニシャル処理により前記パワーオン判定回路の出力信号に基づいて前記イグニッションスイッチのオフからオンへの切替を判定し、前記マイクロコンピュータの出力信号により前記パワーオン判定回路の出力信号が前記第2レベルから前記第1レベルに反転した後は、イニシャル処理後に起動されるルーチンにより前記パワーオン判定回路の出力信号の前記第2レベルへの反転を監視することで前記イグニッションスイッチのオンからオフへの切替を判定するようにすれば良い。
【0011】
【作用】
ところで、図7に示す従来の制御回路において、イグニッションスイッチポートI1 とパワーオン判定ポートI2 は、いずれもパワーオンとパワーオフに関連する情報をマイクロコンピュータ16に入力するポートであり、両ポートI1 ,I2 は使用するタイミングが異なる。この点に着目して、本発明は、イグニッションスイッチポートI1 とパワーオン判定ポートI2 とを共通化し、1つのポートで、パワーオンとパワーオン以外の理由によるリセットとを判別する情報と、パワーオフ時にマイクロコンピュータ16への電力供給を所定時間自己保持するための情報の双方を取り込めるようにしたものである。
【0012】
即ち、請求項1では、イグニッションスイッチに直列接続されたイグニッションスイッチ入力回路の出力端子とマイクロコンピュータの所定の入力ポートとの間にパワーオン判定回路を直列接続した構成となっている。この構成では、イグニッションスイッチがオンされると、イグニッションスイッチ入力回路からパワーオン判定回路にパワーオン信号が出力され、それに伴ってパワーオン判定回路の出力信号が第1レベルから第2レベルに反転する。マイクロコンピュータは、この信号レベルを監視してイグニッションスイッチのオフからオンへの切替(パワーオン)を判定し、グローシステムを制御する。その後、マイクロコンピュータの正常動作中に出力される信号によりパワーオン判定回路の出力信号は第2レベルから第1レベルに復帰し、以後、イグニッションスイッチがオン状態からオフ(パワーオフ)に切り替えられるまで第1レベルに保持される。その後、パワーオフされると、パワーオン判定回路の出力信号が再び第1レベルから第2レベルに反転する。マイクロコンピュータは、この信号レベルの反転を監視してパワーオフを判定し、パワーオフ後にメインリレーを所定時間自己保持させる。
【0013】
ところで、本発明では、パワーオン判定回路の出力信号が第2レベルになるタイミングは、パワーオン当初とパワーオフ時の2通り存在するため、これらを区別する必要がある。この場合、パワーオンの判定は、パワーオン当初に1回行うだけで良く、また、パワーオン後にマイクロコンピュータの正常動作中に出力される信号によりパワーオン判定回路の出力信号が第2レベルから第1レベルに復帰するため、パワーオンの判定が遅れると、パワーオンを誤判定するおそれがある。
【0014】
このような事情を考慮し、請求項2では、マイクロコンピュータは、電源投入直後に実行するイニシャル処理によりパワーオンを判定する。イニシャル処理は電源投入直後に1回実行されるだけであるので、電源投入直後にパワーオンを正確に判定することができる。そして、マイクロコンピュータの正常動作中に出力される信号によりパワーオン判定回路の出力信号が第2レベルから第1レベルに復帰した後は、イニシャル処理後に起動されるルーチンによりパワーオン判定回路の出力信号の第2レベルへの反転を監視することでパワーオフを判定する。このように、パワーオンの判定を電源投入直後に実行されるイニシャル処理により行い、パワーオフの判定をイニシャル処理後に起動されるルーチンにより行うことで、パワーオンとパワーオフとの判別を正確に行うことができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。バッテリ31の正端子側にイグニッションスイッチ32が接続され、このイグニッションスイッチ32がグローシステムの制御回路33に内蔵されたイグニッションスイッチ入力回路34に接続されている。また、イグニッションスイッチ32には、OR回路35とメインリレー駆動回路36を介してメインリレー37のコイル37aが接続されている。このメインリレー駆動回路36によって駆動されるメインリレー37のスイッチ37bは、バッテリ31の正端子と制御回路33内の電源回路38との間に接続され、メインリレー37のスイッチ37bがオンすると、バッテリ31の電圧(14V)が電源回路38で5Vの直流電圧VCに変換されてマイクロコンピュータ39に電源として供給される。
【0016】
また、制御回路33内には、マイクロコンピュータ39の動作を監視するウォッチドッグ回路40が内蔵されている。このウォッチドッグ回路40は、マイクロコンピュータ39の正常動作中にマイクロコンピュータ39から出力されるウォッチドッグクリア信号に基づいてマイクロコンピュータ39の正常/異常を判定し、異常時にはマイクロコンピュータ39にリセット信号を出力する。
【0017】
マイクロコンピュータ39の出力ポートP1 は、グローランプ駆動回路41に接続されている。このグローランプ駆動回路41は、PNP型トランジスタ42のコレクタにNPN型トランジスタ43のベースを接続して構成され、NPN型トランジスタ43のコレクタと電源端子14Vとの間にグローランプ44が接続されている。また、マイクロコンピュータ39の出力ポートP2 は、グロープラグリレー駆動回路45に接続されている。このグロープラグリレー駆動回路45は、保護回路46にPNP型トランジスタ47のベースを接続して構成され、PNP型トランジスタ47のコレクタにグロープラグリレー48のコイル48aが接続されている。このグロープラグリレー48のスイッチ48bにはグロープラグ49が接続され、バッテリ31からこのスイッチ48bを介してグロープラグ49に通電されるようになっている。また、マイクロコンピュータ39の出力ポートP3 は、OR回路35の一方の入力端子に接続されている。この出力ポートP3 は、パワーオン後にハイレベルに反転し、パワーオフ後も所定時間(例えば2秒間)だけハイレベルに維持される。
【0018】
一方、イグニッションスイッチ32に直列接続されたイグニッションスイッチ入力回路34は、ダイオード50に2つの抵抗51,52を介してバッファ53を直列接続して構成され、前段の抵抗51とグランド端子との間にプルダウン抵抗54とチャタリングノイズ吸収用の小容量のコンデンサ55とが並列接続されている。上記バッファ53は、マイクロコンピュータ39がリセットされるような低電圧でも動作できるように構成され、イグニッションスイッチ32のオン時は、バッファ53の内部の出力トランジスタ(図示せず)がオフ状態となり、バッファ53の内部のプルアップ抵抗(図示せず)によりバッファ53の出力がハイレベルとなるように構成されている。この構成により、イグニッションスイッチ32がオンされると同時にイグニッションスイッチ入力回路34のバッファ53からハイレベルのパワーオン信号が出力される。
【0019】
このイグニッションスイッチ入力回路34の出力端子とマイクロコンピュータ39の共用ポートIとの間にパワーオン判定回路56が直列接続されている。このパワーオン判定回路56は、CR積分回路57とRSフリップフロップ58とから構成されている。CR積分回路57は、イグニッションスイッチ入力回路34の出力端子とグランド端子との間に抵抗59とコンデンサ60とを直列接続して構成され、イグニッションスイッチ入力回路34から入力されるパワーオン信号をディレイさせてRSフリップフロップ58のセット端子に入力させる役割を果たす。このようなCR積分回路57によるパワーオン信号のディレイは、パワーオン時にRSフリップフロップ58の出力をハイレベルに確定するために必要となる。また、RSフリップフロップ58は、2つのNAND回路61,62を接続して構成され、マイクロコンピュータ39がリセットされるような低電圧でもデータ保持可能なように例えばCMOS論理回路で構成されている。このRSフリップフロップ58のリセット端子にはマイクロコンピュータ39からウォッチドッグクリア信号が入力され、該RSフリップフロップ58の出力端子はマイクロコンピュータ39の共用ポートIに接続されている。
【0020】
以上のように構成されたグローシステムの制御回路33の作動について、図2に示すタイムチャートと図3〜図6のフローチャートも用いて説明する。イグニッションスイッチ32がオンされると、OR回路35の出力がハイレベルになってメインリレー駆動回路36が作動し、メインリレー37のスイッチ37bがオンして、電源回路38から電源電圧VC(5V)がマイクロコンピュータ39に供給され、マイクロコンピュータ39が起動される。更に、イグニッションスイッチ32がオンされて、イグニッションスイッチ入力回路34にバッテリ31の電圧が印加されると、イグニッションスイッチ入力回路34からパワーオン判定回路56へパワーオン信号が出力される。このパワーオン判定回路56では、入力されるパワーオン信号をCR積分回路57でディレイさせてRSフリップフロップ58のセット端子に入力し、RSフリップフロップ58の出力レベルをハイレベルに反転させ、マイクロコンピュータ39の共用ポートIの入力レベルをハイレベルに反転させる。
【0021】
上述したマイクロコンピュータ39への電源投入直後(パワーオン直後)に、マイクロコンピュータ39は、まず、図3及び図5に示すイニシャル処理を実行する。図3はグローランプ44の誤点灯防止のためのイニシャル処理であり、まず、ステップ101で、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)を判定し、ハイレベル(H)であれば、イグニッションスイッチ32のオフからオンへの切替(パワーオン)と判定して、ステップ102に進み、フラグを「1」にセットする。このフラグは、後述する処理でグローランプ44の点灯時間を計算するか否かを判定するために用いられる。一方、ステップ101で、共用ポートIの入力レベルがローレベル(L)の場合には、パワーオン以外と判定し、ステップ103に進み、フラグを「0」にセットする。このようにして、ステップ102又は103で、フラグを「1」又は「0」にセットした後、ステップ104に進み、ウォッチドッグクリア信号をハイレベルからローレベルに反転させて、パワーオン判定回路56の出力レベルをハイレベルからローレベルに反転させる。
【0022】
一方、図5はメインリレー37の制御のためのイニシャル処理であり、ステップ201で、出力ポートP3 からOR回路35にメインリレーオン信号(ハイレベル信号)を出力する。
【0023】
以上説明したイニシャル処理では、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)は、パワーオンを判定するために用いられるが、イニシャル処理終了後は、イグニッションスイッチ32のオンからオフへの切替(パワーオフ)を判定するために用いられる。即ち、イニシャル処理終了後は、共用ポートIの入力レベルがローレベルであると、イグニッションスイッチ32がオン状態であると判定され、共用ポートIの入力レベルがハイレベルに反転すると、イグニッションスイッチ32がオフ(パワーオフ)に切り替えられたと判定される。
【0024】
イニシャル処理終了後、図4のグローランプ制御ルーチンが周期的に起動される。このルーチンでは、まず、ステップ111で、フラグが「1」か「0」かを判定し、「1」の場合、つまりパワーオンの場合には、ステップ112に進み、エンジン冷却水温に応じてグローランプ44の点灯時間を計算し、その値をカウンタにストアした後、ステップ113に進み、フラグを「0」にリセットする。一方、ステップ111で、フラグが「0」の場合、つまり、グローランプ44の点灯時間の計算終了後に本ルーチンが再び起動された場合には、ステップ114に進み、カウンタのカウント値が0か否かを判定し、0でなければ、ステップ115に進んでグローランプ44を点灯し若しくは点灯を継続し、ステップ116に進んで、カウンタのカウント値を1デクリメントする。その後、グローランプ44の点灯時間が上述したステップ112で計算した時間に達すると、カウンタのカウント値が0になり、ステップ114からステップ117へ進んで、グローランプ44を消灯する。
【0025】
マイクロコンピュータ39は、前述したようにイニシャル処理のステップ104で、ウォッチドッグクリア信号をハイレベルからローレベルに反転させることにより、パワーオン判定回路56の出力レベルをハイレベルからローレベルに反転させるので、イニシャル処理終了後は図2に示すように共用ポートIの入力レベルはローレベルに維持される。
【0026】
そして、グローランプ44の消灯後に、例えばスタータオン等による一時的な電源電圧の低下によりマイクロコンピュータ16にリセットがかかると、再度イニシャル処理が行われるが、この場合には、共用ポートIの入力レベルはローレベルに維持されているので、パワーオンとは判定されず、ステップ103で、フラグが「0」にセットされる。このため、スタータオン等によるリセットがあっても、図4のグローランプ制御ルーチンでは、ステップ111からステップ114へと進み、グローランプ44の点灯中のリセットであれば、そのまま点灯を継続するが(ステップ115,116)、消灯後のリセットであれば、ステップ114からステップ117へと進み、消灯状態を維持して、誤点灯を防ぐ。
【0027】
以上、グローランプ44の誤点灯防止について説明したが、エンジンの始動補助に使用されるグロープラグ49の制御についても同様の処理により誤通電を防止するようにプログラムされている。
【0028】
一方、図6に示すメインリレー制御ルーチンも、イニシャル処理終了後に周期的に起動される。このルーチンでは、まず、ステップ211で、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)を判定し、ローレベルの場合はイグニッションスイッチ32がオン状態であると判定され、ステップ213に進んで、メインリレー37をオン状態に保持する。その後、共用ポートIの入力レベル(パワーオン判定回路56の出力レベル)がハイレベルに反転すると、イグニッションスイッチ32がオン状態からオフ(パワーオフ)に切り替えられたと判定され、ステップ211からステップ212に進み、イグニッションスイッチ32のオフ後、例えば2秒経過したか否かを判定し、2秒経過していなければ、ステップ213に進み、引き続き出力ポートP3 の出力レベルをハイレベルに維持してOR回路35の出力レベルをハイレベルに維持し、メインリレー37をオン状態に保持する。その後、2秒経過した時点で、ステップ212からステップ214に進み、出力ポートP3 の出力レベルをローレベルに反転させて、OR回路35の出力レベルをローレベルに反転させ、メインリレー37をオフさせる。
【0029】
尚、パワーオフ後のメインリレー37のオン保持期間中に、イグニッションスイッチ32がオフからオンに切り替えられた場合には、グローランプ44を点灯すると共に、グロープラグ49に通電して始動を補助するようにするようにプログラムされている。
【0030】
以上説明した実施例では、イグニッションスイッチ32のオン直後にパワーオン判定回路56の出力レベルがローレベル(第1レベル)からハイレベル(第2レベル)に反転し、その後、ウォッチドッグクリア信号によりハイレベル(第2レベル)からローレベル(第1レベル)に反転するようになっているが、これとはハイ/ローの関係を反対にした回路構成(例えばRSフリップフロップ58のNAND回路62の出力端子を共用ポートIに接続した構成)にしても良い。また、ウォッチドッグクリア信号の代わりに他の信号を使用しても良い。
【0031】
その他、本発明は、パワーオフ後のメインリレー37のオン保持時間についても2秒に限定されず、これを適宜の時間に設定しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1の構成によれば、イグニッションスイッチ入力回路の出力側にパワーオン判定回路を直列接続することで、従来のイグニッションスイッチポートとパワーオン判定ポートとを共通化し、1つの共用ポートで、パワーオンとパワーオン以外の理由によるリセットとを判別する情報と、パワーオフ時にマイクロコンピュータへの電力供給を所定時間自己保持するための情報の双方を取り込めるようにしたので、従来よりも1つ少ないポート数で従来と同じグロー制御を実現することができ、余ったポートを使用して新たな機能を追加することができて、ポート数を増加させずに多機能化することが可能となり、低コスト化と多機能化とを両立させることができる。
【0033】
しかも、請求項2では、パワーオンの判定を電源投入直後に実行されるイニシャル処理により行い、パワーオフの判定をイニシャル処理後に起動されるルーチンにより行うようにしたので、1つの共用ポートから取り込む情報によってパワーオンとパワーオフとの判別を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すグローシステムの制御回路の電気回路図
【図2】制御回路の各部の出力波形を示すタイムチャート
【図3】グローランプ制御のイニシャル処理を示すフローチャート
【図4】グローランプ制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】メインリレー制御のイニシャル処理を示すフローチャート
【図6】メインリレー制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図7】従来のグローシステムの制御回路の電気回路図
【図8】従来の制御回路の各部の出力波形を示すタイムチャート
【符号の説明】
31…バッテリ、32…イグニッションスイッチ、33…制御回路、34…イグニッションスイッチ入力回路、37…メインリレー、38…電源回路、39…マイクロコンピュータ、40…ウォッチドッグ回路、44…グローランプ、49…グロープラグ、56…パワーオン判定回路、57…CR積分回路、58…RSフリップフロップ。
Claims (2)
- バッテリからメインリレーを介して電力が供給されるマイクロコンピュータを備え、このマイクロコンピュータによって、イグニッションスイッチのオフからオンへの切替を検出してグローシステムを制御すると共に、前記イグニッションスイッチのオンからオフへの切替を検出してその切替時点から所定時間だけ自身への電力供給を継続させるように前記メインリレーを自己保持するディーゼル機関用制御装置において、
前記イグニッションスイッチに直列接続され、該イグニッションスイッチのオフからオンへの切替によりパワーオン信号を発生するイグニッションスイッチ入力回路と、
前記イグニッションスイッチ入力回路の出力端子と前記マイクロコンピュータの所定の入力ポートとの間に直列接続され、前記イグニッションスイッチ入力回路から出力されるパワーオン信号により出力信号が第2レベルになり、その後前記マイクロコンピュータの出力信号により前記第2レベルから第1レベルに反転するパワーオン判定回路と
を備え、
前記マイクロコンピュータは、前記パワーオン判定回路の出力信号に基づいて前記グローシステム及び前記メインリレーを制御するように構成されていることを特徴とするディーゼル機関用制御装置。 - 前記マイクロコンピュータは、電源投入直後に実行するイニシャル処理により前記パワーオン判定回路の出力信号に基づいて前記イグニッションスイッチのオフからオンへの切替を判定し、前記マイクロコンピュータの出力信号により前記パワーオン判定回路の出力信号が前記第2レベルから前記第1レベルに反転した後は、イニシャル処理後に起動されるルーチンにより前記パワーオン判定回路の出力信号の前記第2レベルへの反転を監視することで前記イグニッションスイッチのオンからオフへの切替を判定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼル機関用制御装置。
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