JP3721149B2 - 車両内の収納ボックス - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両内の収納ボックスであって、旋回可能に枢着されて収納ボックス開口を覆う蓋及び収納ボックス内に配置された収納皿を備えており、収納皿が蓋の開き旋回によってアクセス可能になり、少なくとも収納皿と蓋との間、並びに収納ボックスと収納皿との間にそれぞれ係止機構を配置してあり、該係止機構が選択的に、共有の１つの係止解除装置を介して係止解除可能である形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
前記形式の公知の構成（ドイツ連邦共和国特許出願公開第４３０９６２０Ａ１号明細書）においては、二部構造の収納ボックスの係止装置が収納皿と蓋との間の係止機構、収納皿と収納ボックスとの間の別の係止機構並びに、蓋と収納ボックスとの間の付加的な係止機構を有している。すべての係止機構が共有の１つの係止解除装置によって係止解除可能であり、該係止解除装置が唯一の取っ手、若しくは並んで位置する２つの取っ手を有している。該構成においては欠点として、互いに協働する３つの係止機構及び係止解除装置の構造が煩雑で、コストがかかり、かつ誤操作が生じやすい。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、車両内の二部構造の収納ボックス用の係止機構を改善して、構造を著しく簡単にし、かつ係止機構の係止解除装置の操作が容易になるようにすることである。
【０００４】
両方の係止機構のための係止解除装置が、ばね負荷された双方向形の押圧キーを有しており、該押圧キーが、該押圧キーから下方へ突出する作動アームを備えており、該作動アームが軸線方向移動可能、即ち長手方向移動可能な係止ロッドに係合しており、前記押圧キーの押圧負荷に応じて、即ち、前記押圧キーを一方に旋回させるか若しくは他方に旋回させるかに応じて、一方の係止機構か若しくは他方の係止機構が係止解除されるようになっており、収納皿と蓋との間の第１の係止機構が、蓋に配置されてばね負荷された係止フックを有しており、該係止フックが蓋の閉鎖位置で収納皿の不動の係止突起の下側に係合するようになっており、かつ前記係止フックが前記押圧キー若しくは前記軸線方向移動可能な係止ロッドによって係止解除位置へ移されるようになっており、かつ収納ボックスと収納皿との間の第２の係止機構が前記係止ロッドによって形成されており、該係止ロッドが収納皿及び蓋から成るユニットの閉鎖位置で、収納皿の開口に係合するようになっている。
【０００５】
【発明の利点】
本発明の前記構成によって利点として、両方の係止機構及び係止解除装置が簡単な構造であり、わずかな構成部分しか必要とせず、係止機構が係止解除装置に簡単な形式で連結されており、安価に製造でき、かつ操作が容易である。係止機構及び係止解除装置にとってわずかな構成スペースしか必要とせず、二部構造の収納ボックスの領域において段差若しくは凹凸のない平面的なデザインが可能である。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図１は、車両（図示せず）内の２つの車両座席間に配置された収納ボックス１を示しており、収納ボックス（収納ケース）が、該収納ボックス１のヒンジ軸２に旋回可能に枢着されて収納ボックス開口を覆う蓋３によって上側を閉じられている。収納ボックス１は不動の中央ブラケット、センターフロントパン、旋回可能な中央ひじ掛け、手袋ケース（グラブコンパートメント）、若しくは類似のものに配置されている。実施例では、収納ボックス１は不動の中央ブラケット４と一体的に形成されている。ほぼ水平にかつ横方向に延びるヒンジ軸２が中央ブラケット４の後ろ側で上側の縁部に配置されている。閉鎖位置Ａでほぼ水平に向けられた蓋３が、第１の係止機構５の係止解除の後に上方後ろ側に、上方旋回させられた位置Ｂ（図２）へ旋回可能である。さらに収納ボックス１の上側の領域内に収納皿６を配置してあり、収納皿（受け皿若しくは収納シャーレ）が同じく蓋３の上方旋回によってアクセス可能であると共に、蓋３と一緒に１つのユニット７を成して上方旋回可能である（図３）。このために、収納皿６が同じく収納ボックス１のヒンジ軸２に枢着されていて、蓋３によって覆われ、蓋が角桶状の収納皿６の中空スペース８と一緒に、例えば受話器若しくは類似のもののための閉じた収容スペースを形成するようになっている。
【０００７】
第１の係止機構５が蓋３と収納皿６との間に設けられていてかつ、蓋３に配置されてばね負荷された旋回可能な係止フック９を有しており、係止フックが蓋３の閉鎖位置Ａで収納皿６の不動の係止突起１０の下側に係合するようになっている。下方へ突出する係止フック９は蓋３のヒンジ軸２と反対の側、図１で見て左側に配置されており、係止フック９の上方の端部が蓋３に回転可能に枢着されている。係止フック９の下方の端部が突起状の成形部１１を有しており、該成形部が収納皿６の係止突起１０の下側に係合する。さらに第２の係止機構１２を配置してあり、該係止機構が収納ボックス１と収納皿６との間で機能するようになっている（図２）。
【０００８】
両方の係止機構５，１２に対して共有の１つの係止解除装置１３を設けてあり、係止解除装置がばね負荷された双方向形の押圧キー（二腕状の傾倒レバー）１４及び長手方向移動可能な係止ロッド（閂）１５によって構成されており、押圧キー１４の押圧負荷に応じて第１の係止機構５か若しくは第２の係止機構１２が係止解除される。第２の係止機構１２が係止ロッド１５によって形成されており、係止ロッドが収納皿６の閉鎖位置Ｃで収納皿６の開口１６内に少なくとも部分的に突入し、若しくは開口１６内を貫通している。開口１６は収納皿６の端部側の垂直な壁部分１７に、それも後ろ側へ向いた係止突起１０の真下に設けられている。開口１６の横断面が係止ロッド１５の横断面よりもわずかに大きく規定されており、係止ロッド１５及び開口１６の横断面の形は互いに合わせられている。係止ロッド１５が有利には長方形若しくは正方形の横断面を有している。双方向形の押圧キー１４及び縦長の係止ロッド１５が１つのケーシング１８に所属して配置されており、該ケーシングが実施例では上方から中央ブラケット４の受容開口１９内にはめ込まれている。受容開口１９が収容ボックス１に隣接して設けられている。双方向形の押圧キー１４がほぼ中央でケーシング１８の上側の縁部に旋回軸２０を中心として旋回可能に支承されており、押圧キー１４の静止位置Ｄで押圧キー１４の両方の操作面（押圧面）２１，２１′が蓋の外側輪郭２２とほぼ同一面を成している。押圧キー１４の各操作面２１，２１′に対応して、垂直に向けられたばね部材２３が配置されている。各ばね部材２３は圧縮ばねとして形成されており、該圧縮ばねが操作面２１，２１′の下側とケーシング１８の、該操作面の下側に配置された中間壁２４との間を延びている。
【０００９】
さらに押圧キー１４が中央の旋回軸２０の領域に下方へ向けられた作動アーム２５を有しており、作動アームが自由端部２７で以て中間壁２４の開口２６内を貫通してかつ、係止ロッド１５の少なくとも上方に向かって開いた切欠き２８内に突入している。係止ロッド１５の切欠き２８は下方に向かって前側及び後ろ側へ広がっている。縦長の係止ロッド１５がケーシング側の受容部２９内を延びており、受容部が高さ方向で中間壁２４及び下側の制限壁３０によって画成されている。係止ロッド１５のための、ケーシング１８における側方の案内は図面には示されていない。垂直な作動アーム２５は、押圧キー１４の静止位置Ｄでほぼ鉛直に向いており、操作面２１，２１′が蓋の外側輪郭２２と同一面を成しており、係止ロッド１５が収容皿６の開口１６内を貫通している。係止ロッド１５の自由端部が傾斜部３１を有しており、該傾斜部が係止フックの突起状の成形部１１の傾斜面に対して平行にかつわずかな距離を置いて延びている。
【００１０】
前側の押圧キー１４、即ち前側（図面で左側）の操作面２１を下方へ操作する（押圧キーの位置Ｅ）と、押圧キー１４の作動アーム２５が逆時計回り方向にわずかな角度で旋回させられ、これによって係止ロッド１５が後ろ側（図面で右側）へ移動させられる。その結果、係止ロッド１５の端部側の傾斜部３１がばね負荷された係止フック９に接触して、該係止フックを後ろ側へ（逆時計回り方向に）旋回させ、これによって係止フック９が収納皿６の不動の係止突起１０から外される。今や、収納６と蓋３との間の係止機構５が解離されており、ばね負荷された蓋３が上方へ位置Ｂに旋回している。受話器、携帯電話若しくは小品のための受容室が自由にアクセス可能である（図２）。
【００１１】
押圧キー１４を解放すると、押圧キー１４及び係止ロッド１５は出発位置に戻る。
【００１２】
後ろ側の押圧キー１４、即ち後ろ側の操作面２１′を下方へ操作すると、押圧キー１４の作動アーム２５が時計回り方向にわずかな角度で旋回させられ、これによって係止ロッド１５が受容部２９内を前側（図面で左側）へ運動させられ、て、係止ロッド１５の自由端部が収納皿６の開口１６から外され、その結果、第２の係止機構１２が係止解除される（押圧キー１４の位置Ｆ）。
【００１３】
第２の係止機構１２を係止解除すると、収納皿６が蓋３と一緒に、ばね負荷された蓋３によって上方に位置Ｇへ旋回させられ、該位置で収納ボックス１が自由にアクセス可能である。押圧キー１４を解放すると、押圧キーは再びもとの水平な状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に基づく収納ボックスの閉じた状態での垂直縦断面図。
【図２】図１の収納ボックスの、蓋を開き旋回させた状態での垂直縦断面図。
【図３】図１の収納ボックスの、蓋及び収納皿を開き旋回させた状態での垂直縦断面図。
【符号の説明】
１ 収納ボックス、 ２ ヒンジ軸、 ３ 蓋、 ４ 中央ブラケット、 ５係止機構、 ６ 収納皿、 ７ ユニット、 ８ 中空スペース、 ９ 係止フック、 １０ 係止突起、 １１ 突起状の成形部、 １２ 係止機構、 １４ 押圧キー、 １５ 係止ロッド、 １６ 開口、 １８ ケーシング、 １９ 受容開口、 ２０ 旋回軸、 ２１，２１′ 操作面、 ２２ 蓋の外側輪郭、 ２３ ばね部材、 ２４ 中間壁、 ２５ 作動アーム、 ２６ 開口、２７ 自由端部、 ２８ 切欠き、 ２９ 受容部、 ３０ 制限壁、 ３１傾斜部

Claims (6)

1. 車両内の収納ボックスであって、旋回可能に枢着されて収納ボックス開口を覆う蓋及び収納ボックス内に配置された収納皿を備えており、収納皿が蓋の開き旋回によってアクセス可能になり、少なくとも収納皿と蓋との間、並びに収納ボックスと収納皿との間にそれぞれ係止機構を配置してあり、該係止機構が選択的に、共有の１つの係止解除装置を介して係止解除可能である形式のものにおいて、両方の係止機構（５，１２）のための係止解除装置（１３）が、ばね負荷された双方向形の押圧キー（１４）を有しており、該押圧キーが、該押圧キーから下方へ突出する作動アーム（２５）で以て、軸線方向移動可能な係止ロッド（１５）に係合しており、前記押圧キー（１４）の押圧負荷に応じて一方の係止機構（５）若しくは他方の係止機構（１２）が係止解除されるようになっており、収納皿（６）と蓋（３）との間の第１の係止機構（５）が、蓋（３）に配置されてばね負荷された係止フック（９）を有しており、該係止フック（９）が蓋（３）の閉鎖位置（Ａ）で収納皿（６）の不動の係止突起（１０）の下側に係合するようになっており、かつ前記係止フック（９）が前記押圧キー（１４）若しくは前記軸線方向移動可能な係止ロッド（１５）によって係止解除位置へ移されるようになっており、かつ収納ボックス（１）と収納皿（６）との間の第２の係止機構（１２）が前記係止ロッド（１５）によって形成されており、該係止ロッドが収納皿及び蓋から成るユニットの閉鎖位置で、収納皿（６）の開口（１６）に係合するようになっていることを特徴とする、車両内の収納ボックス。
2. 双方向形の押圧キー（１４）及び係止ロッド（１５）がケーシング（１８）に所属して配置されており、ケーシングが受容開口（１９）内にはめ込まれている請求項１記載の収納ボックス。
3. 双方向形の押圧キー（１４）の下方へ突出する作動アーム（２５）が、自由端部（２７）で以て係止ロッド（１５）の上方に向かって開いた切欠き（２８）内に突入しており、押圧キー（１４）の押圧負荷に応じて係止ロッド（１５）が１つの方向若しくは別の方向へ運動させられるようになっている請求項１又は２記載の収納ボックス。
4. 押圧キー（１４）の前側の操作面（２１）の操作に際して、係止ロッド（１５）が後ろ側へ移動させられて、該係止ロッド（１５）の端部側の傾斜部（３１）が蓋（３）のばね負荷された係止フック（９）を逆時計回り方向に旋回させ、ひいては収納皿（６）と蓋（３）との間の第１の係止機構（５）を係止解除するようになっている請求項３記載の収納ボックス。
5. 押圧キー（１４）の後ろ側の操作面（２１′）の操作に際して、係止ロッド（１５）が前側へ移動させられて、該係止ロッド（１５）の自由端部（１７）が収納皿（６）の開口（１６）から外され、これによって第２の係止機構（１２）が係止解除され、かつ収納皿（６）が蓋（３）と一緒に上方に開放位置（Ｇ）へ旋回させられるようになっている請求項４記載の収納ボックス。
6. 蓋の外側の輪郭（２２）が、収納ボックスの前側に支承された押圧キー（１４）の静止位置で該押圧キーの外側の輪郭と実質的に同一面を成している請求項１から５のいずれか１項記載の収納ボックス。

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