JP3719465B2 - 液体噴出器用の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置 - Google Patents
液体噴出器用の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置 Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押下げ式液体噴出器やトリガー式液体噴出器などに用いられている孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、容器体に装着して使用する図５に示すポンプ、図６に示すスプレー等の押下げ式液体噴出器や図７に示すトリガー式液体噴出器等は既に周知であるが、これらの内部には、シリンダ２を備え、該シリンダ内に押下げノズルヘッド６、トリガー７等の操作で作動されるピストン、スカート等の摺動部材１を摺動自在に嵌合させており、また、そのシリンダ２の中途に容器体内への外気導入用空気孔等の小さな透孔３を備えている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらは合成樹脂成形部材の組み合わせで形成されているため、図８、図９に示すように、そのピストン、スカート等の摺動部材１が透孔３を通過する際に該透孔内に膨出し、これが孔縁で削られて傷付き、この傷が漏れの原因となることがある。
そして、この傷は、図８のように、摺動部材１の進行方向の先端が透孔３に入り込んで後、透孔から出るときに、孔縁に強く突き当たることで多く発生している。
そこで、本発明は、ピストン、スカート等の摺動部材１が透孔３をスムーズに通過するよう案内して、その摺動部材１の損傷をなくし、漏れをなくそうとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項１の発明は、ピストン、スカート、その他の摺動部材１を摺動自在に嵌合させる液体噴出器用シリンダ２のうち当該摺動の際に摺動部材１が通過する中途部分に外気導入用の透孔３を穿設して成る孔付きシリンダにおいて、その透孔３の内縁４の要所から透孔内へ上記摺動部材１の円滑な移動を案内する可撓性の薄膜５を突設したことを特徴とする。
【０００５】
また、請求項２の発明は、ピストン、スカート、その他の摺動部材１を摺動自在に嵌合させる液体噴出器用シリンダ２のうち当該摺動の際に摺動部材１が通過する中途部分に外気導入用の透孔３を穿設して成る孔付きシリンダにおいて、その透孔３の内縁４の全周から透孔内へ曲げの弾性変形可能な可撓性の薄膜５を突設したことを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図１乃至図４は、合成樹脂製押下げ式液体噴出器に係る本発明の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置を示している。
図示のものは、縦型の合成樹脂製シリンダ２に、摺動部材１として上と下にスカート８，９を有する合成樹脂製ピストン10を摺動自在に嵌合させており、また、シリンダ２には、図１、図２に示すように、ピストン10の上昇限の位置に容器体内への外気導入用空気孔たる小さな円形の透孔３を穿設している。つまり、ピストン10の上昇限では空気孔たる透孔３はこのピストンで閉じられて、容器体からの液漏れが阻止されているわけである。
透孔３は、内縁４の全周から透孔内へ曲げの弾性変形可能な薄膜５を一体に突設しており、該薄膜５の内周で形成される開孔面積を外気導入に十分な大きさにしている。
薄膜５の出幅は０．５mm以上がよく、その厚さは０．００５〜０．３mm程度がよい。
【０００７】
如上の構成であり、摺動部材１であるピストン10を図１の上昇限の位置から下降させかつ上昇復帰させると、上のスカート８が透孔３を通過するときには該スカートの一部が透孔３内へと膨出することとなるが、この際には、図３、図４に示すように、その膨出の孔縁に当たる部分を薄膜５が外方へと適度に撓みながら柔らかくかつ無理なく受けつつその移動を案内し、スムーズに移動させる。したがって、透孔２を通過する上のスカート８に傷を与えるようなことはない。
【０００８】
なお、上述の実施の形態では、透孔３を円形の場合としているが、楕円形、方形、その他の形態でもよい。また、薄膜５を状況に応じて透孔３の要所にだけ設けることも可能である。
他の押下げ式液体噴出器やトリガー式液体噴出器等のシリンダでも同様に装備させることができる。
【０００９】
【発明の効果】
請求項１、請求項２の発明によれば、既述構成であるから、ピストン、スカート等の摺動部材１が透孔３を通過する際に該透孔内に膨出しても、これが孔縁で削られて傷付くようなことはなく、したがって、傷による漏れを生じるようなことはなく、スムーズな摺動を得ることができ、長期にわたり適正な機能を維持させることができる。
更に、構造並びに製作簡単で安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 請求項１、請求項２の発明の実施の形態を示す要部の縦断側面図である。
【図２】 図１のＡ−Ａ線の断面図である。
【図３】 同実施の形態における動作状態を示す要部の縦断側面図である。
【図４】 図３のＢ−Ｂ線の断面図である。
【図５】 請求項１、請求項２の発明を適用する従来の押下げ式液体噴出器に係るポンプを示す截断側面図である。
【図６】 請求項１、請求項２の発明を適用する従来の押下げ式液体噴出器に係るスプレーを示す截断側面図である。
【図７】 請求項１、請求項２の発明を適用する従来のトリガー式液体噴出器を示す截断側面図である。
【図８】 従来の要部の動作状態を示す要部の縦断側面図である。
【図９】 図８のＣ−Ｃ線の断面図である。
【符号の説明】
１…摺動部材 ２…シリンダ
３…透孔 ４…内縁
５…薄膜 ６…押下げノズルヘッド
７…トリガー ８，９…スカート
10…ピストン
【発明の属する技術分野】
本発明は、押下げ式液体噴出器やトリガー式液体噴出器などに用いられている孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、容器体に装着して使用する図５に示すポンプ、図６に示すスプレー等の押下げ式液体噴出器や図７に示すトリガー式液体噴出器等は既に周知であるが、これらの内部には、シリンダ２を備え、該シリンダ内に押下げノズルヘッド６、トリガー７等の操作で作動されるピストン、スカート等の摺動部材１を摺動自在に嵌合させており、また、そのシリンダ２の中途に容器体内への外気導入用空気孔等の小さな透孔３を備えている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらは合成樹脂成形部材の組み合わせで形成されているため、図８、図９に示すように、そのピストン、スカート等の摺動部材１が透孔３を通過する際に該透孔内に膨出し、これが孔縁で削られて傷付き、この傷が漏れの原因となることがある。
そして、この傷は、図８のように、摺動部材１の進行方向の先端が透孔３に入り込んで後、透孔から出るときに、孔縁に強く突き当たることで多く発生している。
そこで、本発明は、ピストン、スカート等の摺動部材１が透孔３をスムーズに通過するよう案内して、その摺動部材１の損傷をなくし、漏れをなくそうとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項１の発明は、ピストン、スカート、その他の摺動部材１を摺動自在に嵌合させる液体噴出器用シリンダ２のうち当該摺動の際に摺動部材１が通過する中途部分に外気導入用の透孔３を穿設して成る孔付きシリンダにおいて、その透孔３の内縁４の要所から透孔内へ上記摺動部材１の円滑な移動を案内する可撓性の薄膜５を突設したことを特徴とする。
【０００５】
また、請求項２の発明は、ピストン、スカート、その他の摺動部材１を摺動自在に嵌合させる液体噴出器用シリンダ２のうち当該摺動の際に摺動部材１が通過する中途部分に外気導入用の透孔３を穿設して成る孔付きシリンダにおいて、その透孔３の内縁４の全周から透孔内へ曲げの弾性変形可能な可撓性の薄膜５を突設したことを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図１乃至図４は、合成樹脂製押下げ式液体噴出器に係る本発明の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置を示している。
図示のものは、縦型の合成樹脂製シリンダ２に、摺動部材１として上と下にスカート８，９を有する合成樹脂製ピストン10を摺動自在に嵌合させており、また、シリンダ２には、図１、図２に示すように、ピストン10の上昇限の位置に容器体内への外気導入用空気孔たる小さな円形の透孔３を穿設している。つまり、ピストン10の上昇限では空気孔たる透孔３はこのピストンで閉じられて、容器体からの液漏れが阻止されているわけである。
透孔３は、内縁４の全周から透孔内へ曲げの弾性変形可能な薄膜５を一体に突設しており、該薄膜５の内周で形成される開孔面積を外気導入に十分な大きさにしている。
薄膜５の出幅は０．５mm以上がよく、その厚さは０．００５〜０．３mm程度がよい。
【０００７】
如上の構成であり、摺動部材１であるピストン10を図１の上昇限の位置から下降させかつ上昇復帰させると、上のスカート８が透孔３を通過するときには該スカートの一部が透孔３内へと膨出することとなるが、この際には、図３、図４に示すように、その膨出の孔縁に当たる部分を薄膜５が外方へと適度に撓みながら柔らかくかつ無理なく受けつつその移動を案内し、スムーズに移動させる。したがって、透孔２を通過する上のスカート８に傷を与えるようなことはない。
【０００８】
なお、上述の実施の形態では、透孔３を円形の場合としているが、楕円形、方形、その他の形態でもよい。また、薄膜５を状況に応じて透孔３の要所にだけ設けることも可能である。
他の押下げ式液体噴出器やトリガー式液体噴出器等のシリンダでも同様に装備させることができる。
【０００９】
【発明の効果】
請求項１、請求項２の発明によれば、既述構成であるから、ピストン、スカート等の摺動部材１が透孔３を通過する際に該透孔内に膨出しても、これが孔縁で削られて傷付くようなことはなく、したがって、傷による漏れを生じるようなことはなく、スムーズな摺動を得ることができ、長期にわたり適正な機能を維持させることができる。
更に、構造並びに製作簡単で安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 請求項１、請求項２の発明の実施の形態を示す要部の縦断側面図である。
【図２】 図１のＡ−Ａ線の断面図である。
【図３】 同実施の形態における動作状態を示す要部の縦断側面図である。
【図４】 図３のＢ−Ｂ線の断面図である。
【図５】 請求項１、請求項２の発明を適用する従来の押下げ式液体噴出器に係るポンプを示す截断側面図である。
【図６】 請求項１、請求項２の発明を適用する従来の押下げ式液体噴出器に係るスプレーを示す截断側面図である。
【図７】 請求項１、請求項２の発明を適用する従来のトリガー式液体噴出器を示す截断側面図である。
【図８】 従来の要部の動作状態を示す要部の縦断側面図である。
【図９】 図８のＣ−Ｃ線の断面図である。
【符号の説明】
１…摺動部材 ２…シリンダ
３…透孔 ４…内縁
５…薄膜 ６…押下げノズルヘッド
７…トリガー ８，９…スカート
10…ピストン
Claims (2)
- ピストン、スカート、その他の摺動部材１を摺動自在に嵌合させる液体噴出器用シリンダ２のうち当該摺動の際に摺動部材１が通過する中途部分に外気導入用の透孔３を穿設して成る孔付きシリンダにおいて、その透孔３の内縁４の要所から透孔内へ上記摺動部材１の円滑な移動を案内する可撓性の薄膜５を突設したことを特徴とする、液体噴出器用の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置。
- ピストン、スカート、その他の摺動部材１を摺動自在に嵌合させる液体噴出器用シリンダ２のうち当該摺動の際に摺動部材１が通過する中途部分に外気導入用の透孔３を穿設して成る孔付きシリンダにおいて、その透孔３の内縁４の全周から透孔内へ曲げの弾性変形可能な可撓性の薄膜５を突設したことを特徴とする、液体噴出器用の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05985797A JP3719465B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 液体噴出器用の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05985797A JP3719465B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 液体噴出器用の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10236508A JPH10236508A (ja) | 1998-09-08 |
| JP3719465B2 true JP3719465B2 (ja) | 2005-11-24 |
Family
ID=13125281
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05985797A Expired - Fee Related JP3719465B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 液体噴出器用の孔付きシリンダにおける摺動部材の損傷防止装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3719465B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6095377A (en) * | 1999-03-26 | 2000-08-01 | Calmar Inc. | Liquid dispensing pump |
| JP5637596B2 (ja) * | 2010-10-28 | 2014-12-10 | 株式会社吉野工業所 | 噴出容器 |
| JP2015096423A (ja) * | 2012-02-27 | 2015-05-21 | 多田 哲也 | スプレー用ピストンシリンダ装置及びそれを用いたスプレー |
-
1997
- 1997-02-27 JP JP05985797A patent/JP3719465B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10236508A (ja) | 1998-09-08 |
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