JP3719464B2 - ワイヤロープ清掃装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はワイヤロープに付着している硬化したグリース、ゴミ等の付着物を除去するワイヤロープ清掃装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水門を吊り下げて開閉したり、ゴンドラ等を吊下げたりするのにワイヤロープが広く使用されている。これらのワイヤロープは一般に麻芯に亜鉛メッキされた多数の鋼線のより線を巻いて構成されており、錆の発生や摩耗の防止、また騒音の防止などのためグリースを塗布している。このためワイヤロープの外周面にはゴミや土砂が付着し易く、またグリース自体も硬化して付着しており、これらの付着物がワイヤロープの巻き取り装置に機械的損傷を与えていた。
【0003】
このため、ワイヤロープ表面の付着物を定期的に除去し、新しいグリースを塗布する必要があり、従来は人手によりこれらの作業が行われていたが、高所での作業が多いため近年ブラシ等によりワイヤロープの外周面を自動的に清掃する清掃装置が提案されており、本出願人も特開平7−108229号公報でこのようなワイヤロープ自動清掃装置を開示している。本装置はワイヤロープの両側にワイヤロープと直交する円筒状清掃ブラシを設けて付着物を掻き落とし、清掃ブラシの表面に沿って設けられた断面が円弧状のスクレーパで清掃ブラシに付着した付着物を除去するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし清掃ブラシに付着した付着物は断面円弧状のスクレーパだけでは十分とりきれないものがあり、これが清掃ブラシにより再びワイヤロープに付着するという悪循環が発生していた。
【0005】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、円筒状の清掃ブラシに付着したワイヤロープの付着物を確実に除去するワイヤロープ清掃装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、ワイヤロープに接して両側に設けられワイヤロープと直交する軸を中心に回転する円筒状清掃ブラシと、円弧状の断面形状を有し清掃ブラシの円筒表面に沿って設けられ清掃ブラシに付着した付着物を掻き落とす第1スクレーパと、内部をワイヤロープが貫通するロープ孔を有し清掃ブラシの円筒面と接する斜面を有して清掃ブラシに付着した付着物を掻き落とす第2スクレーパと、を備える。
【0007】
ワイヤロープに付着した付着物は回転する円筒状の清掃ブラシによって掻き取られ清掃ブラシに付着する。清掃ブラシの円筒状表面に沿って設けられた第1スクレーパは清掃ブラシに付着した付着物のかなりの部分を叩き落とすが一部残存している。第2スクレーパは清掃ブラシと接する斜面によって残存した清掃ブラシの付着物を取り除く。第1スクレーパは清掃ブラシの円筒面とは間隙を有しててるので、一部の付着物が清掃ブラシに残存するが、第2スクレーパは円筒状の清掃ブラシと接しており残存する付着物を除去することができる。
【0008】
請求項2の発明では、前記第2スクレーパは2つ割れ構造を有し、ワイヤロープの両側から装着できるようになっている。
【0009】
第2スクレーパは内部をワイヤロープが貫通するようになっているので、2つ割れ構造にしてワイヤロープに容易に取り付けられるようになっている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態は水門の吊り上げ用ワイヤロープに用いた場合を示す。図1は本実施形態のワイヤロープ清掃装置をワイヤロープに取り付け清掃している状態を示す図である。ワイヤロープ1の両側から接して円筒状の清掃ブラシ2がその回転軸をワイヤロープ1と直交して後述する支持装置6に回転可能に取り付けられている。各清掃ブラシ2にはワイヤロープ1と反対側に断面円弧状の第1スクレーパ3が清掃ブラシ2の円筒面に沿って、かつ所定の間隙を有して支持装置6に取り付けられている。
【0011】
中心をワイヤロープ1が貫通し両清掃ブラシ2と接する屋根状の斜面を有した第2スクレーパ4が設けられている。第2スクレーパ4はゴム製で2つ割りで構成され、ワイヤロープ1の両側から装着できるようになっている。ワイヤロープ1の両側には清掃ブラシ2を回転駆動するモータ5が支持装置6に取り付けられている。支持装置6はモータ5の回転を清掃ブラシ2に伝達する歯車等の回転伝達機構を有するとともに清掃ブラシ2、第1スクレーパ3、モータ5を支持する。支持装置6や第2スクレーパ4の下部にはタンク7が設けられ頂部の開口8より第1および第2スクレーパ3,4で掻き取った付着物を蓄積する。
【0012】
支持装置6からタンク7までのLで示す範囲が1つの清掃ユニット9を構成する。この清掃ユニット9を少なくても2個、図に示すように清掃ブラシ2の回転軸が互いに直交するように配置してワイヤロープ1に装着する。この清掃ユニット9を図示しない昇降装置によりワイヤロープ1に沿って昇降させる。
【0013】
図2はワイヤロープ1と第2スクレーパ4との取り合いの状態を示す図である。第2スクレーパ4の中心にはワイヤロープ1が貫通する孔が設けられている。また、第2スクレーパ4は長さ方向に2つ割りになっており、ワイヤロープ1の両側から押し付けることにより一体にする。
【0014】
図3はワイヤロープ1、清掃ブラシ2、第1スクレーパ3および第2スクレーパ4の関係を示した図である。ワイヤロープ1に付着した付着物は清掃ブラシ2に掻き取られ、清掃ブラシ2に付着し、そのかなりの部分は第1スクレーパ3により除去されタンク7に落下する。しかし一部は残存しているので第2スクレーパ4の傾斜面でこすり取りタンク7に落下させる。
【0015】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明はワイヤロープの両側に設けられた円筒状清掃ブラシの表面に沿って断面が円弧状の第1スクレーパを設け、さらに清掃ブラシが接する斜面を有する第2スクレーパを設けることによりワイヤロープから掻きとり清掃ブラシに付着した付着物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態をの構成を示す図である。
【図2】第2スクレーパとワイヤロープとの取り合いを示す図である。
【図3】ワイヤロープ1、清掃ブラシ2、第1スクレーパ3および第2スクレーパ4の関係を示した図である。
【符号の説明】
1 ワイヤロープ
2 清掃ブラシ
3 第1スクレーパ
4 第2スクレーパ
5 モータ
6 支持装置
7 タンク
8 開口
9 清掃ユニット
Claims (2)
- ワイヤロープに接して両側に設けられワイヤロープと直交する軸を中心に回転する円筒状清掃ブラシと、円弧状の断面形状を有し清掃ブラシの円筒表面に沿って設けられ清掃ブラシに付着した付着物を掻き落とす第1スクレーパと、内部をワイヤロープが貫通するロープ孔を有し清掃ブラシの円筒面と接する斜面を有して清掃ブラシに付着した付着物を掻き落とす第2スクレーパと、を備えたことを特徴とするワイヤロープ清掃装置。
- 前記第2スクレーパは2つ割れ構造を有し、ワイヤロープの両側から装着できるようになっていることを特徴とする請求項1記載のワイヤロープ清掃装置。
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1997
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