JP3717554B2 - 動力伝達軸のバランス取り構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は動力伝達軸のバランス取り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両の動力伝達軸は、軸部材の両端に等速自在継手を取付けてなり、組立後に回転バランスが取られる。従来、軸部材が繊維強化複合材料で成形された動力伝達軸の回転バランスを取るため、実開平4−28211号公報「ハイブリッド動力伝達軸」が提案されている。
【0003】
上記技術は、同公報の第1図に示されているように、繊維強化複合材料で形成された軸部材2の両端に鋼製のブーツアダプタ8を嵌合し、ブーツアダプタ8の先端に延長部8´を設け、延長部8´の外周面に鋼製のバランスピースP1を溶接するようになっている。このような構成にすることによって、溶接不可能な繊維強化複合材料製の軸部材2を使用しているにも拘らず、鋼製のバランスピースP1を溶接によって取付けできることを特徴としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、延長部8´が、軸部材2と等速自在継手10とに直接接触しているので、延長部8´にバランスピースP1を溶接するときに、溶接熱の多くが軸部材2及び等速自在継手10に伝わって、次のような不具合が発生する。
【0005】
すなわち、等速自在継手10に溶接熱が加わると、等速自在継手10の構成部品が熱歪みを起こし、等速自在継手としての機能を損うおそれがある。また、等速自在継手10内の例えばOリングなどのグリース封止部材が、溶接熱で溶けてしまって、グリース漏れを起こすおそれがある。このような問題は、金属製の軸部材を使用する場合にも同様に発生する。
【0006】
また、軸部材2が例えば繊維強化プラスチック(以下「FRP」と記す。)製の場合は、バランスピースP1の溶接熱によって軸部材2が溶け、軸部材2の強度が低下して動力を正確に伝達できなくなるという問題が発生する。
そこで本発明の目的は、バランスピースを溶接で固定する場合に、溶接熱が等速自在継手及び軸部材に伝わるのを抑制し、上述の等速自在継手の機能損失、グリース漏れ及び軸部材がFRP製の場合は軸部材の溶融を防止できる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1は、軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、ブーツアダプタとジョイントまたは軸部材外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、ブーツアダプタの前記空間に対応する位置に金属製のバランスピースを溶接によって固定するとともに、ジョイントに、ブーツアダプタの該ジョイント側の基部を差込むため軸方向に延びた環状溝を形成したことを特徴とする。
ブーツアダプタとジョイントとの間の空間が断熱材として作用し、バランスピースの溶接熱が等速自在継手及び軸部材に伝わるのを抑制できる。
特に本発明は、ジョイントに、ブーツアダプタの該ジョイント側の基部を差込むため軸方向に延びた環状溝を形成したので、環状溝にブーツアダプタの基部を差込むだけで等速自在継手とブーツアダプタとの接合強度を上げることができる。
【0008】
請求項2は、軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、前記ブーツアダプタと前記ジョイント外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、前記空間は、前記ブーツアダプタの前記ジョイント側の基部に形成し、この空間にバランスピースを挿入可能に構成したことを特徴とする。
ブーツアダプタとジョイントとの間の空間が断熱材として作用し、バランスピースの溶接熱が等速自在継手及び軸部材に伝わるのを抑制できる。
特に本発明は、空間内にバランスピースを取付けることにより、動力伝達軸の回転中にバランスピースが遠心力で外れるおそれがなくなる。
【0009】
請求項3は、軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、前記ブーツアダプタと前記ジョイント外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、前記空間は、ブーツアダプタの前記ジョイント側の基部端を外 側に折返すことにより、この折返し部と前記ブーツアダプタ並びに前記ジョイントとの間に形成し、前記折返し部に前記バランスピースを固定するとともに、前記折返し部の前記軸部材側の端面に、前記軸部材の先端を保護するためのプロテクタを設けたことを特徴とする。
ブーツアダプタとジョイントとの間の空間が断熱材として作用し、バランスピースの溶接熱が等速自在継手及び軸部材に伝わるのを抑制できる。
特に本発明は、折返し部を設けることによって空間を設けるので、空間を比較的大きくすることができ、バランスピースの溶接部とジョイント及び軸部材との空間距離をより長くして断熱効果を上げることができるとともに、プロテクタによって、軸部材の端部に小石などが衝突するのを防止でき、軸部材の損傷を防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る動力伝達軸の参考例の分解図である。なお、同図は軸部材の左側の端部と、これに取付ける等速自在継手の構成を示しており、実際には軸部材の右端部にもこれと同様な等速自在継手を取付ける。
この動力伝達軸1は、例えばFRP(繊維強化プラスチック)製の軸部材11と、軸部材11の両端に取付ける等速自在継手12とからなる。軸部材11は両端に大径部11a(片方のみ図示)を有する筒状成形体である。そして、大径部11aに等速自在継手12を嵌合する。
【0011】
等速自在継手12は、カップリングのフランジ13aを有する回転軸13と、回転軸13の周囲から等速自在継手12内に塵埃などが入るのを防止するため、ゴムなどの弾性材料で成形したブーツ14と、ブーツ14を回転軸13の途中に固定するための金属製で円筒状のブーツアダプタ15と、軸部材11と回転軸13とを連結するためのボディ16とからなる。
【0012】
ボディ16には、ジョイント(外輪とも呼称される)17を設け、このジョイント17内に内輪18を同心状に配置する。ジョイント17と内輪18との間には、部分的にボール19を嵌め込む。ボール19はリテーナ29によって保持し、自転可能で公転不可能にする。
【0013】
ジョイント17の外周面には、同図の右側から順に軸部材11を嵌合するための第1嵌合部20と、ブーツアダプタ15のジョイント17側の基部を折曲げて挿入するための凹溝21と、ジョイント17とブーツアダプタ15との間に円周方向に連続する空間を形成するための段部23と、段部23の途中にOリング24を挿入するための溝25とを設ける。Oリング24は、ブーツアダプタ15とジョイント17の間から内部のグリースが漏れるのを防止するために設けた。
【0014】
一方、ブーツアダプタ15の中間部には、ジョイント17の段部23に嵌合する所定長さの第2嵌合部26を設け、第2嵌合部26の右側にバランスピース30を溶接で固定するための大径部27を設ける。
【0015】
図2は本発明に係る動力伝達軸の参考例の断面図である。等速自在継手12は、回転軸13の環状溝13bに、ブーツアダプタ15に取付けられたブーツ14の開口14aを取付け、回転軸13の端部にボール19及びリテーナ29を含む内輪18を取付け、止め輪31で止め、これらを次の要領でボディ16に取付けたものである。
【0016】
すなわち、ブーツ14が取付けられたブーツアダプタ15の第2嵌合部26を、ジョイント17の先端に段部23の途中まで嵌合し、次に、大径部27の先端を径内方に折曲げて折曲げ部35を形成し、その先端に小径円筒部36を設け、この小径円筒部36をジョイント17の凹溝21に挿入してなる。この際に、段部23と大径部27との間には、円周方向に連続する所定幅の空間22を形成したことを特徴とし、この空間22の作用については後述する。なお、上記組立手順は一例を示すもので、これに限定されるものではない。
回転軸13とジョイント17とは、相対的に一定の角度まで傾き自在であり、この状態で動力伝達可能である。
【0017】
この動力伝達軸1は回転軸であるから、重心が軸心にある必要があり、これがずれているとアンバランスになり好ましくない。そこで、バランシングマシンでチェックし、アンバランス量に応じて、ブーツアダプタ15の大径部27の外周面で空間22に対応する適宜な位置に、金属製のバランスピース30を溶接によって固定する。
【0018】
以上に述べた動力伝達軸1の作用を次に説明する。
図3はバランスピース30の溶接方法及び熱の流れを説明する断面図であり、溶接用の負電極33を例えばブーツアダプタ15の大径部27に当接しておき、この大径部27の所定の位置にバランスピース30を押し当てた状態で、バランスピース30に溶接用の正電極34を当接する。そして、図中に矢印Aで示したように、電流を正電極34からバランスピース30及び大径部27を介して負電極33側に流し、バランスピース30と大径部27を溶接部35でインダイレクトスポット方式の溶接をする。
【0019】
溶接部35で発生した熱の一部は、図中に矢印B,Cで示すように、熱が伝わりやすい大径部27を通ってジョイント17に伝わる。この経路B,Cから伝わった熱は、ジョイント17に達する前に周囲の空気によって冷却されるので、ジョイント17に達する熱量は非常に少ない。
【0020】
また、溶接部35で発生した熱の一部は矢印Dで示すように、段部23と大径部27との空間22を介してジョイント17に伝わる。空間22は金属製の大径部27に比べて伝熱量が非常に小さいので断熱材として作用し、経路Dからジョイント17に達する熱量も非常に少なくなる。
空間22は円周方向に連続しているので、バランスピース30を任意の位置に溶接固定しても、軸部材11や等速自在継手12が溶接熱の影響を受けるのを抑制することができる。
【0021】
上述のように、この動力伝達軸1においては、バランスピース30を溶接するブーツアダプタ15の大径部27と、ボディ16のジョイント17に設けた段部23との間に円周方向に連続する空間22を形成し、空間22を断熱材として利用したので、バランスピース30の溶接時に、溶接部35からジョイント17に伝わる熱量を非常に少なくすることができる。
【0022】
したがって、ジョイント17及びこれに直接的又は間接的に接触している各部の熱変形を防止して、等速自在継手としての機能を正常に保持することができる。また、ジョイント17の溝25に挿入されているOリング24が熱によって溶けるのを防止し、内部のグリースが漏れ出るのを防止できる。更に、ジョイント17に嵌合したFRP製の軸部材11が熱で溶けるのを防止して、動力を正確に伝達することが可能になる。
【0023】
また、この動力伝達軸1は、ブーツアダプタ15の第2嵌合部26をジョイント17の段部23に嵌合すると共に、小径円筒部36をジョイント17の凹溝21に挿入したので、段部23と第2嵌合部26との嵌合だけで接合する場合に比べて接合強度を上げることができる。
【0024】
図4は本発明に係る動力伝達軸の実施例の部分断面図であり、図1及び図2と同一の部分には同一の符号を付けて、詳細な説明を省略した。この実施形態の動力伝達軸2は、上述の動力伝達軸1に対して等速自在継手のジョイントとブーツアダプタとの接合構造が異なる。
【0025】
すなわち、この動力伝達軸2においては、等速自在継手40の円筒状のブーツアダプタ41に第2嵌合部26を設け、その先端に大径部42を設ける。大径部42はストレートな円筒状に形成し、その先端に差し込み部43を設ける。等速自在継手40のジョイント44には、軸部材11を嵌合するための第1嵌合部20と、段部23を設ける。そして、段部23にはブーツアダプタ41の第2嵌合部26を嵌合し、大径部42と段部23との間に円周方向に連続する空間22を形成する。
【0026】
また、ジョイント44には、段部23と第1嵌合部20との間に位置して軸方向に延びた環状溝45を設け、この環状溝45にブーツアダプタ41の差し込み部43を挿入する。バランスピース30は、大径部42の空間22に対応する位置に溶接する。
【0027】
この動力伝達軸2は、図2の動力伝達軸1と同様にバランスピース30の溶接熱の影響を抑えることができるので、等速自在継手40の機能を正常に保持すると共に、動力を正確に伝達することが可能になる。
【0028】
更に、この動力伝達軸2は、ブーツアダプタ41の第2嵌合部26をジョイント44の段部23に嵌合すると共に、ブーツアダプタ41の大径部42の先端にある差し込み部43をジョイント44の軸方向に延びた環状溝45に差込んでいるので、ブーツアダプタ41とジョイント44との接合強度を上げることができ、しかもブーツアダプタ41をジョイント44に容易に取付けることができる。
【0029】
図5は本発明に係る動力伝達軸の他の実施例の部分断面図であり、図2の動力伝達軸1に対してブーツアダプタとジョイントとの接合構造と、バランスピースの溶接位置が異なる。
【0030】
すなわち、この動力伝達軸3は、等速自在継手50の円筒状のジョイント51の外周面に、図中の右側から順に第1嵌合部20と、凹溝52と、リング状の溝25とを設ける。第1嵌合部20には軸部材11の大径部11aを嵌合し、溝25にはOリング24を挿入する。
【0031】
また、等速自在継手50のブーツアダプタ53には、ジョイント51の凹溝52から左側の部分に嵌合する第2嵌合部26を設け、この第2嵌合部26の右側に径内方向への折曲げ部54と小径円筒部58を設ける。そして、小径円筒部58を凹溝52に挿入する。
【0032】
小径円筒部58の右側には立上げ部59を設け、その先端に大径部55を設ける。大径部55とジョイント51との間には円周方向に連続する所定の幅の空間56を形成し、空間56の軸部材11側を開放する。そして、動力伝達軸3の回転バランスを取る場合は、空間56内にアンバランス量に応じて円弧状のバランスピース57を挿入し、大径部55の内面にバランスピース57を溶接する。
【0033】
この動力伝達軸3においては、上述の動力伝達軸1と同様な断熱効果があり、更に空間56を軸部材11側に開放しているので、この開放端から空間56内にバランスピース57を挿入することができる。こうすると、大径部55によってバランスピース57の径方向の位置ずれが規制され、例えば動力伝達軸3の回転中にバランスピース57が外れてしまうのを防止できる。
【0034】
図6は本発明に係る動力伝達軸の更なる他の実施例の部分断面図である。この動力伝達軸4は、図5の動力伝達軸3に対して等速軸継手のブーツアダプタのみ異なっている。
【0035】
すなわち、動力伝達軸4の等速自在継手60に取付けられた円筒状のブーツアダプタ61には、図中の左側から順に第2嵌合部26、折曲げ部54、小径円筒部58、第3嵌合部62、第3嵌合部62の基部端を全周に亘って折返した折返し部63を設け、第3嵌合部62と折返し部63との間に円周方向に連続する所定の幅の空間64を形成する。
【0036】
そして、動力伝達軸4の回転バランスを取る場合は、空間64内にバランスピース57を挿入して折返し部63の内面に溶接する。更に、ブーツアダプタ61の基部端、すなわち折返し部63の根元に、軸部材11の端部を保護するリング状のプロテクタ65を設ける。
【0037】
この動力伝達軸4においては、ブーツアダプタ61の第2嵌合部26と第3嵌合部62との両方をジョイント51に嵌合しているので、ブーツアダプタ61とジョイント51との接合強度を上げることができる。また、プロテクタ65によって軸部材11の端部が保護されるので、自動車の走行中に跳ね飛ばされた小石などが軸部材11の端部に衝突して損傷するのを防止することができる。更に、折返し部63によって空間64を形成しているので、空間64を比較的大きくすることができ、バランスピース57の溶接部とジョイント51との空間距離を長くして、溶接熱の影響を更に抑制することができる。
【0038】
なお、この動力伝達軸4は、図6の他の実施例を示した図7に示すように折返し部63の先端に断面がコの字状のバランスピース66を嵌め込んで溶接することもできる。このバランスピース66は重量を大きくできるので、アンバランス量が大きい場合に好適である。
【0039】
上述の実施例では、FRP製の軸部材11を使用した場合について説明したが、本発明は金属製の軸部材を使用した動力伝達軸にも適用することができる。
また、請求項1において空間を、ブーツアダプタと軸部材外周面との間に設けてもよいとしたのは、例えば図5においてブーツアダプタ53の大径部55をより図右へ延長して軸部材11に被せ、このときに軸部材11との間に空間を形成するということである。
【0040】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、 軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、ブーツアダプタとジョイントまたは軸部材外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、ブーツアダプタの前記空間に対応する位置に金属製のバランスピースを溶接によって固定するとともに、ジョイントに、ブーツアダプタの該ジョイント側の基部を差込むため軸方向に延びた環状溝を形成したので、まず、空間が断熱材として作用し、バランスピースの溶接熱が等速自在継手や軸部材に伝わるのを抑制することができる。したがって、等速自在継手が熱変形するのを防止して本来の機能を保持することができると共に、軸部材がFRP製の場合は軸部材が熱によって溶けるのを防止して動力を正確に伝達することが可能になる。
特に本発明では、ジョイントに、ブーツアダプタの該ジョイント側の基部を差込むため軸方向に延びた環状溝を形成したので、ブーツアダプタのジョイント側の基部をジョイン トの軸方向に延びた環状溝に差し込むことで、ブーツアダプタと等速自在継手との接合強度を上げることができると共に、ブーツアダプタの取付けが容易になる。
【0041】
請求項2は、軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、前記ブーツアダプタと前記ジョイント外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、前記空間は、前記ブーツアダプタの前記ジョイント側の基部に形成し、この空間にバランスピースを挿入可能に構成したので、まず、空間が断熱材として作用し、バランスピースの溶接熱が等速自在継手や軸部材に伝わるのを抑制することができる。したがって、等速自在継手が熱変形するのを防止して本来の機能を保持することができると共に、軸部材がFRP製の場合は軸部材が熱によって溶けるのを防止して動力を正確に伝達することが可能になる。
特に本発明では、ブーツアダプタのジョイント側の基部に空間を形成し、この空間内にバランスピースを挿入したので、回転中にバランスピースが外れるおそれがなくなる。
【0042】
請求項3は、軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、前記ブーツアダプタと前記ジョイント外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、前記空間は、ブーツアダプタの前記ジョイント側の基部端を外側に折返すことにより、この折返し部と前記ブーツアダプタ並びに前記ジョイントとの間に形成し、前記折返し部に前記バランスピースを固定するとともに、前記折返し部の前記軸部材側の端面に、前記軸部材の先端を保護するためのプロテクタを設けたので、まず、空間が断熱材として作用し、バランスピースの溶接熱が等速自在継手や軸部材に伝わるのを抑制することができる。したがって、等速自在継手が熱変形するのを防止して本来の機能を保持することができると共に、軸部材がFRP製の場合は軸部材が熱によって溶けるのを防止して動力を正確に伝達することが可能になる。
特に本発明では、ブーツアダプタのジョイント側の基部端を外側に折返し、その折返し部とブーツアダプタ及びジョイントとの間に空間を形成したので、ブーツアダプタとジョイントとの嵌合部を長くすることができ、これによって、接合強度を上げることができ、また、空間を比較的大きくすることができるので、断熱効果を上げることができるとともに、折返し部の軸部材側の端面に、軸部材の端部を保護するプロテクタを設けたことにより、車両走行中に跳ね飛ばされた小石などが軸部材の先端に衝突して、軸部材が損傷するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る動力伝達軸の参考例の分解図
【図2】 本発明に係る動力伝達軸の参考例の断面図
【図3】 本発明に係る動力伝達軸の参考例の作用説明図
【図4】 本発明に係る動力伝達軸の実施例の断面図
【図5】 本発明に係る動力伝達軸の他の実施例の断面図
【図6】 本発明に係る動力伝達軸の更なる他の実施例の断面図
【図7】 本発明に係る動力伝達軸の図6の他の実施例の断面図
【符号の説明】
1,2,3,4…動力伝達軸、11…軸部材、12,40,50,60…等速自在継手、13…回転軸、14…ブーツ、15,41,53,61…ブーツアダプタ、16…ボディ、17…ジョイント、22,56,64…空間、21,52…凹溝、30,57,66…バランスピース、35,54…折曲げ部、36,58…小径円筒部、45…環状溝、63…折返し部、65…プロテクタ。
Claims (3)
- 軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、
前記ブーツアダプタと前記ジョイントまたは軸部材外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、前記ブーツアダプタの前記空間に対応する位置に金属製のバランスピースを溶接によって固定するとともに、
前記ジョイントに、前記ブーツアダプタの該ジョイント側の基部を差込むため軸方向に延びた環状溝を形成した、
ことを特徴とする動力伝達軸のバランス取り構造。 - 軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、
前記ブーツアダプタと前記ジョイント外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、
前記空間は、前記ブーツアダプタの前記ジョイント側の基部に形成し、この空間にバランスピースを挿入可能に構成した、
ことを特徴とする動力伝達軸のバランス取り構造。 - 軸部材の端部にジョイントと回転軸とからなる等速自在継手を取付け、この等速自在継手のジョイントに金属製で円筒状のブーツアダプタを取付け、この金属製ブーツアダプタに前記ジョイントと前記回転軸との結合部をシールするブーツを取付けた動力伝達軸において、
前記ブーツアダプタと前記ジョイント外周面との間に円周方向に連続する所定幅の空間を設け、
前記空間は、ブーツアダプタの前記ジョイント側の基部端を外側に折返すことにより、この折返し部と前記ブーツアダプタ並びに前記ジョイントとの間に形成し、
前記折返し部に前記バランスピースを固定するとともに、前記折返し部の前記軸部材側の端面に、前記軸部材の先端を保護するためのプロテクタを設けた、
ことを特徴とする動力伝達軸のバランス取り構造。
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JP22946595A JP3717554B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 動力伝達軸のバランス取り構造 |
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- 1995-09-06 JP JP22946595A patent/JP3717554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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