JP3717276B2 - 飲料ディスペンサ装置 - Google Patents

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JP3717276B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料水を注出する飲料ディスペンサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、飲料水をカップに注出して提供するカップディスペンサやカップ式飲料自動販売機などの飲料ディスペンサ装置では、飲料原料と冷水または湯水とを混合して希釈された飲料をカップに注出するようにしている。
【0003】
このような飲料ディスペンサ装置では、特に、冷水を供給するために、例えば、実用新案登録第2512879号公報または実公昭61−33492号に記載されているように、水冷蓄熱方式の冷却機能を備えた構成が知られている。すなわち、冷却水を貯留する冷却水槽内に、冷却水を撹拌するアジテータを配設するとともに、冷却水中に浸漬吊下する冷媒コイルと冷却コイルとをアジテータの周囲に配設し、そして、冷媒サイクルの作動により冷媒コイルの表面に氷を蓄氷形成し、アジテータにより冷却水槽内の冷却水を撹拌冷却し、この冷却水で冷却コイルを通過する飲料水を冷却するようにしている。
【0004】
この水冷蓄熱方式では、冷却水槽内の冷却水を飲料として用いず、自然蒸発する少量分が減少されるだけであるから、一度補給すれば常時補給給水する必要がない。そのため、冷却水槽に対して自動給水化しても、使用頻度はきわめて少なく、液面スイッチや制御系の故障の要因もあるため、手動給水方式でも十分に対応可能である。すなわち、水冷蓄熱方式の冷却水槽に対しては、手動給水方式で十分に対応することが可能で、自動給水方式に比べてコストや故障の低減化を図れる。
【0005】
そして、冷却水槽への給水補給時には、冷却水槽への給水管路に介在された開閉コックを手動で開放して水源からの流水を冷却水槽に給水補給し、冷却水槽が所定レベルまで満たされれば開閉コックを手動で閉じて給水補給を完了する。なお、冷却水槽内へ所定レベル以上に給水補給されるオーバーフロー水は、装置本体の底部に配設される排水受皿に回収し、この排水受皿から装置本体外に通じる排水管や装置本体を載置する置台内に配置される容器などに排水する。
【0006】
また、排水受皿は、装置本体内で発生するドレン水(オーバーフロー水を含む)を回収するもので、後部に排水管などと接続される排水口を設け、ドレン水を受け入れる底面全体を排水口が位置する後方へ向かって傾斜状に形成している。さらに、排水受皿は装置本体の底部ベースの下側に前方から挿入配設されるため、排水受皿の前面の一部が装置本体の前面に露出するだけで、排水受皿の底面などはベースの下側に隠れてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、手動により冷却水槽へ給水補給する手動給水方式では、冷却水槽の満水状態を容易に確認できなかった。
【0008】
すなわち、冷却水槽への給水補給レベルを直接的には確認できないので、冷却水槽が満水になった後のオーバーフロー水の排水によって確認するしかないが、このオーバーフロー水は排水受皿を経由した後に外部に通じる排水管から排水されるか置台内に配置される容器に排水されてからでないと確認できず、無駄に流れてしまう水量が増加し、さらに、外部に通じる排水管からの排水を確認する場合にはその排水場所に確認しに行かなければならず、しかも、その外部に通じる排水管からの排水が確認できない状況にあれば冷却水槽の満水状態を全く確認できない。
【0009】
また、手動により冷却水槽へ給水補給する手動給水方式では、冷却水の自然蒸発分を自動的に補うことができず、冷却水を補給する手間がかかる。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、手動により貯留水槽または冷却水槽へ給水補給する手動給水方式における課題を解決できる飲料ディスペンサ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の飲料ディスペンサ装置は、装置本体と、この装置本体内に配設され、飲料水および飲料水を熱交換する熱交換用水のいずれか一方を貯留する貯留水槽と、開閉コックが介在され、この開閉コックの開放により前記貯留水槽内に水源からの流水を給水補給する給水管路と、前記貯留水槽内へ所定レベル以上に給水補給されるオーバーフロー水を貯留水槽から流出させるオーバーフロー管と、前記装置本体の底部側に配設されたベースと、このベース下方に配設され前記装置本体内で発生するドレン水を受け入れて回収し、かつ、前記貯留水槽からオーバーフロー管を通じて流出するオーバーフロー水を受け入れるとともに装置本体への配設状態で視認可能とする前記ベース前縁部から突出した部位へオーバーフロー水を案内する迂回排水路を有する排水受皿とを具備しているものである。
【0012】
貯留水槽への給水補給時には、開閉コックを手動で開放し、水源からの流水を給水管路を通じて貯留水槽に給水補給する。貯留水槽内へ所定レベル以上に給水補給すると、オーバーフロー水が貯留水槽からオーバーフロー管を通じて流出。この貯留水槽からオーバーフロー管を通じて流出するオーバーフロー水を排水受皿の迂回排水路に受け入れて装置本体のへの配設状態でベース前縁部から突出した視認可能とする部位へ積極的に案内する。排水受皿の迂回排水路を介してオーバーフロー水の流出を視認し、貯留水槽の満水状態を確認できれば、開閉コックを閉じて給水補給を完了する。したがって、排水受皿の迂回排水路を介してオーバーフロー水の流出を視認可能とし、貯留水槽の満水状態の確認を容易にする。
【0013】
請求項2記載の飲料ディスペンサ装置は、請求項1記載の飲料ディスペンサ装置において、装置本体を開閉する扉体が設けられ、開閉コックが扉体の開放によって露出される位置に設けられ、かつ、迂回排水路が扉体の開放によって露出される排水受皿の露出部分に設けられているものである。
【0014】
扉体の開放によって、露出される開閉コックを操作可能とするとともに、ベース前縁部から突出した排水受皿の露出部分に設けた迂回排水路を介してオーバーフロー水の流出を視認可能とし、貯留水槽の満水状態の確認を容易にする。
【0015】
請求項3記載の飲料ディスペンサ装置は、請求項1または2記載の飲料ディスペンサ装置において、貯留水槽は、熱交換用の冷却水が貯留されるとともに、この冷却水中に冷媒コイルと冷却コイルとが浸漬され、飲料水が冷却コイルを通じて注出される水冷蓄熱式の冷却水槽である。
【0016】
水冷蓄熱式の冷却水槽であるため、自動給水方式に対する手動による給水方式のメリットを有効に生かせる。
【0017】
請求項4記載の飲料ディスペンサ装置は、請求項3記載の飲料ディスペンサ装置において、冷却コイルに接続されて飲料水を注出する冷水管と、この冷水管を開閉する給水弁と、前記冷水管の給水弁より下流側に一端が接続されるとともに、他端が貯留水槽に導かれたエア導入管とを具備しているものである。
【0018】
給水弁を開くと、冷却コイルで冷却された冷水を冷水管を通じて注出する。給水弁を閉じると、エア導入管から冷水管にエアが導入されて冷水とエアとの置換を良好にし、給水弁を閉じた後の冷水の後だれ時間を短縮する。冷水供給時には、冷水管のエア導入管から冷水の一部が漏水する。エア導入管から漏水する冷水は貯留水槽に導き、冷却水の自然蒸発分を自動的に補い、冷却水の補給の手間を削減する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の飲料ディスペンサ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1は飲料ディスペンサ装置の構成図、図2は排水受皿の平面図、図3(a) は図2のA−A断面図、図3(b) は図2のB−B断面図、図3(c) は図2のC−C断面図である。
【0023】
図1において、飲料ディスペンサ装置は、前面を開口した装置本体1およびこの装置本体1の前面を開閉可能とする扉体2を有し、装置本体1内には、底部にベース3が配設されているとともに、このベース3上に装置本体1内を前後に仕切る中仕切板4が配設されている。
【0024】
中仕切板4の前側には、キャニスタ5、ミキシングボール6、カップステーション7などが配設されている。中仕切板4の後側には、加熱装置8および冷却装置9などが配設されている。ベース3の下側には、排水受皿10が配設されている。なお、複数種の飲料を注出可能とする場合には、キャニスタ5およびミキシングボール6などは飲料の種類別に複数個用いられる。
【0025】
そして、キャニスタ5は、飲料用粉末原料を収納するとともに定量繰出可能とし、このキャニスタ5にはキャニスタ5から繰り出される飲料用粉末原料を受け入れてミキシングボール6に案内するシュート11が着脱自在に配設されている。
【0026】
また、ミキシングボール6は、内部に撹拌空間12を有し、この撹拌空間12に連通して、上面に湯水供給口13および原料供給口14が形成され、底面に飲料注出口15が形成されている。撹拌空間12には撹拌翼体16が回転自在に配設され、飲料注出口15には注出ノズル17が取り付けられている。
【0027】
このミキシングボール6は、装置本体1に対して着脱自在とされ、装着時において、湯水供給口13が加熱装置8または冷却装置9から湯水または冷水が導かれるエルボ18に連通され、原料供給口14がシュート11の下部に連通され、飲料注出口15がカップステーション7に連通され、撹拌翼体16が装置本体1側に配設されたモータ19の駆動軸に連結される。
【0028】
このミキシングボール6では、撹拌空間12に投入される飲料用粉末原料と湯水または冷水とを撹拌翼体16により撹拌、混合して飲料液を調合し、飲料注出口15を通じて注出する。
【0029】
また、カップステーション7は、前面が開口された箱状に形成され、その底部には図示しない補助受皿を有し、この補助受皿上にミキシングボール6から飲料液が注出されるカップ21を載置するスノコ22が配設されている。補助受皿の底部に排水口が形成され、この排水口はベース3を貫通して排水受皿10上に連通されている。
【0030】
このカップステーション7には、加熱装置8および冷却装置9から導かれる湯水および冷水をカップ21に注出する湯水ノズル23および冷水ノズル24が配設されている。
【0031】
また、加熱装置8は、湯水が貯留される湯水タンク31を有し、この湯水タンク31の底部には貯留された湯水を所定温度に沸き上げるヒータ32が配設されている。湯水タンク31の上面にはこの湯水タンク31の上面を閉塞する蓋体33がパッキング34を装着され、この蓋体33に、電磁弁35を介して水道水などの飲料水を給水する給水管36が連通されているとともに、水位を検知してその水位が一定に保たれるように電磁弁35を制御するための水位検知手段37が配設されている。
【0032】
湯水タンク31内には、給水管36から湯水タンク31内に導入される常温の飲料水を湯水タンク31の底部側に導いて、湯水タンク31内の上層の高温の沸上湯水と常温水とが混合して温度低下が生じるのを防止するための導管38が着脱可能に配設されている。この導管38は、円筒状の内管39と外管40とを有し、これら内管39と外管40との両端が液密に固着されるとともに、内管39と外管40との間に空間部(空気層)41が形成されている。このように、導管38を2重管構造とすることによって高い断熱性を確保し、給水時に導管38内に常温水が導入されることによる湯水タンク31内の高温水の温度低下を低減でき、結果的に連続給湯量を増大させることができる。
【0033】
湯水タンク31内には導管38を着脱可能に保持する下部ガイド42および上部ガイド43が配設されている。下部ガイド42は、断面ほぼL字状に形成されて、湯水タンク31の底面に固定されており、立上部分の中央に導管38の下部内側に係合する山形の係合突起44が形成されている。上部ガイド43は、断面ほぼコ字形に形成されて、湯水タンク31の内壁面の上端近傍に固定されており、導管38を挿通可能とする挿通孔45が形成されている。したがって、上部ガイド43の挿通孔45を通じて導管38を挿脱できるとともに、差し込み時に導管38の下端を下部ガイド42に係合させて位置決め保持できる。このように導管38を着脱可能とすることにより、組立性および清掃などのメンテナンスを容易にできる。
【0034】
蓋体33の下面にはほぼL字状の押え部材46が取り付けられ、蓋体33を湯水タンク31の上面に装着した際に、押え部材46の先端が導管38の上端に対向して導管38の浮き上がりを防止できる。
【0035】
湯水タンク31の側壁の上端近傍にはオーバーフロー管47が接続され、下部には手動の排水コック48を介して排水管49が接続されており、これらオーバーフロー管47および排水管49からのドレン水は排水受皿10に排水される。なお、排水コック48は、扉体2が開放された装置本体1の前面側に露出して手動操作可能とするため、中仕切板4から前方に突出する状態に配設されている。
【0036】
湯水タンク31の湯水上層位置に対応して、電磁弁51,52を介して給湯管53,54が接続され、一方の給湯管53はエルボ18に接続され、他方の給湯管54は湯水ノズル23に接続されている。そして、各電磁弁51,52の開放により、湯水タンク31内の上層の湯水が給湯管53,54を通じて流出給湯される。
【0037】
また、冷却装置9は、水冷蓄熱方式を採用するもので、熱交換用水として冷却水が貯留される貯留水槽としての冷却水槽61を有している。この冷却水槽61は、上面を開口したほぼ円筒形に例えば樹脂成形にて一体に形成されており、底面中央には山形円錐状の凸状ガイド部62が突出形成され、周壁上端には嵌合縁部63が形成されている。冷却水槽61の嵌合縁部63には、冷却水槽61の上面開口を閉塞する蓋体64が嵌合装着されている。
【0038】
蓋体64の中央には、冷却水槽61の冷却水中に浸漬吊下されて凸状ガイド部62の頂部に対向されるアジテータ65が回転自在に支持されている。このアジテータ65は、蓋体64上に配設されるモータ66により回転されて冷却水に下向きの水流が発生するように回転される。
【0039】
蓋体64には、冷却水槽61の冷却水中に浸漬吊下される冷媒コイル67および冷却コイル68の上部側がそれぞれ支持されている。この冷媒コイル67はアジテータ65を中心とする周囲に所定の間隙を介して配設され、冷却コイル68は冷媒コイル67の周囲に所定の間隙を介して同心状に配設されている。
【0040】
冷媒コイル67は、冷媒を通過可能とするパイプがコイル状に巻回されて形成されており、両端部が蓋体64を貫通して吊下支持されている。冷媒コイル67の両端は装置本体1内に配設される図示しない冷凍機に接続されている。そして、冷凍機の作動により、冷媒コイル67を介して冷却水槽61内の冷却水が冷却されるとともに、冷媒コイル67の表面に所定厚の氷が蓄氷形成されるように制御される。
【0041】
冷却コイル68は、飲料水を通過可能とするパイプがコイル状に巻回されて形成されており、両端部が蓋体64を貫通して吊下支持されている。
【0042】
蓋体64には手動の開閉コック69を介して水道水などの冷却水を給水する給水管36に接続された給水管路70が接続され、冷却水槽61の側壁の上端近傍にはオーバーフロー管71が接続され、冷却水槽61の下部には手動の排水コック72を介して排水管73が接続されており、これらオーバーフロー管71および排水管73からのドレン水は排水受皿10に排水される。なお、開閉コック69および排水コック72は、扉体2が開放された装置本体1の前面側に露出して手動操作可能とするために、中仕切板4から突出する状態に配設されている。
【0043】
冷却コイル68の一端には電磁弁74を介して水道水などの飲料水を給水する給水管36が接続され、冷却コイル68の他端には開閉弁としての電磁弁75,76を介して冷水管77,78が接続され、一方の冷水管77はエルボ18に接続され、他方の冷水管78は冷水ノズル24に接続されている。そして、電磁弁74といずれか一方の電磁弁75,76との開放の組み合わせにより、給水管36に導かれる飲料水の給水圧力によって、冷却コイル68を通過して冷却された冷水が冷水管77,78を通じて給水される。
【0044】
電磁弁75,76に近い冷水管77,78の途中位置には、大気開放されているエア導入管79,80が接続されており、電磁弁75,76を閉じた際に、エア導入管79,80から冷水管77,78内に空気が導入されて、冷水と空気との置換を良好にし、電磁弁75,76を閉じた後の飲料液または冷水の後ダレ時間の短縮が図られる。また、エア導入管79,80の先端は、蓋体64を通じて冷却水槽61内に導入されており、冷水供給時において、エア導入管79,80を接続したことで冷水管77,78を通過される冷水の一部がエア導入管79,80から漏水するが、この漏水した冷水を冷却水槽61内に導入することにより、冷却水槽61の冷却水の自然蒸発分が補われる。
【0045】
また、排水受皿10は、装置本体1のベース3の下側に前方から着脱可能に装着され、カップステーション7、各オーバーフロー管47,71および各排水管49,73などからのドレン水を受け入れて回収する。
【0046】
図2および図3に示すように、排水受皿10は、平面視でほぼ四角形状に形成され、周縁部81が立上形成されるとともに、この周縁部81の内側にドレン水を受け入れる凹部82が形成され、この凹部82の底面83は後方へ向けて下降傾斜する傾斜面に形成されている。
【0047】
周縁部81の前面には、排水受皿10が装置本体1に装着された状態でベース3の前縁部から前方に突出して露出する露出部84として構成され、この露出部84には下面側から指を引っ掛けて排水受皿10の着脱操作を行なうための取手部85が形成されている。周縁部81の後面には、凹部82に受け入れるとともに底面83に沿って後方に導かれるドレン水を排水する排水口86を有する接続管87が突出形成されている。
【0048】
凹部82の底面中央域の前後に凸台部88,89が形成され、この凸台部88,89間に凹部82の前後域を区画するように凹部82の幅方向全域にわたって隔壁90が立設され、この隔壁90には隔壁90の前側から後側にドレン水が流れる複数のスリット91が形成されている。そして、カップステーション7からのドレン水は隔壁90の前側領域に受け入れられ、オーバーフロー管47および排水管49,73からのドレン水は隔壁90の後側領域に受け入れられる。なお、隔壁90を設けることにより、カップステーション7から異物が流し込まれた場合でも、その異物を下流側に流さないようにできる。
【0049】
露出部84には凹部82および上方に開口する凹状のオーバーフロー水確認部92が形成され、凹部82にはオーバーフロー水確認部92に連通される迂回排水路93が前後方向に沿って形成されている。この迂回排水路93は、凹部82の底面83から上方へ突出する台部94上に形成されており、この台部94の上方に臨む底面95は前方のオーバーフロー水確認部92に向けて下降傾斜する傾斜面に形成され、底面95の両側縁には凸縁部96が上方に突出形成されている。迂回排水路93の前端はオーバーフロー水確認部92のほぼ半分域に接続され、オーバーフロー水確認部92の残りのほぼ半分域には凹部82に連通する連通口97が形成されている。
【0050】
そして、排水受皿10は、図1に示すように、扉体2を開放した装置本体1の前面からベース3の下側に対して着脱可能に配設される。この排水受皿10の配設状態では、接続管87が装置本体1外に通じる排水管や装置本体1を載置する置台内に配置される容器に通じる排水管などと接続され、凹部82がオーバーフロー管47および排水管49,73の下方域に配置されるとともに迂回排水路93がオーバーフロー管71の下方域に配置される。オーバーフロー管71からのオーバーフロー水は迂回排水路93およびオーバーフロー水確認部92を通じて凹部82に流れる。
【0051】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0052】
まず、加熱装置8において、湯水タンク31への飲料水の給水(補給)は、水位検知手段37の検知に基づいて自動で行なうもので、電磁弁35を自動開放して飲料水を給水管36から湯水タンク31内に導入し、給水(補給)が所定の水位に達したことを検知すると、電磁弁35を自動閉止して飲料水の導入を停止する。
【0053】
湯水タンク31内のヒータ32への通電により、湯水タンク31内の飲料水が所定の温度の湯水として沸き上げられる。
【0054】
また、冷却装置9において、冷却水槽61への冷却水の給水(補給)は、手動で行なう。すなわち、扉体2を開放し、装置本体1の前面に露出する開閉コック69を手動開放して冷却水を給水管36から冷却水槽61内に導入する。
【0055】
冷却水槽61への給水(補給)が所定の水位に達すると、余剰分のオーバーフロー水がオーバーフロー管71を通じて排水受皿10に流出する。この排水受皿10へ流出するオーバーフロー水は、迂回排水路93に受け入れられ、この迂回排水路93の底面95の傾斜によって前方のオーバーフロー水確認部92に案内され、そのオーバーフロー水確認部92を経由した後、挿通口97を通じて凹部82の底面83上に流出する。
【0056】
このとき、オーバーフロー水確認部92は、排水受皿10が装置本体1に装着された状態でベース3の前縁部から前方に突出して露出する露出部84に設けられているため、このオーバーフロー水確認部92へのオーバーフロー水の流出を視認することができ、冷却水槽61の満水状態を容易に確認できる。
【0057】
そして、オーバーフロー水確認部92へのオーバーフロー水の流出を視認したら、開閉コック69を手動閉止して給水を停止することにより、冷却水槽61への冷却水の給水(補給)が完了する。
【0058】
また、オーバーフロー水確認部92を経由して凹部82の底面83上に流出したオーバーフロー水は、底面83の傾斜によって後方の排水口86に案内されて排水される。
【0059】
なお、水冷蓄熱方式では、冷却水槽61内の冷却水を飲料として用いないため、自然蒸発する少量分が減少されるだけであるから、一度補給すれば常時補給給水する必要がなく、そのため、手動による給水方式で対応可能で、自動化する場合に比べてコストの低減化を図れる。しかも、冷却水槽61内の冷却水の自然蒸発分の補給については、後述する冷水供給時にエア導入管79,80から漏水した冷水を冷却水槽61内に導入することにより、その冷却水の自然蒸発分を自動的に補うことができ、冷却水の補給の手間を削減できる。
【0060】
そして、冷凍機の作動により、冷媒コイル67を介して冷却水を冷却して、冷媒コイル67の表面に所定厚の氷を蓄氷形成する。同時に、アジテータ65を回転させ、冷却水に下向きの水流を発生させて、冷却水槽61内の冷却水を循環させる。このとき、冷却水槽61の底面の凸状ガイド部62により、アジテータ65による撹拌水流を上方の冷媒コイル67と冷却コイル68との間にスムーズに案内でき、冷媒コイル67の表面に均一厚の氷を生成させて蓄氷量を増大させ、冷却作用を向上させることができる。
【0061】
次に、飲料液の注出時には、扉体2の前面に配設される選択釦により飲料の種類とともにホットまたはコールドの選択操作を行なうと、対応するキャニスタ5から飲料用粉末原料をミキシングボール6に投入するとともに、湯水または冷水をエルボ18を通じてミキシングボール6に供給し、このミキシングボール6内で撹拌翼体16の回転により飲料用粉末原料と湯水または冷水とを撹拌、混合して飲料液を調合し、調合した飲料液を飲料注出口15および注出ノズル17を通じてカップステーション7に配置されるカップ21に注出する。
【0062】
また、湯水の供給は、電磁弁51を開放することにより、湯水タンク31内の上層の湯水を給湯管53およびエルボ18を通じてミキシングボール6へ流出給湯させる。なお、湯水をカップステーション7に直接供給する場合には、電磁弁52を開放することにより、湯水タンク31内の上層の湯水を給湯管54および湯水ノズル23を通じて流出給湯させる。
【0063】
また、冷水の供給は、電磁弁74と電磁弁75との開放の組み合わせにより、給水管36に導かれる飲料水の給水圧力によって、飲料水を冷却コイル68に通し、冷却コイル68を通過する間に冷却された冷水を冷水管77およびエルボ18を通じてミキシングボール6へ供給する。なお、冷水をカップステーション7に直接供給する場合には、電磁弁74と電磁弁76との開放の組み合わせにより、給水管36に導かれる飲料水の給水圧力によって、飲料水を冷却コイル68に通し、冷却コイル68を通過する間に冷却された冷水を冷水管78および冷水ノズル24を通じて供給する。
【0064】
この冷水供給時において、電磁弁75,76を閉じた際に、エア導入管79,80から冷水管77,78内に空気が導入されて、冷水と空気との置換を良好にし、電磁弁75,76を閉じた後の飲料液または冷水の後ダレ時間の短縮が図られる。また、冷水管77,78を通過する冷水の一部がエア導入管79,80から漏水するが、この漏水した冷水を冷却水槽61内に導入することにより、冷却水槽61の冷却水の自然蒸発分を自動的に補うことができる。
【0065】
また、冷却水槽61の底面に凸状ガイド部62を一体に形成することにより、冷却水槽61の強度を向上させることができるため、冷却水槽61を凸状ガイド部62を含めて樹脂成形にて一体に形成することができる。
【0066】
また、冷却水槽61に凸状ガイド部62を形成することにより、冷却水槽61の容量が減量化、すなわち冷却水の減量化を図れ、冷却水の冷却時間を短縮でき、冷却効率を向上できる。
【0067】
さらに、冷却水槽61の容量の減量化は、冷却水槽61への冷却水の手動給水時においても有利に作用する。すなわち、開閉コック69を手動開放して冷却水を冷却水槽61内に導入するとき、オーバーフロー管71を介して排水受皿10に余剰分のオーバーフロー水が流出するのを目視確認するが、冷却水槽61の容量が少ければ、それに応じて給水時間が短縮されるから、目視確認にかかる時間を短縮できる。
【0068】
なお、前記実施の形態では冷却水槽61からのオーバーフロー水を排水受皿10の迂回排水路93でオーバーフロー水確認部92に案内するようにしたが、温水タンク31からのオーバーフロー水を迂回排水路93でオーバーフロー水確認部92に案内するようにしてもよく、この場合、温水タンク31の水位検知手段37や電磁弁35の異常などが生じていることを確認できる。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の飲料ディスペンサ装置によれば、手動により貯留水槽へ給水補給する手動給水方式でも、貯留水槽への給水補給時に、貯留水槽からオーバーフロー管を通じて流出するオーバーフロー水を排水受皿の迂回排水路に入れて装置本体への配設状態でベース前縁部から突出した視認可能とする部位へ積極的に案内するため、その排水受皿の迂回排水路を介してオーバーフロー水の流出を視認でき、貯留水槽の満水状態の容易に確認できる。
【0070】
請求項2記載の飲料ディスペンサ装置によれば、請求項1記載の飲料ディスペンサ装置の効果に加えて、扉体の開放によって、露出される開閉コックを操作できるとともに、ベース前縁部から突出した排水受皿の露出部分に設けた迂回排水路を介してオーバーフロー水の流出を視認でき、貯留水槽の満水状態を容易に確認できる。
【0071】
請求項3記載の飲料ディスペンサ装置によれば、請求項1または2記載の飲料ディスペンサ装置の効果に加えて、貯留水槽は水冷蓄熱式の冷却水槽であり、自動給水方式に対する手動給水方式のメリットを有効に生かすことができる。
【0072】
請求項4記載の飲料ディスペンサ装置によれば、請求項3記載の飲料ディスペンサ装置の効果に加えて、冷水供給時に冷水管のエア導入管から漏水する冷水を貯留水槽に導くため、その冷却水の自然蒸発分を自動的に補うことができ、冷却水の補給の手間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飲料ディスペンサ装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】同上排水受皿の平面図である。
【図3】同上排水受皿を示し、(a) は図2のA−A断面図、(b) は図2のB−B断面図、(c) は図2のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 装置本体
2 扉体
10 排水受皿
61 貯留水槽としての冷却水槽
67 冷媒コイル
68 冷却コイル
69 開閉コック
70 給水管路
71 オーバーフロー管
75,76 開閉弁としての電磁弁
77,78 冷水管
79,80 エア導入管
93 迂回排水路

Claims (4)

  1. 装置本体と、この装置本体内に配設され、飲料水および飲料水を熱交換する熱交換用水のいずれか一方を貯留する貯留水槽と、開閉コックが介在され、この開閉コックの開放により前記貯留水槽内に水源からの流水を給水補給する給水管路と、前記貯留水槽内へ所定レベル以上に給水補給されるオーバーフロー水を貯留水槽から流出させるオーバーフロー管と、前記装置本体の底部側に配設されたベースと、このベース下方に配設され前記装置本体内で発生するドレン水を受け入れて回収し、かつ、前記貯留水槽からオーバーフロー管を通じて流出するオーバーフロー水を受け入れるとともに装置本体への配設状態で視認可能とする前記ベース前縁部から突出した部位へオーバーフロー水を案内する迂回排水路を有する排水受皿とを具備していることを特徴とする飲料ディスペンサ装置。
  2. 装置本体を開閉する扉体が設けられ、開閉コックが扉体の開放によって露出される位置に設けられ、かつ、迂回排水路が扉体の開放によって露出される排水受皿の露出部分に設けられていることを特徴とする請求項1記載の飲料ディスペンサ装置。
  3. 貯留水槽は、熱交換用の冷却水が貯留されるとともに、この冷却水中に冷媒コイルと冷却コイルとが浸漬され、飲料水が冷却コイルを通じて注出される水冷蓄熱式の冷却水槽であることを特徴とする請求項1または2記載の飲料ディスペンサ装置。
  4. 冷却コイルに接続されて飲料水を注出する冷水管と、この冷水管を開閉する開閉弁と、前記冷水管の開閉弁より下流側に一端が接続されるとともに、他端が貯留水槽に導かれたエア導入管とを具備していることを特徴とする請求項3記載の飲料ディスペンサ装置。
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