JP3716538B2 - 感光性樹脂現像液およびカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

感光性樹脂現像液およびカラーフィルターの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂現像液およびカラーフィルターの製造方法に関し、詳しくは、経時的劣化が抑えられた感光性樹脂現像液および当該感光性樹脂現像液を利用したカラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビ、液晶表示素子、カメラ等に好適に使用される光学的カラーフィルターは、ブラックマトリクスを設けた透明基板の表面に、赤、緑、青の3種の異なる色相により、10〜150μm幅のストライプ状やモザイク状などの色パターンを数μmの精度で形成して製造される。
【0003】
上記のカラーフィルターは、黒色材料が分散された光重合性組成物を透明基板上に塗布した後、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行ってブラックマトリクスを形成し、次いで、赤、緑、青の材料が各々分散された各光重合性組成物を使用し、上記のブラックマトリクス形成面に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成することによって製造することが出来る(特開平2−902号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の各現像工程においては、通常、アルカリ現像液が使用されるが、アルカリ現像液は、空気中の炭酸ガスを吸収して経時的に劣化し易いため、常に新しい現像液を使用する必要がある。
【0005】
特開平5−88377号公報には、上記の欠点を解決するため、アルカリ水溶液と酸水溶液または塩水溶液から成る感光性樹脂現像液として、Na2 CO3 水溶液などの6種類のA群から成る1種または2種以上と希塩酸やNaHCO3 水溶液などの25種類のB群から成る1種または2種以上とを混合して成る感光性樹脂現像液が提案されている。斯かる感光性樹脂現像液は、緩衝液の作用を利用したpH変化の変動防止を企図したものと推定される。
【0006】
そして、上記のA群の水溶液(A)とB群の水溶液(B)との使用比率は、A:B=1:0.01〜0.01〜1(重量比)の範囲とされ、具体的には、実施例1には、0.02mol /lのNa2 CO3 100mlと0.02mol /lのNaHCO3 100mlとを混合したアルカリ現像液(実施例1)、0.02mol /lのNa2 CO3 160mlと0.02mol /lのNaHCO3 40mlとを混合したアルカリ現像液(実施例2)等が開示されている。
【0007】
しかしながら、本発明者の知見によれば、上記の感光性樹脂現像液は、空気中の炭酸ガスの吸収による経時的劣化はそれなりに抑えられてはいるものの、必ずしも十分ではないことが判明した。本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、その目的は、アルカリ水溶液から成り且つ空気中の炭酸ガスの吸収およびアルカリ水溶液からの炭酸ガスの放出による経時的劣化が一層抑えられた感光性樹脂現像方法および当該現方法を利用したカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、アルカリ炭酸塩とアルカリ炭酸水素塩の水溶液、例えば、M2 CO3 水溶液とMHCO3 水溶液との混合液においては、両者とも略完全にイオンに解離し、K+ 、CO3 2-、HCO3 - といったイオン種を生ずる。そして、HCO3 - +H+ →(←)H2 CO3 の平衡反応により、上記の混合液中には、K+ 、CO3 2-、HCO3 - の3者の平衡が存在する。そして、これらの平衡は、H+ 濃度によって移動する。従って、M2 CO3 水溶液とMHCO3 水溶液との比率を適宜選択して混合溶液のpHを所定の範囲に調整するならば、上記のH2 CO3 濃度を空気中のCO2 の分圧とバランスさせてCO2 の吸収および放出を実質的完全に防止することが出来る。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものであり、4つの要旨から成り、各発明の要旨は、次の通りである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の要旨は、MCOとMHCOとを含有する水溶液から成り(Mはアルカリ金属を表す)、MCOの濃度をA(mol/l)、MHCOの濃度をB(mol/l)、使用温度をT(℃)とした際、下記式(I)〜(III) を同時に満足することを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂現像方法に存する。
【0010】
【数4】
0.0001≦A≦1 ・・・(I)
(100−T1 )A0.6 /2≦75B≦(100−T1 )A0.6 ・・・ (II)
0≦T1 ≦60 ・・・ (III)
【0011】
本発明の第2の要旨は、MCOとMHCOとを含有する水溶液から成り(Mはアルカリ金属を表す)、MCOの濃度をA(mol/l)、MHCOの濃度をB(mol/l)、使用温度をT(℃)とした際、下記式(IV)〜(VI)を同時に満足することを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂現像方法に存する。
0.01<A≦1 ・・・(IV)
(100−T)A0.6/2≦75B≦16(100−T)A1.2・・・(V)
0≦T≦60 ・・・(VI)
本発明の第3の要旨は、(NHCOとNHHCOとNHOHとを含有する水溶液から成り、(NHCOの濃度をC(mol/l)、NHHCOの濃度をD(mol/l)、NHOHの濃度をE(mol/l)、使用温度をT(℃)とした際、下記式(VII)〜(X)を同時に満足することを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂現像方法に存する。
【0012】
【数6】
0.001≦C≦10 ・・・(VII)
0≦D≦1/[1000(T2 +25)C2 ] ・・・ (VIII)
0≦E≦2(T2 +25)C2 ・・・ (IX)
0≦T2 ≦60 ・・・ (X)
【0013】
そして、本発明の第4の要旨は、黒色材料が分散された光重合性組成物を透明基板上に塗布した後、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行ってブラックマトリクスを形成し、次いで、赤、緑、青の材料が各々分散された各光重合性組成物を使用し、上記のブラックマトリクス形成面に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成するカラーフィルターの製造方法において、前記の何れかの感光性樹脂現像方法を使用して上記の各現像処理を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造方法に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の感光性樹脂現像液について説明する。第1の要旨及び第2の要旨に係る感光性樹脂現像液は、M2 CO3 とMHCO3 とを含有する水溶液から成る(Mはアルカリ金属を表す)。アルカリ金属Mとしては、特に制限されないが、Li、Na、K等が好ましい。そして、M2 CO3 の濃度A(mol/l)、MHCO3 の濃度B(mol/l)、使用温度T1 (℃)は、前記式(I)〜(III) 又は前記式(IV)〜(VI)を同時に満足する必要がある。中でも式(I)において、0.0001≦A≦0.01であることが好ましい。斯かる条件を満足しない場合は、感光性樹脂現像液の空気中の炭酸ガスの吸収および感光性樹脂現像液からの炭酸ガスの放出による劣化を十分に抑えることが出来ない。斯かる本発明の感光性樹脂現像液は、上記の濃度条件を満足する様に、各成分の固体を同一水中に溶解するか、または、M2 CO3 水溶液とMHCO3 水溶液とを混合して混合液として容易に調製することが出来る。
【0015】
第3の要旨に係る感光性樹脂現像液は、(NH4 2 CO3 とNH4 HCO3 とNH4 OHとを含有する水溶液から成る。そして、(NH4 2 CO3 の濃度C(mol/l)、NH4 HCO3 の濃度D(mol/l)、NH4 OHの濃度E(mol/l)、使用温度T2 (℃)は、前記式(VII)〜(X)を同時に満足する必要がある。斯かる条件を満足しない場合は、感光性樹脂現像液の空気中の炭酸ガスの吸収および感光性樹脂現像液からの炭酸ガスの放出による劣化を十分に抑えることが出来ない。斯かる本発明の感光性樹脂現像液は、上記の濃度条件を満足する様に、各成分の固体を同一水中に溶解するか、または、(NH4 2 CO3 水溶液とNH4 HCO3 水溶液とNH4 OH水溶液とを混合して混合溶液として容易に調製することが出来る。前記式(VII)において、(NH4 2 CO3 の濃度Cの上限は、好ましくは5であり、更に好ましくは1である。(NH4 2 CO3 の濃度Cが余りに高過ぎる場合は、現像速度が早過ぎて制御が困難となる。
【0016】
なお、本発明の上記いずれの要旨においても感光性樹脂現像液の各成分を含有する水溶液は、各成分が水中に溶解した状態で存在すればよく、解離しない状態で存在することを必須としない。
【0017】
本発明の感光性樹脂現像液は、後記の実施例に示す様に、そのpH値の変動範囲が±約0.01の範囲に抑えられて経時的劣化が著しく小さい特徴を有し、エレクトロニクス分野の部品加工や印刷産業における製版材料の他、感光性樹脂組成物を使用した各種のレリーフ画像の形成の際に使用されるが、高精度の画素パターン化が要求される後述のカラーフィルターの製造に特に好適に使用される。
【0018】
次に、本発明に係るカラーフィルターの製造方法について説明する。本発明の製造方法においては、黒色材料が分散された光重合性組成物を透明基板上に塗布した後、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行ってブラックマトリクスを形成し、次いで、赤、緑、青の材料が各々分散された各光重合性組成物を使用し、上記のブラックマトリクス形成面に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成する。そして、前記の感光性樹脂現像液を使用して上記の各現像処理を行う。
【0019】
本発明において、カラーフィルターの透明基板としては、プラスチックシート、ガラス板などが使用され、プラスチックシートの材料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等が挙げられる。
【0020】
透明基板には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜形成処理などを行うことが出来る。透明基板の厚さは、通常0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また、各種ポリマーの薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲とされる。
【0021】
本発明において、黒色材料としては、通常、カーボンブラック、他の色材料としては、通常、赤色、緑色、青色の染顔料が使用されるが、この他、必要に応じ、金属粉、白色顔料、蛍光顔料なども使用することが出来る。
【0022】
カーボンブラック及び染顔料の具体例としては、三菱カーボンブラックM1000、三菱カーボンブラックMA−100、三菱カーボンブラック#40、ビクトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サクラニンOK 70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、NO.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラファーストイエローGRO(21090)、シムラファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4J−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッド7B4401(15850)、ファーストゲンブルーJGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)、リオノールブルーES(ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー1536)、リオノーゲンレッドGD(ピグメントレッド168、ピグメントレッド108)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリーン36)等が挙げられる(上記の( )内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する)。
【0023】
光重合性組成物中に分散される色材料の量は、全固形分に対し、通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%の範囲とされ、本発明における光重合性組成物は、斯かる高い色材料含有率の状態において、透明基板との接着性が高く、高画質な色材画素画像を与える機能が要求される。
【0024】
本発明において、光重合性組成物は、上記色材料の他、光を吸収してラジカルを発生する光重合開始系と、当該ラジカルにより重合が誘起される付加重合性のエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物(以下「エチレン性化合物」と称す)を含有し、また、相溶性、皮膜形成性、現像性、接着性などの光重合性層の改善のため、結合剤としての有機高分子物質を含有する。
【0025】
上記の光重合開始系としては次の様な化合物が挙げられる。すなわち、黒の光重合性層は、光重合性層上よりパターンマスクを介して画像露光されるため、黒の光重合性組成物に使用される光重合開始系としては、紫外から可視に感度を有する化合物を適宜に使用し、画像露光に際しては、それに相当する露光光源を使用する。
【0026】
また、赤、緑、青の各光重合性層においても、各色のパターンマスクを介した露光やその他の方法により、前記ブラックマトリクスパターン間に、赤、緑、青の画素画像パターンを形成させるため、ブラックマトリクスパターンの場合と同様、光重合開始系としては、紫外から可視に感度を有する化合物、好ましくは450nm以下、より好ましくは400nm以下の波長に分光感度を有する化合物を使用する。
【0027】
上記の波長の紫外光を吸収してラジカルを発生する光重合開始系としては、例えば「ファインケミカル」(1991年、3月1日号、vol.20、No.4)の第16〜26頁に記載のジアルキルアセトフェノン系、ベンゾイン、チオキサントン誘導体などの他、特開昭58−403023号公報、特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール系、S−トリハロメチルトリアジン系、特開平4−221958号、特開平4−219756号公報に記載のチタノセンとキサンテン色素、アミノ基またはウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合せた系などが挙げられる。
【0028】
エチレン系化合物としては、単量体または側鎖もしくは主鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重合体の何れでもよい。具体的には、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のエチレン性化合物)又はアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルの単量体などが好適に使用される。
【0029】
光重合性組成物の結合剤として使用される有機高分子物質としては、メチル(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等から成る重合体が挙げられるが、塗膜の強度、耐久性、基板接着性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート等のフェニル基を有する共重合モノマーが含有された共重合体または当該共重合体に1〜50モル%のエポキシ(メタ)アクリレートが付加された反応物が好適に使用される。
【0030】
上記の各成分の配合量は次の通りである。すなわち、色材料以外の光重合性組成物の固形分全量に対し、光重合性開始系は、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.2〜30重量%、エチレン性化合物は、通常20〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、有機高分子物質は、通常10〜80重量%、好ましくは20〜60重量%とされる。また、本発明においては、光重合性組成物中に上記と同様の基準で0.1〜10重量%のシランカップリング剤を配合してもよい。
【0031】
上記の光重合性組成物は、適当な溶剤によって調液された塗布液として使用される。溶剤としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、メタノール、ブタノール、テトラハイドロフラン等が挙げられる。
【0032】
なお、カラーフィルターの製造に当り、光重合性層の露光の際、酸素による光重合性層の感度低下を防止するため、光重合性層の上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を塗布する場合がある。
【0033】
酸素遮断層を設けない場合は、光重合性組成物の成分として、前記の芳香族水素基を有するモノマーを共重合成分として通常5〜50モル%(好ましくは10〜30モル%)の割合で含有する有機高分子物質を使用したり、光重合性組成物中に、特開平4−218048号公報、特開平5−19453号公報などに記載のジアゾ化合物を1〜20重量%(好ましくは2〜10重量%)含有させるのが好ましい。これにより、酸素による感度低下を抑えることが出来、酸素遮断層を不要とすることが出来る。
【0034】
先ず、本発明の製造方法においては、黒色材料が分散された光重合性組成物(塗布液)を透明基板上に塗布した後、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行う。そして、本発明の好ましい実施態様においては、加熱乾燥処理に先立ち予備乾燥を行って塗布膜中の溶剤の大部分を除去する。
【0035】
塗布装置としては、スピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等が使用される。予備乾燥の条件は、溶剤の種類によって適宜選択されるが、通常40〜80℃で15秒から5分間、好ましくは50〜70℃の温度で30秒から3分間とされる。
【0036】
加熱乾燥の条件は、予備乾燥温度より高く且つ50〜160℃の温度で15秒から10分間とするのが好ましく、70〜130℃の温度で15秒〜30秒から5分間とするのが特に好ましい。なお、乾燥後の光重合性層(乾燥塗膜)の厚さは、通常0.5〜3μm、好ましくは1〜2μmの範囲とされる。
【0037】
画像露光は、黒色の光重合性層上にネガのマトリクスパターンを導き、当該マスクパターンを介し、紫外または可視の光源を照射して行う。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよい。
【0038】
現像は、前述の感光性樹脂現像液を使用し、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像などの方法により行われる。これにより、透明基板上にブラックマトリクスパターンが形成される。現像液には、必要に応じ、画質向上、現像時間の短縮などの目的により、界面活性剤、水溶性有機溶剤、水酸基またはカルボン酸基を有する低分子化合物などを含有させることが出来る。
【0039】
界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン界面活性剤などが挙げられる。水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロピオンアルコール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。水酸基またはカルボキシ基を有する低分子化合物としては、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロガロール、安息香酸、コハク酸、グルタル酸などが挙げられる。
【0040】
現像条件としての温度は、通常20〜40℃の範囲から選択される。熱硬化処理の条件は、通常100〜280℃で5〜60分間とされる。これにより、ブラックマトリクス画像の形成を終了する。
【0041】
次に、本発明の製造方法においては、赤、緑、青の材料が各々分散された各光重合性組成物を使用し、上記のブラックマトリクス形成面に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成する。すなわち、透明基板のブラックマトリクス形成面に、赤、緑、青の中の1色を含有する光重合性組成物を全面に塗布した後、ブラックマトリクス形成の場合と同様に、予備乾燥後、加熱乾燥処理することにより、光重合性層を形成させる。その後、画素画像パターンマスクを介して露光処理を行い、アルカリ現像および熱硬化処理を行い、ブラックマトリクス画像の間に1色目の画素画像を形成させる。以下、同様に操作することにより、ブラックマトリクス画像間に2色目および3色目の画素画像を順次に形成する。
【0042】
上記の様に、透明基板上に黒、赤、緑、青から成るカラーフィルター画像を形成させて作製されたカラーフィルターは、このままの状態で画像上にITO(透明電極)を形成してカラーディスプレーの部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることも出来る。
【0043】
なお、上記の画像露光に使用される光源としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯などのランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源が挙げられる。これらの光源には、必要とされる照射光の波長領域に応じ、光学フィルターを適宜使用することも出来る。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例においては、表1に示す次の(1)〜(4)の各成分と表2に示す色材料を使用した。そして、各色材料を含有する各光重合性塗布液は、次の表3に記載の配合量を採用し、全量に対して3.6重量倍のジルコニアビーズ(直径0.5mm)を収容したペイントシェーカーを使用して7時間分散処理を行って調製した。
【0045】
【表1】
Figure 0003716538
【0046】
【化1】
Figure 0003716538
【0047】
【化2】
Figure 0003716538
【0048】
【表2】
Figure 0003716538
【0049】
【表3】
Figure 0003716538
【0050】
実施例1〜4及び比較例1〜3
縦370mm、横470mm、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子製「AN635」)に乾燥膜厚が0.7μmになる様に黒の光重合性塗布液をスピンコーターで塗布した。その後、60℃で1分間乾燥した後、110℃で2分間加熱乾燥した。その後、光重合性層上に、乾燥膜厚が1.5μmになる様にポリビニルアルコール水溶液を塗布した後に乾燥して酸素遮断層を形成した。
【0051】
次いで、幅30μm、縦330μm、横110μmのピッチで繰り返すブラックマトリクス用ネガフォトマスクを使用し、2kW高圧水銀灯により、300mJ/cm2 の露光量で露光処理を行った。その後、現像処理として、表4中、実施例1〜4及び比較例1〜3として示す各現像液を使用し、同表に示す各温度で現像を行った。そして、3kg/cm2 の水圧で30秒間スプレー水洗処理を行ってブラックマトリクスを形成した。その後、200℃、7分間の熱硬化処理を行った。なお、現像処理には、150リットルの現像液を収容し且つ現像液をフィルタリングしながら何度も使用する循環タイプの現像機を使用し、空気中のCO2 が吸収され易くするため、流量5リットル/分のシャワー現像を採用した。
【0052】
次いで、赤、緑、青の各色材を含有する各光重合性塗布液を順次に使用し、上記と同様に、塗布、予備乾燥、加熱乾燥、露光、現像、水洗、熱硬化の各処理を行い、各色のパターンを形成し、カラーフィルターを得た。ただし、露光量は各色共に500mJ/cm2 とした。そして、上記の各諸例において、表5及び表6に示す様に1〜100枚まで現像処理を繰り返し、1枚目、10枚目、50枚目、100枚目の各現像後の現像液のpHを測定した。得られた結果を表5及び表6に示す。表中の現像時間は、目的とする現像(線幅25μm)を行うため、その都度に要した時間であり、比較例1及び比較例2は、それぞれ、特開平5−88377号公報の実施例1及び実施例2に記載の現像液に相当する。
【0053】
【表4】
Figure 0003716538
【0054】
【表5】
Figure 0003716538
【0055】
【表6】
Figure 0003716538
【0056】
実施例7〜10及び比較例5〜6
実施例1において、表7に示す各現像液を使用し、同表に示す各温度で現像を行った以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルターを製造した。そして、上記の各諸例において、表8に示す様に現像処理を繰り返し、現像液のpHの経時変化を測定した。得られた結果を表8に示す。
【0057】
【表7】
Figure 0003716538
【0058】
【表8】
Figure 0003716538
【0059】
上記の各実施例の結果から明らかな様に、本発明の感光性樹脂現像液は、pH値の変動範囲が±約0.01の範囲に抑えられている。これに対し、比較例1、2及び4の感光性樹脂現像液は、空気中のCO2 の吸収量が多いため、また、比較例3及び5の感光性樹脂現像液は、当該吸収液からのCO2 の放出量が多いため、pH値の変動範囲が本発明の感光性樹脂現像液に比して大きい。
【0060】
なお、上記の各例の感光性樹脂現像液において、同一の線幅を得るために設定された初期の現像時間を一定として行った現像枚数100枚目の現像結果の線幅は次の表9及び表10に示す通りであった。
【0061】
【表9】
Figure 0003716538
【0062】
【表10】
Figure 0003716538
(注1):パタン化不可
【0063】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、そのpH値の変動範囲が特にカラーフィルターの製造において望ましいとされる±約0.01の範囲に抑えられた感光性樹脂現像液および当該感光性樹脂現像液を利用したカラーフィルターの製造方法が提供され、本発明の本発明の工業的価値は大きい。

Claims (5)

  1. カラーフィルター用感光性樹脂の現像方法であって、現像液が2CO3とMHCO3
    を含有する水溶液から成り(Mはアルカリ金属を表す)、M2CO3の濃度をA(mol/l)、MHCO3の濃度をB(mol/l)、使用温度をT1(℃)とした際、下記式(I)〜(III)を同時に満足することを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂現像方法
    0.0001≦A≦0.01 ・・・(I)
    (100−T1)A0.6/2≦75B≦(100−T1)A0.6 ・・・(II)
    0≦T10 ・・・(III)
  2. カラーフィルター用感光性樹脂の現像方法であって、現像液が2CO3とMHCO3
    を含有する水溶液から成り(Mはアルカリ金属を表す)、M2CO3の濃度をA(mol/l)、MHCO3の濃度をB(mol/l)、使用温度をT1(℃)とした際、下記式(IV)〜(VI)を同時に満足することを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂現像方法
    0.01<A≦1 ・・・(IV)
    (100−T1)A0.6/2≦75B≦16(100−T1)A1.2 ・・・(V)
    0≦T10 ・・・(VI)
  3. カラーフィルター用感光性樹脂の現像方法であって、現像液が(NH42CO3とNH4HCO3とNH4OHとを含有する水溶液から成り、(NH42CO3の濃度をC(mol/l)、NH4HCO3の濃度をD(mol/l)、NH4OHの濃度をE(mol/l)、使用温度をT2(℃)とした際、下記式(VII)〜(X)を同時に満足することを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂現像方法
    0.001≦C≦10 ・・・(VII)
    0≦D≦1/[1000(T2+25)C2] ・・・ (VIII)
    0≦E≦2(T2+25)C2 ・・・ (IX)
    0≦T20 ・・・ (X)
  4. 光重合開始系を含有する感光性樹脂を現像することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のカラーフィルター用感光性樹脂現像方法
  5. 黒色材料が分散された光重合性組成物を透明基板上に塗布した後、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行ってブラックマトリクスを形成し、次いで、赤、緑、青の材料が各々分散された各光重合性組成物を使用し、上記のブラックマトリクス形成面に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成するカラーフィルターの製造方法において、請求項1乃至の何れか1項に記載の感光性樹脂現像方法を使用して上記の各現像処理を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
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