JP3715420B2 - 無人搬送車の走行プログラム作成装置 - Google Patents

無人搬送車の走行プログラム作成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無人搬送車の走行用のコースの作成とそのコース上での無人搬送車の走行ルートの決定を自動的に行なう無人搬送車の走行プログラム作成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無人搬送車を制御する装置として、例えば特開平3−253916号公報に示されるように、予め設定された走行ルート上のステーションや進行ルート変更地点等に対応した各区間毎に走行ルート側にマーカーを付設する一方、無人搬送車には、上記マーカーを検知するセンサ、データ格納部、CPU、上位制御システムとの間の通信手段等を設け、上記データ格納部に走行ルートのマップデータを格納し、上位制御システムから与えられる行先指令に基づいて無人搬送車側でデータ格納部から必要なマップデータを抽出、編集して走行データを作成し、その走行データ等に基づいて無人搬送車のCPUにより無人搬送車の走行の制御を行うようにしたものが知られている。
【0003】
また、例えば特開昭63−282507号公報に示されるように、無人搬送車の走行可能な経路を入力するレイアウト入力手段と、その走行可能な経路上で無人搬送車の走行する経路を指示する走行経路指示手段と、その走行経路の指示通りに無人搬送車の走行制御を行うプログラムを作成する手段と、この走行プログラムを搬送台車に送信する通信手段とを有し、パーソナルコンピュータでこれらの手段の機能を果たすようにした無人搬送車の制御プログラム作成装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平3−253916号公報に示されている装置では、無人搬送車側にマップデータを格納させるとともに、無人搬送車のCPUにより走行の制御を行うことにより、上位制御システムの負荷を軽減する等の利点を有する。しかし、マップデータの作成及び行先指令に応じたマップデータからの走行データの作成をどのように行うかについて上記公報に具体的に示されておらず、マップデータの作成等を如何に簡単に、かつ、合理的に行うかという点に課題が残されていた。
【0005】
また、特開昭63−282507号公報には、無人搬送車の走行可能なコースの作成、及びそのコースに基づく無人搬送車の走行ルート等の走行プログラムの作成をパーソナルコンピュータで行ない、通信手段で無人搬送車に通信するようにしていることが示されているが、パーソナルコンピュータでの入力操作に応じたコースの作成や走行プログラムの作成をどのように行うかについて具体的に記載されていない。従ってこの公報に記載のものも、コースの作成等を簡略化、合理化を図る上で課題が残されていた。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み、無人搬送車が搬送可能なコースの作成及び走行ルートの作成等を容易に、かつ合理的に行うことができる無人搬送車の走行プログラム作成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、無人搬送車走行用コースを特定する要素として、位置を表示するための複数のアドレスマークと各アドレスマーク間の直線状もしくは曲線状の経路と各経路の無人搬送車移動方向とを入力操作に応じて決定し、これらの要素の組み合わせにより得られる無人搬送車走行用コースのマップをコース表示用画面上で作成するとともに、これを記憶するコース作成手段と、上記コース作成手段により作成された無人搬送車走行用コースのマップに基づき、各アドレスマーク毎に、当該アドレスマークに連なる経路とその経路の無人搬送車移動方向とによりその位置から次に移動し得る位置のアドレスマークを求めて、当該アドレスマークと次に移動し得る位置のアドレスマークとを表す区分図表を作成し、これを記憶する区分図表作成手段と、上記区分図表作成手段により作成された区分図表と上記経路及び無人搬送車移動方向に基づいて、無人搬送車走行用コースのマップ中で無人搬送車をスイッチバックさせるべき箇所であるスイッチバック点を判別する手段と、無人搬送車走行用コースのマップ中での上記スイッチバック点を含む無人搬送車の方向変換要因を調べ、無人搬送車走行用コース上の一箇所での無人搬送車の前進、後進の方向を指示する入力と上記方向変換要因とに基づいて無人搬送車走行用コースの各箇所での無人搬送車の前進、後進の方向を決定して、この方向を上記区分図表作成手段により作成される区分図表に付加するデータとする方向決定手段と、上記コース作成手段により作成されたコース上での無人搬送車の走行始点と終点の入力に応じ、上記区分図表に基づいて走行始点に相当するアドレスマークから走行終点に相当するアドレスマークまでの1乃至複数のルートを求めるルート演算手段と、上記ルート演算手段で求められたルートが複数ある場合に走行距離または所要時間が最も短い最適ルートを抽出するルート決定手段とを備えたものである。
【0008】
この方法によると、コースの作成にあたっては操作者がコース表示用画面を見ながらアドレスマークの配置及びアドレスマーク間の経路、方向等を定めていくことにより、コースの作成を簡単に、かつ、自由に行うことができる。また、コースが作成されると上記区分図表が自動的に作成されるとともに、これに基づき上記走行始点と終点の入力に応じ、無人搬送車が走行するルートが自動的に作成される。
【0009】
また、簡単な入力操作に応じ、無人搬送車走行用コースの各箇所での無人搬送車の前進、後進の方向が決定され、そのデータが無人搬送車の走行の制御に利用可能となる。
【0010】
上記スイッチバック点の判別は、無人搬送車走行用コース上の1つの点に対して少なくとも2つの経路が非直線的に接続される箇所においてその両経路の進行方向を示す2つのベクトルを求め、この両ベクトルが進行方向の反転もしくはこれに近似する方向変化を示すという条件を調べるものであればよい。このようにすると、無人搬送車走行用コースの各箇所での無人搬送車の方向を決める要因の一つであるスイッチバック箇所を自動的に求めることが可能となる。
【0011】
また、上記発明において、無人搬送車制御用のデータとして、コース作成手段により作成された無人搬送車走行用コースのマップ中の特定区域内に無人搬送車が入っているときに当該区域に向かう他の無人搬送車を待機させる待合せ制御を行わせるべく、特定区域を待合せゾーンとする待合せゾーン決定手段を備え、この待合せゾーン決定手段は、上記マップ中で行止り、合流、分岐、カーブのうちの一乃至複数の要素を有する区域を判別して待合せゾーンとするようになっていることが好ましい。このようにすると、待合せゾーンの決定が自動的に行われる。そして、このように待合せゾーンが定められて、実際の無人搬送車の走行の制御に利用されることにより、無人搬送車同士が走行を邪魔し合うことが避けられ、複数の無人搬送車の走行が円滑に行われる。
【0012】
上記行止り箇所の判別は、アドレスマークが付された各点の区分図表に基づいて2つの点の間で往復移動可能で、かつ、そのうちの一方の点からは他方の点にのみ移動可能であるという条件を満足する箇所を調べるものであればよい。このようにすると、上記行止り箇所を自動的に調べることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は走行プログラム作成装置を含む無人搬送システムを概略的に示しており、この図において、1はパーソナルコンピュータからなる走行データ作成用の編集装置、2は無人搬送車(AGV)、3は中央制御盤であり、上記AGV2は複数用意されている。
【0015】
上記編集装置1は、CPU10と、キーボード及びマウス等からなる入力手段11と、CRT等の表示手段12と、メモリ13と、通信手段14とを有している。上記CPU10は、コース作成手段15、区分図表作成手段16、ルート演算手段17及びルート決定手段18を機能的に含んでいる。
【0016】
コース作成手段15としては、入力操作に応じ、コース表示用画面上に配置される複数のアドレスマークと各アドレスマーク間の直線状もしくは曲線状の経路と各経路の無人搬送車移動方向とを決定し、これらの要素の組み合わせにより無人搬送車走行用コースのマップを作成し、これをメモリ13に記憶させる。区分図表作成手段16としては、上記マップに基づき、アドレスマーク毎に、当該アドレスマークとその位置から次に移動し得るアドレスマークとを記号で示す区分図表(以下、こま地図と呼ぶ)を求め、メモリ13に記憶させる。
【0017】
ルート演算手段17としては、無人搬送車の走行始点と終点の入力に応じ、上記こま地図に基づいて走行始点から走行終点までの1乃至複数のルートを求める。さらにルート決定手段18としては、上記ルート演算手段17で求められたルートが複数ある場合に走行距離または所要時間が最も短い最適ルートを抽出するようになっている。なお、後述のようにルートの演算、決定の処理はAGV2でも行われるが、編集装置1においてはシミュレーション等のためにルートの演算、決定の処理が行われる。
【0018】
編集装置1はこのほかにも各種機能を有している。例えば、AGVの前進、後進の方向を決定する方向決定手段としての機能を有し、後に詳述するようにAGV走行用コースのマップ中でAGVの方向変換要因(スイッチバックさせるべき箇所等)を調べ、AGV走行用コース上の一箇所でのAGVの方向を指示する入力と上記方向変換要因とに基づいてAGV走行用コースの各箇所での上記方向を決定するようになっている。また、AGV走行用コース上の特定区域を待合せゾーンとする待合せゾーン決定手段としての機能を有し、当該区域内に複数のAGVが入った場合にAGV同士が走行を邪魔し合う可能性があるような特定区域を待合せゾーンとするようになっている。
【0019】
上記編集装置1により作成されたこま地図等のデータは通信手段14によりAGV2にダウンロードされ、また、各AGV2の統括的な制御に必要なデータはFD(フロッピーディスク)4に書き込まれ、このFD4が中央制御盤3に与えられるようになっている。
【0020】
上記AGV2は、CPU20と、編集装置1及び中央制御盤3との交信のための通信手段21と、編集装置1からダウンロードされたこま地図等のデータを記憶するメモリ22と、実際のコースに配設されたアドレスマーク25を磁気的あるいは光学的に読み取るセンサ23とを備えている。このAGV2に設けられているCPU20も、ルート演算手段26及びルート決定手段27を機能的に含んでおり、中央制御盤3から与えられるFROM−TO指示信号(走行始点と終点とを示す信号)に応じ、上記こま地図に基づいて、編集装置1に含まれるルート演算手段17及びルート決定手段18と同様の処理でルートの演算、決定を行うようになっている。さらに、上記CPU20は駆動制御手段28を含み、コースの設計に従って敷設された実際のコース上で、上記センサ23によりアドレスマーク25を読み込んで、ルート決定に基づき、CPU20自身がもつアドレスマーク毎の指示を参照しつつ走行、移載等の制御を行なうようになっている。
【0021】
また、中央制御盤3は、AGV2に対する通信手段31を有し、FROM−TO指示信号を送信する。さらに中央制御盤3は、コース上の複数のAGVの走行を円滑に行わせるため、各AGV2からの信号に基づいて走行位置を調べ、上記待合せゾーンに1台のAGV2が入っている場合に当該ゾーンに向かう他のAGV2に対して待機すべきことを指令する信号を出力する待合せ制御を行うようになっている。
【0022】
次に、上記編集装置1の機能及び操作の例を具体的に説明する。
【0023】
上記編集装置1は、走行プログラム作成等のために必要な機能として、「ファイル」、「編集」、「表示」、「ルート編集」、「属性編集」、「シミュレーション」等の各種モードを有している。さらに「ファイル」には「新規作成」、「開く」、「閉じる」、「保存」、「AGVへダウンロード」、「FD書込」等のモードがあり、「編集」には「修正」、「文字記入」、「文字編集」、「平行移動」等のモードがあり、「表示」には「縮尺」、「グリッド間隔」、「計測距離」、「ズーム」、「原図表示」等のモードがある。「ルート編集」には「マップ編集」、「スイッチバック」、「逆走チェック」、「回避希望ステーション割付け」、「FROM−TO編集」、「禁止ステーションの割付け」、「パターン編集」、「待合せゾーン」、「周波数割付」、「AGV割付」等のモードがある。
【0024】
これらのモードがマウス等の入力手段11の操作に応じて選択される。コースの作成にあたっては、先ず準備作業として「新規作成」等のモードが実行され、さらに表示手段の画面にコースを適当な大きさに表すための「縮尺」、「グリッド間隔」、「ズーム」等のモードが実行されて環境設定が行なわれた後に、「ルート編集」における「マップ編集」のモードが選択される。そして、アドレスマークの種類、AGVの誘導方式、通信方式等の基本設定が行なわれる。
【0025】
このようなモード選択等の操作に応じ、表示手段12の画面がコース表示用画面12aとなる(図2参照)。
【0026】
この画面上で、操作者がマウス等の操作によりアドレスマーク51を任意の位置に配置する。アドレスマーク51としては、ステーション位置を示すステーション用アドレスマーク、カーブや分岐等の位置を示す一般的なアドレスマーク、ページ間にまたがるところ等の接続のためのダミーアドレスマーク、スピンターン場所を示すスピンターン用ダミーアドレスマーク等があり、これらのマークを適宜選択すればよい。
【0027】
アドレスマーク51の配置が済むと、各アドレスマーク51間の経路52及びAGV移動方向を決定する。この場合、直進、右カーブ、左カーブ、Sカーブ、逆Sカーブ等の経路52を示すシンボルマークが画面の側辺部等に表され、マウス等の操作により上記シンボルマークを選択するとともに位置を指定することにより経路52が決定される。そして、各アドレスマーク51間の経路52が全て決定されることにより、例えば図2に示すようにコースのマップ50が作成される。
【0028】
このように、コース表示用画面12aにアドレスマーク51を配置してその間に経路52を接続していくことにより、コースが自由に設計され、そのコースのマップ50が容易に作成される。
【0029】
またこのマップ50から、図3に示すようなこま地図データが自動的に作成される。このこま地図データは、アドレスマーク51が置かれている各点につき、その点を表す記号とその点からの移動先の点(移動可能な方向が2方向以上ある場合はその各方向の移動先の点)を表す記号とを左から順に並べたものである。例えば図2のようなA点〜X点の各点に置かれたアドレスマーク51とその間の経路52とからなるコースのマップ50による場合、A点は移動先がB点のみであるのでそのこま地図データはR$(1)=“AB”とされ、B点からはC点とA点とに移動可能であるのでそのこま地図データはR$(2)=“BAC”とされる。同様の要領で他の点のこま地図データも作成される。
【0030】
なお、アドレスマーク51が置かれている各点についてのデータとしては、上記のような移動先を示すデータのほかに、各点の座標を表すポイントデータ(図示省略)もあり、このポイントデータもこま地図データに付属するデータとして作成される。さらに、後述のように方向決定手段としての処理により作成されるAGVの進行方向のデータ(図示省略)もこま地図データに付加される。また、分岐点については分岐点データ作成処理により図2中に示す分岐番号、分岐ポインタ、ストレージデータ等が作成される。
【0031】
コースのマップ50及びこま地図データが作成されると、これに基づき、「スイッチバック」のモード選択等に応じて後述のようにスイッチバック点が自動的に調べられる。そして、自動的に画面上で色が変ることによりスイッチバック箇所が表示される。なお、マウス等による操作でスイッチバック箇所の修正を行なうこともできるようになっている。
【0032】
また、「逆走チェック」のモードを選択し、AGVのスタート位置と到着位置とを指定するとともに、スタート位置でのAGVの方向を指定すると、自動的に到着位置でのAGVの方向が求められて表示される。従って、スタート位置及び到着位置を変えつつこの処理を繰り返すことで各位置でのAGVの方向を調べ、同一場所でAGVの方向が逆になっているかどうかを確認して、逆になっている場合にスイッチバック等の再編集を行なうようにすればよい。そして、編集後にAGVの方向を最終的に決定するが、この場合に、特定ルート上でAGVの方向を決定すれば他のルート上でのAGVの方向も自動的に決定される。また、後述のように行止り箇所等も自動的に調べられる。
【0033】
「FROM−TO編集」のモードを選択し、始点及び終点を指定するFROM−TO操作を行なうと、後述のように自動的に上記始点から終点までの走行ルートが作成される。そして、必要に応じてFROM−TO操作を繰り返すことにより、例えば複数台のAGVに割り当てるべく、複数の走行ルートが作成される。さらに、「パターン編集」のモードによって走行ルートの確認、パターン番号の付加などが行なわれる。
【0034】
なお、「回避希望ステーション割付け」のモードを選択すると、できれば回避して走行させたいステーションの割り付けが入力操作によって可能となる。「禁止ステーションの割付け」のモードを選択すると、AGV毎に搬送禁止とするステーションの割り付けが入力操作によって可能となる。
【0035】
また、「待合せゾーン」のモードを選択すると、後述の待合せゾーン決定手段としての処理により、自動的に待合せゾーンが決定される。
【0036】
「ルート編集」の処理としてはさらに、各AGVに対する信号の周波数の割り付け、各AGV2に対するパターン(走行ルート)の割付け等がモード選択等の操作に応じて行なわれる。また、「AGVへダウンロード」のモードを選択することにより、こま地図等のデータがAGV2にダウンロードされる。また、「FD書込」のモードを選択することにより、中央制御盤3に与えるべきデータがフロッピディスク4に書き込まれる。
【0037】
図4はスイッチバック点を見つけ出す処理をフローチャートで示している。この処理は、AGV走行用コース上の1つの点に対して少なくとも2つの経路が非直線的に接続される箇所においてその両経路の進行方向を示す2つのベクトルを求め、この両ベクトルが進行方向の反転もしくはこれに近似する方向変化を示すという条件を満足する場合に、スイッチバック点であると判別するものであり、その詳細を次に説明する。
【0038】
このフローチャートのステップS1では最大アドレスマーク数MAが設定され、ステップS2では、後記ステップS11までの処理の繰り返しに応じてデータ番号PPが1からMAまで順に変えられる。ステップS3では、こま地図のデータR$(PP)が読み込こまれ、第1のアドレスマークのデータとされる。続いてステップS4で、上記データR$(PP)から移動先が調べられることにより、第1のアドレスマークに続く第2のアドレスマークが探索され、さらにステップS5で、第2のアイドルマークに対応するこま地図のデータから移動先が調べられることにより、第2のアドレスマークに続く第3のアドレスマークが探索される。
【0039】
こうして3つのアドレスマークが決まると、ステップS6でこれら第1〜第3のアドレスマークの座標を示すポイントデータが抽出される。次にステップS7で、ポイントデータから2本の接線ベクトルV1,V2が作成される。そして、ステップS8で両接線ベクトルV1,V2の角度が180°に近い所定範囲内にあるか否かが調べられ、180°に近ければスイッチバック(ステップS9)、近くなければスイッチバックでない(ステップS10)と判別される。
【0040】
つまり、スイッチバック箇所では1つの点に接続される2つの経路の少なくとも一方はカーブを有しているので、図5に示すように、第1の点a(第1のアドレスマーク)から第2の点b(第2のアドレスマーク)に向かう経路と、第2の点bから第3の点c(第3のアドレスマーク)に向かう経路との方向変化を調べるため、両経路の接続点である第2の点bでの両経路の接線の方向を示すベクトルV1,V2が作成される。そして、図6に実線で示すように両ベクトルV1,V2が180°反転していれば典型的なスイッチバック点であるが、図面作成上、スイッチバック点であっても完全に反転しないこともあるので、図6に破線で示すように多少の角度のずれθ1,θ2は許容されて、両ベクトルV1,V2の間の角度が180°に近い所定範囲にあればスイッチバック点と判別される。
【0041】
スイッチバック点と判別された場合は、そのときの第1〜第3のアドレスマークの各アドレスがスイッチバックデータとして記憶される。また、図4のフローチャート中のステップS11では、データ番号PPが更新されるとともにステップS1に戻される。このような処理が繰り返されることにより、コース中の各箇所についてスイッチバック点か否かが調べられる。
【0042】
図7及び図8はこま地図にAGVの前進、後進の方向のデータを付加する処理(方向決定手段としての処理)をフローチャートで示している。
【0043】
このフローチャートのステップS21では、コース中の連続する2点のアドレスマークを指定するFROM−TO入力操作に応じ、こま地図からFROMアドレスマークに対応するデータFR$とTOアドレスマークに対応するデータDT$とが抽出されるとともに、その2点間の区域におけるAGV進行方向(前進または後進)を指定する入力操作に応じ、AGV進行方向を示すデータDR$が作成される。そしてステップS22で、上記の入力操作に応じたデータFR$,DT$,DR$が、1番目のデータとして確定される。
【0044】
続いてステップS23で、次のFROM,TOデータの検索が行われる。この場合、前のTOアドレスマークのデータDT$が次のFROMアドレスマークのデータFR$とされ、コースを順に辿るようにFROM,TOデータが求められる。
【0045】
次に、AGVの方向変換要因を調べる処理として、既に通った経路を逆に通る場合を調べる反転チェックと、スイッチバックのチェックと、スピンターンのチェックとが行われる。
【0046】
すなわち、先ず反転チェックとして、ステップS24で、既に決定されたデータの中に今回とはFROMアドレス、TOアドレスが反転したデータが存在するか否かが判定され、この判定がYESの場合は、ステップS25で、既に有るデータDR$(今回とはアドレスが反転したデータ)とは進行方向を反転させたデータが今回のAGV進行方向のデータDR$とされる。
【0047】
具体的に説明すると、AGV進行方向を示すデータDR$はFROM,TOの各アドレスを示す符号と前進または後進を示す符号(FまたはR)とで表され、例えば図9(a)のようにA点とB点との間のルートが往復いずれにも移動可能なようにコースが設計されている場合において、A点からB点への移動時にAGVが前進とされる場合はFROM,TOのアドレスを示す符号A,Bと前進を示す符号FとによりAGV進行方向を示すデータDR$が“ABF”とされるが、このデータが決定された後に、B点からA点への移動が調べられるときは、既に決定されている上記データとはFROM,TOが反転されたアドレスと後進を示す符号RとによりデータDR$が“BAR”とされる。
【0048】
上記ステップS24の判定がNOの場合に、ステップS26,S27で、前記のスイッチバックデータとの照合に基づいてスイッチバック箇所か否かが判定され、つまり、今回のFROM,TOの各アドレス及び前回のアドレスがそれぞれスイッチバックデータの第2、第1及び第3のアドレスと一致するか否かが調べられて、一致すればスイッチバック箇所と判定される。そして、スイッチバック箇所であれば、ステップS28で、前回のデータとは進行方向を反転させたデータが今回のAGV進行方向のデータDR$とされる。
【0049】
具体的に説明すると、図9(b)のようにB点がスイッチバック点であって、A点からB点への移動が前進で行われることを示す“ABF”が前回のデータであり、今回のFROMがB点、TOがC点である場合、今回は後進(R)とされて、AGV進行方向を示すデータDR$が“BCR”とされる。
【0050】
ステップS27の判定がNOの場合に、ステップS29で、スピンターンダミーアドレスマークに接続されているか否かが判定される。つまり、前述のように「マップ編集」のモードの中でコース表示用画面を用いてコースが作成されるときに、スピンターン場所にはスピンターン用のダミーアドレスマークが用いられているので、今回のFROMアドレスマークに接続されるアドレスマークが上記ダミーアドレスマークであれば、スピンターン場所であることが判別される。スピンターン場所である場合、ステップS30で、進行方向の決定をオペレータに依頼すべくその旨のメッセージが画面に表示される。このとき、TOアドレスがスピンターンすべき方向にあるかどうかがチェックされる。
【0051】
そして、オペレータによりダミーアドレスマークを介して接続されるTOアドレスマークとAGVの進行方向とが入力され、このとき、オペレータ入力はスピンターン方向のTOのみとされる。ステップS31でこのオペレータ入力に応じ、AGV進行方向を示すデータDR$が決定される。具体的に説明すると、図9(c)のようにA点のアドレスマークとX点のダミーアドレスマークとB,C,Dの各点のアドレスマークとが接続されていて、オペレータ入力でA点からX点を介してB点に向かうことと、A点では前進、B点では後進となることとが指定された場合、スピンターンデータが“ABRL”とされるとともに、AGV進行方向を示すデータDR$が“AXF”,“XBR”とされる。
【0052】
ステップS24,S27及びS29のいずれの判定もNOのときは、ステップS32で、前回とは進行方向を同一としたデータが今回のAGV進行方向を示すデータDR$とされる。
【0053】
さらに、ステップS33で、コースを順に辿っていくような処理によるFROM,TOデータの検索が可能であるか否かが調べられ、可能であればステップS23に戻ってそれ以下の処理が繰り返される。ステップS33の判定がNOであれば、コース内の少なくとも1つの周回ルートを辿り終わったことを示し、この場合にステップS34でデータ作成が完了したか否かが判定される。上記周回ルートの途中から分岐したルート等で未処理の部分が残っていればステップS34の判定がNOとなり、この場合はFROMデータが他の既に決定しているデータから選ばれるとともに、TOアクセスが検索された後、ステップS24に戻ってそれ以下の処理が繰り返される。ステップS34の判定がYESとなれば、処理が終了される。
【0054】
図10は行止り箇所を見つけ出す処理をフローチャートで示している。この処理は、アドレスマークが付された各点の区分図表に基づいて2つの点の間で往復移動可能で、かつ、そのうちの一方の点からは他方の点にのみ移動可能であるという条件を満足する箇所を探索し、これを行止り箇所と判別するようにしたものであり、その詳細を次に説明する。なお、フローチャートに関する説明では、コース中のある1点を起点としてその起点から移動先を調べるような処理において、その起点側をマスター側、移動先側をスレーブ側と呼ぶ。
【0055】
このフローチャートのステップS41では、後記ステップS55までの処理の繰り返しに応じてマスター側データ番号Iが1からMまで順に変えられる。ステップS42では、カウンタBCN,RCNがそれぞれ「0」に初期化される。ステップS43では、後記ステップS52までの処理の繰り返しに応じて文字順識別番号Qが2からLEN(R$(I))まで順に変えられる。ここで、LEN(R$(I))はマスター側のこま地図データの文字数である。ステップS44では、ステップS51までの処理の繰り返しに応じてスレーブ側データ番号RがIからMまで順に変えられる。
【0056】
ステップS45では、マスター側のこま地図データR$(I)のQ番目の文字とスレーブ側のこま地図データR$(R)の1番目のデータとが一致するかどうかが調べられる。そして一致する場合は、マスター側からスレーブ側への移動(順走)が可能であることを意味するのでステップS46で順走カウンタBCNがカウントアップされる。さらにこの場合に、ステップS47〜S50で、文字順識別番号Sが2からスレーブ側のこま地図データの文字数であるLEN(R$(R))まで順に変えられつつ、スレーブ側のこま地図データR$(R)のS番目の文字とマスター側のこま地図データR$(I)の1番目のデータとが一致するかどうかが調べられ、一致する場合はスレーブ側からマスター側への移動(逆走)が可能であることを意味するので逆走カウンタRCNがカウントアップされる。
【0057】
ステップS47〜S50の処理が必要回数繰り返されると、ステップS51でスレーブ側データ番号Rが更新されるとともにステップS44に戻され、また、ステップS44〜S51の処理が必要回数繰り返されると、ステップS52でマスター側データ番号Qが更新されるとともにステップS43に戻される。そして、ステップS43〜S52の処理が完了すると、ステップS53で順走カウンタBCN及び逆走カウンタRCNがそれぞれ「1」か否かが調べられる。この判定がYESであれば、マスター側からスレーブ側への順走が可能であるとともにスレーブ側のポイントからはマスター側への逆走のみ可能であること、つまりスレーブ側のポイントが行止り点であることを意味するので、ステップS54で行止り表示が行なわれる。
【0058】
さらに、ステップS55でマスター側データ番号Iが更新されるとともにステップS41に戻されてそれ以下の処理が繰り返されることにより、コース中の各箇所について行止りかどうかが調べられる。
【0059】
このような処理により得られる行止り箇所のデータは、待合せゾーンの決定の際に利用される。待合せゾーンは、「待合せゾーン」のモードを選択する入力操作に応じ、待合せゾーン決定手段としての次のような処理により決定される。
【0060】
すなわち、待合せゾーン決定の処理は、コース中で無人搬送車同士が走行を邪魔し合う可能性のある区域を判別して待合せゾーンとするものである。具体的には、上記行止り箇所や合流点、分岐点を有する場合に、複数のAGVの走行ルートが部分的に重なることで無人搬送車同士が走行を邪魔し合う可能性がある。また、一般にAGVには前方に障害物(他のAGV等)が存在する場合にこれを障害物センサで検知して自動停止させる安全装置が具備されているが、カーブでは前方の無人搬送車が障害物センサによる検出エリアから外れる可能性があるので、カーブも無人搬送車同士が走行を邪魔し合う区域とみなされる。そこで、行止り、合流、分岐、カーブいずれか1つの要素を有する区域、あるいはこれらの要素のうちの複数が重なった区域が待合せゾーンとされる。
【0061】
例えば、図11(a)に示すようなc点とd点の間の区域は、a点及びb点からの経路の合流箇所であるとともにe点及びf点への分岐箇所でもあり、待合せゾーンとなる。また、図11(b)に示すようにg〜jが周回ルートから分岐した袋小路状の区域である場合、その末端のj点が行止り箇所であり、また、後述のように2方向以上に移動し得るようになっている点を分岐点と定義すると袋小路状の区域の途中のh点やi点も分岐点であるので、分岐点と行止り箇所とを含むg〜jの袋小路状の区域全体が待合せゾーンとなる。
【0062】
このようにして決定された待合せゾーンは、前述のような中央制御盤による待合せ制御に利用される。
【0063】
図12〜図14は上記ルート演算手段17,26としての処理、つまりAGVの走行始点と終点の入力に応じてルートを組立てる処理をフローチャートで示している。この処理は、編集装置1において「FROM−TO編集」のモードで行われるとともに、AGV2においても中央制御盤3からのFROM−TO指示に応じて行われるものである。
【0064】
この処理がスタートすると、先ずステップS101で、FROM−TO操作により指定されたルートの始点及び終点を示すデータFR$,DT$が入力され、またステップS102で最大アドレスマーク数MAが設定されるとともに、パス登録カウンタNが「1」に、また分岐番号Pが「0」にそれぞれ初期化される。次に分岐点データ作成処理として、ステップS103〜S106で、データ番号PPが1からMAまで順に更新されつつ、こま地図のデータR$(PP)が読み出されてこのデータR$(PP)が3文字以上か否かが判別されることにより、分岐点が調べられる。
【0065】
ここで、分岐点とは、そこから2方向以上に移動し得るようになっている点をいうものであって、図2に例示したコース中のD点のように三叉路状等に経路が分岐している点は勿論であるが、同コース中のB点のように進み方向(C点側)と戻り方向(A点側)とに移動可能となっている点も分岐点とみなされる。従って、同コースにおいてはB,C,D,L,M,Oが分岐点となる。そして、分岐点であればステップS107で、分岐番号Pがインクリメントされるとともに、分岐ポインタがPC(P)=PP、ストレージデータがPB$(P)=R$(PP)とされる。これにより、図3中に示すように各分岐点について分岐番号P及び分岐ポインタPC(P)の値とストレージデータPB$(P)の内容が定められる。
【0066】
このように分岐点のデータが作成された後に、始点からの経路を順に辿って終点に至るルートを組み立てる処理が以下のように行なわれる。
【0067】
ルート組立てに際しては、先ずステップS108で、こま地図データ数がM=PP、起点を示すデータの初期値がFROM$=FR$、経路を示すパスデータの初期値がP$(N)=FROM$と設定される。なお、こま地図データ数は前述のように図5に示すルーチンで確定される。
【0068】
ステップS108に続いてステップS109〜S111で、データ番号Iが1からMまでの範囲内で変えられつつ、こま地図データの左から1番目の文字が起点を示すデータFROM$と一致するか否かが調べられることにより、該当するこま地図の検索が行なわれる。該当するこま地図がない場合はステップS112でエラー表示が行なわれる。
【0069】
該当するこま地図があった場合に、ステップS113で、パスデータを更新する処理として、パスデータP$(N)に当該ポイントのこま地図データR$(I)の2文字目が追加される。
【0070】
さらに、ステップS114〜S116で、番号PPが1からP(分岐点の数)まで変えられながら、I=RC(PP)であるか否かの判定により、当該ポイントが分岐点かどうかが調べられる。そして、分岐点でなければそのままステップS118へ移るが、分岐点であれば、ステップS117でR$(I)の左から2番目の文字を除く処理が行われてから、S118へ移る。
【0071】
ステップS118では、P$(N)の右端文字がDT$と一致するか否かの判定により、終点に達したかどうかが調べられる。終点に達していない場合に、ステップS119で、P$(N)の右端文字と他のいずれかの文字とが一致するか否かの判定により、同一パス内で同じアドレスが再出したかどうかがチェックされる。その判定がNOであれば、次のポイントのこま地図データの検索のために、ステップS120で起点を示すデータFROM$がP$(N)の右端文字に置き換えられた上で、ステップS109に戻ってそれ以下の処理が繰り返される。ステップS109からステップS120までの処理が繰返されている間はパスを先に進めるようにパスデータP$(N)が更新される。
【0072】
上記ステップS119の判定がYES(同じアドレスの再出)の場合は、ステップS123に移行する。また、上記ステップS118の判定がYES(終点への到達)の場合は、ステップS121でパス登録カウンタNがインクリメントされるとともに、ステップS122でP$(N)=P$(N−1)と置き換えられてから、ステップS123に移行する。
【0073】
ステップS123以下は、上記のような同じアドレスの再出や終点への到達によりパスを先に進めることが不適当となった場合に、パスの途中の分岐点まで逆行する処理を行うものであり、ステップS123では、起点を示すデータFROM$がP$(N)の右から2番目の文字に置き換えられる。そして、ステップS124〜S126で、ステップS109〜S111と同様の処理により該当するこま地図の検索が行なわれ、該当するこま地図がない場合はステップS127でエラー表示が行なわれる。
【0074】
該当するこま地図があった場合に、ステップS128で、当該こま地図データR$(I)の左1文字が始点入力のデータFR$と一致するか否かの判定により、始点まで逆行したかどうかが調べられる。その判定がNOの場合は、ステップS129でパスを1ポイント分だけ逆行させるようにP$(N)の右端の1文字が除かれるとともに、ステップS130〜S132で、ステップS114〜S116と同様の処理で当該ポイントが分岐点かどうかが調べられる。
【0075】
分岐点でない場合は、ステップS123に戻ってそれ以下の処理が繰り返されることにより、パスの逆行が続けられる。一方、分岐点であれば、ステップS133でR$(I)=RB$(PP)か否かの判定により、既に辿ったパス以外のパスを作るような新たな分岐がないかどうかが調べられ、その判定がYES(新たな分岐なし)の場合は、ステップS134で、データを復活する処理としてR$(I)=RB$(PP)とされてから、ステップS123に戻ってそれ以下の処理が繰り返されることにより、パスの逆行が続けられる。
【0076】
ステップS133の判定がNO(新たな分岐あり)の場合は、ステップS109に戻ってそれ以下の処理が繰り返されることにより、その分岐を通ってパスが先に進むようにパスデータP$(N)の更新等が行われる。
【0077】
上記ステップS128でYES(始点まで逆行)となった場合は、ステップS135〜S137で、上記始点が分岐点かどうかが調べられる。そして、始点が分岐点である場合は、ステップS138で上記ステップS133と同様にして新たな分岐がないかどうかが調べられ、分岐がある場合(ステップS138の判定がNOの場合)は、ステップS139でパスデータP$(N)の右端1文字を除く処理が行われてから、ステップS109に戻ってその以下の処理が繰り返されることにより、分岐を通ってパスが先に進むようにパスデータP$(N)の更新等が行われる。
【0078】
始点まで逆行した場合で、かつ、分岐がない場合や、分岐がある場合でも既に辿ったパスに含まれている場合は、ステップS140でN=N−1とされるとともに、ステップS141で、求められた全パスが表示されてから、終了する。
【0079】
以上のようなルート組立て処理の具体例として、始点及び終点を図2に示すコース上のA点及びV点を始点及び終点として場合につき、パスデータを説明する。この場合、パスデータP$(1)は、最初にステップS108で「A」とされてから、ステップS113を始めて通るときに「AB」とされ、ステップS120までの処理を経てステップS109に戻った後にステップS113を2回目通るときに「ABA」とされる。そして、2番目のポイントであるB点は分岐点であるので2回目にはステップS117の処理が行われるとともに、上記の2回目のパスデータには「A」が同じアドレスとして再出しているので、ステップS119からステップS123以下の処理に移り、ステップS129でパスデータP$(1)が「AB」とされてから、ステップS130〜S133を経てステップS109に戻った後にステップS113を3回目通るときに「ABC」とされる。
【0080】
こうして、特定条件下では逆行が行われながら、パスが先に進むようにパスデータP$(1)の更新が繰り返されることにより、始めてV点まで達したときにパスデータP$(1)は「ABCDEFJKLOPQUV」となり、この順にアドレスマークを通る第1のルートが得られる。
【0081】
終点に達すると別のルートを作成するため、ステップS121の処理でパスデータがP$(2)とされるとともに、分岐点であるO点まで逆行する処理が繰り返されることにより「ABCDEFJKLO」となってから、新たな分岐を通るようにパスデータP$(2)の更新が繰り返されることにより、V点に2度目に達したときにパスデータP$(2)は「ABCDEFJKLORSTUV」となり、この順にアドレスマークを通る第2のルートが得られる。
【0082】
さらに別のルートを作成するように、分岐点であるD点まで逆行する処理が繰り返されてから新たな分岐を通るようにパスデータの更新が繰り返されることにより、V点に3度目に達したときにパスデータP$(3)は「ABCDGHIJKLOPQUV」となり、この順にアドレスマークを通る第3のルートが得られる。また、V点に4度目に達したときにパスデータP$(4)は「ABCDGHIJKLORSTUV」となり、この順にアドレスマークを通る第4のルートが得られる。
【0083】
その後も他のルートを作成すべく処理が続けられるが、本例では第4のルートの作成後にパスが始点まで逆行され、かつ、始点が分岐を有しないので、パスデータ更新処理は終了され、ステップS141によりA点からV点までのルートとして上記のP$(1)〜P$(4)のパスがすべて表示される。
【0084】
つまり、始点と終点とを指定するFROM−TO操作を行いさえすれば、図9〜図12のフローチャートに示す処理により、コース上で始点から終点までの走行可能な全てのルートが自動的に作成される。
【0085】
また、コース作成時に、自動的に各アドレスマークの位置及び各アドレスマーク間の距離が自動的に演算されるので、上記のようにルートが作成されると、各ルートの走行距離も自動的に演算される。そして、各ルートの走行距離の比較に基づき、自動的に最も走行距離の短いルートが最適ルートとして求められる。この最適ルートは、入力操作により変更することも可能である。
【0086】
なお、最適ルートを自動的に求めるときに、上記の例では最も走行距離の短いルートを選ぶようにしているが、各区間の走行速度等を加味して各ルートの走行所要時間を求め、その所要時間が最短のルートを選ぶようにしてもよい。
【0087】
また、上記スイッチバック箇所の探索、ルートの作成等の具体的手法は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して差し支えない。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明は、入力操作に応じて複数のアドレスマークの配置と各アドレスマーク間の経路及び無人搬送車移動方向を決定し、無人搬送車走行用コースのマップをコース表示用画面上で作成してこれを記憶するコース作成手段と、そのマップに基づき、各アドレスマーク毎に当該アドレスマークとその位置から次に移動し得るアドレスマークとを示す区分図表を求めてこれを記憶する区分図表作成手段と、走行始点と終点の入力に応じ上記区分図表に基づいて1乃至複数のルートを求めるルート演算手段と、上記ルート演算手段で求められたルートの中から最適ルートを選出するルート決定手段とを備えているため、コース表示用画面上でコースの作成を簡単に、かつ、自由に行うことができる。その上、区分図表が有効に利用されて、無人搬送車が走行するルートが自動的に作成される。
【0089】
従って、コースの作成及び走行ルートの作成を含むプログラムの作成を簡単に行うことができる。
【0090】
さらに、無人搬送車走行用コース上の一箇所での無人搬送車の前進、後進の方向を指示する入力とスイッチバック等の方向変換要因とに基づいて無人搬送車走行用コースの各箇所での無人搬送車の前進、後進の方向を決定する方向決定手段を備えているため、簡単な入力操作で無人搬送車の方向を決定して走行の制御に有効に利用することができる。
【0091】
また、上記発明において、上記マップ中で無人搬送車同士が走行を邪魔し合う可能性のある区域を判別して待合せゾーンとする待合せゾーン決定手段を備えていれば、待合せゾーンの決定を自動的に行うことができる。そして、この待合せゾーンを無人搬送車の走行の制御に利用し、当該ゾーン内に無人搬送車が入っているときに当該ゾーンに向かう他の無人搬送車を待機させるといった待合せ制御を行うことにより、複数の無人搬送車の走行を円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による走行プログラム作成装置を含む無人搬送車制御システムを示すブロック図である。
【図2】コース表示用画面とこの画面に表示されたコースとを示す説明図である。
【図3】こま地図データ及び分岐点データを示す図表である。
【図4】スイッチバック点を見つける処理を示すフローチャートである。
【図5】上記スイッチバック箇所の経路及び接線ベクトルを示す説明図である。
【図6】2つの接線ベクトルの方向を示す説明図である。
【図7】こま地図にAGVの前進、後進の方向のデータを付加する処理を示すフローチャートの一部である。
【図8】図7のフローチャートの続きを示す図である。
【図9】(a)(b)(c)はそれぞれAGVの方向変換要因について示す説明図である。
【図10】行止り点を調べる処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)(b)はそれぞれ待合せゾーンの具体例を示す説明図である。
【図12】ルートを組み立てる処理を示すフローチャートの一部である。
【図13】図12のフローチャートの続きを示す図である。
【図14】図12、図13のフローチャートの続きを示す図である。
【符号の説明】
1 走行プログラム作成用の編集装置
2 無人搬送車
3 中央制御盤
10 CPU
15 コース作成手段
16 区分図表作成手段
17,26 ルート演算手段
18,27 ルート決定手段

Claims (4)

  1. 無人搬送車走行用コースを特定する要素として、位置を表示するための複数のアドレスマークと各アドレスマーク間の直線状もしくは曲線状の経路と各経路の無人搬送車移動方向とを入力操作に応じて決定し、これらの要素の組み合わせにより得られる無人搬送車走行用コースのマップをコース表示用画面上で作成するとともに、これを記憶するコース作成手段と、
    上記コース作成手段により作成された無人搬送車走行用コースのマップに基づき、各アドレスマーク毎に、当該アドレスマークに連なる経路とその経路の無人搬送車移動方向とによりその位置から次に移動し得る位置のアドレスマークを求めて、当該アドレスマークと次に移動し得る位置のアドレスマークとを表す区分図表を作成し、これを記憶する区分図表作成手段と、
    上記区分図表作成手段により作成された区分図表と上記経路及び無人搬送車移動方向に基づいて、無人搬送車走行用コースのマップ中で無人搬送車をスイッチバックさせるべき箇所であるスイッチバック点を判別する手段と、
    無人搬送車走行用コースのマップ中での上記スイッチバック点を含む無人搬送車の方向変換要因を調べ、無人搬送車走行用コース上の一箇所での無人搬送車の前進、後進の方向を指示する入力と上記方向変換要因とに基づいて無人搬送車走行用コースの各箇所での無人搬送車の前進、後進の方向を決定して、この方向を上記区分図表作成手段により作成される区分図表に付加するデータとする方向決定手段と、
    上記コース作成手段により作成されたコース上での無人搬送車の走行始点と終点の入力に応じ、上記区分図表に基づいて走行始点に相当するアドレスマークから走行終点に相当するアドレスマークまでの1乃至複数のルートを求めるルート演算手段と、
    上記ルート演算手段で求められたルートが複数ある場合に走行距離または所要時間が最も短い最適ルートを抽出するルート決定手段と
    を備えたことを特徴とする無人搬送車の走行プログラム作成装置。
  2. 上記スイッチバック点の判別は、無人搬送車走行用コース上の1つの点に対して少なくとも2つの経路が非直線的に接続される箇所においてその両経路の進行方向を示す2つのベクトルを求め、この両ベクトルが進行方向の反転もしくはこれに近似する方向変化を示すという条件を調べるものであることを特徴とする請求項1記載の無人搬送車の走行プログラム作成装置。
  3. 無人搬送車制御用のデータとして、コース作成手段により作成された無人搬送車走行用コースのマップ中の特定区域内に無人搬送車が入っているときに当該区域に向かう他の無人搬送車を待機させる待合せ制御を行わせるべく、特定区域を待合せゾーンとする待合せゾーン決定手段を備え、この待合せゾーン決定手段は、上記マップ中で行止り、合流、分岐、カーブのうちの一乃至複数の要素を有する区域を判別して待合せゾーンとするようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無人搬送車の走行プログラム作成装置。
  4. 行止り箇所の判別は、アドレスマークが付された各点の区分図表に基づいて2つの点の間で往復移動可能で、かつ、そのうちの一方の点からは他方の点にのみ移動可能であるという条件を満足する箇所を調べるものであることを特徴とする請求項3記載の無人搬送車の走行プログラム作成装置。
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