JP3714423B2 - 光ファイバテープ心線の分岐方法および光ファイバテープ心線の分岐工具ならびに光ファイバテープ心線 - Google Patents

光ファイバテープ心線の分岐方法および光ファイバテープ心線の分岐工具ならびに光ファイバテープ心線 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバテープ心線の分岐方法および光ファイバテープ心線の分岐工具ならびに光ファイバテープ心線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ファイバテープ心線の分岐方法としては、剪断力により光ファイバを一括被覆している外被を切断して光ファイバを分岐するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、図8に示すような分岐工具100では、凸状の刃部101aを有する上刃101と、この凸状の刃部101aが嵌合する凹状の刃部102aを有する下刃102との協働により、上刃101と下刃102の間に位置決めされた光ファイバテープ心線103を所望の本数、例えば1本、2本、1本に分岐するものもある。
また、切削刃を外被に切り込ませて、切削刃と抑え部材で光ファイバテープ心線を挟んで光ファイバテープ心線を相対的に移動させて外被を除去するものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−75929号公報(第3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平8−114713号公報(第3、4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した特許文献1、2に示されている技術においては、刃と光ファイバテープ心線103の相対的位置がずれたり、あるいは光ファイバテープ心線103に含まれる光ファイバ104のピッチがずれて製造されているような場合には、刃が光ファイバ104を傷つけて光ファイバの強度が低下するおそれがある。
さらに、光ファイバテープ心線103の光ファイバ104が1本でも信号を伝えている活線状態であれば、分岐時に当該活線が瞬間的に断線するので、前述した分岐方法では光ファイバ104を分岐することができない。
【0005】
本発明の目的は、容易且つ安全に光ファイバを分岐することのできる光ファイバテープ心線の分岐方法および光ファイバテープ心線の分岐工具ならびに光ファイバテープ心線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、複数本の光ファイバを外被により一体化した光ファイバテープ心線から光ファイバを分岐する光ファイバテープ心線の分岐方法であって、複数の線材からなる可撓性部材を光ファイバテープ心線に前記光ファイバの配列面の少なくとも一方の側方から押し当て、光ファイバテープ心線の外被に傷を与えまたは外被を剥がして、光ファイバテープ心線を光ファイバに分岐することを特徴としている。
【0007】
このように構成された光ファイバテープ心線の分岐方法においては、可撓性部材を光ファイバテープ心線に押し当て、光ファイバテープ心線の外被に傷を与えたり剥がしたりすることにより、容易に光ファイバを分岐することができる。
【0008】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、可撓性部材を光ファイバテープ心線に対して相対的に移動させることにより、光ファイバテープ心線を光ファイバに分岐してもよい。
【0009】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、光ファイバの配列面の両側から可撓性部材を光ファイバテープ心線に押し当ててもよい。
【0010】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、光ファイバの配列面の一方の側方から可撓性部材を光ファイバテープ心線に押し当て、他方の配列側面は固定してもよい。
【0011】
このように構成された光ファイバテープ心線の分岐方法においては、光ファイバの曲がりの発生を抑制し、伝送損失の増大を抑えつつ、容易に光ファイバを分岐できる。
【0012】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、光ファイバテープ心線の外被に有機溶剤を染み込ませて光ファイバテープ心線を光ファイバに分岐してもよい。
【0013】
このように構成された光ファイバテープ心線の分岐方法においては、外被がアルコール等の有機溶剤により膨潤して柔らかくなるので、容易に分岐することができる。
【0014】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、可撓性部材に有機溶剤を保持させて、光ファイバテープ心線を光ファイバに分岐してもよい。
【0015】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、分岐時の光信号の伝送損失変動量が0.5dB以下であることが望ましい。
【0016】
このように構成された光ファイバテープ心線の分岐方法においては、活線を含む光ファイバテープ心線を、当該活線を瞬断させることなく分岐できる。
【0017】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、可撓性部材のヤング率が100MPa以上2000MPa以下であることが望ましい。
【0018】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、可撓性部材が複数の線材であってもよい。
【0019】
このように構成された光ファイバテープ心線の分岐方法においては、可撓性部材は複数の線材から構成されているので、光ファイバテープ心線に押し付けた際に光ファイバテープ心線の形状に沿って自由に変化できる。例えば光ファイバテープ心線を構成する光ファイバ間の凹部に侵入することができ、容易に光ファイバの分離を行うことができる。
【0020】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、線材の先端に角がついていてもよい。
【0021】
このように構成された光ファイバテープ心線の分岐方法においては、線材の先端に角がついているので、線材の先端が光ファイバテープ心線の外被に当接した際に容易に傷つけたり剥いだりすることができ、効率よく光ファイバの分岐を行うことができる。
【0022】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、線材の外周が、0.1mm〜1.5mmであることが望ましい。
【0023】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、線材の長さが0.1mm〜10mmであることが望ましい。
【0024】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、前記外被の厚さが20μm以下である光ファイバテープ心線を光ファイバに分岐してもよい。
【0025】
このように構成された光ファイバテープ心線の分岐方法においては、外被の厚さが20μm以下の場合に効果的に光ファイバの分岐を行うことができる。
【0026】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法は、平板上または円弧板上に前記光ファイバテープ心線を載置し、前記光ファイバテープ心線を押さえて、前記光ファイバテープ心線を前記光ファイバに分岐してもよい。
【0028】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線は、厚さが20μm以下の外被で複数本の光ファイバが一括被覆された光ファイバテープ心線であって、可撓性部材を押し当てて前記光ファイバテープ心線の長さ方向に相対的に移動することにより前記光ファイバに分岐され、分岐時の光信号の伝送損失変動量が0.5dB以下であることを特徴としている。
【0029】
また、本発明にかかる光ファイバテープ心線は、波長1550nmの信号光が伝達されるときのMFDが10.0μm以下であることが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバテープ心線の分岐方法および光ファイバテープ心線の分岐工具ならびに光ファイバテープ心線の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る光ファイバテープ心線の分岐方法を実行するための光ファイバテープ心線の分岐工具の説明図、図2(A)は本発明にかかる光ファイバテープ心線の断面図、図2(B)は斜視図である。
【0031】
図2(A)および(B)に示すように、本発明に係る光ファイバテープ心線10は、複数本(ここでは例えば4本)の光ファイバ(着色心線)11を接触させて並列し、その外側を光ファイバテープ心線10の全長にわたって外被12により一体化したものである。外被12としては、例えば紫外線硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を使用することができる。なお、光ファイバ11は、コア13aおよびクラッド13bからなるガラスファイバ13の外側に、保護被覆14および着色層15を設けたものである。あるいは、保護被覆14のみを有するものであってもよい。
【0032】
図2(A)に示すように、この光ファイバテープ心線10では、並列した4本の光ファイバ11の外側に塗布した外被12である紫外線硬化型樹脂は、隣り合う光ファイバ11の間に形成される凹部16において、隣り合う光ファイバ11の共通接線17を超えないように塗布されている。また、凹部16における外被12は、なめらかな曲線で連続した形状となるように形成する。
【0033】
光ファイバ11の外形をD、外被12の厚さをtとし、凹部16の光ファイバテープ心線10の厚さをGとすると、GはD−50μm以下とするのが望ましい。ここで、光ファイバ11の外形Dが250μmの場合には、凹部16の光ファイバテープ心線10の厚さGは200μm以下となる。これは、光ファイバテープ心線10の凹部16の厚さGが大きくなると、剛性が増すため外被12が割れにくくなって分岐性が低下するためである。
【0034】
外被12の厚さtは、20μm以下とするのが望ましい。また、光ファイバ11を分岐したときの光信号の伝送損失変動が0.5dBより大きくなると、通信が遮断されるおそれがあるので、活線分岐できない。このため、伝送損失変動を0.5dB以下とすることが望ましい。なお、光ファイバ11の分岐時における伝送損失変動の測定は、例えば光ファイバテープ心線10の一方の端面を光源に接続し、他方の端面を受光器に接続する。そして、光源から波長1.55μmの光を光ファイバ11に入射し、受光器により受光されたパワー(例えば、電圧に変換された波形)をモニターし、分岐により生じた外乱によって損失が生じ、パワーが減衰することにより測定できる。
【0035】
また、光ファイバテープ心線10の分岐性及び一体化は、外被12を形成する樹脂の物性に関係する。例えば、ヤング率が大きな樹脂を外被12に用いると、凹部16における光ファイバテープ心線10の厚さGが小さくても一体化させる拘束力は足りる。逆に、ヤング率が大きい場合には、光ファイバ11の分岐性の観点から凹部16における光ファイバテープ心線10の厚さGを小さくする必要がある。なお、ヤング率の測定は、まず、外被12を形成する樹脂を用いてシートを作製し、JIS K7113に準拠し、JS2号ダンベルに成形された試験片を用いて標線間距離25mm、引張り速度1mm/分の条件で引っ張り、ヤング率を算出した。
【0036】
次に、図1に示すように、光ファイバテープ心線の分岐工具20は、光ファイバテープ心線10の一側面である外被12の上面12Uに当接する第1当接部としての上ベース21と、光ファイバテープ心線10のもう一方の側面である外被12の下面12Lに当接する第2当接部としての下ベース22とを有している。上ベース21または下ベース22の少なくとも一方(図1(B)においては両方)に可撓性部材としての線材23が多数本設けられており、線材23の先端は、略同一平面上に位置するように整えられている。
【0037】
なお、可撓性部材としては、線材23のほか、板状部材が考えられる。また、線材23の材質としては、例えばナイロン、PP、塩化ビニル、エステル、コーネックス等の化学性部材や、例えば馬毛、豚毛,白山羊毛,ベラ毛等の動物性部材が考えられる。但し、金属製のものは光ファイバ11を傷つけるおそれがあるため適さない。なお、現在最も好適な材料としては、ナイロンを挙げることができる。
【0038】
線材23の寸法としては、外周が0.1mm〜1.5mmのものが好適である。外周が1.5mmを超えると太すぎて光ファイバテープ心線の各心線の間に傷を付けることが難しくなる。外周が0.1mmより短いと細すぎて線材の腰が弱くなりがちであり、外被に傷をつけにくくなる。線材の長さは0.1mm〜10mmが好適である。長さが10mmを超えると線材の腰が弱くなりがちであり、長さが0.1mmに満たないと、線材の可撓性がなくなり外被に傷を付けにくくなる。最も好ましくは、直径0.20〜0.30mm、毛丈2〜6mmとするのがよい。
また、上ベース21や下ベース22に取り付ける際に、線材23の配置が密である方が効率的に外被に傷を与え、または、外被を剥がすことができるので分岐し易い。
【0039】
線材23としては、ヤング率が100MPa以上2000MPa以下のものを使用するが、特に、200MPa以上1500MPa以下が好ましい。また、線材23の先端には、図3(A)に示すように、角24を設けるのが好ましい。あるいは、図3(B)に示すように、鋭角の角25を設けることもできる。これにより、線材23の先端が光ファイバテープ心線10の外被12に当接した際に、効率よく外被12に傷つけたり、削ったりすることができる。
【0040】
次に、上述した分岐工具20を用いた本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法について説明する。
図1(A、B)に示すように、光ファイバテープ心線10を、分岐工具20の上ベース21および下ベース22で挟み、線材23を光ファイバテープ心線10の外被12に近づけていく。さらに、分岐工具20を光ファイバテープ心線10に押し付けると、図1(C)に示すように、線材23は撓み、この撓んだ線材23の先端の角が光ファイバテープ心線10の外被12に傷を付け始める。分岐工具20の押し付け(図1C)及び押し付け解除を繰り返すことで外被12の傷は、大きくなり、あるいは、外被12が剥がれたりする。また、分岐工具20を押し付けた状態で、分岐工具20を光ファイバテープ心線10の長手方向(図1(A)中左右方向)へ相対的に移動させ、線材23の先端で外被12に傷を付けたり剥いだりして光ファイバ11を分岐する。分岐工具20、光ファイバテープ心線10のいずれか、或いは、両方を移動させてもよい。線材23は、可撓性であるから、光ファイバテープ心線10の外被12に押し当てたときに、線材23が反って、線材23の先端の角が外被12にあたる。この状態で、分岐工具20はまたは光ファイバテープ心線10を動かすと線材23(可撓性部材)が外被12に傷を与えたり、あるいは、外被12を剥がしたりする。こうして光ファイバテープ心線10の外被12が破壊され、各光ファイバ心線に分岐される。
可撓性部材23を光ファイバテープ心線に押し付ける力を調整すれば、分岐時の光信号の伝送損失変動量が0.5dB以下となり、活線を含む光ファイバテープ心線であっても、当該活線を瞬断させることなく分岐することができる。
【0041】
また、分岐工具20を光ファイバテープ心線10に押し付ける前に、光ファイバテープ心線20の外被12(12U,12L)にアルコール等の有機溶剤を塗っておいてもよい。有機溶剤は、樹脂製の外被12を柔らかくするので、分岐工具20を外被12に押し付けた際、あるいは、分岐工具20と外被12とが相対移動を行った際に、外被12に傷を付けたり、剥がしたりすることが容易にできる。
【0042】
また、分岐工具20の線材23を有機溶剤に浸したのちに、分岐工具20を光ファイバテープ心線10の外被12に押し付けるたり、分岐工具20と外被12とを相対移動させることでも、同様に、外被12を柔らかくして、容易に分岐することができる。
【0043】
さらに、光ファイバテープ心線を分岐するときに、光ファイバテープ心線に過度な曲げが生じないように平板上または円弧板上に、光ファイバテープ心線を載置することが好ましい。特に、光ファイバテープ心線を把持可能な把持具を用いることが好ましい。図4には、把持具の一実施形態を示しており、(A)は正面図、(B)は側面図である。把持具40は、光ファイバテープ心線10を保持するための載置部41と把持部42からなる。載置部41は、光ファイバテープ心線に過度な曲げが生じないように平板または曲率半径が30mm以上の円弧板を用いる。把持部は単なる突起等で形成してもよいが、光ファイバテープ心線の分岐作業を、例えば、手作業で行うときには、把持部42はリング形状のものを用いて、リングに指を挿入して把持すると便利である。光ファイバテープ心線を分岐するときに、分岐工具20を一方の手に、把持具40の把持部41に他方の手の人差し指を挿入して持つ。把持具40の載置部41に光ファイバテープ心線10を置いて、その上から親指で押さえる。光ファイバテープ心線10を把持して分岐することで、光ファイバテープ心線が曲がるのを抑え、信号光の伝送損失が増大するのを防ぐことができる。
【0044】
以上、前述した光ファイバテープ心線の分岐方法および光ファイバテープ心線の分岐工具ならびに光ファイバテープ心線によれば、容易且つ安全に光ファイバテープ心線10から光ファイバ11を分岐することができる。
【0045】
光ファイバテープ心線を長手方向にわたって分岐する場合は、上記の方法で光ファイバテープ心線の一部(数mm程度の長さ)を光ファイバに分岐した後、分岐した光ファイバ間に線材等の引き裂き部材を挿入して、当該引き裂き部材を長手方向に移動させて光ファイバテープ心線を裂いて分岐してもよい。光ファイバテープ心線を裂くための線材は、分岐工具の線材よりも腰の強いものが好ましい。線材の径は、0.1〜0.5mm、長さは10〜30mmが好ましい。素材は、ナイロン等が使用できる。光ファイバテープ心線を裂くための線材を長さが5〜20cm程度の棒の先にブラシ状につけた引き裂き治具を使用することが好ましい。光ファイバテープ心線が、クロージャ内に入れられている場合、光ファイバテープ心線が輻輳しているので、分岐工具をクロージャ内で移動させることは難しい。この場合、前記したような引き裂き治具を使用すると、ある長さにわたって光ファイバテープ心線を光ファイバに分岐することが容易になる。
【0046】
なお、本発明の光ファイバテープ心線の分岐方法および光ファイバテープ心線の分岐工具ならびに光ファイバテープ心線は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した分岐工具20では、光ファイバテープ心線10の上下両面12U、12Lに線材23を当接させる場合について説明したが、いずれか一方のみに線材23を設け、他方は端に光ファイバテープ心線10を固定するだけでもよい。
また、光ファイバテープ心線10として4本の光ファイバ11を一括したものについて説明したが、本数は不問である。
【0047】
【実施例】
次に、光ファイバテープ心線の分岐工具の具体的な実施例について説明する。図5(A)は分岐工具の側面図、(B)は光ファイバテープ心線の分岐を行っている状態の分岐工具の側面図、図6は、図5(B)中V方向から見た平面図、図6は分岐を行った結果を示す表である。なお、図1〜図3において前述した部位と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0048】
図6(A)および(B)に示すように、分岐工具30は、上ベース21Uおよび下ベース22Lを、全体U字状のばね部材31により連結し、作業者が力を加えない解放状態では上ベース21Uと下ベース22Lが所定の間隔で保持されるようになっている。この状態では、上ベース21Uおよび下ベース22Lに設けられている線材23の先端は接触しない。ばね部材31には、間隔調整用ねじ32が設けられている。このつまみ32aを回して間隔調整用ねじ32の突出量を調整することにより、作業者がばね部材31を押圧した際に上ベース21Uと下ベース22Lが接近する間隔を制限することができるようになっている。なお、上ベース21Uおよび下ベース22Lは各々ねじ33によりばね部材31に取り付けられているので、線材23が消耗した際に容易に交換できるようになっている。
【0049】
光ファイバテープ心線10から光ファイバ11を分岐させる際には、上ベース21Uと下ベース22Lの間に光ファイバテープ心線10を入れて、ばね部材31を指で挟んで線材23を光ファイバテープ心線10の外被12に押し付ける。そして、ばね部材31を開放して線材23を光ファイバテープ心線10から放す。再び、線材23を押し付けて、また開放する。これを数回繰り返して光ファイバ11を分岐させる。あるいは、図6に示すように、分岐工具30から5〜10cm離れた位置で光ファイバテープ心線10を指で挟んで固定する。この状態で分岐工具30を光ファイバテープ心線10に沿って約10cm程度スライドさせ(図6中矢印方向)、線材23により光ファイバテープ心線10の外被12をしごいて光ファイバ11を分岐させる。
【0050】
図7に示すように、可撓性部材として外径0.21mmのナイロンを用いた分岐工具30により光ファイバ11の分岐を行った。図5に示す分岐工具30で、光ファイバテープ心線を挟み、その後、開放することを繰り返して光ファイバテープ心線を各光ファイバ心線に分岐することを条件▲1▼として行った。分岐工具30で光ファイバテープ心線を挟んだまま長手方向に分岐工具30を移動させて光ファイバテープ心線を各光ファイバに分岐することを条件▲2▼とした。
いずれの場合も、伝送損失変動0.5dB以内で光ファイバ11の分岐を容易に行うことができた。なお、測定は、ベース電圧11.5〜12mV、トリガーレベル11.5mVで行った。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明にかかる光ファイバテープ心線の分岐方法によれば、複数本の光ファイバを外被により一体化した光ファイバテープ心線から光ファイバを分岐する際に、可撓性部材を光ファイバテープ心線に押し当て、あるいは、可撓性部材を光ファイバテープ心線の長手方向へ相対的に移動させて、外被に傷を与えたり剥がしたりすることにより、容易に光ファイバを分岐することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る光ファイバテープ心線の分岐方法および分岐工具の一実施形態を示す側面図、(B)は正面図、(C)は可撓性部材が撓んだ状態を示す側面図である。
【図2】(A)は本発明に係る光ファイバテープ心線の断面図、(B)は全体斜視図である。
【図3】(A)および(B)は、線材の先端に設けられている角の説明図である。
【図4】本発明にかかる把持具の一実施形態を示しており、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図5】(A)光ファイバテープ心線の分岐工具の実施例を示す側面図であり、(B)は分岐を行っている状態を示す側面図である。
【図6】図5(B)中V方向から見た平面図である。
【図7】分岐結果を示す表である。
【図8】従来の光ファイバテープ心線の分岐工具の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバテープ心線
11 光ファイバ
12 外被
20、30 分岐工具
21 上ベース(第1当接部)
22 下ベース(第2当接部)
23 線材(可撓性部材)
24、25 角
40 把持具

Claims (13)

  1. 複数本の光ファイバを外被により一体化した光ファイバテープ心線から前記光ファイバを分岐する光ファイバテープ心線の分岐方法であって、
    複数の線材からなる可撓性部材を前記光ファイバテープ心線に前記光ファイバの配列面の少なくとも一方の側方から押し当て、前記光ファイバテープ心線の外被に傷を与えまたは前記外被を剥がして、前記光ファイバテープ心線を前記光ファイバに分岐することを特徴とする光ファイバテープ心線の分岐方法。
  2. 前記可撓性部材を前記光ファイバテープ心線に対して相対的に移動させることにより、前記光ファイバテープ心線を前記光ファイバに分岐することを特徴とする請求項1に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  3. 前記光ファイバの配列面の両側から前記可撓性部材を前記光ファイバテープ心線に押し当てることを特徴とする請求項1または2に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  4. 前記光ファイバの配列面の一方の側方から前記可撓性部材を光ファイバテープ心線に押し当て、他方の配列側面は固定することを特徴とする請求項1または2に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  5. 前記光ファイバテープ心線の外被に有機溶剤を染み込ませて前記光ファイバテープ心線を前記光ファイバに分岐することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  6. 前記可撓性部材に有機溶剤を保持させて、前記光ファイバテープ心線を前記光ファイバに分岐することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  7. 分岐時の光信号の伝送損失変動量が0.5dB以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  8. 前記可撓性部材のヤング率が100MPa以上2000MPa以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載した光ファイバテープ
    心線の分岐方法。
  9. 前記線材の先端に角がついていることを特徴とする請求項1に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  10. 前記線材の外周が、0.1mm〜1.5mmであることを特徴とする請求項1に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  11. 前記線材の長さが0.1mm〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  12. 前記外被の厚さが20μm以下である光ファイバテープ心線を光ファイバに分岐することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
  13. 平板上または円弧板上に前記光ファイバテープ心線を載置し、前記光ファイバテープ心線を押さえて、前記光ファイバテープ心線を前記光ファイバに分岐することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載した光ファイバテープ心線の分岐方法。
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